【中標津町への移住】住み心地はどう?暮らしの特徴・仕事・支援情報|縁結び大学

この記事では、北海道の中標津町(なかしべつちょう)へ移住を考えている方のために、まちの魅力や暮らしに関する情報をご紹介します。

中標津町は北海道の東部・根室管内の中部に位置するまちです。酪農が盛んで自然の豊かな土地でありながら、商業施設や温泉も充実しているのがまちの魅力のひとつ。牧歌的な雰囲気と適度な都市機能を持つこのまちは、特に第二の人生をゆったりのんびり過ごしたい方に向いている場所といえるかもしれません。

さらに、中標津町には世界遺産である知床をはじめ、阿寒、摩周へのゲートウェイとなる空港があり、中標津空港から羽田や札幌という大都市へも直接行くことができるのも、このまちの大きな魅力です。北海道の大自然の中で暮らしながらも、アクセスが便利な土地に住みたいと考えている方にとってもぴったりな場所ですね。

そんな中標津町で生活する魅力や移住支援情報について、詳しく紹介していきます。

中標津町空港対策室空港対策係兼経済部経済振興課地域振興係・係長・山下直騎さん

中標津町の暮らし、3つの魅力

北海道中標津町・暮らしの特徴

中標津町は、南部が根釧台地の丘陵にあたり、北部は知床半島から連なる山岳地帯に囲まれているという、自然が豊かな場所です。

中標津の星座観察ポイントである開陽台展望館、格子状に防風保安林を配置している独特な風景「根釧台地の格子状防風林」は北海道遺産に登録されています。

中標津町の格子状防風林の様子
▲幅180メートルの格子状防風林。スペースシャトルから確認できたほどの規模

間近で大迫力の自然を満喫できる一方で、中標津空港を有しているこのまちは、羽田空港まで約2時間、新千歳空港まで約1時間というアクセスの良さがポイントでもあります。空港があるまちというのは北海道の中でも限られていますので、とても魅力的ですね。

そんな中標津町での暮らしが向いているのは、以下のような方です。

  • 大都市へのアクセスが便利なまちに住みたい
  • 田舎でありながらも適度な都市機能のある商業施設が充実しているまちに住みたい
  • 大自然の中で暮らしたい

特徴1:中標津空港から都市部へのアクセスが便利

中標津町の根室中標津空港の写真
▲北海道でもっとも東にある空の玄関、根室中標津空港

空港の中でも日本の最東端に位置する根室中標津空港は、中標津町の市街地から車で10分ほどの距離にあります。羽田まで往復1便/日、新千歳まで往復3便/日がでており、大都市への移動がとても便利なんですよ。

羽田空港まで約2時間、新千歳空港まで約1時間のフライトなので、中標津町に住みながらリモートワークを行い、たまに出張に行くということも可能です。

現在は在宅勤務を推奨する会社も増えてきていますので、北海道に住みながら都心の会社で働くということも、中標津町なら実現できるかもしれませんね。普段は自然豊かな中標津町で過ごし、お休みの時には都会へ家族で旅行に出かけるといった、メリハリのある生活も夢ではありません。

田舎と都会の生活がすぐ隣り合わせにあるような便利さを持つまちに住みたいという方には、とてもおすすめです。

特徴2:コンパクトにまとまった様々な施設

中標津町には、近隣都市の方も買い物にくるような大きな商業施設「東武サウスヒルズ中標津店」があります。食材や生活用品の他にマクドナルド、KFC、すき家などのチェーン店があるので、買い物のついでに外食ができるのが嬉しいですね。

また、西松屋やMou jon jonといった子ども服のテナント、本屋、歯医者もあります。

さらに地元野菜や、中標津にも近い海からの海産物(鮭、ほたて、さんま、かに)も並ぶお店です。地元住民からは「東武」と呼ばれ、老若男女に愛されていますよ。

なお、中標津町の人口は2万2千人ですが、商圏人口は8万人と言われるぐらい周辺地域から中標津町へ買い物に来る人でにぎわっています。

中標津にあるお店を他にも紹介します。

  • 長崎屋
  • ホーマック
  • ツルハ
  • サツドラ
  • フクハラ
  • ビッグハウス
  • ケーズデンキ
  • コープ
  • ユニクロ
  • ニトリ など

東武のほかにもスーパー、ドラッグストア、ホームセンターがあり、中標津では買い物に困るということはなさそうですね。

また中標津町はコンパクトシティですので、市街地周辺には病院・銀行もそろっています。あちこち移動しなくても良いので、市街地に行けば都会よりも短時間で用事を済ますことができそうですね。

