
北海道立文学館で小説やエッセイの奥深さに心動かされるデート|札幌の博物館
こちらの記事で紹介するのは、北海道札幌市にある北海道立文学館をメインにしたデートプランです。
北海道立文学館では石川啄木・有島武郎・小林多喜二・三浦綾子など北海道にゆかりのある作家と作品に関連する資料が所蔵されています。北海道における文学の歴史などを紹介する常設展は、作家の愛用品などもありわかりやすいのが特徴です。
また、趣向を凝らした特別展も親しみやすく興味をそそられるものばかりで、文学の面白さを再発見できるはずです。
北海道立文学館の前後におすすめのデートスポットも紹介しています。心豊かなひと時が過ごせるプランなので、札幌デートを検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
おすすめカップル:本を読むのが好きなカップル
どんなデート?:小説、歴史、学び
概要:文学に魅せられて公園を散策するデートプラン
北海道立文学館は、水と緑があふれる中島公園の中にあります。館内では、北海道出身の作家にとどまらず、北海道にゆかりのある作家と作品を全般的に扱った展示が眺められますよ。
石川啄木・有島武郎・小林多喜二・三浦綾子など、さまざまな年代の有名な作家と作品も紹介されているので、きっと良い時間が過ごせると思います。
今回のデートのメイン |
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北海道立文学館 |
周辺のデートスポット |
・中島公園 ・豊平館(中島公園内) ・観覧車ノリア |
ランチにおすすめのお店 |
・テラスレストラン キタラ(中島公園内) ・洋食屋 グリルラパン |
中島公園には日本庭園や茶室などもあるので、鑑賞の前後にぜひ散策してみてください。豊平館も中島公園の中にあります。19世紀に建てられた木造のホテルで、麗しいインテリアがロマンティックな気分にさせてくれます。
札幌パークホテル系列のレストラン「テラスレストラン キタラ」も中島公園の中にあり、公園ののどかな風景を眺めながら食事ができますよ。
もう少しカジュアルな雰囲気のお店が気分なら、「洋食屋 グリルラパン」がおすすめです。昔ながらの町の洋食屋として地元の人に愛されているお店で、ハンバーグやオムライスなどがいただけます。
そして、1日の締めくくりにぴったりなのが、北海道立文学館の最寄駅から一駅先「すすきの駅」のほど近くにある観覧車ノリアです。商業施設「nORBESA(ノルベサ)」の屋上にあり、観覧車のゴンドラは地上78mにまで達します。札幌の街を見渡しながら、ムードあるひと時を過ごしましょう。
文学関連の資料を約35万点も所蔵する北海道立文学館
北海道立文学館は、北海道にゆかりのある作家と作品について学べる施設です。所蔵する資料は35万点を超え、小説やエッセイから児童文学まで幅広いジャンルのものを扱っています。
常設展では、北海道の文学について時系列で解説した展示やジャンルごとに紹介する展示があり、それぞれわかりやすく興味をひかれます。特に、北海道の文学の歴史を紐解く展示では、アイヌ民族の文学から今現在活躍中の作家たちまで取り上げられているので、時代ごとに比較するのも面白いですよ。
北海道立文学館は、充実している常設展にくわえて特別展も魅力的です。過去には「ムーミンの世界展」や「三浦綾子フォトメモリアル」なども行われていて、どれも見ごたえがあったと大好評を得ています。
2022年には「地図と文学の素敵な関係」や「金子みすゞの世界」などが開催されるので、気になる特別展の開催に合わせてデートの日程を決めるのも良さそうです。
館内には喫茶コーナーもあるので、鑑賞後の余韻に浸りながらゆったり過ごせますよ。
では、北海道立文学館で主査を務める斎藤さんに、施設の魅力を詳しく伺いましょう。
石川啄木に三浦綾子!北海道にゆかりのある文学の資料を展示
編集部
北海道立文学館を訪れると、読みたい本がどんどん増えると聞きました。北海道立文学館はどのような資料を展示している施設なのでしょうか?
斎藤さん
北海道立文学館は、石川啄木・有島武郎・小林多喜二・三浦綾子など北海道にゆかりのある作家と作品に関する資料を35万点以上所蔵しております。ジャンルは、小説・評論・エッセイ・詩・短歌・俳句・川柳・児童文学、さらにはアイヌ民族の口承文芸もあります。
特定の作家などを中心にした文学館は道内各地にありますが、北海道出身者のみならず幼少期を北海道で過ごした作家を含めて広く網羅している総合的な文学館は、北海道では当館だけです。
北海道にゆかりの深い文学者たちが残した原稿や初版本、書簡・はがき、色紙などを見ていただき、さまざまな分野で活躍した文学者の思いや喜び、苦悩の一端に触れていただけたらと思います。
編集部
有名な作家の資料もたくさんあると、身近な気持ちで鑑賞できますね。本が好きな方はもちろんのこと、普段そこまで文学に親しみのない方も、作品に気軽に向き合えそうです。
好きな作家や作品がある方は、書簡やはがきなどをみられるのはすごく嬉しいでしょうね。作家の心境を知ることで、作品の世界にさらに深く入り込めそうに思います。
作家の愛用品や自筆の原稿などが見られる
編集部
北海道にゆかりのある作家の資料を数多く展示されている北海道立文学館ですが、常設展示ではどのような資料が展示されているのでしょうか?
