花巻市での暮らし。移住に関する補助金や子育て環境・仕事や住まいについて解説|岩手県
この記事では、岩手県への移住を検討している方に向けて、花巻市の暮らしの特徴や移住支援についてご紹介します。
花巻市は、岩手県のほぼ真ん中に位置しています。市の中央には北上川が流れ、西には奥羽山脈、東には北上高地の山並みが連なる自然豊かな環境であり、四季の移ろいを存分に感じられるまちです。
一方で、飛行機・新幹線・高速道路と充実した交通網を有しており、スーパーやコンビニ、ドラッグストアも点在しているため、生活利便性の高さも魅力。
子育て支援に力を入れているほか、新規就農者に対するサポートも手厚いので、移住して新しいことを始めたい!という若い世帯におすすめの移住地です。
今回は、花巻市の移住コーディネーターで、自身も東京からの移住者である菅崎小夏(すがざきこなつ)さんに、花巻市の魅力や仕事、住まい、補助金制度についてお伺いしました!
花巻市の暮らしの特徴3つ
花巻市への移住を考えている方に向けて、とくにご紹介したい特徴は下記の3つです。
- 飛行機・新幹線・高速道路あり!充実した交通網でどこへ行くにも便利
- 新鮮な食材が手軽に安く手に入る!グルメ通必見のまち
- 日帰り温泉も多数!市内で旅行気分が味わえる「温泉のまち」
それではこれらの特徴について詳しく見ていきましょう。
特徴1:飛行機・新幹線・高速道路あり!充実した交通網でどこへ行くにも便利
花巻市は、県内で唯一の空港「いわて花巻空港」を有しています。国内は、札幌・大阪・福岡・名古屋・神戸への定期便が運航中。国際線は台湾便が運航しています。
また、東北新幹線の停車駅である「新花巻駅」、東北自動車道と釜石自動車道が整備されており、どこへ行くにも利便性の良い交通網があります。
▲花巻駅
▲花巻インターチェンジ
東京都内までは新幹線で約3時間で行けるため、リモートワークをメインとして働き、月に数回出社するという方にとっても便利な立地といえます。
また、岩手県の県庁所在地である盛岡市まで車・電車ともに50分ほどで行けるため、通勤・通学している方も多いそう。
「仕事を変えずに移住したい」という方や、「旅行や観光が好き」という方にとっても、花巻市の交通網の良さは大きな魅力でしょう。
特徴2:新鮮な食材が手軽に安く手に入る!グルメ通必見のまち
花巻市は、豊かな自然の恩恵を受けた、新鮮で美味しい農産物の宝庫です。
お米や野菜はもちろんのこと、雑穀も日本で有数の産地です。健康志向が高まっている昨今、ご飯に混ぜたり、お菓子作りに利用したりと雑穀の使い方は多種多様!
他にもりんごやぶどう、果物の栽培も盛んで、ワインや日本酒づくりも有名。南部杜氏発祥の地でもあります。
市内各地に、産直や無人販売があり、旬の食材が手軽に安く手に入ります。また、交通網が充実しているため、新鮮な魚介類などの流通も盛んなので、年間を通して、美味しい食材に出会える確率が高いでしょう。
花巻市では、季節の移り変わりに合わせた食材や、地元の新鮮な食材に囲まれた暮らしが実現します。移住後は、毎日の食卓に彩りが増えたり、料理が苦手な方も作るのが楽しくなったりと、生活の質もアップしそうな予感です。
特徴3:日帰り温泉も多数!市内で旅行気分が味わえる「温泉のまち」
花巻市は、東北でも有数の温泉地と言われています。市内には全部で12の温泉群がある、まさに「温泉のまち」!
