国宝「縄文の女神」展示の山形県立博物館で歴史・文化を学ぶカップルデート|山形県
「博物館めぐりデート特集」第3弾でご紹介するのは、山形県山形市にある「山形県立博物館」です。
霞城公園内にある山形県立博物館では、山形県の自然や歴史・文化にまつわる多様な資料を展示しています。特筆すべきは、全国にわずか5体しかない国宝土偶のうちの1体である「縄文の女神」を鑑賞できることです。
今回は、山形県立博物館の広報担当である小林透さんのご協力により、館内の見どころや周辺の観光スポットについてお話を伺いました。
山形県の歴史に興味がある方や、博物館をめぐるデートプランを検討中の方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
※記事中の金額はすべて税込表示です
山形県立博物館の概要と主要展示物
▲山形県立博物館の山形県地形模型
山形県立博物館は1971年に開館し、2021年に開館50周年を迎えました。山形県の自然、歴史、文化に関するさまざまな資料を展示しており、県の魅力を総合的に学ぶことができます。
レトロな雰囲気の内部ホールには、南極海のクロミンククジラの骨格標本が展示されています。成体で平均8.5-9mにもなるクロミンククジラの大迫力の標本は、訪れる人々を圧倒します。
また、博物館が立地する霞城公園は山形城跡地で、国指定史跡となっています。春には約1,500本の桜が咲き誇り、山形市随一の桜の名所として知られています。落ち着いた雰囲気の中で、カップルでゆっくりと過ごすのにも最適な場所です。
それでは、山形県立博物館の広報担当である小林透さんに、館内の見どころや周辺の観光スポットについて詳しくお話を伺いましょう。
山形県の自然・歴史・文化を紹介する総合博物館
インタビュアー
山形県立博物館は、どのような博物館なのでしょうか。
小林さん
山形県の自然や歴史・文化の概要について、地学・植物・動物・考古・歴史・民俗の各分野を通して紹介する総合博物館です。具体的には、山形県の地形や気候、動植物の生態、先史時代から現代までの歴史、伝統的な生活様式や芸能などを幅広く展示しています。また、本県の魅力を発信するための展示や教育普及活動も積極的に行っています。
インタビュアー
山形県の自然・歴史・文化を総合的に学べる博物館なんですね。多方面の分野から山形県の特徴に触れることができるので、とても興味深いです。地元の方はもちろん、観光で訪れた方にとっても、山形県の魅力を深く知ることができる貴重な場所だと思います。
国宝土偶「縄文の女神」と貴重な化石展示
インタビュアー
山形県立博物館には、どのような展示物がありますか?
小林さん
全国に5体ある国宝土偶のうちの1体である「縄文の女神」を展示しております。
「縄文の女神」は、平成4年(1992年)に山形県北部の舟形町西ノ前遺跡で発掘された縄文時代中期(約4,500年前)の土偶です。高さ45cmで完形立像土偶としては日本最大の大きさです。
縄文時代の土偶造形の1つの到達点を示す優品と評価され、平成24年(2012年)に国宝に指定されました。国宝展示室では、この「縄文の女神」を土偶残欠47点とともに展示しています。
また、当博物館には「ヤマガタダイカイギュウ」の全身骨格模型もございます。これは大型の海生哺乳類の化石の全身骨格模型です。
この化石は昭和53年(1978年)に山形県中央部の大江町の最上川河床で、2人の小学生によって発見されました。18世紀に絶滅したステラーカイギュウに通じる古い形の海牛の化石で、新種として記載されています。現在まで世界に1個体しか発見されていない貴重な化石であり、全身骨格模型と化石の産状模型などを展示しています。
さらに、珍しい展示物として「てんさらぱさら(ケサランパサラン)」もあります。これは空から降ってきて、持った人に幸せをもたらすとされる謎の毛玉のようなものです。展示されているものは非常にまれです。
山形県立博物館のホームページでも展示物等を紹介しているので、来館前にご覧いただくことをおすすめします。
インタビュアー
「縄文の女神」の立ち姿の美しさには感動しました。約4,500年前に作られたとは思えないほど保存状態もよく、国宝指定も納得です。
「ヤマガタダイカイギュウ」の化石が世界に1個体しか発見されていないという事実は、まさに山形の宝ですね。
「てんさらぱさら」は謎めいていて興味深いです。ホームページで展示物を事前に確認できるのは、とても便利ですね。
▲山形県立博物館のキノコ展示
多彩な企画展で山形の魅力を発信
▲山形県立博物館の考古展示
インタビュアー
山形県立博物館では、常時閲覧できる展示物以外に、特別な「企画展」などの開催はありますか?
