原子力科学館で身近な原子力について2人で考えるデート|茨城県東海村

原子力や放射線には、なんとなく怖いイメージがある方もいるのではないでしょうか?でも実は、私たちの身近に存在するものなんです。

こうした科学技術に興味があるカップルには、茨城県那珂郡東海村にある「原子力科学館」でのデートはいかがでしょうか?ここでは、難しい原子力や放射線について、分かりやすく学ぶことができます。

今回は、そんな原子力科学館のスタッフ・澤幡さんにインタビューを行い、施設の魅力や見どころについてお聞きしました。

原子力や放射線の基礎を学べる「原子力科学館」

原子力科学館の外観

原子力科学館は、公益社団法人茨城原子力協議会が運営する施設です。館内には、来館者が原子力や放射線の基礎を分かりやすく学べるように工夫が凝らされています。

ではまずは、原子力科学館の展示から紹介しましょう。

放射線の飛んだ跡が目に見える「世界最大級の霧箱」はイチオシの展示

編集部

まずは、原子力科学館の展示について教えてください。

澤幡さん

当館は、原子の科学や放射線について科学者たちの足跡を追いかけ紹介する、原子力に関する「総合博物館」です。

展示の1番の目玉は、「世界最大級の霧箱」です。身の回りの物質から放出されるものや宇宙から降り注ぐものなど、私たちの周囲には普段からさまざまな放射線が飛んでいます。

霧箱は、そんな放射線が飛んだ跡が飛行機雲のようになったものを観測できる装置です。放射線の飛跡(ひせき)は、ダイナミックで非常に幻想的ですよ。

原子力科学館の霧箱
▲1階展示室にある霧箱。画像右下のように放射線の跡が見えます

当館の霧箱は2022年の3月にリニューアルいたしました。上野の国立科学博物館で展示されているものの約2倍の大きさで、世界最大級の霧箱なんです。

編集部

こちらの霧箱は澤幡さんのお気に入りの展示だそうですね。

澤幡さん

はい、ここで働くようになって霧箱の存在を知り、その原理を教えてもらいました。幻想的で雄大な様子はとてもロマンティックに感じます。

体験型展示で身近な放射線について学ぶ

編集部

原子力科学館ならではの体験型の展示はありますか?

澤幡さん

展示館の中には、空港の手荷物検査と同じようにエックス線やガンマ線を用いてバックの中の様子を見られる検査装置があります。また、実際の放射線測定器を使って身のまわりの物を測定する体験ができますよ。

展示室にある「身の回りの放射線測定」
▲「身のまわりの放射線」。意外なものが放射線を発していることが分かります

展示室にある「電車に乗って放射線計測」
▲「電車に乗って放射線計測」。大地からの放射線を、鉄道模型を走らせて確認しましょう

また、有料となりますが、放射線の通った跡を観測することができる「霧箱」の作製もできます。

お子様と一緒に来館された場合も、家族でが楽しめるようにクイズをしながら展示を見てまわることができます。未就学児のお子様にはやさしいクイズもご用意していますよ。

原子力科学館で秋の科学館クイズラリーに参加する子供たち
▲クイズ片手に楽しく展示を回るクイズラリー

編集部

展示を通して、来館者にはどんなことを感じてほしいですか?

澤幡さん

原子力・放射線と聞くと怖い・危険なものというイメージがありますが、放射線は身の回りに存在し、医療・工業・農業分野でも使われています。

展示をご覧になって実際に確かめてほしいと思っています。

>>展示の詳細はこちら

リニューアルした新しい展示にも注目!

編集部

原子力科学館では、2023年12月現在、展示のリニューアルをしているそうですね。どのような展示ができあがるのでしょうか?

澤幡さん

2020年から館内展示品のリニューアルを進めています。

2021年にはアインシュタイン博士が原子の不思議な力や放射線を案内する「アトミックトラベル ‐原子の力‐」、2022年には世界最大級の霧箱や放射線の不思議をクイズで学べる「ラジエーションボックス ‐放射線の正体-」が完成しました。

「アトミックトラベル-原子の力-」の一コマ
▲「アトミックトラベル‐原子の力‐」。シアター内で迫力の映像を楽しめます

2023年には放射線の測定や体験ゲーム等を行いながら元素や放射線について学べる「ネイチャータウン -自然界の放射線-」の展示が開始しました。

2024年3月頃に、放射線と原子力が用いられている様々な技術を、それらが使われているシーンを再現したブースの中で体験できる「テックストリート-人と放射線・原子力の利用-」が公開される予定です。

原子力について多角的に学べるのが原子力科学館の魅力

編集部

澤幡さんが思う、原子力科学館の魅力はなんでしょうか?

