歴史ある美酒「鏡山」で乾杯！小江戸鏡山酒造のおうちデート指南

「おうちデートで日本酒を楽しみたい」とお考えのカップルに向けて、今回は埼玉県川越市に蔵を構える「小江戸鏡山酒造」の日本酒をご紹介します。

小江戸鏡山酒造の代表銘柄である「鏡山」は、明治時代から川越の地で愛されている銘酒です。一度は蔵元の廃業によって姿を消しましたが、地域の人々からの惜しむ声を背景として2007年に復活を遂げました。

「鏡山」の特徴は、米の旨味や甘味を存分に感じられる華やかな味わいです。後味がすっきりとしていて飲みやすいため、普段日本酒を飲まないカップルにもおすすめです。

今回は小江戸鏡山酒造の歴史や酒造りへのこだわりを解説しながら、特に人気の商品をピックアップしました。

素材の風味を活かした美味しい日本酒を探しているカップルは、ぜひ小江戸鏡山酒造のラインナップをチェックしてみてください。

小江戸鏡山酒造の魅力：品質重視の少量生産にこだわる酒造り

小江戸鏡山酒造は、埼玉県南西部に位置する川越市に蔵を構えています。秩父山系の清流が流れ込む立地で、その自然豊かな環境のもとで米作りも盛んに行われているエリアです。

小江戸鏡山酒造では「地元・川越の魅力を活かした酒造り」をモットーに、川越産の原料を使用した多様な日本酒を製造しています。明治時代から受け継がれてきた「鏡山」の歴史と伝統を大切にしながら、現代のニーズに合わせた新しい感覚を取り入れた日本酒造りが特徴です。

小江戸鏡山酒造の酒造りで特に注目すべきは、「品質第一の少量仕込み」へのこだわりです。昔ながらの丁寧な手作業によって繊細に仕立てられた銘酒は、川越の水や米の旨みや甘みを感じられるふくよかな味わいに仕上がっています。

今回は小江戸鏡山酒造の専務取締役・五十嵐さんにインタビュー取材を行い、小江戸鏡山酒造の歴史や日本酒造りへのこだわり、人気の銘柄などについて詳しく伺いました。

受け継がれる伝統：小江戸鏡山酒造の歴史と再興の物語

編集部

小江戸鏡山酒造は、かつての「鏡山酒造」の日本酒造りを受け継ぐ形で創業したそうですね。どういった経緯で創業に至ったのか、ぜひ詳しく教えてください。

五十嵐さん

弊社の創業は2007年で、比較的新しい酒蔵です。かつて川越には3つの酒蔵がありましたが、現在は弊社のみが残っています。

弊社の代表銘柄である「鏡山」は、もともとは川越市新富町で創業した鏡山酒造株式会社の銘柄で、その歴史は明治8年（1875年）にまでさかのぼります。川越の地酒として多くの人々に愛飲されていましたが、2000年9月に長い歴史の幕を閉じました。

川越は別名「蔵の街」と呼ばれ、酒造りが盛んに行われていましたが、その「蔵の街」から「酒蔵」という重要な施設がなくなってしまったのです。

その後、再興を望む行政や市民の熱い声が絶えず、鏡山酒造廃業から6年後の2007年2月に川越市仲町にて新会社・小江戸鏡山酒造株式会社を設立する運びとなりました。近年では新しく酒蔵が誕生することは珍しく、当時はテレビや新聞などで大きく報道されました。

五十嵐さん

鏡山は川越が誇る地酒ですので、さらに磨きをかけた銘酒・鏡山の復刻や生産に日々全力で取り組んでおります。

酒蔵は2007年2月1日に完成して待望の酒造りを始めましたが、鏡山の酒造りには決して妥協は許されません。酒職人である蔵人（くらびと）たちは我が子を育てるような想いで、24時間常に酒の熟成を管理し続けております。

▼蔵人が手作業で酒造りを行っている様子

▲ひとつひとつの工程が丁寧に行われている

五十嵐さん

私たち小江戸鏡山酒造は歴史ある銘酒「鏡山」の歴史と伝統を受け継ぐとともに、時代の流れにあった味を追求する温故知新の精神を大切にしています。作り手、良質な酒米や酵母、そして酒を愛するスピリットが、脈々と今も受け継がれているのです。

