【長野県】北相木村考古博物館と周辺の大自然を満喫する1泊2日のお泊りデートプラン

今回は、長野県南佐久郡にある北相木村考古博物館を中心としたデートプランをご紹介します。

北相木村考古博物館では、動物の骨や角で作った骨角器や貝殻で作ったアクセサリー、黒曜石などで作られた石器、縄目の模様が入った縄文土器など、数多く展示されています。考古学ファンなら一度は訪れたいと思う場所ですね。

このプランでは、地元の食材を使ったランチや温泉入浴、大自然の中でのキャンプなど、自然とともにすごす内容となっています。たまには慌ただしさを忘れて自然の中で2人でリラックスしてみませんか。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳〜49歳
おすすめカップル:考古学が好きなカップル、自然が好きなカップル
どんなデート?:考古学、温泉、宿泊
目安時間:約23時間
目安予算:2人で18,000円

概要:長野県北相木村と南相木村を走るドライブデート

このデートプランは長野県南佐久郡北相木村にある「北相木村考古博物館」と「長者の森」、南相木村にある「PachaMaMa」と「南相木温泉滝見の湯」を車で巡るドライブデートです。2つの道をつなぐ県道を通るので、迷わずに進めるはずですよ。

山間部ですので、公共交通機関でまわるのはかなり難しいため、自家用車かレンタカーで移動してくださいね。

11:20~11:50 北相木村考古博物館見学
11:50~12:00 北相木村考古博物館からPachaMaMaへ移動
12:00~13:30 PachaMaMaでランチ
13:30~13:40 PachaMaMaから南相木温泉滝見の湯へ移動
13:40~15:40 南相木温泉滝見の湯で温泉入浴
15:40~16:10 南相木温泉滝見の湯から長者の森へ移動
16:10~翌朝10:00 長者の森に宿泊(4月〜10月の間のみ営業・宿泊可能)

予算は約18,000円です。内訳は、400円(北相木村考古博物館入館料)+4,000円(ランチ)+900円(温泉入浴料)+11,700円(コテージ宿泊代金)+1,100円(バーベキュー代金)=18,100円です。

PachaMaMaというレストランは無農薬・化学肥料無添加の自家栽培の野菜や、地元の食材を使用したランチをいただけます。きれいな川に棲むイワナの料理もおすすめです。

南相木温泉滝見の湯は、信州秘境の湯と言われ豊かな自然に囲まれた温泉です。隣には「犬ころの滝」があり、水の流れる音が露天風呂まで聞こえます。浴室は広く、ゆったりと入浴できますよ。

長者の森には様々なタイプの宿泊施設があり、コテージもタイプによって料金が変わります。今回の予算では新築コテージ(バス・トイレ付)を選びましたが、これよりも安いコテージもあるので、2人の好みに合わせて選んでくださいね。

また、長者の森での夕食にバーベキューハウスの利用料金も入れておきました。バーベキューの材料や調理用具は持参する必要がありますので、注意してください。

縄文時代の生活を丁寧に説明する北相木村考古博物館

長野県の北相木村考古博物館の外観

北相木村考古博物館は長野県北相木村にある栃原岩陰遺跡(とちばらいわかげいせき)の出土資料を展示しています。

北相木村には栃原岩陰遺跡のほかにも大小さまざまな岩陰遺跡があり、その数200を超えます。栃原岩陰遺跡がその中で最も大きな遺跡であり、出土品から縄文時代の暮らしについての研究が進められています。

北相木村考古博物館は小さな博物館ですが、わかりやすい説明と展示品の充実度は大きな博物館に引けを取らず、見ごたえがあります。特に、10分程度の栃原岩陰遺跡の説明ビデオは、初めて考古学に触れる人でもわかりやすいと評判です。見学されたときにはぜひチェックしてくださいね。

今回は北相木村考古博物館の学芸員でいらっしゃる藤森さんに、インタビューをさせていただきました。

縄文時代の文化がうかがえる北相木村考古博物館

編集部

北相木村考古博物館の主な展示品を簡単にご説明ください。

藤森さん

村内にある、栃原岩陰遺跡の出土品をメインに展示しています。展示品には土器や石器のほか、動物骨や見事な骨角器、貝殻製のアクセサリー、人骨のレプリカなどがあります。今から約11,000~9,500年前の縄文時代早期と呼ばれる時代のものです。

栃原岩陰遺跡から出土した骨角器
▲様々な形の骨角器が展示されています。

編集部

岩陰遺跡とは、岩がせり出して屋根になっている部分や洞窟の浅い部分で生活していた痕跡のある遺跡のことですね。栃原岩陰遺跡もぽっかりと穴が開いており、そこから既に絶滅したニホンオオカミの骨や人骨も発見されたと知りました。