澤幡さん

当館のイメージキャラクターは「アインシュタイン博士」です。展示では、アインシュタインなど過去の科学者から、現在に至るまでの放射線・原子力について、基礎的な事項を学ぶことができます。

原子力科学館のイメージキャラクターであるアインシュタイン博士の案内
▲イメージキャラクターのアインシュタイン博士。館外では案内板の役割もしてくれています

当館には、手で触れて遊びながら学べる展示と、原子力災害など実際に起こった出来事もきちんと学べる展示とがあります。原子力について楽しく学びつつも、その影響について真剣に考えられるのが原子力科学館の魅力だと思いますね。

また、入館料が「無料」であることもポイントでしょうか。

展示室にある「実物大周期表」
▲全ての元素についてまとめた「実物周期表」

「実物大周期表」のアップ
▲パネルをめくると元素の名称や性質、用途などがよく分かります

原子力科学館でのデートでの楽しみ方

原子力科学館の魅力的な展示についてのお話が聞けましたね。続いては、デート利用時の楽しみ方について聞いてみましょう。

写真撮影自由な館内でゆっくり展示鑑賞しよう

編集部

館内で写真撮影はできますか?また、見学中に少し休めるところがあれば教えてほしいです。

澤幡さん

館内はどこでも撮影可能です。エントランスのアインシュタインの像の横でアインシュタインのポーズを真似して撮っている方が多いですが、皆様それぞれ「映え」スポットを探して撮影されています。

また館内では、ベンチに座りながらゆっくりと展示をご覧になることもできます。

1年を通してさまざまなイベントが盛り沢山!

夏休みイベント企画の様子

編集部

原子力科学館では、カップルで参加できるイベントはありますか?

澤幡さん

ゴールデンウィーク、夏休み、クリスマス、バレンタインなど、1年を通してさまざまなイベントを開催しています。

たとえば、親子対象ではありますが、夏休み等のイベント時には、プラスチック粘土のおゆまるを使って化石のレプリカを作る工作教室や、星空観望会などがあります。

夏休みイベントに参加する親子
▲おゆまるは、お湯で柔らかくなり冷えると固まる粘土。化石のレプリカ作りに挑戦!

星空観望会の様子
▲星空観望会の様子

また、年間で計画している企画展のテーマに合わせた講演会もたびたび開催しています。外部講師をお招きし、分かりやすいお話や実験などをしてもらっているんです。

原子力科学館での講演会の様子
▲講演会の様子。専門家が子供でも分かりやすいように丁寧にお話ししてくれます

こんな感じで、当館では子ども達に楽しく科学への興味をもってもらえる企画をおこなっています。

>>イベントについてはこちら

編集部

カップルで参加できるイベントもありますか?

澤幡さん

例えば、大道芸サークルによる「ジャグリングショーとジャグリング体験」で大学生と一緒に「ボール、シガーボックス、ディアボロ」などのジャグリング体験や、「盲導犬の訓練犬と一緒に歩行体験」などに参加できます。

原子力科学館のジャグリング体験の様子
▲ジャグリング体験の様子。どっちがうまくできるか競うのも楽しそう

原子力科学館の盲導犬とのふれあいイベントの様子
▲盲導犬の訓練犬と触れ合う、とても貴重な体験ができる

ジャグリングは楽しいですし、盲導犬の訓練犬との体験はなかなかできないものなので、思い出の1ページになると思いますよ。

また、げんでん東海原子力館・別館の「吊るし雛展」と原子力科学館の「常陸てまり展」を見てスタンプを集めるとプレゼントをもらえるなどのイベントにも参加可能です。

原子力科学館からのメッセージ

原子力科学館のスタッフ・澤幡さん
▲今回インタビューにお答えいただいた澤幡さん

編集部

デートで原子力科学館に行きたいと思っているカップルに向けてメッセージをいただけますか?

澤幡さん

当館へカップルでご来館される方は、みなさん楽しそうにご覧になっています。2人でゲームをしたり、展示物の説明をじっくりご覧になっていたりする姿は大変微笑ましいです。

放射線の基礎知識や原子力の安全等に関する幅広い知識を学ぶことは、難しい話でもありますが、館内のアインシュタインと一緒に放射線の世界をじっくりご覧になってください。

編集部

澤幡さん、本日はインタビューへのご協力ありがとうございました。

原子力科学館の口コミ・感想

原子力科学館を訪れた方からはどのような口コミ・感想があるのか、編集部でまとめてみました。

アイコン
展示はとても興味深く、面白かった
アイコン
時間が足りなかったのでまた来たい
アイコン
子供の頃、自分が見学に来ていたが、子供と一緒に見学に来ることができて感慨深い

展示のテーマこそ難しそうですが、分かりやすく興味を惹く展示に夢中になったという感想が多くありました。

澤幡さんのお話にもあった通り、原子力科学館の展示にはお子さんでも楽しめる工夫が凝らされています。カップルでも楽しみながら原子力や放射線について学ぶことができそうです。

原子力科学館の料金・混雑しない日時

入館料 無料 
駐車場 あり
乗用車26台、大型バス2台
空いている時間帯 平日
平均的な滞在時間 1時間程度

原子力科学館の基本情報(アクセス・開館時間)

住所 〒319-1112
茨城県那珂郡東海村村松225−2
連絡先 029-282-3111
アクセス

○電車の場合
・JR常磐線「東海駅」東口より、茨交バス茨城東病院行「原研前」下車、徒歩2分
○車の場合
・東水戸道路「ひたちなかIC」から約20分
・常磐自動車道「日立南太田IC」から約20分
・常磐自動車道「那珂IC」から約30分
※ETC車は常磐自動車道「東海スマートIC」から約5km(約10分)

開館時間 9:00~16:00
休館日 ・毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
・年末年始(12/29~1/3)
公式URL http://www.ibagen.or.jp/index.php

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