小林さん
はい、定期的に企画展を開催しています。例えば、「やまはくセレクション展」は何度か開催しています。
この展示では、新たに収蔵した資料や、既存の収蔵品の中から発見された興味深い資料を紹介しました。
また、博物館の創立50周年を記念する「特別展」や、大規模な「プライム企画展」も実施しました。今後も山形県の自然や歴史を新しい視点で紹介する企画展を随時開催していく予定です。
山形県立博物館は歴史的展示物や周辺スポットが魅力
▲山形県立博物館で展示しているクロミンククジラの骨格標本
山形県立博物館は、デートを楽しむカップルにとって魅力的な場所です。館内には歴史ある展示物が数多くあり、周辺スポットの散策も楽しめます。
まず、霞城公園と調和した美しい博物館の外観を楽しみましょう。その後、静かな館内に入り、「クロミンククジラ」の迫力ある骨格標本を見学します。続いて、鉱物・岩石標本の展示コーナーでは、美しく輝く巨大アメジストに目を奪われることでしょう。最後に、「縄文の女神」を模した木造の彫刻前で記念撮影をするのがおすすめです。このような順路で回ることで、博物館の魅力を存分に味わえます。
それでは、山形県立博物館の更なる魅力について、小林さんにお話を伺いましょう。
霞城公園内の静かな環境でリラックスできる博物館
▲山形県立博物館の岩石化石鉱物展示
インタビュアー
山形県立博物館ならではの魅力を教えてください。
小林さん
山形県立博物館は梅や桜の名所である山形城跡地の霞城公園にあります。静かな環境で、市民の散歩散策コースとして親しまれています。
近くには明治時代に建てられた病院「旧済生館本館」を移築した「山形市郷土館」もあり、博物館を含めてリラックスできる空間となっています。
博物館内も静かで、レトロな建築の内部ホールには大きな「クロミンククジラ」の骨格標本があり、上からも下からも眺めることができます。
また1階には、巨大アメジストを中心に、多数の鉱物・岩石標本を展示しているコーナーもあります。
インタビュアー
霞城公園は国指定史跡としても有名ですね。落ち着いた雰囲気があるので、カップルでゆっくり過ごすのにもぴったりです。
館内の「クロミンククジラ」の骨格標本は見ごたえがありますね。1階の鉱物・岩石標本の展示コーナーも魅力的です。巨大アメジストは特に印象的で、展示ケースの中に整然と並んだ石々は非常に見やすいですね。
▲山形県立博物館の国宝展示室付近の様子
霞城公園と調和する博物館建築の魅力
▲山形県立博物館にある民俗農家の囲炉裏展示
インタビュアー
山形県立博物館にある、展示物以外の見どころがあれば教えてください。
小林さん
2021年度に開館50周年を迎える本館は、明治百年を記念する事業の一つとして1971年に建設されました。
外観は直線を基調としており、石垣を模した入口や大理石の砕石を吹き付けた白壁など、山形城跡である霞城公園に見事に調和している美しい建築物です。
館内では展示物だけでなく、建物自体も歴史的な価値があり、見どころの一つとなっています。
インタビュアー
50年以上の歴史がある建物なのですね。直線的な造形や大理石の砕石を使用した外観は、シンプルながら洗練された印象を与えます。
展示物だけでなく、博物館自体も見どころのひとつとして楽しめそうです。
「縄文の女神」を模した木造の彫刻との記念撮影が人気!