「小江戸」と呼ばれ古くから栄えた川越は、今なお徳川家の城下町の面影が残っています。寺社や蔵造りの商家などが連なる町並みからは歴史を感じます。

そんな川越の地で秩父連峰からの豊富な地下清流を受け、良質な米と南部流の伝統と技術を持って、昔ながらの手造りによる情熱を込めた品質第一の日本酒を醸しています。

川越の歴史とともに新しく歩み始めた小江戸鏡山酒造は、2007年の創業以来多くの愛飲家の皆様に親しまれております。これからも「鏡山」の伝統を大切に、皆様に愛される酒造りを目指してまいります。

編集部

仕込みタンクは6本のみの小規模な酒蔵だそうですが、少量生産でひとつひとつの工程を丁寧に行っているからこそ「鏡山」の味が忠実に受け継がれているのですね。

貴重で本格的な味わいの「鏡山」は、大切な方と過ごすひとときにぴったりだと思いました。

地元の恵みを活かす：小江戸鏡山酒造の厳選素材へのこだわり

編集部

酒造りには秩父連峰からの伏流水を利用されているそうですね。川越は水資源が豊富にあるのでしょうか？

五十嵐さん

あまり知られていませんが、埼玉県には荒川と利根川という2つの大河が流れており、47都道府県の中で河川の面積が全国第2位となる水が豊かな場所です。また、環境省の「平成の名水百選」では4ヶ所が全国1位に選定されるなど清流に恵まれており、弊社では荒川水系である秩父山系伏流水を用いて酒を仕込んでおります。

この水は硬度がやや高めでありながらもやわらかな水質なので、角のない口当たりのまろやかな酒に仕上がります。

編集部

小江戸鏡山酒造では「米」も厳選して使用しているそうですが、どのようなこだわりがあるのか教えてください。

五十嵐さん

「鏡山」で主に使用している米は、2004年に埼玉県で新しい酒米として開発された「さけ武蔵」という酒造好適米です。

「若水」を父に、「改良八反流」を母にもつ大粒品種であり、心白という米粒の中心に円形の白い不透明部分があるのが特徴です。良質の麹を造ることができるため、酒造りに大変適しております。

昨年、「さけ武蔵」を契約栽培している農家の「さけ武蔵生産組合」が、埼玉農業大賞の優秀賞に選ばれました。JA全農や埼玉県の技術的な指導を得ながら、見た目による等級検査だけではなく、成分などを数値化することによって酒米の品質向上に取り組んでいる姿勢に尊敬の念を抱いております。

▲さけ武蔵を栽培している農家さん

なお、「鏡山 さけ武蔵大吟醸」は全国新酒鑑評会において金賞を受賞しており、入賞にも3度輝きました。私達は山田錦で仕込んでセオリーどおりに金賞を受賞することよりも、地元で栽培された酒米「さけ武蔵」での出品に尽力しております。

編集部

「さけ武蔵」は12年もの歳月をかけて開発された酒米だそうですね。「鏡山」のさまざまな銘柄に使用されているようなので、ぜひこの酒米ならではのテイストを味わってみたいです。

顔の見える酒造り：小江戸鏡山酒造が目指す愛される日本酒

編集部

厳選した水と米を使用するなど原料にこだわっていらっしゃいますが、お酒づくりのスタイルにも特徴があると思います。主にどのような点を意識して酒造りに取り組んでいらっしゃるのかお聞かせください。

五十嵐さん

酒造りにおいてこだわっている点は、徹底した温度管理のもとで提供すること、そしてお客様の好みをヒアリングして合うものを紹介することです。そのため、すべての商品において最高級大吟醸と同等の手間やこだわり、情熱を持って仕立てております。

