館山市移住のメリット満載!海辺の暮らしと都心アクセスの良さを紹介
この記事では、地方への移住を検討している人に向けて、千葉県館山市(たてやまし)の暮らしの特徴をご紹介します。
館山市は千葉県の房総半島の内房に面し、温暖な気候で知られる海と里山のまちです。花々が道を彩る房総フラワーラインも有名で、東京近郊の保養地としても多くの人が訪れています。
東京へのアクセスは車で80分と利便性も良く、程よい田舎暮らしをしたい人にも適しているエリアです。
今回は、館山市の移住担当の方と移住をサポートするNPO法人の方にインタビューを行い、移住に役立つ暮らしの情報やまちの魅力について伺いました。
館山市の魅力:移住者を惹きつける2つの特徴
館山市への移住には、次のような人が向いているといえます。
1)海が好き、自然に囲まれて暮らしたい
2)リモートワークをしながら、時々都心へもアクセスしたい
特徴1:身近な海と過ごしやすい温暖な気候
▲館山湾の南に突き出た「沖ノ島」。周囲約1km、陸続きの小島には自然の魅力がいっぱい。
館山市の一番の特徴は、海が近いことです。移住イベントでは海の景色を求めて来る人も多く、海が身近にあることが館山市の最大の魅力といえます。また、温暖な気候であることでも知られ、比較的過ごしやすいエリアです。
館山湾からの夕日は「日本の夕陽百選」にも選ばれている絶景で、5月と7月の天気が良い日には、遠方に見える富士山に夕日がかかる「ダイヤモンド富士」の光景も楽しむことができます。
▲館山湾から遠望できるダイヤモンド富士
特徴2:都心へのアクセスの良さと南房総のビジネスチャンス
▲南国ムードが漂う館山駅の外観と花々
東京湾アクアラインを使うと、東京や横浜まで車で80分というアクセスの良さも館山市の特徴の一つです。館山駅の駅前からは、東京駅や新宿駅、羽田空港、横浜方面へ高速バスも出ています。
都心部にもアクセスしやすい利便性は大きな魅力で、普段は海の景色を間近にリモートワークで働きながら、時々都心へ通勤するという生活スタイルも叶えられるエリアです。
館山市を含めた南房総全域は、鴨川市、館山市、南房総市、鋸南町(きょなんまち)の人口を合計すると約12万人となります。館山市はその中でも拠点性が高く、車での行動圏が広いので、起業したい人にも可能性が十分にあるマーケットといえるでしょう。
館山市は、いわゆる田舎暮らしの中では選択肢が広く、バランスの良いまちです。移住を考える方にとっては生活の利便性は大きなメリットで、そこが館山市の最大の魅力ではないでしょうか。
館山市での暮らし:仕事・住まい・子育て・遊びの情報
気候 |
年間平均気温:16.2度 |
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人口 | 約43,000人、約20,000世帯(2023年11月1日現在) |
病院 | ・診療所:37カ所 ・病院:5カ所 ・歯科医院:25カ所 |
学校 | ・保育園・こども園・幼稚園:17カ所 ・小学校:10校 ・中学校:3校 ・高校:3校 (2023年4月時点) |
交通 | 【鉄道】 JR内房線:3駅 【バス】 ・高速バス(日東交通、JRバス関東、ちばシティバス、京浜急行バス) ・路線バス(JRバス関東、日東交通) ・館山市街地循環バス(日東交通) 【道路】 ・国道127号、国道128号、国道410号 【船舶】 ・館山港(東海汽船・商船三井クルーズ(株)) |
近隣都市 | 南房総市、鴨川市、鋸南町 |
市街地にはイオンタウンやスーパーマーケット、コンビニがあります。銀行や郵便局、幼稚園や小学校もあるので住みやすく、高速バスもすぐ近くから出ていて便利です。
電車やバスはあり、市街地循環バス等の取組はありますが、現状、車は必須で、1人1台所有の車社会です。
隣の南房総市から館山市に買い物に来る人も多く、医療機関や公的機関なども館山市に集中しています。車があれば、便利な生活が叶う環境といえるでしょう。
一方で、移住するにあたり、自然環境の厳しさもしっかりと確認しておく必要があります。冬場、12月から3月いっぱいぐらいは、びっくりするぐらい風が強いといいます。
洗濯物が飛んで行ってしまうくらいの風が、多い年は週に1回ぐらい吹きます。塩害や獣害もあり、イノシシの家族に出くわすことも少なくないそうです。
人との関わり方でいうと、少子高齢化という背景から、子どもが通う学校では全員がPTAの役員になるところがあったり、地域によっては60歳の移住者が若手として活動を担うというような現状もあります。
