【福島県喜多方市】大和川酒造店の酒蔵見学で日本酒の奥深さを体験!江戸時代から続く酒造りの世界へ

酒蔵は、建築物や歴史、お酒が好きなカップルから大人気の大人のデートスポットです。福島県喜多方市を訪れたら、ぜひ足を運びたいのが「大和川酒造店」です。寛政二年(1790年)の創業から九代にわたりお酒を造り続ける歴史ある酒造店で、酒蔵見学では時代ごとに建てられた趣きある酒蔵を見学できます

大和川酒造店では「酒造りは米作り」という考えのもと、喜多方の米にこだわり、"地酒"を超える"郷酒"を製造しています。数あるお酒のなかでも、杜氏による伝統の技が光る「純米大吟醸 いのち」は、最上級酒としてファンから愛されています。

今回は、合資会社大和川酒造店の販売課で庶務係長を務める中園智子さんにお話を伺いました。酒造へのこだわりや酒蔵見学での注目ポイント、周辺のデートスポットに至るまで幅広く教えていただきましたので、ご紹介します。

飲酒は二十歳になってから

飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や乳児期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく適量を。飲んだ後はリサイクル。

「田んぼからの酒造り」にこだわる「大和川酒造店」

福島県喜多方市に酒蔵を構える大和川酒造店は、寛政二年(1790年)から九代にわたり、230年以上お酒を造り続けています。創業以来、飯豊山の清らかな伏流水を仕込み水として一貫して使用し、数々の銘酒を生み出してきました。

ここでは、大和川酒造店のお酒へのこだわりや、代表銘柄である「純米大吟醸 いのち」の誕生秘話をご紹介します。

地域密着型の「郷酒」造りへの取り組み

大和川酒造店では「地の水」「地の米」「地の技」を信条に、喜多方産の水と米、そして代々受け継がれてきた伝統の技により、日本酒を醸しています。特にお米へのこだわりが強く、「酒造りは米作りから」という考えのもと、単なる「地酒」を超えた、より地域に密着した「郷酒」造りに力を入れているのが特徴です。

大和川酒造店・北方風土館の大正蔵
▲大和川酒造店では喜多方産の水と米にこだわった、さまざまな種類の日本酒が製造されています。

最上級酒「純米大吟醸 いのち」に込められた想い

大和川酒造店の数あるお酒のなかでも、「純米大吟醸 いのち」は特別な存在です。農薬・化学肥料を一切使用しない酒造好適米・山田錦から仕込まれたこのお酒は、「郷酒」の理念と、有機米や有機農業への情熱が息づいた最上級酒として知られています。

この銘酒の誕生には、興味深い背景があります。昭和55年、「食べ物は人間にとって、まさに『いのち』の糧、農業はいのちの産業」と有機農業の意義を説いた元・熱塩加納村農協の営農指導者・小林芳正氏と、その考えに共感した大和川酒造店の当時専務であった佐藤芳伸氏(現九代目当主・彌右衛門)がタッグを組んだことがきっかけでした。

「純米大吟醸 いのち」の特徴は、華やかな香りと贅沢なコク、そして優美な余韻にあります。しかし、その魅力的な味わいの裏には、収穫量が限られた貴重なお米を原料としているという事実があります。そのため、仕込み数が限定された希少な一品となっているのです。

全国新酒鑑評会で評価される大和川酒造店の日本酒

大和川酒造店の日本酒は、全国新酒鑑評会で過去8回連続の金賞受賞歴を誇ります。さらに、令和4年(2022年)には「純米辛口 弥右衛門」が全国燗酒コンテストの"お値打ちぬる燗部門"で最高金賞を受賞しました。このことから、同酒造店の日本酒が高い品質と優れた味わいを持つことがわかります。

大和川酒造店の酒蔵見学:魅力と体験ポイント

大和川酒造店の酒蔵見学では、江戸時代から続く歴史ある酒蔵を気軽に見学できます。希望に応じて、観光スタッフによる詳しい案内も受けられます。見どころが多い中から、特におすすめのポイントについて、中園さんにお話を伺いました。

歴史ある酒蔵の内部を見学できる!

編集部

大和川酒造店の酒蔵見学ではどのような施設を見学できるのでしょうか?

