山形県大蔵村の魅力!移住に役立つ暮らし・仕事・住まい情報を徹底解説

この記事では、地方移住を検討している方に向けて「山形県大蔵村」をご紹介します。

山形県大蔵村は、人口約3,000人の小さな村です。

雪景色の山林や、日本の棚田百選にも選ばれている棚田、歴史ある温泉郷など、日本の原風景ともいえる美しい風景と、ゆったりと流れる時間。都会とは反対のスローライフを希望している方に、特におすすめの移住先です。

一方で、隣接する新庄市(大蔵村から車で約20分)の「新庄駅」には新幹線が停車するため、東日本の各都市へアクセスが良好という面も魅力的です。

そんな大蔵村について、暮らしの特徴や、仕事・住まい探しなど、移住を検討するために役立つ情報をたっぷりとお届けします。

本日お話を伺った方
大蔵村のキャラクター「おおくらくん」

大蔵村役場 総務課 政策推進係
主任

福本 有希子さん

大蔵村の暮らし、3つの特徴

大蔵村の暮らしの特徴

地方移住を検討している方の中でも、特に次のような方には大蔵村がおすすめです。

  • 雪国への移住を希望している
  • 自然に囲まれた環境で、都会とは反対のスローライフを叶えたい
  • 温泉が好きで毎日でも入りたい。また、温泉郷の風情に心が惹かれる
  • 田舎暮らしを楽しみたいが、旅行などの際には各都市に出かけやすい方がいい

なぜこのような方に大蔵村が向いているのか、その理由を踏まえつつ、大蔵村の暮らしの特徴を紹介していきます。

特徴1:「日本で最も美しい村」の豊かな自然

雪景色の大蔵村

大蔵村は「日本で最も美しい村」連合(※)に加盟しています。

豪雪地帯として知られ、冬には一面の雪景色が広がる大蔵村。春になれば、村を囲む山々から雪解け水が流れ、田畑では農作物がすくすくと育ちます。

日本の棚田百選に選ばれている「四ヶ村(しかむら)の棚田」では、四季折々の自然あふれる風景が、見る人の心を癒します。「四ヶ村」とは、村内の4つの集落の総称。棚田の面積は約120ヘクタールにも及び、そのスケールは東北一です。

(※)フランスの、素朴で小さな村の美しさを伝える「フランスで最も美しい村」運動をお手本に、日本の農山漁村の景観や文化を守るNPO法人

四ヶ村棚田のイベント「ほたる火コンサート」の様子
▲夏、四ヶ村棚田では、約1200本のほたる火がともりピアノとオカリナの音色が響きわたる「ほたる火コンサート」が開催される

大蔵村はこのように、豊かな自然の中で、季節の移り変わりをじっくりと味わえる村。都会の人混みや、時間に追われる生活と正反対の「スローライフ」を求めている方には、ピッタリといえる移住先です。

特徴2:歴史と風情が香る温泉郷

「肘折いでゆ館」の展望風呂
▲大自然に包まれるような感覚が楽しめる「肘折いでゆ館」の展望風呂(画像引用:大蔵村

大蔵村には、807年開湯といわれ、1200年以上の歴史をもつ「肘折(ひじおり)温泉郷」があります。その名前は「肘を折った老僧がこの湯に浸かったところ、たちまち傷が治った」という逸話に由来するのだとか。

現在、肘折温泉街には20軒の旅館が立ち並んでいます。どの宿も、かけ流しの湯と、地元食材をふんだんに使った郷土料理がご自慢です。

さらに、風情あるまち並みとその中をゆっくり走る人力車、地元のお母さん達が持ち寄った旬の野菜や漬物が並ぶ「肘折朝市」など、肘折温泉郷には、何度でも訪れたくなる魅力がたくさんあります。