藤森さんは、北相木村考古博物館の魅力はどのようなところにあるとお考えですか。

藤森さん

通常、内陸部の遺跡では、骨などの有機物が出土することはごく稀です。栃原岩陰遺跡の特殊な条件で残された、骨角器などの逸品をぜひご覧ください。また、実物大の岩陰を再現した展示も人気です。

栃原岩陰遺跡を再現した展示
▲岩陰で暮らしていた縄文時代の暮らしを伺えます。

編集部

たしかに、有機物は分解されてしまうので土に消えてしまうことの方が多いですね。この遺跡が岩陰だったために、風雨にさらされず、乾燥したまま残ったのでしょうね。栃原岩陰遺跡が「1万年前のタイムカプセル」と呼ばれるのも納得です。

数ある所蔵品のなかで、藤森さんが特に好きな展示があれば教えていただけますか。

藤森さん

個人的には地味な石器が好きなのですが(笑)、やはり栃原岩陰遺跡と言えば、骨角器の優品の数々です。長さ17センチの光沢のある刺突具や、太さ1〜2ミリの縫い針も見所です。

栃原岩陰遺跡で出土した骨製縫針
▲小さな穴をどうやって空けたのか不思議ですね。

編集部

刺突具や縫い針を見ると、縄文時代の人々の技術の高さがうかがえますね。縫い針は頭に糸を通す穴があり、現在私たちが使っているものと同じ形状だということに驚きました。何千年も前の昔と同じ道具を使っているなんて感慨深いです。

3Dプリンターで出土品のレプリカを作成中

編集部

北相木村考古博物館でできる珍しい体験などはありますか。

藤森さん

村内各地で出土した考古遺物について、3Dプリンタで出力したレプリカを手に取ってみられるようになりました。まだ数は少ないですが、縄文人の手仕事を感じとっていただければと思います。また、自由に写真撮影もしていただけます。

編集部

縄文時代の出土品は触るとポロポロ崩れてしまうものもあり、一般の人が触るチャンスはあまりなかったと思います。本物のそっくりのレプリカを作ることで、今まで触ることができなかった遺物と同じ感覚で触れるなんて良い体験ですね。私は複雑な模様のある縄文土器を触ってみたいです。

来館者には展示品の見学からどのようなことを感じてほしいと思われますか。

藤森さん

縄文時代というと、土器や石器を使い、どちらかというと貧しい暮らしをイメージする方もいらっしゃるかも知れませんが、ここでは骨から作られた釣り針や縫い針、海の貝を加工したアクセサリーなどを通じて、彼らの別の一面をご覧いただけると思います。

栃原岩陰遺跡で出土した貝のアクセサリー
▲山間部の遺跡で海の貝で作ったアクセサリーが見つかっています。

編集部

私も縄文時代は毛皮を着て狩りをして暮らすイメージを持っていました。黒曜石で作った矢じりも形が整っていますし、貝のアクセサリーも光沢が美しいですね。どのように作ったのだろうと想像をしてしまいます。

季節ごとに変化する北相木村の豊かな自然

編集部

通常展示も少しずつ展示品を変更されているようですので、来る時々によって見られるものが変わりますね。季節によっても見どころは変わるのではないでしょうか。

藤森さん

春(5月くらい)には博物館前の桜が咲いています。冬景色も綺麗ですが、路面凍結にはご注意ください。来館されるカップルはごく少数ですが、周りの豊かな自然も満喫しておられますよ。

編集部

桜と言えば4月のイメージですが、長野では5月に桜が咲くのですね。冬には大禅の滝が凍り、マツカサのような形状を作り上げるとか。エメラルドグリーンの氷は冬だからこそ見られるものだと思いました。

館内にはミュージアム・ショップもありますが、どのようなものを販売されていますか。

藤森さん

村内の文化財や、栃原岩陰遺跡に関する図書を販売しています。

編集部

北相木村には諏訪神社や京窟観音などのお寺や神社がありますし、箱瀬の滝や雪瀬の滝といった山間部の村だからこその名勝もありますね。館内で本を購入し、観光に出かけるのもよさそうだと思いました。

北相木村考古博物館の感想や口コミ

編集部

北相木村考古博物館を見学した方々の感想を教えてください。

藤森さん

「山奥の遺跡に海の貝があるのに驚きました」という感想が多いです。みなさん不思議に思うようですね。

編集部

確かに、こんな山奥までどうやって海から貝を運んできたの?と縄文時代の人々の行動力とスタミナに驚かされますね。

縄文時代の展示が充実していると高評価が多数

ここでは編集部が調べた、GoogleやSNSなどに掲載されている感想や口コミも紹介します。

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小さい博物館ですが、内容が濃くて大満足です。
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展示の説明がわかりやすかったです。
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縄文時代のことがよくわかり、勉強になりました。
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博物館の近くの発掘現場も見られるのが嬉しいです。
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展示の説明だけでなくパンフレットもわかりやすくて、ありがたかったです。

