【網走】知られざる先祖の暮らしを発見!「モヨロ貝塚館」など博物館&美術館めぐりデート

この記事では、北海道網走市にある博物館&美術館をめぐるデートプランをご紹介しています。

今回はJR網走駅から徒歩で25分ほどのところにある「モヨロ貝塚館」。およそ1,300年前の網走に根付いていたオホーツク文化の遺跡である「モヨロ貝塚」の出土品が数多く展示されています。

「モヨロ」や「貝塚」など聞き慣れないワードが多いかもしれませんが、堅苦しさなく学ぶことができますよ。アイヌ文化の前に栄えたオホーツク文化や、モヨロ人の暮らしを体感できる大変貴重な施設です。

今回は、網走市立郷土博物館の学芸員である梅田さんに見どころを聞きながら「モヨロ貝塚館」の魅力を解説します。

このデートプランの特徴
向いている年代:すべての年代
おすすめカップル:歴史や考古学に興味があるカップル
どんなデート?:学び、節約デート、見て触れて楽しい

概要:北海道の歴史や文化、芸術を満喫!リーズナブルに楽しめる網走デート

JR網走駅から徒歩30分圏内で博物館や美術館をめぐるデートコースです。

10時 網走駅に集合
10時半~11時半 「モヨロ貝塚館」を見学
12時~13時 ランチタイム
13時半~14時半 「網走市立美術館」を見学
15時~16時 「網走市立郷土博物館」を見学

上記3ヶ所の入館料合計額は540円で、そこにランチ代を含めても一人あたりの予算は1,500円~2,000円程度。リーズナブルでありながらも、たくさんの学びが得られる大満足間違いなしのデートプランです。

博物館や美術館がメインなので、お天気を気にせずにデートを楽しめる点もおすすめしたいポイントです。

では、メインとなる「モヨロ貝塚館」の解説からご紹介します。

網走市立郷土博物館分館「モヨロ貝塚館」の魅力とは

今回は網走市立郷土博物館の学芸員である梅田広大さんへ、魅力や面白さをお伺いしました!

編集部

「モヨロ貝塚館」について、どのような施設なのか教えてください。

梅田さん

オホーツク文化の遺跡として発見された「モヨロ貝塚」の出土品をメインに、竪穴住居跡などの遺構も見学できる博物館です。

発見当時の状況でモヨロ人の住居跡を復元しており、オホーツク文化におけるリアルな生活の様子をご紹介しています。

モヨロ貝塚館の復元住居
▲モヨロ人の住居を復元したもの

6室ある展示室は「暮らし(住居)」「墓」「貝塚」などのテーマごとに分かれており、映像や復元模型、ジオラマを駆使した解説によってオホーツク文化をわかりやすく展示しています

戦前・戦後の発掘調査で得られた資料に加え、平成23年まで行われた発掘調査の出土資料など、質・量ともに豊富なコレクションをご紹介しています。

モヨロ貝塚館の展示室(墓)
▲「墓」がテーマの展示室

モヨロ貝塚館の展示室(貝塚)
▲「貝塚」がテーマの展示室

編集部

北海道の先住民族というと「アイヌ民族」が思い浮かびますが、アイヌ文化よりも前に「オホーツク文化」が存在していたとは初めて知りました!

資料だけでなく模型やジオラマのように伝える工夫がたくさんあるので、歴史に詳しくなくてもとても分かりやすいですね。

これなら、どんなカップルでも気軽に立ち寄り楽しむことができそうです。

そうはいっても、せっかくなので事前にオホーツク文化に関して知識を入れておくと、より一層楽しめますよね。

ちなみに、どんなものを事前に知っておくと良いでしょうか?

梅田さん

司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズや、米村衛の『北辺の海の民・モヨロ貝塚』などが入門書としておすすめです。

またモヨロ貝塚館は網走市立郷土博物館の分館です。本館である郷土博物館もあわせて見学いただけますと、網走の歴史や自然も含め、よりお楽しみいただけるかと思います。

編集部

司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズは、NHKスペシャルで映像化された有名な著書ですよね。

NHKでは第2シリーズ第4回目の放送がオホーツク街道をテーマにしていて、オホーツク人やモヨロ貝塚について紹介されています。

活字が苦手な方はこの放送だけでも先に見ておくと、より理解が深まって楽しめそうです。

梅田さんから見て、オホーツク文化にはどのような魅力があるのか教えてください。

梅田さん

オホーツク文化は一般的にはあまり知られていない古代文化で、日本では網走を含むオホーツク海沿いの地域でしか発見されていません

当時の人々のことを「オホーツク人」(網走では「モヨロ人」)と呼びますが、彼らは5世紀ごろ北海道に移り住んだ北方系の渡来民族と言われており、その生活様式や信仰などに独特の世界観が表れています。

モヨロ貝塚館のオホーツク式土器
▲オホーツク式土器を使用している当時の様子

その全貌は明らかになっていませんが、「忽然と現れ、そして消えた謎の民族」とも言われるミステリアスな部分が最大の魅力かと思います。

編集部

オホーツク文化は未だ謎に包まれている部分が多いんですね。歴史好きカップルの好奇心を大いに刺激することかと思います。

モヨロ人がどこからやってきて、どんな生活をしていて、どのように消滅していったのか…とても興味が湧いてきました!