斎藤さん
常設展示室では、明治期から現代までの「北海道文学の流れ」を約1,300点に及ぶ資料を展示し、北海道にゆかりの深い文学者たちを紹介しています。作家の愛用品なども、あわせて展示しています。
中でも北海道文学の父ともいわれる有島武郎の手紙(複製)は、ぜひ見ていただきたいです。
編集部
有島武郎の手紙からは、画家・木田金次郎との交友が分かり興味を惹かれますね。
ちなみに、斎藤さんが特に好きな展示はどちらですか?
斎藤さん
常設展示室にある北海道ゆかりの作家の自筆原稿です。ラックに納めていますので、ぜひご覧ください。
▲作家の熱量が込められた自筆の原稿はすごく貴重!
編集部
自筆原稿をみると、作家によって異なる筆跡はもちろん朱入れや改行の指示もわかりますね。作家が一文一文にどのような思いを込めたのかが察せられて、興味深いです。
好評!特別展「地図と文学の素敵な関係」で新たな視点を得よう
編集部
北海道立文学館は、特別展も評判が良いようですね。過去にはどのような特別展を行いましたか?
斎藤さん
以下のようなものを実施しました。
- 「ムーミンの世界展」
- 「三浦綾子フォトメモリアル」
- 「ミッフィーの楽しいお花畑」
- 「せなけいこ展」
- 「よみがえれ!とこしえの加清純子 再び」
特別展では普段見ることのできないものが多数ご覧になれますので、まさに北海道立文学館の見どころといえます。
今年(2022年)は以下の特別展を順次開催します。
- 「地図と文学の素敵な関係」
- 「金子みすゞの世界」
- 「歿後10年吉本隆明―廃墟からの出立―」
- 「細谷源二と齋藤玄 北方詩としての俳句」
特別展は年に5回程度行っているので、ホームページで開催期間を確認してご来館くださいね。
▼特別展の情報はこちら
北海道立文学館サイト(特別展情報)
編集部
現在(2022年7月時点)行われている特別展「地図と文学の素敵な関係」も、面白かったという声を耳にしました。旅気分を盛り上げたり空想の世界を広げたりと、地図は文学において名脇役を果たすこともあるそうですね。
「金子みすゞの世界」では金子みすゞの描いた童謡詩の世界に触れられると思うので、やさしい気持ちになれそうな気がします。
興味深い資料を数多く所蔵されている北海道立文学館ですが、イベントは行われていますか?
斎藤さん
文芸作品を中心とする「DVDによる映画上映会」や「月例朗読会」、幼児から小学校低学年の子ども向けの絵本の読み聞かせ、人形劇などを行っています(※)。
※密を避けるため、現在(2022年7月時点)は事前予約制で開催。
編集部
朗読を聴く機会というのは普段あまりないと思いますので、月例朗読会は特に貴重なように感じます。朗読される方の声色やテンポによって作品の感じ方も変わるでしょうし、知っている作品でも新たな発見がありそうです。
鑑賞後は喫茶コーナーでコーヒーをいただきながらひと休みしよう
編集部
北海道立文学館で展示を満喫した後、おすすめの過ごし方はありますか?
斎藤さん
館内にカフェ「オアシス1」がございますので、ぜひお立ち寄りください。心優しいマスターがコーヒーや紅茶を淹れます。プチチョコのおまけも付いてきますよ。
▲小腹が空いた時はトーストセット550円がおすすめ。こんがりと焼き色の付いたトーストが香ばしい
また当館は、札幌市の都心に広がる池と小川と豊かな緑に囲まれた「中島公園」の一角にありますので、園内を散策するのもおすすめです。
5月には桜が開花します。秋には銀杏並木が色付きますし、もしかするとキタキツネに遭遇するかもしれません。季節によってはカワセミやカモなどもいますし、オシドリを見つけたらカップルは幸せを感じるかもしれませんね。
編集部
カフェ「オアシス1」がある地下1階では、北海道の文学に関するビデオが常時放映されているようですね。ビデオを鑑賞し、美味しい飲みものをいただきながら展示の感想を語り合うと、二人の会話も弾みそうです。
北海道立文学館の口コミ評価
編集部
北海道立文学館を訪れた方からのご感想は、どのようなものが多いですか?
