奈良・菅原天満宮で学問の神様を参拝!お守り・御朱印・季節の行事を楽しむ歴史探訪デート

この記事では、奈良県奈良市にある「菅原天満宮(すがわらてんまんぐう)」で四季折々の行事と名物の梅の花を楽しむデートプランをご紹介いたします。地名にもなっている「菅原」の名を冠したこの天満宮は、菅原氏の発祥・生誕の地に古くから鎮座する、歴史ある神社です。

天満宮と深い縁のある梅の花にちなんだ行事はもちろん、地域に根差したお祭りも多く、穏やかな雰囲気を満喫することができます。季節限定の可愛らしいデザインの御朱印やお守りも見逃せません

今回は境内の見どころやデートでの楽しみ方について、菅原天満宮の権禰宜を務める中村さんに詳しくお話を伺いました。

菅原天満宮の歴史と立地の魅力

盆梅展が開催されている菅原天満宮の境内
▲菅原道真公にちなみ、梅の盆栽を鑑賞する盆梅展が開催されています。

今回ご紹介する菅原天満宮では、天穂日命(あめのほひのみこと)・野見宿禰命(のみすくねのみこと)・菅原道真公(すがわらのみちざねこう)の三神をお祀りしています。学問の神様として知られる菅原道真公を祀っているため、学業はもちろん、様々な試験の合格を後押ししてくれると言われています。

電車やバス、車でもアクセスしやすい立地も魅力的です。周囲には歴史ある神社・お寺・遺跡が点在しているため、のんびりと歴史探訪を楽しみたいカップルにもおすすめのスポットとなっています。

では早速、菅原天満宮の由緒や参拝のおすすめスポットについて詳しく伺っていきましょう。

アクセス抜群の立地と周辺の歴史スポット

菅原天満宮の正面鳥居

編集部

菅原天満宮は住宅地の一角にあり、古くから地域の方に愛されてきたとお伺いしました。この立地の魅力や、土地とのご縁などがあれば教えてください。

中村さん

菅原天満宮は奈良市西部に位置し、ターミナル駅である近鉄大和西大寺駅を中心とした氏子地域を持つ神社です。地元の参拝者も多く、毎日お参りに来られる方もたくさんいらっしゃいます。

駅からのアクセスが便利で、車での来訪も容易です。大阪方面からは阪神高速東大阪線から第2阪奈道路を利用し、宝来出口で降りてすぐの好立地にあります。周囲は宅地開発が進んでいますが、神社の境内は緑豊かな空間として保たれています。

この地域は歴史的にも重要で、同町内には「菅原東遺跡埴輪窯跡郡(菅原はにわ窯公園)」「第11代垂仁天皇陵(菅原伏見東陵)」「第20代安康天皇陵(菅原伏見西陵)」など「菅原」の名を冠した遺跡が多く残されています。これらの遺跡の存在は、この土地の長い歴史と文化的な重要性を物語っています。

菅原家ゆかりの日本最古の天満宮

菅原天満宮の鳥居横にある菅原家発祥・生誕地の記念碑

編集部

菅原天満宮は菅原道真公とご縁の深い神社ですね。日本最古の天満宮とお聞きしましたが、詳しいご由緒を教えていただけますか。

中村さん

当社は菅原家(菅家)一系三神の神社で、天穂日命・野見宿禰命・菅原道真公を祀る日本最古の天満宮です。前身となる氏神社は彼らの活躍以前からこの菅原の地にあったとされるため、創建自体はさらに古い時代にさかのぼります。

菅原家の始祖とされる天穂日命は、国土安泰・五穀豊穣の神です。その子孫である野見宿禰命は、垂仁天皇の命により出雲から大和に来られました。この地の豊かな赤土と松樹を利用した土師器(はじき)やはにわの製作に従事し、菅原の姓を賜る以前は土師臣(※1)の姓を名乗っていたといいます。
(※1)はじ・はじつかさ。貴人の葬儀の際、殉職者の代わりに埋めるはにわを発明したことを称える姓といわれる。

菅原道真公は、菅原姓に改名してから3代後の方です。学問の神様としても知られる通り学問に秀で、宇多天皇や醍醐天皇からの厚い信頼を得ていました。しかし、その後に大宰府へと左遷され、無念の死を遂げられました。

太宰府天満宮や北野天満宮などの有名な天満宮は、道真公の死後に国家事業としてお社を建て、お鎮まりいただくために創建されました。一方、当社は菅原家(菅家)発祥・生誕の地に古くからある氏神社であり、創建の経緯が異なっているのが特徴です。

お正月や盆梅展の時期には限定の御朱印授与も

「菅原天満宮」で授与されている御朱印:(左)普段授与されているもの、(右)令和4年のお正月に配布された限定のもの
▲(左)普段授与されている御朱印、(右)令和4年のお正月に授与された限定の御朱印

編集部

最近は、若い女性を中心に神社やお寺をめぐって御朱印を集める方が増えています。菅原天満宮では、御朱印をいただくことはできるのでしょうか?

