

甲府市の「塩澤寺」へ開運祈願についてインタビューしました!
塩澤寺は山梨県甲府市にあるお寺です。「厄除けのお寺」として全国的にも有名な塩澤寺では、縁結びのご利益だけでなく、たくさんの開運報告が後を絶ちません。
今回は塩澤寺の住職である佐藤光政さんに、開運のお寺としての由来や、参拝者からの開運報告について詳しくお話を伺いました。
「なかなかいい人に出会えない」と悩んでいる方だけでなく、行き詰まりを感じている方すべてにご覧いただきたい内容となっています。
塩澤寺の開運祈願の由来について
開運のお寺としての由来を教えてください
住職
西暦808年、真言宗の開祖である弘法大師・空海上人が、衆生救済のため諸国を巡り歩いて修行していました。
その時、当地にて旧暦正月14日の早朝に、厄除地蔵菩薩の霊験を感じられたそうです。
そして、六寸余りの座像を彫刻し仏の魂を迎え入れたのが、当山の始まりです。
西暦955年には、空也上人という念仏の高僧が遊行中に、その素晴らしい霊験に感嘆して6尺有余の開扉仏(かいとぶつ)を建立しました。
そして、福田山塩澤寺と称することとなりました。開扉仏は、現在も塩澤寺の地蔵堂に安置されており、国指定重要文化財となっています。
これらの事から、当山のご本尊は2体ある数少ない寺院と言われています。
インタビュアー
西暦808年というと、平安時代の前期になりますね。なんだかすごいお話です。歴史の深さに圧倒されます。
住職
その後、西暦1266年には、蘭渓道隆禅師という臨済宗建長寺派の開祖が、傷んだ堂宇を復興しました。
さらに時代は下って徳川家光の時代には、この湯村の地に幽閉されていた後陽成天皇の皇子・良純親王が、当山地蔵尊を厚く拝し、祭りを盛んにするなど当山の興隆に関わったと言われています。
インタビュアー
塩澤寺には、たくさんのお偉い方が関わっているのですね。それだけ著名な人たちが信仰したわけですから、そのご利益はいかほどかと期待が膨らみます。
塩澤寺の開運祈願のご利益について
開運祈願したい場合は何をすれば良いでしょうか?
住職
まず、祈願成就を祈る護摩札祈願をおすすめしています。その他には、祈願成就旗の掲揚をされる方もいらっしゃいます。祈願成就旗は、1年を通して地蔵堂前に掲揚されます。
護摩木祈願やお団子・豆・硬貨を本尊にお供えされるのも良いかと思います。
インタビュアー
先ほど地蔵堂前を通った時に、たくさんの赤い旗が揚がっていましたが、あれが祈願成就旗だったのですね。
護摩札祈願はよく聞きますが、祈願成就旗を揚げるというのは珍しいのではないでしょうか。1年を通して揚げていただけるので、強い願いがある時に良さそうです。
住職
その他には、いわゆる“厄年”といわれる年回りに祈願をすると、厄が祓われると伝えられています。
特に2月13日と14日の一昼夜にわたる大祭当日に参拝すると、厄除に限らず、様々な願い事が成就すると言われています。
また、毎月第四土曜に行われる月例護摩供への参加もご利益があると言われております。
インタビュアー
厄払いは日本で古くから大切にされている風習ですよね。
塩澤寺の大祭当日の様子を拝見しましたが、道いっぱいに人が集まっており、すごい賑わいですね。
これだけの人が塩澤寺に厄払いや願い事を祈願するために参拝されるなんて、よほどご利益があると言われているのでしょうね。
開運祈願の参拝者はどのくらいいらっしゃいますか?
住職
塩澤寺は、大祭中心にお参りをいただいており、その数は昨年令和元年だと約3万人にものぼります。令和2年の今年はコロナ禍問題の影響もあり、約1万5千人です。
インタビュアー
3万人ですか!?塩澤寺の人気がよくわかります。
コロナの影響で少なくなったとはいえ、こういう状況下だからこそ参拝や祈願をしたいという人は多いでしょうね。
コロナが落ち着いたら、きっと多くの人が塩澤寺に訪れるのではないでしょうか。
参拝者からの報告や感想で印象に残るエピソードはありますか?
住職
参拝者さんからは、たくさんのご報告をいただいています。
崖の下に落ちるような大きな交通事故にあった方がいました。
「無傷で助かった」とご報告をくださったのですが、事故の時に信者さんの胸のポケットに入れていた木製の御守が真二つに割れていたそうです。
「運転操作のミスでガードレールに突っ込みそうになったが、気が付いたら車の前後の左車輪がガードレールに載っかっていて、無傷で助かった」という方もいました。
インタビュアー
まさに「塩澤寺のご本尊様が守ってくださったのかも」と思えるエピソードですね。
お守りは、持っている人の身代わりになってくれる時に、弾けたり割れたりするという話を聞いたことがあります。
塩澤寺のお守り、私もぜひ受けていきます。
住職
お守りについては、こんなエピソードもあります。
少額のお守りを、お土産として関係者に配った方がいました。その後、そのお守りをもらった人達から「良いことが起きた」と感謝されたそうです。
また、いくつもの寺社にお参りしたが、子宝に恵まれずに悩んでおられる方がいました。塩澤寺にて子宝安産祈願を行ったところ、翌々月に懐妊したとご報告をいただきました。
インタビュアー
お守りを配ったことで大切な人たちに幸運が訪れるなんて、素敵ですね。私も、家族や友達に買って帰ろうと思います。
ずっと子宝に恵まれなかった方も、本当に嬉しかったでしょうね。
これだけの幸運のエピソードをお聞かせいただき、私もすごく幸せな気持ちになりました。
開運祈願で参拝される方はどのような方が多いですか?