土地柄、津波を心配される方も多いと思いますが、館山市の地形は実は傾斜地も多く、海辺から歩いて10分ほどの距離には海抜20~30mで避難できる場所があるということも、ご案内時にはお伝えしています。一方で、海抜の高い所に住みたいという方には、館山での暮らしは難しいといえます。
仕事情報:豊富な求人と短い通勤時間が魅力
館山市は、南房総エリアの中でも求人数が多いです。農業や水産業という1次産業に関わりたいという人にも選択肢がありそうです。むしろ人手不足ともいえ、市内で就業する人が多いイメージです。
大手求人情報サイトで検索すると、館山市内での正社員の求人数は約2,000件で、車で30分圏内に広げると求人数は5,000件ほど増えます(2023年12月時点)。
※館山市の求人情報の一例
市内での就業の場合、職場まで車で15分~20分ぐらいという人が多く、大体は10分ぐらいでアクセスできる環境に職場があるようです。
住まい情報:購入希望が多い物件事情と空家バンク制度
館山市では、賃貸よりも家を買いたいと考える人が増加傾向にあります。都心部に比べて固定資産税等も安いので、資金のある人は購入したほうがお得と考えるようです。
市の移住担当者が賃貸を提案しても、移住者の7割ぐらいは購入希望だそうです。
ちなみに大手の住宅情報サイトで調べると、賃貸物件は約30件見つかりました(2023年12月時点)。市街地は賃貸物件も多いようです。家賃相場は2LDKで9万円前後です。地元の不動産屋にも問い合わせるなど、探し方次第ではもう少し家賃を抑えられる可能性があります。
※ 館山市の賃貸物件の一例
一方、新築物件では4LDKで2,000万円台という価格帯で掲載されています(2023年12月時点)。
※ 館山市の新築物件の一例
空家バンク制度とおせっ会動画:リアルな中古物件情報
館山市では、2023年8月から「館山市空家バンク制度」が始まりましたが、まだ運用開始から間もないため登録がない状況です。
参考:館山市空家バンク制度(館山市)
一方、館山市への移住をサポートするNPO法人「おせっ会」では、YouTube動画チャンネルで不動産の空き物件を紹介しています。どのような物件があるのか、現地の様子も動画でよくわかりますので、参考にしてみると良いでしょう。
15年ほど前は、移住してくるエリアは里山、漁村、海辺に偏っていましたが、最近では機能性重視で住むエリアを選ぶ人が増えています。街中に住んで5~10分で海に遊びに行くというのが現実的なようです。移住者に人気のエリアは館山、船形(ふなかた)、那古(なご)地区ですね。いずれも館山湾に面しています。
子育て環境:親子の交流の場と充実した相談サービス
館山市では、未就学児向けの親子の交流の場として「元気な広場」が設置されています。ママ友パパ友を作れるような場で多くの人との関わりもあり、子育ての不安も解消されやすくなります。
▲「元気な広場」を利用している親子の様子
参考:館山市元気な広場(館山市)
また、市のこども課窓口では、子育てコンシェルジュが育児に関するあらゆる悩みや相談に乗ってくれます。元気な広場にも出張しているので、活用すると良いでしょう。
遊び場情報:自然を満喫する移住者の傾向
遊び場に関しては、田舎暮らしを体験させたい、自然の中で子育てをしたいという思いがあって移住してきている人たちは、地元の人よりも館山の自然を楽しんでいます。
また周辺へのアクセスも良いので、ディズニーランドや県内のアウトレットなど、地域外へのお出かけもそれほど苦にならないようです。
館山市移住者の声:リアルな体験談と感想
ここからは、館山市に移住した人の声をご紹介します。
- 田舎暮らしのつもりで来たけれど、そんなに田舎じゃなかった
- 覚悟して来たけれど、気負わなくても地域に気軽に入れた
- 地域の人が優しくて、歓迎してくれる
- 職場が近く、家に帰ってくる時間が早くなった
- 東京と行き来しながら、家のリフォームや畑作業を楽しんでいる
- 市街地から離れた小さな漁村で静かな暮らしを送っている
- リモートワークをしつつ、子どもと一緒に自然に触れて過ごしている
移住者にとって館山は「手頃な田舎」という印象で、機能面と自然のバランスが良いと感じている人が多いようです。事前の移住相談で、移住のメリットとデメリットをきちんと把握しておくことも、移住後の暮らしを楽しむ大切な要素となりそうです。
館山市への移住準備:相談窓口からトライアルステイまで
▲館山市を訪れた人々の交流拠点「みなとオアシス”渚の駅”たてやま」
館山市への移住を検討する人は、ぜひ市の移住担当窓口で相談することをおすすめします。移住相談では、NPO法人「おせっ会」のスタッフが手厚くサポートしてくれるので、移住に関する細かい疑問や不安を解消できます。