実際に温泉好きが高じて花巻市に移住してきた方も多くいるとか。遠出せずに温泉に浸かれるのは、温泉好きの方には大きなメリットといえるでしょう。
温泉地に勤める方や、事業承継したいと花巻市に移住してきた方もいます。また、温泉付きの物件もあり温泉好きの方におすすめです。
▲花巻温泉で見られる風景
市内には全部で32軒の温泉施設が建ち並んでおり、平日でも仕事帰りに日帰り入浴しに来る方で賑わっているそう。温泉郷は、花巻市の山間部にありますが、市街地から車で15~20分ほどで行けるので便利!日帰り入浴の選択肢もたくさんあるので、気軽に旅行気分が味わえるでしょう。
▲台温泉のまちなみ
▲花巻南温泉峡
市内に素敵な温泉宿がたくさんあるので、遠出せず交通費を抑えた分、ごほうびに宿泊してのんびりと過ごしています。
花巻市の暮らしに関する情報
▲9月に開催される「花巻まつり」花巻の伝統文化がみられる人気のイベント
つづいては花巻市の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:平均気温:-1.5℃ 8月:平均気温:27.6℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 90,182人 (2024年8月末時点) |
医療施設 | 病院:3、一般診療所:68、歯科:35 |
学校 | 小学校:16、中学校:11、高等学校:6、大学・支援学校・専門学校:4 |
交通 | 【飛行機】 いわて花巻空港 □札幌(新千歳空港)まで約1時間 □大阪(伊丹空港)まで約1時間30分 □名古屋(小牧空港)まで約1時間15分 □福岡(福岡空港)まで約2時間30分 □神戸(神戸空港)まで約2時間30分 【鉄道】 東北新幹線:新花巻駅 □東京駅まで約2時間40分 □仙台駅まで約1時間 □新青森駅まで約1時間30分 □新函館北斗駅まで約2時間20分 東北本線:花巻駅 □盛岡駅まで約40分 【車】 東北自動車道:花巻南IC、花巻南IC、花巻PAスマートIC □青森まで約2時間 □仙台まで約1時間30分 □川口まで約5時間 秋田自動車道経由で □秋田中央ICまで約1時間45分 釜石自動車道:花巻空港IC、東和IC □遠野まで約40分 □釜石まで約1時間15分 |
花巻市は、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが多数あるため、日常的な買い物は市内で十分です。市街地であれば徒歩圏内で調達できます。
▲大型直売所「母ちゃんハウス だぁすこ」もおすすめ!
総合病院も数軒あり、近隣自治体には岩手医科大学附属病院や岩手県立中部病院もあるので、医療機関も十分といえるでしょう。
冬は雪がふるため、雪に慣れていない方は一度冬に足を運ぶことをおすすめします。地域によっては積雪が多いため、朝晩の雪かきは必須です。かまくら作りもできますよ!
冬はもちろんですが、真夏にもぜひ来ていただきたいです!東北は涼しいというイメージがありますが、昼間は35度くらいまで気温が上がります。ただ、夜は気温が下がるのですっきりとしていて過ごしやすいですよ。
【子育て】補助金&相談機関や団体が充実!遊び場もたくさんある
花巻市では、妊娠期から子どもが大きくなるまで切れ目のない支援を実施しています。妊産婦には、健診や通院・入院する際の交通費や、分娩待機などの際の宿泊費・交通費を助成するほか、妊娠中に出産応援交付金、出産後に子育て応援交付金を交付。また、副食費支援金や在宅育児支援金の交付を実施するなど、経済的な支援が大充実。
不妊治療や産後ケアサービスのほか、一時預かりや学童クラブ、発達に関する相談窓口など、子育ての悩みに寄り添ってくれる機関も整っています。
子ども医療費助成制度では、市内在住の全ての子どもが対象で、乳幼児は無償です。
公式:子ども医療費助成
また、高校生や大学生になると花巻市独自で取り組む「奨学金制度」が利用できます。これは、無利子で2種類の奨学金の貸与が受けられる制度です。対象者に条件はありますが、学ぶ意欲のある子どもたちの背中を押してくれる支援といえるでしょう。
公式:奨学金制度
花巻市の子育てについてもっと詳しく知りたい!という方は、市が発行している「子育てガイドブック」をチェックしてみてください。
公式:花巻市子育てガイドブック
【遊び場】屋外・屋内ともに遊び場が充実
▲花巻広域公園・平塚花巻交流の森
花巻市は近隣市町村も含め、大小さまざまな公園や体験施設などを複数有しているため、休みの日に遊びに行く場所に困りません。
▲花巻広域公園で見られる秋の景色
中でも人気なのが、「花巻おもちゃ美術館」です。岩手県産材をふんだんに使った体験型木育施設で、実際にさわって遊ぶことができます。木のぬくもりあふれる空間は子どもたちだけでなく大人も癒されるでしょう。
▲同ビル内には食堂もあるので一日中遊べる。週末には工作イベントも開催中!