小さい博物館だけれども、展示内容は大きな博物館並みの充実度であることや、展示やパンフレットがわかりやすく、学芸員さんの優しさを感じるなど、縄文時代を学ぶ博物館としておすすめしている口コミが多かったです。

ほかにも施設見学後に今回お話をうかがった藤森さんが執筆された『信州の縄文時代が実はすごかったという本』を読み、帰宅してからも古代日本の文化について思いを馳せ、充実した時間を過ごしたという声も見られました。

北相木村考古博物館からカップルの2人へメッセージ

縄文時代の人々をモデルにしたフィギュア
▲縄文人の暮らしを再現したフィギュアは、なんと今回インタビューをお願いした藤森さんの作品!

編集部

北相木村考古博物館に訪問しようか考え中のカップルにメッセージをお願いします。

藤森さん

栃原岩陰遺跡からは、埋葬された男女の骨が見つかっています。関係性は分からないのですが、家族であれば、9,500年間、共に眠っていたことになりますね。

編集部

9,500年もの長い間、一緒に眠っていたなんてなんだかロマンティックですね。強い絆で結ばれていたのでしょうか。縄文時代は文献資料が無い分、出土するものから想像を膨らますことができるのが面白いと思います。ぜひ多くのカップルにも訪れていただきたいですね。今日は貴重なお話、ありがとうございました。

北相木村考古博物館の基本情報

住所 〒384-1201
長野県南佐久郡北相木村2744
アクセス 中部横断自動車道八千穂高原インターから約30分
JR小海駅から村営バスで15分
営業時間 午前9時~午後4時30分
(入館は4時まで)
空いている時間帯 通常、混むことはありません。
平均的な滞在時間 30分程度
休館日 ・月曜日
(月曜日が祝祭日の場合は火曜日)
・祝祭日の翌日
・年末年始

※土曜日・日曜日・祝祭日は学芸員不在となります。
駐車場 村役場敷地内・駐車場あり
料金・予算 入館料
大人(高校生以上)200円
小人(小・中学生)100円
公式サイト http://vill.kitaaiki
.nagano.jp/museum/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

北相木村考古博物館の後に訪れるおすすめデートスポット

ここからは、北相木村考古博物館と組み合わせて訪れるおすすめのデートスポットを紹介します。

北相木村村内では、長者の森という宿泊可能な施設があります。(ただし期間限定)隣の南相木村や小海町には、温泉施設があります。信州の山河とともにお楽しみください。

おすすめのデートスポット

自家栽培した新鮮野菜を使ったランチが人気「PachaMaMa」

PachaMaMaは築100年の古民家をリノベーションしたカフェです。オープンのきっかけは、上京した娘に言われた「東京の野菜は味がない」という言葉。南相木村の野菜は味が濃く、栄養価も高いとのだといいます。

自家栽培の野菜はすべて、無農薬、化学肥料無添加で体にも安心です。ランチは予約不要でテーブルに案内してもらえますよ。

公式URL:https://www.pachamamaminamiaiki.net/

自然の中でのんびり入浴ができる「南相木温泉滝見の湯」

南相木温泉滝見の湯では、南相木村で有名な犬ころの滝の水音を聞きながら入浴することができます。滝見の湯の効能とされているのは、冷え性、うちみ、筋肉痛の改善や緩和、疲労回復など。露天風呂の他にも、気泡風呂や、壺風呂、うたせ湯など、数種類のお風呂やサウナを体験できます。

滝の音や小鳥の鳴き声など、自然が奏でる音を聞きながら入浴すると、より一層リラックス効果もありそうですね。

公式URL:http://www.takiminoyu.com/

自然の中で宿泊できる「長者の森」

長者の森は北相木村にある4月から10月までオープンしている宿泊施設です。コテージやロッジ、車が入れるオートキャンプ場、テントを張るキャンプ場の4つのタイプがあります。

バーベキュー設備もあり、予約をすれば食材も用意してもらえます。一部のコテージでは無料wifiも使えるのがありがたいですね。

公式URL:https://kitaaiki.com/index.html

まとめ:長野の自然と縄文時代のロマンを味わおう

今回は北相木村考古博物館を中心に、自然に囲まれた北相木村と南相木村のデートスポットをご紹介しました。

北相木村考古博物館はあまり混むことがないそうなので、2人でのんびりと見学ができるのも嬉しいですね。博物館見学の後は、自然の中で都会とは異なる時間の流れに身をゆだねてみるのもおすすめです。

歴史が好き、自然が好きな2人なら北相木村考古博物館周辺は何度でも来たくなる場所なのではないでしょうか。ぜひデートプランの参考にしてくださいね。