青森県深浦町で暮らす魅力とは?移住に役立つ仕事・住まい・支援の情報

この記事では移住を考えている人に向けて、青森県深浦町(ふかうらまち)の特徴や仕事、住まいといった、暮らしに役立つ情報をご紹介します。

青森県深浦町は、青森県の西南部に位置し、南は秋田県に接しています。西は日本海に面し、東には世界遺産の白神山地が迫っています。沿岸を対馬海流(暖流)が流れていることなどから、県内では比較的温暖で、積雪量もそれほど多くはありません。

今回は、深浦町総合戦略課の秋穂さんに、地域の魅力や暮らし、移住支援などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
男性スタッフのアイコン

深浦町 総合戦略課 主事

秋穂さん

深浦町の暮らしの特徴を3つご紹介

青森県深浦町暮らしの特徴

深浦町は漁業と農業を基幹産業としており、近年は自然との調和を保ちながらも、観光面の開発を進めています。

漁業では本マグロや、白神山地の恵みを受けた栄養豊富な水で育てられた「深浦サーモン」、農業では「ふかうら雪人参」やハウストマトなどが有名で、海の幸も山の幸も楽しめるまちです。

そんな深浦町での暮らしは、次のような方に適しています。

  • 自然に囲まれて静かに暮らしたい
  • 地産地消の美味しいものが食べたい
  • 映えスポットをSNSなどに載せるのが好き

上記のような方に適している理由を、深浦町に見られる3つの特徴から解説します。

特徴1:自然の美しさに圧倒される映えスポットがたくさん!

深浦町は南北に長く、森林・原野がまちの面積の約90%を占めています。日本海にも接しており、長い海岸線からは美しい夕陽が見られる自然豊かなまちです。

世界遺産に登録された白神山地はもちろんのこと、大自然を体感できる場所がたくさんあります。

白神山地
▲白神山地は一度は訪れたい世界遺産。初心者でも楽しめるコースもたくさんある

白神山地西部に位置する十二湖は、12という名称でありながら、実際は33の湖沼の総称です。その十二湖のもっとも奥にある青池は、コバルトブルーが印象的です。生い茂るブナの葉が水面に映し出され、神秘的な雰囲気をかもし出しています。

深浦町十二湖「青池」
▲十二湖のひとつ「青池」。池の透明度が高く、水中に横たわる朽ちたブナの木が見える

深浦町北部の北金ヶ沢地区にある、樹齢千年を超えるともいわれる日本一の大イチョウは、高さは約31mでビル10階分に相当する巨木です。見頃は11月頃で、この時季は、頭上も足元も色づいたイチョウの黄色で埋め尽くされます。

深浦町の大イチョウ「ビッグイエロ―」
▲日本一の大イチョウ「ビッグイエロ―」。11月頃にはライトアップされる

深浦町の海岸線は約80kmもの長さがあり、どこからでも美しい夕陽がながめられるため、「夕陽海岸」とも呼ばれています。1792年の大地震で海岸線が隆起した千畳敷海岸や、ニッコウキスゲ(6月中旬~7月上旬)が楽しめる行合崎など見どころも多く、ドライブにもおすすめです。

深浦町の海岸から見る夕陽
▲深浦町の海岸から見る、日本海に沈む夕陽。

このように、深浦町には写真映えするスポットが多いので、移住後は、散歩やドライブをしながら写真を撮るのもいいですね。

特徴2:実はマグロの漁獲高が県内一

深浦町で獲れたマグロ
▲深浦町で獲れたマグロ。環境に優しい大型定置網漁が盛ん

青森のマグロといえば大間が有名ですが、実はマグロの漁獲高では、深浦町が青森県全体の約半分を占め、県内一となっています。深浦町は、日本海を回遊し、春から夏にかけて津軽海峡(大間)へと北上するマグロの絶好の漁場となっているためです。

深浦町で水揚げされるマグロは「黒いダイヤ」と形容される最高級の本マグロです。他地域で水揚げされるマグロに比べ漁期が長いので、一年を通して新鮮なマグロを味わえるのも特徴です。