▲山形県立博物館の記念撮影場所
インタビュアー
山形県立博物館内で、記念撮影ができるスポットはありますか?
小林さん
博物館入口にある国宝土偶「縄文の女神」を模した木造の彫刻の前で記念撮影をする人が多いです。この彫刻は、約4,500年前の縄文時代中期に作られた国宝「縄文の女神」を再現したもので、来館者に人気のスポットとなっています。
館内では、撮影禁止の表示がある場所以外での撮影が可能です。ただし、フラッシュ撮影や三脚の使用は禁止されているので注意が必要です。
インタビュアー
「縄文の女神」を模した木造彫刻と一緒に写真を撮るのはいいですね。デートの記念になりそうです。撮影する際は、他の来館者の迷惑にならないよう配慮しながら楽しんでいただければと思います。
来館者の声:山形の歴史を学ぶ充実感
インタビュアー
山形県立博物館は、どのような利用者が多いのでしょうか?
また、利用者からよく聞く感想や嬉しかった声などあれば教えてください。
小林さん
家族連れや旅行者、カップルなどが多いですね。
感想としては、「国宝土偶『縄文の女神』が見られてよかった」「山形の歴史がひととおり分かってよかった」「悩みがあって来たが、展示物を見ているうちに解消した」といったお声を頂戴します。例えば、縄文時代から現代までの山形の歴史や文化を学べることや、貴重な文化財に実際に触れられることが好評です。
インタビュアー
年齢問わず楽しめるのが博物館の魅力ですね。皆さん、思い思いに楽しまれているようです。
「悩みがあって来たが、展示物を見ているうちに解消した」というお言葉も印象的です。普段は見ることができない悠久の歴史を垣間見ることで、自分の悩みを客観的に捉えられるのかもしれません。
気分のリフレッシュにも繋がりそうですね。
周辺の歴史スポット:山形市郷土館と最上義光歴史館
▲山形県立博物館の歴史展示
インタビュアー
山形県立博物館近くの、おすすめ観光スポットなどがあれば教えてください。
小林さん
山形市郷土館や最上義光歴史館などがおすすめです。また、霞城セントラルも魅力的な施設です。
インタビュアー
山形市郷土館は、擬洋風建築の特徴が凝縮された外観で、とても魅力的なスポットですね。山形県の近代医学に関する資料を無料で閲覧できるのも大きな魅力です。
最上義光歴史館では、戦国時代の武将である最上義光公に関する展示物が楽しめるので、歴史好きの方にも興味深い場所だと思います。
霞城セントラルは、映画館やレストランなどカップルでも利用しやすい施設が多数入っているので、山形県立博物館見学後のランチスポットとしても活用できそうですね。
博物館訪問前に知っておきたい基本情報
▲山形県立博物館受付の様子
山形県立博物館は、豊富な展示物と周辺の観光スポットが魅力的で、カップルのデートにも最適な場所です。ここでは、デートで訪れる前に知っておきたい重要な情報、特に予約方法や入館料などについてご紹介します。
これから、山形県立博物館を訪れる前に知っておくと便利な情報をお伝えしていきます。
入館の予約は不要
▲山形県立博物館の動物展示
インタビュアー
山形県立博物館へ入館するために、予約は必要ですか?