モヨロ人の再現像と一緒にデートの記念撮影もOK!

編集部

モヨロ貝塚館では多種多様な展示を楽しめますが、特に注目すべき展示やカップルにおすすめのスポットはありますか?

梅田さん

2階の貝塚コーナーに展示されているオットセイの頭の骨は、実は日本では他に類を見ない一点ものの資料です。

特に注目していただきたいのが、モヨロ人がこのオットセイを捕まえた際に使った矢が骨に突き刺さったままになっていることです。オホーツク文化は別名「海洋狩猟文化」とも言われますが、まさにそのことを示す貴重な資料だと思います。

編集部

オットセイは水族館のショーなどでも見られるので比較的身近な動物だと思いますが、確かに頭の骨は見たことがない気がします。

しかも矢が骨に突き刺さった状態の標本とは、その生々しさが貴重な気がします。写真をSNSなどでシェアすると、興味を持つ人は多そうですね。

ほかに、カップルにおすすめの撮影スポットがあれば教えてください。

梅田さん

モヨロ貝塚館を訪れた記念になるスポットとしては、モヨロ人を再現した像がおすすめです。その特徴的な風貌が渡来系北方民族であることを物語っており、一緒に記念撮影するカップルさんも多く見られます。

モヨロ貝塚館のモヨロ人を再現した像
▲モヨロ人を再現した像

また、売店ではモヨロ貝塚館ならではのグッズを多数販売しています。デートの記念に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

編集部

ショップには絵はがきや缶バッジ、モヨロ土器風の食器などが販売されているようですね。ここでしか買えないグッズばかりなので、デートの記念に彼女へプレゼントしたり、家族・友人へのお土産にも良さそうです。

モヨロ貝塚館に来館した人の口コミ評価

編集部

展示を見た人の感想や声を教えてください。

梅田さん

初めて訪れる方やお子さまなど、歴史に詳しくない方からも「勉強になった」「面白かった」といったお声をいただいています。

特にモヨロ人が食べていた動物をはく製で再現するなど、迫力のあるリアルな展示が好評価の印象です。

モヨロ貝塚館にあるミンククジラ骨格標本
▲ミンククジラの全身骨格標本

また、専門的な資料が豊富である点もご好評をいただいており、オホーツク文化に関心があるお客様からは「モヨロ貝塚の理解や新たな発見・謎があった」とのご感想が多いです。

編集部

私もGoogleの口コミを拝見したのですが、次のようなものを見かけました。

アイコン
ワンテーマの博物館ながら内容の濃い展示をしており、見応えがある
アイコン
スタッフが丁寧に説明してくれて、とてもわかりやすかった
アイコン
暇つぶしのつもりが非常に面白く、歴史や考古学に興味がなくても楽しめる
アイコン
館内は新しくきれいで展示も素晴らしく、大人も子供も楽しみながら学べた

若い世代から中高年の世代まで、幅広い方々から「面白かった」との声が寄せられていました。

学校での見学や修学旅行での利用も多いことからも、子どもや知識のない方にもわかりやすい工夫のある施設であることがわかりました。

モヨロ貝塚館からのメッセージ

編集部

最後に、モヨロ貝塚館へデートで訪れたいと考えているカップルへメッセージをお願いします。

梅田さん

モヨロ貝塚館は明るく開放的な空間で、落ち着いた雰囲気のなかゆっくりと展示をお楽しみいただけます。

実際に発掘によって見つかった本物の資料をテーマごとにわかりやすく展示しておりますので、実際の遺跡とも照らし合わせながらご見学ください

また冬季にはオホーツク海が流氷に覆われ、北のきびしい自然とともに生きた古代の人びとの暮らしが思い起こされます。

ぜひさまざまなシーンのモヨロ貝塚をお楽しみいただきながら、古代オホーツク文化の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