深浦町産の天然本マグロを使用した「深浦マグロステーキ丼」は、町内6店舗で提供されています。また「本マグロの漬け丼」も人気です。

本マグロの刺身などは「道の駅ふかうら」「海の駅ふかうら深浦まるごと市場」などでも購入できます。深浦町に移住したら、マグロが食卓にのぼる回数が増えるかもしれませんね。

特徴3:ブランド人参「ふかうら雪人参」など野菜づくりが盛ん

深浦町のふかうら雪人参
▲雪の中から収穫された、深浦町のふかうら雪人参

深浦町では農作物の生産も盛んで、とくに「ふかうら雪人参」はブランド人参としてその名を知られています。

「ふかうら雪人参」は、本来秋に収穫するにんじんを土の中で冬まで熟成させ、雪の下から一本ずつ手作業で収穫するものです。通常より2か月以上も土の中で熟成させることで、芯まで濃いオレンジ色になります。

人参は、雪の下で低温にさらされると、凍らないよう身を守る機能が働いて糖度が上がるため、まるで果物のような甘さになります。そのため「ふかうら雪人参」は、そのまま食べたり、ただ絞っただけの人参ジュースにすると美味しいといわれています。

自然の森が育んだ肥沃でミネラル成分が多い土地と、冬の厳しい寒さが育て上げた「ふかうら雪人参」を、ぜひ一度味わってみてください。東京都内近郊では、青森県のアンテナショップ「あおもり北彩館東京店」などでも購入することができます。

深浦町の暮らしに関する情報

ここからは、深浦町の暮らしに関する情報をご紹介します。

気候 8月:平均気温23.2℃
1月:平均気温0.0℃
※参考:気象庁
人口 人口:約7,300人
世帯:約3,600戸
(令和5年2月末現在)
病院 病院・クリニック:1か所
歯科:2か所
学校 保育施設:7所
小学校:3校
中学校:2校
高等学校:1校
交通 【鉄道】
JR五能線:大間越駅、白神岳登山口駅、松神駅、十二湖駅、陸奥岩崎駅、陸奥沢辺駅、ウェスパ椿山駅、艫作駅、横磯駅、深浦駅、広戸駅、追良瀬駅、驫木駅、風合瀬駅、大戸瀬駅、千畳敷駅、北金ケ沢駅、陸奥柳田駅
(新青森駅から深浦駅まで約4時間)

【バス】
弘南バス
・鰺ヶ沢〜深浦線
・十二湖線

【車】
弘前市まで約2時間
青森市まで約2時間10分
近隣都市 つがる市、弘前市

深浦町は、まちの地形が縦に長いため、町内には鉄道の駅がたくさんあります。ですが電車の本数は少ないため車があった方が便利で、実際に1人1台自家用車を持っている家庭が多いです。

積雪量は、青森県のなかでは比較的少ない方ですが、冬はスタッドレスタイヤが欠かせません。寒冷地仕様の車を購入するのがおすすめです。

買い物については、町内にスーパーマーケットがいくつかあるため、普段の生活では不便はありません。大きな商業施設で買い物をする場合は、つがる市や秋田県の能代市へ行くようです。

11月には「大イチョウのライトアップ」があり、12月には獲れたての魚介類を大特価で販売する「ふかうらお魚フェス」が開催されています。

このように深浦町では、年間を通してさまざまなイベントがあります。

【子育て】子どもの遊び場は自然の中にたくさんある

深浦町の子どもの遊び場については、公園のほかに、海や山など自然の中にもたくさんあります。夏は浜辺でバーベキューを楽しむご家族も多いとのこと。

また、観光施設「アオーネ白神十二湖」には、遊具と芝生があるほか、大浴場もあります。たっぷり遊んだあとは大浴場でさっぱりするのもいいですね。

深浦町では、子育て世帯にさまざまな支援を行っています。ここではその一部をご紹介します。

深浦町子ども医療費給付事業 0歳〜18歳までの子どもの医療費を助成
深浦町出産祝金支給事業 出生した子ども1人につき祝金10万円を支給

公式:深浦町「出産・子育て」

男性スタッフのアイコン
秋穂さん

まちの地形が縦に長く、学区が広くなっていることから、小中学校のスクールバスを運行しています

【仕事】町内での求人は少なめ。近隣地域も含めて検討しよう

大手求人情報サイトで深浦町の求人を調べたところ、約110件がヒットしました。(2023年3月現在)
※求人情報の一例

通勤圏内を35kmまで広げると、約350件がヒットしました。
※求人情報の一例

仕事探しについては、東京・有楽町にある「あおもりUIJターン就職支援センター」に相談してもよいでしょう。青森県が、対面・オンラインでの職業紹介を無料で行っています。相談は事前予約制です。