公園で遊び、温泉で汗を流す

中標津町には、「ゆめの森公園」という道立の大きな公園があります。

道立ゆめの森公園の様子
▲大きなたまご型の建物が目印

ゆめの森公園のたまご型ビジターセンターの中には、四季を通じて遊べる屋内遊戯施設や、イベントを開くことのできる広場、アスレチック、バーベキューを楽しむ施設があります。休日には多くの家族連れでにぎわうとても大きな公園なんです。

夏はパークゴルフ、冬は歩くスキーやソリなど、1年を通して公園で楽しむことができますよ。そして公園でたっぷり遊んだ後は、市街地に5軒ほどある温泉に入って汗を流すのがおすすめです。

市街地の温泉の入湯料は550円と気軽に入れるので、東武で買い物をした後や、ゆめの森公園で遊んだ後に温泉に寄って帰るという休日の過ごし方もすてきです。

また、市街地から車で30分ほどの場所には、2016年に開湯100周年を迎えた養老牛(ようろううし)温泉もあります。

中標津養老牛温泉の露天風呂
▲シマフクロウが姿を現すこともある養老牛温泉

特徴3:大自然の中で暮らしたい

中標津町は、雄大な北海道の大自然が身近に感じられるまちでもあります。「青空の下でゆっくりと深呼吸をしながらのんびりと暮らしたい」という人は中標津が肌に合っていそうです。

市街地から車で約15分の場所にある「開陽台展望館」は中標津町の自然を一望できる場所です。標高270mの台地の上から辺りを見渡すと、「緑のじゅうたん」と表現される牧草地帯が一面に広がり、北海道の雄大な自然を実感することができます。

中標津開陽台展望館の夏の様子
▲中標津開陽台展望館。地球が丸く見えるほどの大パノラマが広がる

開陽台の西側に広がる開陽台牧場では、約1,000頭の乳用牛を放牧していて、長さ2,600mの遊歩道から牛の様子や広場周辺、自然林、野鳥・昆虫などの自然観察も楽しむことができます。

夜になると展望館周辺の空には無数の星がちりばめられ、まるで別世界に来たかのような幻想的な風景に包まれます。都会では見ることのできない星空を一度中標津で体験してみるのもいいですね。

中標津町開陽台展望館の夜の星空
▲夜は満天の星が迎えてくれる

開陽台展望館の詳しい情報はこちらをご覧ください。
開陽台展望館(なかしべつ観光協会)

また、北海道らしい真っ直ぐな道が続く通称「ミルクロード」も有名です。

中標津町ミルクロードの秋の様子
▲全長約6kmのミルクロード。まさに北海道そのものという風景

「牛乳を出荷するタンクローリーが走る一直線の道」からミルクロードという名前がついたと言われています。周りを大自然に囲まれたこの道を車で走ると、より中標津の雄大さを感じることができるのではないでしょうか。

中標津町は、スケールの大きい自然を体感しながら暮らしてみたいと思う方にぴったりな地域ではないでしょうか。

中標津町に関するくらしの情報

ここからは、実際に中標津町に移住して生活する時に必要なデータを紹介していきます。

気候 夏は平均気温が20℃前後、最高で30℃ほど。冬は平均気温がマイナス10℃前後、最低でマイナス20℃となる日もある。氷点下の期間は4か月に及ぶ。
北海道の中では比較的雪の少ない地域だが、地吹雪などの暴風雪被害が発生することがあるので特別豪雪地帯に指定されている。
人口 約2万2千人(令和6年10月末現在)
病院 総合病院が1か所、クリニックが5か所、その他歯科医院がある。
学校 高校2、中学校2、小学校3、特別支援学校1、義務教育学校1、幼稚園5、保育園3
文化・芸術 なかしべつ冬まつり(2月第1土・日曜日)
標津岳山開き(6月第1日曜日)
武佐岳山開き(6月第2日曜日)
なかしべつ330°開陽台マラソン(7月)
中標津神社例大祭(7月19日〜21日)
なかしべつ夏祭り(8月第2土・日曜日)
まちなか賑わい秋の陣(9月)
じゃがいも伯爵まつり&ふれあい広場(9月)
しるべっとまつり(11月)
食べ物 標津羊羹、ゴーダチーズ、ジェラート、なかしべつミルキーポーク、中標津ミルキーラーメン、中標津ミルキーカレー、ヨーグルト、飲むヨーグルト、アイスクリーム、なかしべつ牛乳、ジャガイモ(伯爵、キタアカリ、レッドムーン)
交通 釧路市まで車で約1時間半
中標津空港から羽田空港まで約2時間、新千歳空港まで約1時間
娯楽 養老牛温泉、市街地に温泉5件、ゆめの森公園
近隣都市 根室振興局:標津郡標津町、野付郡別海町
釧路総合振興局:川上郡標茶町、川上郡弟子屈町