肘折温泉街を走る人力車
▲湯治場らしい情緒あふれる肘折温泉に、よく似合う人力車。肘折温泉の歴史や観光情報も教えてもらえる

肘折朝市
▲雪の降る季節をのぞき毎日開催される「肘折朝市」は、肘折温泉の名物のひとつ。朝市のお母さん達とのコミュニケーションも楽しい

また最近では、夏の夜に灯籠のあかりが灯る「ひじおりの灯」や、雪壁の回廊の散策が楽しめる「肘折幻想雪回廊」など、さまざまなイベントも開催されています。

古き良き時代を受け継ぐ温かさと、未来へ向けた新しい取り組みの、両方を兼ね備えた肘折温泉。温泉や、温泉街の風情が好きな方なら、毎日でも通いたくなるかもしれません。

「ひじおりの灯」の灯籠
▲「ひじおりの灯」の灯籠には、アーティストによって、肘折温泉の風景や文化などを織り込んだ絵柄が施される

特徴3:新幹線も飛行機も利用しやすい

田舎のスローライフが存分に味わえる大蔵村ですが、一方で、都市部へのアクセスが良好という便利な一面もあります。

大蔵村に鉄道は通っていませんが、隣接する新庄市の「新庄駅」までは車で20分。新庄駅には山形新幹線が停まり、そこから山形や大宮といった大都市、そして東京までを結んでいます。

首都圏から移住する方にとっては、知り合いや家族のいる東京と行き来がしやすいのは、嬉しいポイントではないでしょうか。

さらに、山形空港までも車で約1時間。山形空港からは、東京・大阪・名古屋・札幌(新千歳)へ便が出ているので、旅行などにもフットワーク軽く出かけられそうです。

山形空港からは、肘折温泉まで直通の観光ライナー(予約制)も運行しています。出張や旅行から山形空港に帰ってきて、旅の疲れを癒しにバス1本で温泉へ直行なんていう贅沢も叶いますね。

大蔵村の暮らしに関する情報

ここでは、移住を検討するうえで重要となる、大蔵村の暮らしに関してのさまざまなデータをお届けします。

気候 1月:平均気温−1.8°C
8月:平均気温21.9°C
※参考:気象庁ホームページ
人口 人口:2,907人
世帯数:1,033世帯
(2023年4月時点)
近隣都市 新庄市、村山市、寒河江市、最上郡舟形町、戸沢村、東田川郡庄内町、西村山郡西川町
公共交通 村営バス
大都市へのアクセス 山形市へ:車+電車で約1時間30分
仙台市へ:車+新幹線+電車で約2時間40分
東京へ:車+新幹線で約4時間
病院 診療所1
学校 小学校1、中学校1
行事・イベント 雪上桜、肘折温泉開湯祭、四ヶ村棚田ほたる火コンサート、肘折ダムライトアップ

大蔵村は、特別豪雪地帯にも指定されている雪深い村です。大蔵村への移住を検討するにあたっては、雪国の暮らしについて、事前にしっかりと情報収集をすることが大切です。

もっとも、村の除雪体制はしっかりと整備されています。除雪車は夜中から稼働するので、朝早い通勤でも、道路に雪が積もって運転できないようなことはないでしょう。

家の周りの雪かきには、除雪機があると便利です。除雪機購入の際は補助金が利用できるので、参考にしてみてください。

詳細:家庭用除雪機の購入を補助

こういった自然環境も手伝って、大蔵村では、地域の中でお互いを気にかけ、助け合う精神が根付いています。人と人との距離が近く村全体が大きな家族のような、温かさにあふれた村なのです。

大蔵村には、地域色豊かなお祭りや行事もたくさんあります。

“肘折温泉開湯の日”7月14日に行われる「肘折温泉開湯祭」は、お湯の神様に感謝し、歴史を受け継いできた先人の偉業をたたえる神事。地蔵神輿行列や餅まきなども行われ、温泉街はにぎわいに包まれます。

「肘折温泉開湯祭」で、白装束を着て地蔵神輿をかつぐ人々
▲「肘折温泉開湯祭」は、歴史ある肘折温泉への誇りと、温泉郷の団結を再確認する晴れやかな行事

【仕事】近隣の新庄市を含めると求人豊富

大蔵村では、隣接する新庄市(大蔵村から車で約20分)へ通勤する方が多いそうです。

2023年10月現在、大手求人サイトで、大蔵村内および通勤約30分の範囲(25km圏内)の正社員求人を検索すると、約1,300件がヒットしました。

参考:正社員求人情報の一例(大蔵村から25km圏内)

なお、東京圏から移住のうえ、山形県が設置する就業支援マッチングサイトを利用して就業した方は、最大100万円の支援金を受け取ることができます。条件に当てはまる方は、ぜひ活用してください。