おせっ会では移住相談のほかにも、南房総の暮らしを楽しむという「自然体験プログラム」を毎月実施しています。移住した人、これから移住したい人、地元の人が一緒に参加できるので、館山の情報交換ができる良い交流の場になりそうです。
また、誰でも参加できる「みんなが仲良くなる会」という取組を行っています。古民家を修復したり、空き農地で田植えをしたり、イベントとしてではなく日々の作業をみんなでやるというスタイルで、さまざまな体験をすることができます。
公式:おせっ会
▲移住相談窓口が入っている「みなとオアシス”渚の駅”たてやま」の入口外観
▲”渚の駅”たてやまでは、マルシェや食堂、さかなクンギャラリー、博物館、展望デッキなどがあり、館山の魅力を体感できる。
参考:みなとオアシス“渚の駅”たてやま(館山市)
館山市の公認YouTubeチャンネルで、移住相談の様子に密着した動画もありますので、参考にしてみてください。
公式:館山市移住ドキュメント(館山TV【館山市公認チャンネル】)
トライアルステイ:移住前の体験プログラムを活用しよう
移住を具体的に検討したい人は、お試し移住をしてみましょう。現在館山市では、南房総市と合同でトライアルステイ(お試し移住プログラム)事業を実施しています。
館山市と南房総市に移住希望の人や、二地域居住、起業を考えている人が参加対象です。「街中」「海近」「里山」の3タイプから選んで宿泊施設に滞在し、先輩移住者が提案する体験プログラムに参加できます。
移住相談もセットになっているので、移住後の生活がより身近に感じられることでしょう。
宿泊期間はは2泊3日~5泊6日で1組6名まで、1人につき1泊5,000円の補助が出ます。
※実施期間:2023年12月上旬~2024年3月4日
※対象5組程度(定員に達した時点で申し込み受付を終了)
参考:トライアルステイ(お試し移住プログラム)(館山市)
館山市は夏の海が人気ですが、夏場と冬場は景色も気候も違います。トライアルステイは有効な手段ですが、数日間ではなかなかわからない点も多いものです。やはり年に何度か訪れて、年間を通して見ていただけるのが良いですね。
ワーケーション施設:移住前の働き方体験に最適
また、館山市は、ワーケーションにも力を入れており、リモートワークなどに利用できるコワーキングスペースや、ファミリーで滞在できる施設が十数カ所あります。リアルな環境の中で移住後のワーキングスタイルを確認してみるのにもおすすめです。
館山で起業を考えている人や、リモートワークでの働き方を検討している人は、移住前のステップとして利用してみてはいかがでしょうか。
移住支援制度:活用できる助成金や補助金を紹介
館山市では、移住者が活用できる助成金制度が複数あります。
「館山市UIJターンによる起業・就業者創出事業移住支援金」は、東京23区在住者又は通勤者が千葉県内の対象の企業への就職、または特定分野で起業した場合、単身60万円、2人以上の世帯100万円、18歳未満の子どもがいる世帯200万円が交付されます。
対象者や条件、申請方法などはHPで確認しましょう。
参考:館山市UIJターンによる起業・就業者創出事業移住支援金(館山市)
「館山市移住定住促進助成金交付制度」は、転入する子育て世帯が民間賃貸住宅を利用する場合、家賃の2分の1の補助が受けられる制度です(月2万円まで、最大24万円)。
申請の時期は限られているようなので、新しい年度については都度確認してみてください。
参考:館山市移住定住促進助成金制度(館山市)
館山は自然に近い暮らしができ、自分らしさを選択できる場があるのが魅力だと思っています。移住された方が館山に来て良かった、幸せになれたというような形を目指して移住促進に取り組んでいます。一人一人のご希望に合った選択をするために、最大限きめ細やかな対応を心がけています。実際1年、2年住んでみないとわからない状況はたくさんあると思いますが、南房総の魅力を体験しにぜひ一度お越しください。
移住相談窓口:館山市役所とNPO法人おせっ会の連絡先
担当課 | ・館山市役所 雇用商工課 ・NPO法人おせっ会 |
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住所 | 〒294-0036 千葉県館山市館山1564-1(“渚の駅”たてやま内) |
電話番号 | 0470-22-3136 |
対応時間 | 月曜~金曜:9:00~16:00(※土曜日は事前予約にて対応可) |
公式サイト | 館山市へ移住をお考えのみなさまへ おせっ会 ONLINE |