オホーツク総合振興局:斜里郡清里町

中標津町の夏は涼しく過ごしやすい一方、冬はマイナス20度になることもあるという厳しい寒さが続きます。北海道の住宅は断熱性の高いものが多いので、家の中が寒くて大変ということはないですが、外に出かけるときには寒さ対策が必要です。

時には地吹雪があり豪雪地帯に指定されていますが、雪の量でいえば北海道の中では比較的少ない方です。また、乾いた雪で除雪がしやすいため、通勤通学の心配はそれほどないといえます。

しかし、電車が通っていないので、移動手段には車が必須でしょう。バスもありますが、買い物をした後など荷物がたくさんあることを考えると、やはり自家用車があるほうが勝手がよさそうです。

また中標津は酪農が盛んな地域であり、人口よりも牛の数が多いことでも有名です。お祭りや四季折々のイベントもたくさんあり、「みんなで楽しいことを共有したい」と考えている人にも合っているまちですよ。

中標津・夏祭りの様子
▲多くの人でにぎわう中標津の夏祭り

また、車で1時間30分の場所には世界遺産「知床」「阿寒湖」「摩周湖」があります。日帰りできる距離に世界遺産があるというのは、なんとも贅沢な立地ですよね。休日に少し足をのばして大自然のパワーをもらい、再び仕事を頑張る原動力に変えていけそうです。

【仕事】酪農関連やサービス業での求人が多い

大手求人サイトで中標津町の正社員の仕事を探すと、事務、販売、福祉などの求人がありました。件数も約600件あり、十分な量が揃っていると言えます。東武やドラックストア、ホームセンターがあるので、サービス業は比較的探しやすいです。

中標津町、北海道、全国の世帯平均年収をまとめました。中標津の世帯平均年収は北海道の平均を上回っているので、こちらも参考に求人を探してみてください。

▼世帯の平均年収

中標津町 約470万円
北海道 約440万円
全国 約500万円

※縁結び大学独自調べ(2022年9月)

さらに中標津町では、酪農のまちならではの「酪農ヘルパー」という仕事を選択することもできます。酪農ヘルパーとは、酪農家さんがお休みをとっているときに、牛の世話を代わりに行う仕事です。

酪農に興味のある方は、まず酪農ヘルパーの仕事から始めて、将来的には独立、農家の従業員、家畜人工授精師としてステップアップしていくことも可能です。

酪農ヘルパーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▶(公式)有限会社ファム・エイ(酪農ヘルパーについて)

就農への支援が手厚い

中標津町で新規就農をするという選択肢もありますよね。町やJAからのバックアップがあるので、農業や酪農を始めたいと考えていた方にとっては魅力が満載です。

支援額
中標津町 ・新規就農時に上限400万円を補助
・新規就農者に無利子で上限1,000万円まで貸付
中標津町農業協同組合 ・最大300万円補助
・農場リース事業を活用しなかった場合、最大500万円を補助
計根別(けねべつ)農業協同組合 ・新規の就農者→100万円
・新規就農継続対策→300万円(年100万円を上限として就農後3年目まで)

まちや農業組合からの手厚い支援があり、新規就農を考えている人にとっては、とても恵まれた環境です。いきなり就農するのではなく、組合の農業作業員も募集されていますので、そこを入口として中標津の農業に関わっていくのもよいですね。

支援についての詳しい情報はこちらからご覧ください。
▶(公式)新規就農を目指している方への支援
JA中標津のスタッフ募集の概要はこちらです。
▶(公式)JA中標津酪農スタッフ募集
JA計根別のスタッフ募集の概要はこちらです。
▶(公式)JA計根別酪農スタッフ募集

【住まい】賃貸なら安く住むことができる

大手の賃貸物件サイトでは、戸建て・アパート・マンションあわせて約20件が見つかりました。十分な数とは言えませんので、民間の不動産会社と連絡を取りながら住まいを探すことになりそうです。

▼中標津町の不動産会社

連絡先
アール企画 0153-74-8111
アイ・エヌ・ティ不動産 0153-72-9872
アクロス 0153-72-5515
アパマンショップ中標津店 0153-74-8022
ケイズ不動産サービス 0153-79-2220
小針不動産 0153-72-2273
第一宅建設計 0153-73-3702
中標津不動産 0153-72-2380
中標津まるせん 0153-72-2000
浜名工務店 0153-72-3557
モア企画 0153-72-9294

家賃も、東京と比べるとおよそ4分の1程度です。家賃の相場をまとめましたので、こちらも参考に住まいを検討してみてください。

▼中標津町の家賃相場

1R 2.9~4.5万円
1LDK〜2DK 3.5万円~5.7万円
2LDK〜3DK 4.6~8.6万円

賃貸の他に、空き家や空き地を活用するという方法もあります。中標津町行政区域全域における推定空き家等の数は300件程度で、このうち家屋課税台帳データなどで所有者等を特定できたのが約270件ありました。