詳細:移住支援金について|山形県移住支援金対象求人サイト

参考:求人情報の一例(山形県最上地域)|山形県移住支援金対象求人サイト

【住まい】空き家バンクは進化中。新築・リフォーム支援あり

大蔵村には空き家バンクが用意されています。

2023年10月現在、登録物件は1件です。村内に空き家は多数あるので今後登録が増えるかもしれないとのこと。興味のある方は、ご相談をしてみてはいかがでしょうか。

詳細:空き家バンク登録物件

そのほか、住まいの選択肢としては新築や、子育て支援住宅が挙げられます。子育て支援住宅については2023年10月現在満室ですが、空きが出た場合には公式サイトでお知らせがあります。

詳細:子育て支援住宅「どんぐり」

住宅関連の支援としては、新築・リフォームに対する補助金制度があります。Uターン移住で実家をリフォームする予定がある方も、ぜひ活用してください。

交付対象工事 補助内容
移住世帯・新婚世帯・子育て世帯が行うリフォーム工事 村内業者による施工の場合:事業費の30%(上限50万円)
県内業者による施工の場合:事業費の20%(上限20万円)
上記以外の方が行うリフォーム工事 村内業者による施工の場合:事業費の20%(上限30万円)
県内業者による施工の場合:事業費の10%(上限12万円)
これから移住する方または移住して1年未満の方が、住宅を購入して行うリフォーム工事 上記リフォーム補助金+50万円(上限50万円)
※村内業者または県内業者による施工
新築工事 事業費の20%(上限50万円)
※村内業者による施工
これから移住する方または移住して1年未満の方が行う新築工事 村内業者による施工の場合:新築補助額+50万円(上限100万円)
県内業者による施工の場合:50万円

詳細:住宅リフォーム支援事業

【育児・教育】自然の中での体験と、芸術文化に力を入れる教育

大蔵村の育児支援制度としては次のようなものがあります。子どもの誕生時に加え、学用品や制服など物入りになる、小・中学校入学時の支援があるのが嬉しいところですね。

出産・子育て応援交付金 大蔵村に住所を有し、妊娠届出をした妊婦さん1人につき【5万円(出産応援交付金)】、出生した子どもを養育する方に対し、子ども1人につき【5万円(子育て応援交付金)】を支給
誕生祝金 子どもが誕生した家庭に対し、以下のお祝い金を支給
第1子:10万円
第2子:20万円
第3子以降:30万円
入学祝金 子どもの<小学校入学時>と<中学校入学時>に、それぞれ5万円を支給

教育面では、村の教育課と学校が協力し、自然の中で多くの体験をする学習を大切にしています。

「おおくら葉山塾」では、村の“達人”を先生とし、仲間と力をあわせて登山をしたり、川で魚を捕ったり、村内の銅鉱山を探検して歴史を学んだりとさまざまなプログラムを実施。

子ども達は、大自然をフィールドにのびのびと活動しながら、こまやかな感受性や“生きる力”を育んでいきます。

村ではまた、芸術文化活動にも力を入れています。「大蔵村芸術作品展」では、一般公募の写真や作品とともに、村内の子ども達の書写や絵画を展示。子どもならではの発想や夢がいっぱいの作品に、ふれることができます。

大蔵村へ移住した人の体験談・感想

大蔵村へ移住した人の体験談

ここでは、実際に移住して大蔵村に暮らしている方の体験談や感想をご紹介します。

  • 自然が豊かで、ゆったりと時間が流れている気がする
  • 温泉がとても魅力的。村では、自宅にお風呂を作らずに毎晩入りにいくという人も珍しくない
  • 新庄市などへのアクセスは良いし、ネットでの買い物も遅延なく届く。暮らしに不便は感じない

豊かな自然と温泉に恵まれた大蔵村。のんびり、ゆったりとした暮らしを満喫しているという声が多く見つかりました。

大蔵村への移住に向けた行動

大蔵村への移住について、もっと情報を集めたい方は、村役場へのお問い合わせがおすすめです。

村では、いきなりの移住でなく、まずは観光がてらに訪れてみたいという方のご相談も歓迎しています。

また地域おこし協力隊の募集などもあるので、ご都合やご希望に合った方法で、移住へのステップを踏み出しつつ、大蔵村の魅力にたくさん触れてみてください。

詳細:地域おこし協力隊募集

大蔵村への移住に関するお問い合わせ

担当課 総務課
住所 山形県最上郡大蔵村大字清水2528
電話番号 0233-75-2111
対応時間 8:30~17:15(土・日・祝日と年末年始を除く)
公式サイト https://www.vill.ohkura.yamagata.jp/kurashi_tetsuzuki/iju_teiju/index.html