中村さん

当社では通常、伝統的なシンプルなデザインの御朱印を1種類のみ授与しております。加えて、季節や特別な機会に合わせて限定の御朱印も用意しており、令和への改元時やお正月、盆梅展の時期などに特別な御朱印を授与してきました。

御朱印は参拝時間内であれば、いつでも社務所で受け取ることができます。お持ち帰りになった後は、御朱印を大切に扱い、清浄な場所に保管していただくことをおすすめします。

御朱印は参拝の証となりますので、受け取る前後には必ず神様にお参りいただくようお願いしています。

参拝の証としての性質上、これまでは原則として郵送での対応は行っておりませんでした。しかし、遠方にお住まいの方や健康上の理由でご来社が難しい方からのご要望があれば、状況に応じて柔軟に対応させていただきます。

菅原天満宮の魅力は、定番のお守りや季節の行事

ここからは、観光で菅原天満宮を訪れる際にぜひチェックしておきたい見どころを伺っていきます。境内には神社の由来にまつわる様々なスポットがあり、それらの歴史を知ることでより深く楽しむことができます。

また、地域で親しまれている伝統行事などのイベントもご紹介します。これらの情報は、デートや観光で訪れる際の参考になるでしょう。

天満宮なら梅の花と合格御守は必見!

盆梅展の時期に菅原天満宮で見られる満開の梅の花

編集部

菅原天満宮をデートや観光で訪れる際に、ぜひ見ておきたい人気のポイントなどがあれば教えてください。

中村さん

菅原天満宮は「日本最古の天満宮」ということで、日本各地から多くの方にご参拝いただいております。学業の神様である天神さまがご祭神なので、受験などの試験合格のご祈祷にお越しの方が多いですね

受験を控えた学生さんだけでなく、就職試験や資格試験のご祈願の方もよくご参拝されています。カラフルな生地を使用した合格御守も授与しておりますので、ここ一番の勝負の際などにぜひお求めください。

菅原天満宮の試験合格御守
▲様々な生地で作られた合格御守を選ぶ時間も楽しんでみて。

また境内には菅原道真公が愛した梅の木がたくさんあり、1月下旬から3月上旬ごろに見頃を迎えます。2月上旬~3月上旬までは「盆梅展」も開催しておりますよ。

この時期に来てくださると見ごたえ十分ですので、お花の好きな方などは毎年楽しみにしてくださっています。もちろん、記念撮影にもおすすめですよ。

さらに天満宮ということもあり、菅原道真公にご縁のある臥牛(がぎゅう)がたくさん奉納されています。狛犬ならぬ狛牛がおりますので、ぜひ見てみてください。古いものは耳がなかったりといろいろな牛さんがいますが、撫でたり記念写真を撮ったりしていただければと思います。
※臥牛…道真公の使いの牛。傷や病気の場所を撫でると快癒すると言われている