多くの空き家があるので、中標津町に移住する際には空き家を買い取り、リノベーションを行って住むという方法もありますよ。

▶中標津町の空き家に関する詳しい情報はこちらです。
中標津町の空き家実地調査

中標津町へ移住した人の体験談や感想

北海道中標津町・移住者の声

ここでは実際に中標津町へ移住した方の声をまとめています。

  • 寒さを不安に抱えていたが、しっかりとした防寒着があれば解決した。
  • 住宅の寒さも懸念していたが、暖房が全体にまわる構造なので、暖かかった。
  • まちの人が温かく迎え入れてくれたことが嬉しかった。

やはり寒さに関する不安が目立ちましたが、車社会なので思っているより屋外を出歩く時間が少ないのが特徴だそうです。戸内も都会と比べると暖かい家が多いので、家の中まで寒いということはなさそうですね。

北海道の冬に適した防寒着を用意することで、寒さの対策はできそうですね。雪が降るからこそできるスキーやスケートに挑戦し、寒さを楽しむという視点に立つと、中標津の冬を楽しめるのではないでしょうか。

中標津町への移住に関する情報・お問い合わせ

ここでは、中標津町で実際にお試し暮らしをする方法や、移住に関する問い合わせ先について紹介します。

お試し暮らしで中標津町の良さを実感しよう

住んでみないとわからない「中標津の良さ」をたくさんの人に知ってもらうために、中標津町では「お試し暮らし」が行われています。この制度を利用すれば、町が提供する住宅で最長1か月暮らすことができるんですよ。

ホテルや旅館とは違い自分の家のような感覚で生活でき、中標津の雰囲気を肌で感じることができます。のんびりと1日を過ごすのも良いですし、観光地に出かけてみるのもいいですね。まちの中を散歩していると、インターネットなどには見当たらないような発見もあるかもしれません。

それでは、お試し暮らしをする時に実際に住む家を紹介します。

体験料 その他 リンク
サンタハウス 1週間:4万円
2週間:7万円
3週間:10万円
1ヶ月:12万円
・2LDK+ロフト 
・天体望遠鏡がある。
・利用可能人数2名 
・平成21年建築
公式
スマイルハウス 1週間:5万円
2週間:7万円
3週間:9万円
1ヶ月:11万円
・木造平屋建4LDK
・市街地に近い
・利用可能人数2名
・平成19年新築
・10月は暖房費が600円
・11月~4月は利用不可
公式
イクコハウス 1週間:6万円
2週間:8万円
3週間:9万円
4週間:10万円
・2階建て1LDK 
・Wi-fi利用可能
・コンビニ、スーパーが近い
・利用可能人数4名  
・昭和62年新築
・10月~4月は暖房費が1日600円
公式
星の里エコハウス 1週間:5万円
2週間:7万円
3週間:8万円
4週間:9万円
・2階建て2LK 
・利用可能人数5名
・平成22年新築
・オール電化
・家庭菜園可能
・電気使用量実費負担
・11月から4月まで体験料半額
公式
ほしのふる里コテージA 1週間:3.8万円
2週間:5.8万円
3週間:7.8万円
4週間:8.8万円
・平屋1K+ロフト
・利用可能人数2名
・外にバーベキュー施設がある
・敷地内に公園がある
・管理棟で食事を食べられる
・10月~11月は暖房費が1日500円
・11月~4月は利用不可
公式
ほしのふる里コテージB 1週間:5万円
2週間:7万円
3週間:9万円
4週間:10.5万円
・木造平屋2LDK
・利用可能人数2名
・平成27年新築
・外にバーベキュー施設がある

・敷地内に公園がある

・管理棟で食事を食べられる
・10月~11月は暖房費が1日600円
・11月~4月は利用不可
公式

観光でホテルに泊まるのと異なる点は、自分でスーパーに行ったり、食事を作ったりできる点です。実際にまちの中を運転してみたり、買い物をしたりすることで、中標津町へ移住した時のイメージがよりはっきりしてくることでしょう。移住する上で心配なことがあっても、実際に暮らしてみると、意外な解決方法が見つかるかもしれませんね。

お試し暮らしをする家の空き状況についてはこちらをご覧ください。
▶(公式)お試し暮らしお申し込みについて

移住全体に関する問い合わせ先

中標津町への移住に少しでも興味を持った方はぜひ担当課まで問い合わせをしてみてください。あなたの心配事に寄り添い、丁寧に対応してくれるはずです。

▼移住全体に関する問い合わせ先

担当課 経済振興課 
住所 北海道標津郡中標津町丸山2丁目22番地
電話番号 0153-73-3111
公式サイト https://www.nakashibetsu.jp/kankou/iju/