※冬期間の11月~4月は、遺跡部が閉鎖されておりますのでご注意ください。

モヨロ貝塚館の野外遺跡
▲館外にある遺跡

編集部

本日はたくさんのお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

モヨロ貝塚館の基本情報

モヨロ貝塚館の外観遠景

住所 〒093-0051
北海道網走市北1条東2丁目
アクセス ・JR網走駅より徒歩約25分
・女満別空港より女満別空港線バス「モヨロ入口」下車徒歩5分
営業時間 9:00~17:00 
※冬期間(11月~4月)は16:00まで
休館日 <10月~6月>
月曜・祝日、年末年始(12/29~1/3)
<7月~9月>
無休
料金 大人:300円
高校生・大学生:200円
小・中学生:100円
電話番号 0152-43-2608
予約 不要 ※団体見学等は要事前予約
駐車場 あり(網走川モヨロ緑地帯駐車場(貝塚館に隣接))
公式サイト http://moyoro.jp/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします
※記事中の金額はすべて税込表示です

モヨロ貝塚館のあとも「博物館・美術館めぐり」デートプラン!

モヨロ貝塚館の滞在時間は1時間程度です。今回のご紹介は半日デートプラン。そのため、他の近隣エリアのおすすめデートスポットについても紹介していきましょう。

おすすめスポット

ランチスポット 道の駅 流氷街道網走
洋食屋さん「ホワイトハウス」
デートスポット 網走市立郷土博物館
網走市立美術館

近隣でランチに向いているレストラン

ランチデートを楽しめる近隣のレストランをいくつかご紹介します。2人で相談して決めていくのもデートの醍醐味!もし意見が分かれたら、ジャンケンで決めるのもアリかも!?

リーズナブルでボリュームのあるメニューが人気!梅田さんもおすすめの「道の駅流氷街道網走」

フードコート「キネマ館」には昭和の時代に様々な映画の舞台となった網走を現代に再現された多種多様なメニューが充実!特にご当地グルメ「網走ザンギ丼」が人気です。

モヨロ貝塚館の梅田さんもオススメ!

住所 北海道網走市南3条東4丁目5-1
電話番号 0152-67-5007
営業時間 <4月〜9月>
9:00〜18:30
<10月〜3月>
9:00〜18:00
※テイクアウト・飲食コーナーは別
※年末年始(12月31日~1月1日)は休館

はらぺこカップルにぴったりな洋食屋さん「ホワイトハウス」

ビーフ×海鮮の異色コラボセットなど、とにかくボリューミーで味も間違いなし!オープンキッチンで明るく賑やかな雰囲気のお店です。

住所 〒093-0014
北海道網走市南四条西2-5
電話番号 0152-44-9552
営業時間 ランチ:11:30~15:00(L.O14:30)
ディナー:17:00〜20:00(L.O19:30)
※売り切れ次第、営業終了する場合がございます
※木曜日は定休日

網走市立郷土博物館

網走市立郷土博物館の外観

引用:網走市立郷土博物館公式サイト

モヨロ貝塚から発掘された出土品をはじめ、網走やオホーツク周辺の自然と歴史・文化を気軽に学べる博物館です。昭和11年に建てられた博物館の建物自体が文化財にもなっています。

近隣の公園が桜の名所になっているため、お花見デートの際にも立ち寄りやすいでしょう。モヨロ文化の知識が深まるので、ぜひモヨロ貝塚館とセットで訪れてみてはいかがでしょうか。

モヨロ貝塚館の梅田さんもオススメ!

住所 〒093-0041
北海道網走市桂町1丁目1-3
電話番号 0152-43-3090
開館時間 9:00〜17:00
※冬期間(11月~4月)は16:00まで
休館日 月曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は休館
駐車場 あり(5台)
入館料 大人:120円
小中学生:60円
公式サイト https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/
270kyoiku/050kyoudo/

網走市立美術館

網走市立美術館の外観

引用:網走市立美術館公式サイト

居串佳一や高橋道雄といった網走出身の画家の作品を展示している美術館です。網走のダイナミックな自然や人々の暮らしがリアルに描かれており、見ているだけで世界観に引き込まれていきます。

入館料は120円とリーズナブルでありながら、前庭には佐藤忠良や本郷新などの彫刻も展示。頻繁に特別展も開催されているので、ぜひホームページをチェックしてみてください。

モヨロ貝塚館の梅田さんもオススメ!

住所 〒093-0016
北海道網走市南6条西1丁目
電話番号 0152-44-5045
開館時間 10:00〜16:00
休館日 月曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日~1月3日)は休館
※このほかに臨時に開館・閉館することがあります。美術館カレンダーをご覧ください
駐車場 なし
入館料 大人:120円
小中学生:60円
公式ページ https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/
270kyoiku/040bizyutukan/