斎藤さん
みなさん満喫していただいているようで、次のようなお声をよくいただいています。
- 静かなひと時を過ごせた
- とても心を動かされる展示だった
編集部
展示内容が心に響いていることが感じられるお声ばかりですね。
特別展に感動している人、多数!館内の落ち着いた雰囲気も好評
編集部でも、インターネット上で北海道立文学館の口コミをリサーチしてみました。参考になりそうなものをいくつか紹介します。
- 特別展「地図と文学の素敵な関係」の展示内容が興味深かった
- 読書の幅が広がる
- カフェで図録などを読みながらゆったりできるのも良い
とりわけ、特別展についての口コミが多く見られました。常設展と特別展の両方を鑑賞すると、北海道における文学についてより深く学べて刺激をもらえそうですね。
北海道立文学館からカップルへのメッセージ
編集部
北海道立文学館でのデートを検討しているカップルへ、メッセージをお願いします。
斎藤さん
ボート乗り場もある、緑豊かな中島公園を散策しながら当館をちょっと覗いていただければ、文学の魅力にひきつけられることでしょう。
鑑賞後は二人でコーヒーを飲みながら、いつもと違う開放的な空間でのんびりとしたひと時を過ごしてくださいね。
編集部
北海道立文学館は、北海道の文学の歴史を体系的に学んだり、文学の中に息づいている作家の思いを知ったりと、素敵なポイントであふれている施設だと思いました。館内をひと巡りすると、読みたい本が一気に増えそうですね。本日はどうもありがとうございました。
北海道立文学館の基本情報
住所 | 〒064-0931 北海道札幌市中央区中島公園1-4 |
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アクセス | 中島公園駅の3番出口から徒歩6分 市電「中島公園通」から徒歩10分 |
営業時間 | 9:30~17:00(展示室入場は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(月曜日が祝日・休日の場合は開館し、翌平日休館) 年末年始(12月29日~1月3日) |
駐車場 | 7台(うち身障者用1台) |
料金 |
【常設展】 【特別展】 |
カップルでの来館者 | 土曜日・日曜日・祝日に数組 |
比較的空いている日 | 平日 ※特別展の開催状況による |
平均的な滞在時間 | 1時間程度 |
公式サイト | http://www.h-bungaku.or.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
北海道立文学館の前後におすすめのデートスポット
北海道立文学館の近くにある、おすすめのデートスポットを紹介します。どの場所も北海道立文学館から徒歩20分圏内の場所にあるので、電車利用のカップルにもぴったりです。
おすすめのデートスポット
日本庭園や美しい洋館がある「中島公園」
中島公園は札幌市の都心に広がる水と緑があふれる公園です。北海道立文学館のほか、ボートに乗れる菖蒲池や明治13年(1880年)に開拓使によって建設されたホテル「豊平館」もあります。
国の重要文化財に指定されている大変貴重な西洋館で、現在ホテルとして運営はしていませんが、一人300円で観覧できます。天井中心飾や暖炉などが配された優美な空間は一見の価値ありですよ。
草花が好きなカップルは、日本庭園エリアにも立ち寄ってくださいね。築山林泉回遊式※の日本庭園で、江戸初期の大名であり茶人の小堀遠州が設計したとされる茶室「八窓庵」も無料でみられます。
※築山林泉回遊式:日本庭園の種類の一種。池・茶室・林など様々なものを用いて表現した庭園のこと。
参考URL:札幌市公園緑化協会「中島公園」
公園を眺めながらランチを「テラスレストラン キタラ」
「テラスレストラン キタラ」は、大きなガラス窓が配された明るく開放的なレストランです。季節を感じる公園の風景を眺めながら、ゆったりとくつろげます。
「札幌コンサートホールKitara」内のレストランらしい上品な雰囲気がありながら、お手頃価格なのもポイントです。
スパゲティーやハンバーグといった親しみやすいお食事メニューのほとんどが、1,000円台でいただけます。デザートメニューもあるので、スイーツ好きのカップルにもおすすめです。
※営業はコンサート公演がある日に限定されています。
公式URL:テラスレストラン キタラ
その他のおすすめスポット
縁結び大学では、彌彦神社に取材をし見どころなどを伺っています。ぜひ併せてご覧ください。
まとめ:札幌で心豊かな1日を過ごそう
本記事では、北海道立文学館を中心にした札幌デートを紹介しました。
北海道立文学館は、北海道にゆかりのある作家と作品をテーマに文学の魅力を実感できる場所だと思います。作家の直筆の原稿や手紙などを見ると、作家の心情が察せられてどっぷりと浸ってしまうこともありそうです。
展示の感想はもちろんのこと、どの作家や作品が好きか、これからどんな本を読んでみたいと思ったかを二人で語り合うと、きっとお互いの理解がより深まると思います。たくさん語り合うほどに、仲良くなれるはずですよ。