中園さん

江戸、大正、昭和の時代に建てられた3つの酒蔵「江戸蔵」「大正蔵」「昭和蔵」をご見学いただけます。当主の住居スペースから一直線に見通せるような構図で並んでいるので、ぜひ建物の近くに寄って比べてご覧ください。酒蔵は建てられた時代ごとに特色がありますよ

現在は平成2年に建てられた「飯豊蔵」で酒造りをしていますが、それまで実際に使用していた「江戸蔵」の内部は特に注目です。江戸時代にできた当店で最も歴史ある土蔵で、1階の天井にある長い梁は積雪が多い会津喜多方ならではかと思います。

大和川酒造店の江戸蔵の内部
▲大和川酒蔵の江戸蔵。現在は、昔の酒造りに使用されたさまざまな道具が展示されています。

ご案内の際は、当時使われていた酒造りの道具や設備の説明と、大和川酒造店の酒造りへのこだわりについてもご紹介いたします。

プレミアム試飲体験:「純米大吟醸 いのち」を味わう

編集部

酒蔵見学ではお酒の試飲はできますか?酒蔵へ訪れたからこそできる体験があれば教えてください。

中園さん

はい、もちろんできます。利き酒コーナーにて、定番のお酒から季節限定商品、リキュールや古酒まで幅広く無料でご試飲いただけます。さらに、当店の高級酒である「純米大吟醸 いのち」と「純米大吟醸 四方四里」の2種類も、有料ではありますが試飲が可能です。これらの試飲体験は、実際に店頭に来ていただいたお客様だけの特典となっています。

また、大和川酒造店の公式LINEアカウントをともだち登録していただくと、オリジナルグラスやおちょこをプレゼントしています。ぜひこちらもご利用ください。

「大和川酒造店」の酒蔵見学は予約不要!案内を希望するカップルは事前連絡を

編集部

大和川酒造店の酒蔵見学には予約が必要でしょうか?当日急に訪れても見学できますか?

中園さん

基本的に予約の必要はなく、自由に酒蔵見学と試飲をしていただけます。ただし、団体でのご来店や、詳しい案内をご希望の方は事前にお知らせください。ご案内の所要時間は15分から20分ほどです。見学を楽しみながら、日本酒の製造過程や歴史について学ぶことができます。

「大和川酒造店」の酒蔵見学の予約方法・所要時間・見学料金

酒蔵見学をご検討の際は以下の情報をご参照ください。

予約 団体での見学や案内を希望される方のみ要予約
電話:0241-22-2233
見学方法 個別(自由見学)
見学可能時間 9:00~16:30
見学料金 無料(ただし、一部試飲は有料)
所要時間 15分〜20分(案内をご希望の方の場合)
※試飲時間は含みません。試飲は自由に楽しめます。

「大和川酒造店」の直売所にも立ち寄ろう!売店ならではの楽しみ方

大和川酒造店では、利き酒コーナーに隣接して売店(直売所)が設けられており、試飲で気に入ったお酒やオリジナルグッズを購入できます。お客様により楽しく効果的に売店を利用していただくためのコツを、店舗スタッフに伺いました。

大和川酒造店・北方風土館内の売店
▲大正蔵の下屋(げや)にある利き酒コーナーと売店。かつては瓶詰作業場として使用されていた歴史ある空間です。

スタッフのおすすめで見つける自分好みの一本

編集部

お客様のなかには「お酒の選び方が分からない」「酒蔵の方のおすすめを買いたい」といった方もいるかと思います。お酒を選ぶ際にアドバイスをもらうことは可能でしょうか?

中園さん

もちろんです。甘口・辛口、純米酒・大吟醸…といったお客様のお好みや、どなたへのお土産か、などお聞かせいただける範囲でご相談いただければ適したお酒をいくつかご紹介いたします。

あまり日本酒に詳しくない方もご安心ください。定番人気の商品や、飲みやすいお酒をおすすめしています。

直売所限定!レアな日本酒との出会い

編集部

普段なかなか手に入らない珍しいお酒や注目のお酒があればぜひ教えてください!

中園さん

売店にお越しの際は、大和川酒造店の高級酒の先駆けとして登場した「純米大吟醸 酒星眼回(しゅせいがんかい)」というお酒にぜひご注目ください。こちらは、店頭・通販限定の商品で、なかなか手に入らない珍しいお酒です。

お酒の名前の由来は興味深く、大正9年に六代目当主・彌右衛門(現在は九代目)が茨城県牛久出身の画家・小川芋銭と交流を持った際にいただいた書画・掛け軸に基づいています。「眼を回すほど酔い心地が良い」という意味で、果実のような華やかな吟醸香と爽快な味わいが特徴的なお酒です。