住職
やはり、通称「厄地蔵さん」と呼ばれている通り、人生に25回、大厄は4~5回あるという厄年を災難に遭うことなく過ごしたい方々が多いです。
特に御利益が大きいといわれる大祭は2月13日と14日という時期の為、受験合格や就職成就を願って参拝される方もいます。
また、バレンタインデーということで縁談・恋愛成就の祈願の方もいますし、家内安全・当業繁栄・身体健全・病気平癒の御祈願の方など様々です。
インタビュアー
厄払いがメインではあるようですが、本当にいろんな開運祈願で参拝されるのですね。
人によって願いは様々ですが、先ほどのエピソードを聞く限り、どんな願いでも受け入れてくれるような、寛大さを感じます。
昔から、地元民の心のよりどころとなり、支えになっていたのでしょうね。
開運のお守りや絵馬、おすすめスポットはありますか?
住職
地蔵堂前にてご本尊への祈願を行えます。また、ご本尊とは別に、屋外に身の上安全祈願の「首浮き地蔵尊」もございます。
その他、疫病退散平癒祈願の「須佐小社」、縁結びと安産祈願の「塩釜明神小社」もおすすめです。
この2つの小社は、明治初期の神仏分離で廃社されましたが、当山の開創1200年の時に復興祭祀しました。
インタビュアー
縁結びのご利益がほしいなら、地蔵堂前でご本尊様に祈願してから、「塩釜明神小社」にも参拝すると良さそうですね。
実は先ほど、「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」という優しいお顔をしたお地蔵様を見たのですが、珍しいお名前ですよね。どういったお地蔵様なのでしょうか?
住職
「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」は、悩みやぼやきを聞いて欲しい方々のためのお地蔵様です。悩みを1人語って地蔵尊に聞いていただくとスッキリしますよ。
御守・絵馬・紙札は多種ございます。一年中お授けしております。
インタビュアー
誰にも言えない悩みや愚痴ってありますよね。私はあまり人に愚痴を言いたくないのですが、心のうちに秘めているものはあります。
「愚痴ぼやき聞き地蔵尊」なら、ただただ聞いてくれてすっきりしますね。それに、あの優しいお顔を見ていると心も静まり、癒されていくのではないかと思います。
塩澤寺の歴史・見どころについて
塩澤寺はどのようなお寺か教えてください
住職
塩澤寺は、厄払いの祈願を行う大祭や月例護摩供を中心とした、真言宗所属の信徒寺院です。県外からお参りにお越しになる方々も多数いらっしゃいます。
インタビュアー
県外からもたくさん参拝者さんがいるというのはスゴイですね。それほど有名で、また親しまれている証ですね。
塩澤寺を訪れた際の見どころはどこですか?
住職
屋外からの参拝のみになりますが、地蔵堂の中に祀られているご本尊の厄除地蔵菩薩をぜひご覧ください。
樹齢500年の県指定天然記念物「舞鶴松」も見ものです。横に長く伸びた枝の全長は35mにもなります。
インタビュアー
塩澤寺に訪れる人は、ご本尊様への参拝が目的ですから、絶対に外せませんね。
舞鶴松とは、塩澤寺の門の前まで伸びている松のことですよね。
ものすごい迫力で、驚きました。とても立派な松なので、この舞鶴松を見るために塩澤寺を訪れる人も多いのではないでしょうか。
住職
また塩澤寺では、「甲府山の手七福神」霊場のうちの一尊として、「福田大黒天」をお祀りしております。
その他、近くには古墳もありますよ。
インタビュアー
甲府の七福神めぐりとして、7ヶ所のお寺や神社に参拝し御朱印を集めるというイベントがあるそうですね。願い事をしながら甲府の町を散策できるので、とても楽しそうです。
天気の良い日であれば、境内から富士山も見えると聞きました。
塩澤寺は、古墳や富士山など、参拝以外にも楽しめますね。
良縁に巡り合えないと悩む人へメッセージ
住職
塩澤寺の考える良縁とは、単に男女の縁だけでなく、家族・友達・仕事仲間などのあらゆる人の縁のことを想定しています。
異性との縁はいまひとつと思う方でも、他の良縁には恵まれている方は結構いらっしゃるのではないかと考えます。
あえて異性との良縁ということで言えば、その方が考える特定の異性との縁を結ぶということでなく、“人智を越えた仏の世界から見た、その方にとってより良い縁”を結ぶことであると考えて、御祈願させていただいております。
たくさんの信徒様方との関りから気が付いた事があります。
それは、良縁に限らず、諸祈願成就への道というのは逆説的な言い方になりますが、何かを欲しいと願わないでただ感謝することかと感じております。
例えば、神仏をひとりの人間と仮定した場合を考えるとよくわかります。
会えば頼み事ばかりしてくる人間と、会った時には穏やかに「お世話になりありがとうございます」とただ感謝の言葉を口にする人間がいたとします。
この場合、人がどちらの人間のために時間を割きたくなるかは自明の理です。
祈願成就への道には、感謝・仏恩感謝・神恩感謝・報恩謝徳という気持ちが最も大切であると考えます。
最後に、仏教的な格言ではありませんが、「人生塞翁が馬」という言葉を送ります。
今否定的な思いを抱くような目の前の状況も、後になって考えれば、良い結果をもたらすために必要な過程であったとわかる時が往々にしてあることも付け加えておきたいと思います。
インタビュアー
とても勉強になりました。
相手が誰であっても、求めるばかりでは良い結果にはならないというわけですね。つい自分の要望ばかりに気がいってしまいますが、感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
塩澤寺の基本情報
住所 | 〒400-0073 山梨県甲府市湯村3-17-2 |
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電話番号 | 055-252-8556 |
公式サイト | http://www.entakuji.jp/ |