また、花巻市には「心のねっこを育む」を合言葉に活動する「あそびばnekko」という団体があります。山や田んぼなど、花巻市の自然環境を生かした遊びを体験できるイベントを定期的に開催しています。
▲あそびばnekkoの活動のようす
子どもたちが自然の中で思い切り遊べることに加え、同じ年代の子を持つ保護者同士のつながりにも期待できます。
あそびばnekkoへの参加は「子どもたちをのびのびと育てたい!」「移住先で仲間を見つけたい!」という方にもぴったりです。
【仕事】市内に働き口多数!新規就農者向けのサポートが手厚い
花巻市の正社員の求人を大手求人情報サイトで検索したところ、約1,000件以上が見つかりました。(2024年8月時点)業種の割合は、製造業、卸売業・小売業、医療・福祉、農業が多く占めています。
参考:求人情報の一例(花巻市のみ)
花巻市は交通アクセスが良いことから、北上市や盛岡市に通勤している方も多いそう。また、「農業で暮らしていきたい!」と夢を持って移住を決めた方も多いです。
研修や補助金支援など新規就農者に向けてのサポート多数
花巻市の東和町には研修を受け入れている自然農園、大迫町には葡萄が丘農業研究所があり、そこで農業を学びたい!という移住者が増えています。
さらに花巻市から車で40分ほどの場所に位置する金ケ崎町にある岩手県立農業大学校の研修に参加している移住者もいるそう。
多様な研修環境が用意されている花巻市が実施する手厚い就農支援は主に下記の通りです。
- 農地の賃借料の補助
- 初期費用の補助
- 技術習得の支援
- 農地・住居の情報提供
公式:新規就農者を支援
花巻市の新規就農者支援を利用して、移住後は新鮮な野菜や果物をぜひ日本全国に届けてください。
【住まい】最大200万円の補助金あり!空き家・賃貸共に物件は豊富
花巻市は、賃貸物件も豊富です。大手住宅情報サイトで花巻市の物件を検索すると約210件が見つかりました。(2024年8月時点)※参考:物件情報の一例
空き家バンクも開設しており、公式サイトではエリアごとに物件を検索できます。間取りのほか、内部の詳細も写真で掲載されているため、理想のお家を見つける手助けとなるでしょう。空き家バンクを利用して住宅を取得する場合は最大で200万円、賃貸する場合は最大で100万円を補助するなど、支援も充実しています。
公式:空き家バンク登録物件一覧
子育て世帯・新規就農者を対象とした住宅取得に関する支援も実施中です。新生活スタートアップとして、転校などで必要となる学校の指定用品や引っ越し経費、家具・家電の購入も対象となります。18歳未満のお子さんが2人以上いる家庭には子ども1人につき10万円の加算制度もあります。
公式:移住・定住支援
花巻市へ移住した人の口コミや移住を決めた理由
ここでは、実際に花巻市へ移住した方の口コミや移住の決め手となった点をご紹介します。
- 東京まで新幹線一本で行けるのが魅力。テレワークしやすい。憧れだった花巻まつりへの参加も叶いました。
- 田舎すぎず都会でもないところがちょうど良い!
- 空き家を購入し、DIYしながら暮らしている。早朝には雲海が見れる日もあり、美しさにいつも感動します。
- 宮沢賢治が好きで移住しました。賢治さんが過ごした場所を感じながら暮らしています。
- 子連れでの遊び場もたくさんあって子どもにとっても良い環境。地域の方々に見守られながら、安心して子育てしています。
他にも、花巻市の移住者からは、アクセスの良さや子育てがしやすいという声が多く集まりました。若い世帯にこそ花巻市がおすすめ!と声を上げている方も。
わたし自身も東京都江戸川区から移住してきました。ふとした瞬間に空が広くて綺麗だなとか、四季の変化がとても身近にあって、生きている実感ができるので、そこがすごく気に入っています。
花巻市では、移住したたくさんの方たちのインタビューをまとめた「花巻ひと図鑑」を発行しています。下記URLから見られるので、ぜひチェックしてみてください。
移住者支援:移住モニターツアーや移住者交流会も開催中!
花巻市では、となりの遠野市と連携した移住モニターツアー(2024年度は10月・1月に開催予定)を開催しています。2024年10月に開催されるツアーは、2泊3日で農業や工芸の体験やまち歩きをしながら、先輩移住者や地元の方との交流を深めます。
また、移住者同士が集まって「移住者交流会」も定期的に実施しているそう。花巻市は、「知り合いがいないからなかなか移住に踏み切れない」という方にとっても、仲間と出会える機会があるので、安心材料のひとつとなるでしょう。
移住・定住ポータルサイト「いいトコ花巻」をはじめ、実際に移住してきたご夫婦が花巻市の魅力を伝えるサイト「イージューはなまき」など、移住に役立つコンテンツもたくさんあります!また、花巻市の中でも豊かな田園の広がる「東和町」や、温泉のある「湯本地区」を盛り上げるコミュニティも活動中ですので、ぜひHPをのぞいてみてください。
花巻市公式:移住・定住ポータルサイト「いいトコ花巻」
・イージューはなまき HP
・東和作戦会議 HP
・湯本地区コミュニティ会議 HP
花巻市の移住に関するお問い合わせ
花巻市への移住については、下記の担当課へお問い合わせください。
担当課 | 花巻市役所 地域振興部 定住推進課 |
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住所 | 〒025-8601 岩手県花巻市花城町9番30号 |
電話番号 | 0198-41-3516 |
公式サイト | https://www.city.hanamaki.iwate.jp/ |