また、当店では戦前から技術を受け継いできた昔ながらの味を楽しめるお酒もご用意しています。その一つが「カスモチ原酒弥右衛門酒」です。このお酒は、米麹を通常の約2倍入れ、モチ米四段仕込みという特殊な製法で濃厚甘口に仕上げた甘美酒となっています。

「大和川酒造店」の酒蔵見学に訪れた人の声

編集部

酒蔵見学を検討している方にとって、口コミは大変参考になると思います。実際に酒蔵見学に訪れた方から寄せられた声や感想があればぜひ教えてください。

中園さん

酒蔵見学では、時代ごとの蔵の構造や当時の酒造りの道具をご覧いただけます。多くのお客様がこれらの歴史的な側面に感心してくださいます。また、敷地内には飯豊山系の伏流水が流れており、お酒の試飲ができない方や暑い日の水分補給にも好評です。この水についても、多くの方から「美味しい!」という感想をいただいています

当店では、お酒造りに地元産の水・米・造り手にこだわっています。単なる「地酒」を超えた、地域に根ざした「郷酒」造りに取り組んでいます。酒蔵見学の際には、こうした地域との密接なつながりにもぜひご注目いただければと思います。

「大和川酒造店」からカップルへのメッセージ

大和川酒造店・北方風土館の暖簾側からの外観

編集部

結びに、デートで大和川酒造店の酒蔵見学を検討しているカップルへ向けてメッセージをいただけますか?

中園さん

喜多方には風土やレトロな街並み、日本酒、そして喜多方ラーメンと観光を満喫いただけるポイントがたくさんあります。見る・学ぶ・食べるをお楽しみいただけるので、ぜひご来訪ください。大和川酒造店では、日本酒の製造過程を見学しながら、喜多方の歴史や文化も一緒に学べます。カップルの皆さまにとって、思い出に残る素敵なデートになることでしょう。

「大和川酒造店」の酒蔵見学と一緒に楽しめる、周辺のおすすめデートスポット

酒蔵見学で福島県喜多方市を訪れるなら、周辺の観光スポットもチェックしておきたいものです。地元の方ならではの視点で、中園さんに大和川酒造店からアクセスが良いデートスポットを教えていただきました。喜多方市には酒蔵以外にも魅力的な場所がたくさんあるので、カップルで楽しめる場所をいくつかご紹介します。

喜多方ラーメンの名店が集結!「喜多方ラーメン館」でグルメ体験

大和川酒造店での酒蔵見学の前後に観光するなら「会津喜多方ラーメン館」がおすすめです。ここでは、レトロな雰囲気の屋台で会津喜多方ラーメンを試食したり、さまざまな製麺所のお土産を購入したりできます。ラーメン好きにはたまらない、ラーメンづくしの時間を過ごすことができます

また、食にまつわる周辺スポットとして、味噌・醤油醸造元の「若喜商店」も人気です。江戸時代から続く老舗で、国の有形登録文化財に指定されている店舗とレンガ蔵を見学することができます。歴史ある建物で醸造の歴史を感じられるのも魅力です。

公式URL:会津喜多方ラーメン館
公式URL:若喜商店

絶景スポット「恋人坂」でロマンチックな思い出作り

恋人坂は、喜多方ロマンチック街道の先にある緩やかな坂道で、会津盆地を一望できる絶景スポットです。昼間の景色はもちろん、夜景や星空も美しく、デートに最適な場所です。カップルの間では特に夕日が見える時間帯が人気で、ロマンチックな雰囲気を楽しむことができます。

参考:恋人坂・恋人岬 - ふくしまの旅

地元の魅力が詰まった道の駅「喜多の郷」で休憩タイム

観光の疲れを癒すなら、道の駅「喜多の郷」がおすすめです。軽食を取ったり、お土産を購入したりできるほか、併設の温泉施設「蔵の湯」では露天風呂やサウナでゆっくりと体を休めることができます。カップルでのんびりと過ごすのに最適な場所です。

公式URL:道の駅「喜多の郷」

「大和川酒造店」の基本情報(アクセス・営業時間)

住所 〒966-0861 福島県喜多方市字寺町4761
アクセス・最寄駅 ・JR磐越西線「喜多方駅」より徒歩約15分
・磐越自動車道「会津若松IC」より車で約30分
電話番号 0241-22-2233
営業時間 見学時間 9:00~16:30
定休日 1月1日のみ
駐車場 あり(無料)
料金 見学無料
予約 10名以上の団体は要予約
公式URL https://www.yauemon.co.jp/

※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
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