公式:青森県「あおもりUIJターン就職支援センター」

深浦町では、起業や新分野への進出を図る際の経費や、自主的な地域づくりへの経費の一部を支給する制度があります。また、青森県では、東京圏から青森県内に移住して就業・起業した人を対象に、移住支援金を支給しています。該当する人はぜひ活用してください。

地域の魅力向上支援事業費補助金 自主的かつ公益的な活動を行う3人以上の住民グループなどが、地域活性化につながる公益的な事業を実施した場合、経費の5分の4(上限50万円)を支給
あおもり移住支援事業 東京圏から青森県内に移住して就業・起業した人を対象に、移住支援金として、世帯100万円(18歳未満の者1人につき30万円を加算)、単身60万円を支給

公式:深浦町「地域の魅力向上支援補助金のお知らせ」
公式:青森県「東京圏から青森への移住・就業で、最大100万円を支給します!~あおもり移住支援事業~」

【住まい】子育て世帯への支援が厚い

大手住まい情報サイトで深浦町の賃貸物件を調べましたが、とても少ないようです。移住相談窓口で相談してみるとよいかもしれませんね。

空き家バンクについては、深浦町単独のものはありませんが、圏域のものが利用できます。

公式:ごしょぐらし「五所川原圏域空き家バンク」

また、深浦町では、子育て世帯の住まいについて、下記のような支援を行っています。

深浦町若者等住宅整備支援補助金 子育て世帯の住宅整備(新築・購入、リフォーム)にかかった費用の一部を補助
定住促進住宅の家賃を控除 子育て世帯を対象に、同居する子どもの人数に応じて定住促進住宅の家賃を控除

公式:深浦町「移住者・新婚夫婦・子育て世代の住宅整備を支援します!」
公式:深浦町「子育て世帯を対象に定住促進住宅の家賃を控除します!」

深浦町に移住した人の声・感想

青森県深浦町移住者の声

次に、深浦町に移住した方の感想をご紹介します。

  • 深浦町の綺麗な景色を見て移住を決めた
  • 町民はシャイな性格の人が多い
  • 仲良くなるまでには時間がかかるけど、一度仲良くなると密な関係になれる

深浦町の人々は、人見知りが多いようですね。ただ、打ち解けると会話が弾むようです。地域のイベントなどには積極的に参加して、地域の人とつながりを持つようにするとよいでしょう。

深浦町へ移住するために利用したい窓口・支援

インターネットなどで深浦町について情報収集をしたら、いよいよ移住の下見に行ってみましょう。

秋穂さんによると、移住前に冬の暮らしを一度は体験してほしいとのこと。できれば、夏と冬に1回ずつ行ってみると、移住後に想像とのギャップを感じることも少なくなるでしょう。

なお、青森県内で就職活動などを行う際の交通費や宿泊費が助成される制度がありますので、ぜひ活用してください。

青森県UIJターン還流促進交通費助成

助成対象
  • 県内企業が県内で開催する就職にかかる企業説明会に参加する場合
  • 県内企業が県内で実施する採用試験または面接を受ける場合
  • 県内企業が県内で実施するインターンシップに参加する場合
助成金額
  • 開催場所までの交通費の2分の1に相当する額(上限17,000円)
  • 宿泊費の2分の1に相当する額(上限5,000円)
※対象者1人につき、年度内1回まで

公式:青森県「UIJターン者の就職活動やインターンシップ参加のための交通費を助成します!」

深浦町への移住に関するお問い合わせ

移住相談窓口 深浦町役場 総合戦略課
住所 〒038-2324
青森県西津軽郡深浦町大字深浦字苗代沢84-2
電話 0173-74-2122
公式サイト 深浦町「移住・定住」