年間行事で楽しむ菅原天満宮の伝統

菅原天満宮の「鷽替え神事」で授与される鷽御守り

編集部

菅原天満宮では、梅の時期の「盆梅展」以外にも季節の行事があるとお聞きしました。どのような行事があるのでしょうか。

中村さん

当社では6月25日の「鷽替え神事」、2月25日の「おんだ祭」、春分の日の「筆まつり」などを開催しております。

「鷽替え神事」は、悪いことを良いことに転じてくれるといわれる「鷽(うそ)」のお守りを参拝者同士で替えていく神事です。「転じる=変える」という意味合いがあります。

従来、お守りの授与は神事当日の6月25日のみでした。2023年は鷽替え神事の代わりに誕生祭を執行しました。今後の予定は未定です。

「おんだ祭」はその年の米の豊作を祈念するお祭りで、御田植祭とも呼ばれます。奈良県内では御田植祭が多く、早い神社では1月に行われるところもあります。

当社では田主役の男性や牛役の男の子が、狂言調の口上を言いながら、田んぼの整備から稲の苗を植えるまでの所作を行います。

「筆まつり」は、使用済みの筆をお持ちいただき、お焚き上げをする神事です。書道を嗜む方が多くいらっしゃいます。

当日は書道道具の即売会や一字書きなども行われますので、普段書や筆に触れる機会が少ない方もお気軽にお越しください。

菅原天満宮の境内にある筆塚
▲筆祭りの際にはこの筆塚の前でお焚き上げが行われる。

カップルで楽しむ菅原天満宮デートプラン

続いて、デートで菅原天満宮を訪れる際に押さえておきたいポイントについてお話を伺いました。

境内の見どころや人気のお土産、さらに菅原天満宮と合わせて訪れたい周辺のデートスポットなどをご紹介します。カップルで楽しむ際の参考にしてください。

カップルにおすすめの参拝スポットと授与品「梅の香りまもり」

菅原天満宮で授与される梅の香りまもり

編集部

菅原天満宮には、デートで訪れる際に見ておきたいスポットやカップルにおすすめの授与品などはありますか?

中村さん

ご夫婦やカップルの方には、本殿西側にある二つの末社をおすすめします。

一つは稲荷神社(御祭神:豊受気姫神)、もう一つは春彦神社(御祭神:渡会春彦翁神)です。

これらの社には興味深い由来があります。道真公のお兄様方が早逝された際、父の是善が当時の豊受大神宮権禰宜であった渡会春彦に祈願させたところ、後に道真公がお生まれになったそうです。そのため、子授けや安産の神様としても知られています。

本殿東側には市杵島神社(御祭神:市杵島姫神)があり、宗像三女神の一柱をお祀りしています。この神様は、財運や美容に縁があるとされ、全国的に広く信仰されています。

女性の方には、梅の香りまもりが特に人気です。このお守りは、ピンク色をベースにしたちりめん生地で梅の形に作られており、控えめな音の小さな鈴が付いています。御鈴守には梅の花が描かれており、5色の中からお好みの色を選べます。

菅原天満宮の梅の香りまもりに付けることのできる五色の鈴

菅原天満宮と一緒に回れるデートスポット


▲電車で20分ほどで近鉄奈良駅にも出られる立地。

編集部

菅原天満宮をデートで訪れた際に、一緒に回ることのできるスポットなどがあれば教えてください。

中村さん

近隣には西大寺・喜光寺などのお寺がありますので、神社仏閣巡りには便利な場所です。西ノ京にも近く、少し足を延ばせば薬師寺や唐招提寺にも行くことができますよ。

散歩やウォーキングを楽しまれるのでしたら、平城宮跡公園も比較的近くおすすめです。西大寺駅からバスも出ておりますし、駐車場もあるので行きやすいかと思います。

また当社の最寄である大和西大寺駅から2駅で、近鉄奈良駅へも出ることができます。有名どころの興福寺・東大寺・春日大社・奈良公園にも気軽に足を運んでいただけますよ。

編集部

今日はお話を聞かせてくださりありがとうございました。

菅原天満宮の口コミ・評判など

枝垂れ梅と梅の盆栽が並ぶ菅原天満宮の境内の様子

菅原天満宮は古くから地元で愛され、地域の方々の心のよりどころとなっています。毎日参拝に訪れる方も多く、願い事がよく叶うとの声も聞かれます。

万葉集や源氏物語にも詠まれた「菅原」の地には、現在も多くの参拝客が訪れます。ここでは編集部が独自に調査した、菅原天満宮を訪れた方々の口コミや感想をご紹介いたします。

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受験シーズンと梅の見頃が重なり、たくさんの梅の花と参拝客で賑わって活気があります!
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菅原氏の発祥の地として有名で、就職試験のためにお守りをいただきました。カラフルで可愛いものが多いです。
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年季の入った牛の像が可愛らしいです。駐車場も広く、車椅子利用者は裏側から入れるので便利です。

この他にも、恋人や友達同士で色違いの鈴を授与してもらったという話など、かわいらしい授与品への注目も多く見られました。梅が見ごろになる盆梅展の時期はもちろん、1年を通して様々な目的の方が訪れています。

菅原天満宮の基本情報(営業時間・アクセスなど)

住所 〒631-0842
奈良県奈良市菅原東1-15-1
連絡先 0742-45-3576
アクセス 【近鉄電車】
・大和西大寺駅から徒歩20分
・尼辻駅から徒歩15分
【奈良交通バス】
・阪奈菅原バス停から徒歩3分
・菅原神社前バス停から徒歩1分
営業時間 9:00~16:00
駐車場 あり
予約 不要
※御祈祷や団体参拝の場合は事前に連絡が必要
公式URL http://www.sugawaratenmangu.com/

※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。