丁寧に仕上げた商品を最高の状態でお客様にお届けしたいので、川越市内を除き主に契約した酒屋さんでのみ販売をしております。

▲昔ながらの製法によって丁寧に仕立てられている小江戸鏡山酒造の日本酒

通年販売している酒は飲み飽きしない爽やかなテイストに仕上げており、季節や料理を選ばず冷酒や燗酒などお好みでお楽しみいただけます。

季節限定酒は時期によって味の濃淡や香りの特徴などが異なる個性豊かなテイストが特徴で、旨味・甘味・香りが際立つ風味豊かな味わいをご堪能いただけます。

編集部

小江戸鏡山酒造の酒造りへの想いについて教えていただけますか？

五十嵐さん

生産者の顔が見えるよう工夫する、風土に根ざした原材料を使用するなど、「顔が見える、愛される酒造り」が弊社のモットーです。

嗜好は時代とともに変化しますが、その時代の動向や変化を見極め、みなさまから愛されるお酒造りを目指して日々努力しております。

埼玉県で一番の観光都市である「川越」には、年間765万人の観光客が訪れます。地元の方にも観光の方にも、ぜひ川越地酒「鏡山」を愛飲していただきたいです。

編集部

「鏡山」は非常に人気が高く、定番商品でも品切れになることがあるそうです。ラインナップのなかに好みの銘柄を見つけたら、早めに購入するのが良さそうですね。

小江戸鏡山酒造の代表銘柄「鏡山」を徹底解説

小江戸鏡山酒造では、日本酒の「鏡山」を多様な種類で製造・販売しています。

純米大吟醸や純米酒といった銘柄が並ぶなか、特に注目を集めているのが「ワイン酵母仕込み純米」です。この日本酒は、ワイン醸造用の酵母菌を使用して造られており、従来の日本酒では表現できなかった旨み・甘み・酸味のバランスが特徴的な、濃醇で旨口な味わいの純米酒となっています。

このお酒のコンセプトは『特別な日に過ごすお酒』で、お祝いの席での乾杯酒として最適です。氷を詰めたワインクーラーでしっかりと冷やして飲むことで、より一層美味しく楽しむことができます。

	使用米	彩のみのり
	精米歩合	75％
	味わい	甘口
	金額	720ml：3,300円

小江戸鏡山酒造には、他にも魅力的な商品が数多く揃っています。以下では、特に人気の高い銘柄をいくつかご紹介します。

看板商品「鏡山 純米大吟醸」：絶妙なバランスの人気No.1

小江戸鏡山酒造における一番人気商品は、「鏡山 純米大吟醸」です。最高級の酒米である山田錦の濃厚な旨みを存分に引き出したテイストが特徴で、穏やかな香りと奥行きのあるまろやかな味わいの絶妙なバランスを楽しめます。日本酒通の方にも、初心者の方にも幅広く愛される一品です。

	使用米	山田錦
	精米歩合	40％
	味わい	やや辛口
	金額	720ml：4,400円

辛口愛好家必見！「鏡山 さけ武蔵大吟醸」の魅力

辛口テイストを好む方に人気が高いのは、「鏡山 さけ武蔵大吟醸」です。キレのある芳醇な辛口大吟醸で、丁寧に雑味を取り除く製法によって米の旨味やコクが引き出されています。

こちらは埼玉県で開発された酒造好適米である「さけ武蔵」を使用した、世界初の大吟醸酒なのだとか。豊かで華やかな香りと濃厚で飲み応えのある風味が特徴的で、日本酒に慣れていない方でも飲みやすい逸品です。

	使用米	さけ武蔵
	精米歩合	50%
	味わい	辛口
	金額	720ml：2,750円

甘口ファン注目の「鏡山 再醸仕込み」：デザート感覚の日本酒

甘めの日本酒がお好きな方に人気が高いのは「鏡山 再醸仕込み」です。米・米麹・水・清酒を材料として仕込むことにより、米のブドウ糖やエキス分が通常の日本酒の約2倍残存し、コハク酸を多く含む濃厚な甘口テイストに仕上がっています。

シェリー酒のような味わいなので、食後のデザート酒としても楽しめます。また、チーズや濃厚なデザートとの相性も抜群です。

	使用米	彩のみのり
	精米歩合	75%
	味わい	甘口
	金額	720ml：3,850円

日本酒通も唸る！小江戸鏡山酒造のプレミアム銘柄TOP3

上記のような定番商品だけでなく、日本酒好きの方は「季節限定酒」に注目してみてはいかがでしょうか。小江戸鏡山酒造では年間10種類の季節限定酒を販売しており、米の旨みを存分に感じる濃厚な味わいを堪能できます。

香りも芳醇でフルーティーなので、日本酒に馴染みのないカップルにもおすすめです。お気に入りのグラスやおつまみを用意すれば、特別感あふれるひとときを演出できるでしょう。

ここでは小江戸鏡山酒造の五十嵐さんが日本酒好きにおすすめする季節限定酒BEST3をご紹介します。ぜひお好みのタイプを見つけてみてください。

第1位：「鏡山 純米おりがらみ」

「鏡山 純米おりがらみ」は濾過工程を一切行わずに搾りたての酒を火入れせずに生詰めした逸品です。米や麹の素材感あふれる味わいや華やかな香りが特徴で、爽快な酸味によるすっきりとした後味が楽しめます。その飲みやすさから、ついつい杯が進んでしまう魅力的な日本酒です。