小林さん
予約は不要です。当日でも、開館時間内であればいつでもご来館いただけます。
入館料金は大人300円、学生150円で高校生以下は無料
▲山形県立博物館の近代遊び焼き物展示
インタビュアー
山形県立博物館の入館料を教えてください。
小林さん
入館料については以下のとおりです。大人から高校生以下まで、様々な料金設定を用意しています。
大人 | 学生 | 高校生以下 | 障害者の方と その付き添いの方 |
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料金 | 300円 | 150円 | 無料 | 無料 |
インタビュアー
大人2名でも600円とリーズナブルですね。カップルでデートを楽しむ際も、予算を抑えつつ、展示物をゆっくり鑑賞できそうです。
館内マナー:静かに鑑賞・飲食禁止エリアに注意
▲山形県立博物館のヤマガタダイカイギュウの展示
インタビュアー
博物館を楽しむ上でのマナーなどがあれば、教えてください。
小林さん
他のお客様の迷惑になるような大声はお控えください。また、飲食は決められた場所でお願いします。展示物に触れることも禁止されていますので、ご注意ください。館内では静かに歩き、展示物の前では他の方の観覧の妨げにならないよう配慮しましょう。
インタビュアー
撮影禁止の場所もありますから、館内の掲示物などもよく確認しておくといいですね。また、スマートフォンや携帯電話は、マナーモードに設定するのも大切です。
博物館デートを考えているカップルへのメッセージ
▲山形県立博物館の広報担当である小林透さん
小林さん
当館は規模は大きくありませんが、静かな環境で展示物をゆっくりと観覧できます。二人で展示を見ながら会話を楽しむのはいかがでしょうか。
太古の地球の姿を物語る岩石・鉱物・化石から、植物、昆虫、鳥類、魚類、貝類などの生物まで、自然界の不思議について語り合えます。
また、土偶や古代遺跡の出土品、山形市内唯一の国宝、地方の武士や町民の生活・信仰に関する展示品を通じて、過去へのタイムスリップを想像するのも面白いでしょう。
江戸時代以降の地方の習俗や家庭生活の変遷、特産品などを見ながら、その用途や意味を考えるのも楽しい体験になると思います。
山形県立博物館で、静かで知的な雰囲気のデートを楽しんでみませんか。
インタビュアー
山形県立博物館は、自然・歴史・文化を総合的に学べる場所だと感じました。貴重な展示品の数々に知的好奇心が刺激され、とても興味深く拝見しました。
学びながら楽しめるデートスポットとして最適ですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
山形県立博物館の基本情報
住所 | 〒990-0826 山形県山形市霞城町1番8号(霞城公園内) |
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電話番号 | 023-645-1111 |
FAX | 023-645-1112 |
開館時間 | 9:00~16:30 (入館は16:00まで) |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日) 年末年始(12月28日~1月4日) |
山形県立博物館とあわせて行きたいデートスポット
山形県立博物館と一緒に訪れたい、おすすめのデートスポットを2つご紹介します。これらは今回お話を伺った小林さんも推薦しているスポットです。博物館での学びと合わせて、山形の魅力をさらに感じられる場所となっています。
「霞城セントラル」で夜景デートを楽しむ
霞城セントラルはJR山形駅西口に位置する、レストラン、ショップ、ホテルなどを備えた複合型高層ビルです。山形市内で最も高い建築物として、街のランドマークとなっています。
カップルにおすすめなのが、最上階展望ロビーです。ここからは山形市街地のほぼ全方向の夜景を見下ろすことができ、迫力満点の光景を二人で楽しむことができます。
霞城セントラル公式ホームページ:https://www.kajocentral.com/
「山形市郷土館」で建築を学ぶ
山形市郷土館は、以前は病院として使われていた建物を霞城公園内に移築した施設です。国の重要文化財に指定されています。欧米の建築を日本の職人が再現した擬洋風建築が特徴で、外観は3層に見えますが、実際は4層構造となっています。
来館者には「絵葉書」と「しおり」が無料で配布されます。絵葉書は明治末期の済生館(現在の郷土館)の写真を使用したもので、しおりには郷土館のスタンプが押されています。これらは記念品として人気があり、思い出作りに最適です。
「山形市郷土館」紹介ページ:https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/