	使用米	さけ武蔵
	精米歩合	60%
	味わい	中口
	金額	720ml：1,650円

第2位：「鏡山 特別純米無濾過生原酒雄町」

「鏡山 特別純米無濾過生原酒雄町」は、酒造好適米「備前産雄町」を使用した無濾過生原酒です。凝縮された旨みと奥行きのある味わいが特徴的で、無濾過製法ならではの華やかな吟醸香を楽しめます。香りに注目しながら味わうことで、より深い味わいを体験できるでしょう。

	使用米	雄町
	精米歩合	60％
	味わい	やや甘口
	金額	720ml：1,815円

第3位：「鏡山 純米生酒」

「鏡山 純米生酒」は、米の味わいが豊かに表現された香味芳醇な生酒です。やや辛口の引き締まった後味が特徴ですが、さけ武蔵の華やかな香りによって、辛口とは思えないほどフルーティーな風味を楽しむことができます。

	使用米	さけ武蔵
	精米歩合	60%
	味わい	やや辛口
	金額	720ml：1,650円

日本酒に合う！小江戸鏡山酒造オリジナルのおつまみ

小江戸鏡山酒造では日本酒の製造販売に加え、日本酒とのペアリングにおすすめの「鏡山酒粕クリームチーズ」と「鏡山ポークジャーキー」も製造・販売しています。これらは、おうちでのデート時に楽しむ居酒屋風の食事のおつまみとして最適です。日本酒と一緒に、これらの商品もぜひお試しください。

芳醇に香る「鏡山酒粕クリームチーズ」

小江戸鏡山酒造の人気商品である「鏡山酒粕クリームチーズ」は、芳醇な香りの袋搾り酒粕と純米酒を混ぜた粕床に、クリームチーズを漬け込んで熟成させた逸品です。カットしてそのまま食べるのはもちろん、わさびやアンチョビをのせたり、海苔で巻いたりしても美味しく楽しめます。さらに、パンに塗ったり、サラダに加えたりと、アレンジの幅が広いのも魅力です。

▲カットしてそのまま出せば、おしゃれな前菜に

▲鏡山酒粕クリームチーズは、フルーツとの相性も抜群です

風味豊かな「鏡山ポークジャーキー」

「鏡山ポークジャーキー」は、酒を多く含んだ柔らかな「袋搾り酒粕」に、埼玉県産豚肉の赤身と脂身を漬け込んで熟成させた風味豊かな商品です。酒粕に含まれるタンパク質分解酵素が豚肉に浸透することで、やわらかな肉質とコクのある味わいに仕上がっています。

日本酒との相性はもちろんのこと、ビールやハイボールなどの洋酒とも抜群の相性を誇ります。様々なお酒のおつまみとして楽しめる一品です。

▲豚肉の旨みがギュッと凝縮された、深みのある味わいが特徴です

小江戸鏡山酒造の日本酒：購入方法と入手のコツ

小江戸鏡山酒造の日本酒は、公式サイトのオンラインショップで簡単に購入できます。日本酒以外にも、オリジナルデザインのお猪口（おちょこ）や徳利（とっくり）といった酒器も販売されています。日本酒好きの方はもちろん、贈り物を探している方にもおすすめですので、ぜひ一度チェックしてみてください。

＞＞小江戸鏡山酒造のオンラインショップはこちら

まとめ：小江戸鏡山酒造の「鏡山」で愉しむ至福のおうちデート

今回のインタビューでは、小江戸鏡山酒造の五十嵐さんからカップルに向けたメッセージをいただきましたので、ご紹介します。

川越生まれの人気銘柄「鏡山」の復刻・再興に成功した小江戸鏡山酒造。伝統を守りながらも新しい感性を取り入れて仕立てられた「鏡山」は、今も昔も川越を代表する地酒であると実感しました。

定番の上質酒米「山田錦」はもちろん、埼玉県産の「さけ武蔵」を使用した銘柄など種類が豊富です。異なる酒米の銘柄を購入して飲み比べをすると、それぞれの特徴を楽しめます。

小江戸鏡山酒造の「鏡山」とこだわりのおつまみを用意して、ゆったりとおうちデートを満喫してみてはいかがでしょうか。

小江戸鏡山酒造の酒造りの様子は以下の動画でもご覧いただけます。ぜひ合わせてチェックしてみてください。

小江戸鏡山酒造の基本情報

住所	〒350-0065 埼玉県川越市仲町10-13
お問合せ	049-224-7780
営業時間	9:00～17:00
公式サイト	https://www.kagamiyama.jp

※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。実際の販売価格と異なる場合があります。