【青森県】八戸市「帆風美術館」を中心に巡る芸術に触れて楽しむデートプラン

今回は青森県八戸市にある「帆風(ばんふう)美術館」を中心にめぐる「見て楽しむ」デートプランを紹介します。

帆風美術館は、八戸駅から車で20分のところにある、知る人ぞ知る美術館です。実はこちらは、印刷会社の最新デジタル技術を駆使して作り出した複製画の数々が展示されている、珍しい美術館としても知られています。

美術館というと、敷居が高く感じるて身構えてしまう人もいるかもしれませんが、こちらの美術館は明るい室内で展示物に近づいたり、触れてみることができます。

今回は、そんな帆風美術館の副館長・吉田さんに美術館の見どころをお伺いすることができました。ぜひデートプランの参考にしてみてくださいね。

このデートプランの特徴
おすすめ年代:20代以上
おすすめカップル:好奇心旺盛で、アートに興味があるカップル
どんなデート?:学び、デート、見て楽しい、癒される
目安時間:半日
目安予算:無料

概要:芸術を堪能できる!お腹も心も大満足な八戸デート

八戸駅を起点に、「見て楽しむ」休日が楽しめるデートプランを考えてみました。普段はアクティブなカップルにも十分おすすめできる、体験型の美術館・施設めぐりプランです。

11時半〜12時 八戸駅で集合
12時~13時 八食センターやKumaCafeでランチ
13時30分~14時半 帆風美術館でゆっくり美術鑑賞、散策
14時40分~15時半 ツカハラミュージアムでクラシックカーの鑑賞

作品を間近で鑑賞できる帆風美術館で美術を堪能した後、クラシックカー鑑賞ができるツカハラミュージアムへ。こちらには運転席に座れる体験カーの展示もあります。

思わず身を乗り出して楽しめること間違いなしのコースです。

では、帆風美術館の解説からスタートです。

名画を間近で見て触れられる「帆風美術館」

帆風美術館の館内の写真

「帆風美術館」は印刷会社「帆風」が創設した美術館です。複製画を専門とし、「帆風」の高い印刷技術を駆使して、数々の名作の複製を作成・展示しています。

美術品の持つ美しさを見られるのはもちろん、印刷技術の高さに驚く人も多いはず。アート鑑賞の観点だけでなく、日本のデジタル技術の高さも見どころです。

一般的な美術館では叶わない「至近距離で作品を見る」「実際に触れてみる」ことができるので、「実は芸術には詳しくない」というカップルでも楽しめます。

今回は、帆風美術館の副館長である吉田章恵さんに、美術館の魅力や見どころをお伺いしました。

最新のデジタル技術で名画を複製し展示

編集部

まず、帆風美術館がどのような美術館か教えていただけますか?

副館長:吉田さん

はい。帆風美術館の名前は、印刷会社「帆風」を由来としています。創業者でもあり取締役会長でもある犬養俊輔が、「長年お世話になった青森県八戸市への地域貢献をしたい」という思いから設立しました。

印刷会社の特徴を美術に生かして、最新のデジタル技術で名画を複製し、「デジタル光筆画(こうひつが)」として展示しています。

かつて、写真技術による複製画を「光筆画」と呼びました。

帆風美術館の「デジタル光筆画」は、印刷工程におけるカラーマネジメント技術を美術品制作に応用したものです。現代版・古画の原寸大再現複製作品の名称なんですよ。

日本画といえば、現在でも「門外不出」という言葉がついてまわるほど扱いが厳格なものが多く、「複製などもってのほか」と思われているものがほとんどかと思います。

それを、原寸大で再現制作し、ガラス越しではなく触れんばかりに近づいて見られるというのが、最大の特徴です。

編集部

なるほど。原画が飾られている美術館と違って複製画であるため、近くに寄って鑑賞することができるのですね。

「最新のデジタル技術」と聞けば、芸術に興味が薄い恋人でも興味を持ちそうですね。カップルで1つの絵に顔を寄せあって見られるなんて楽しそうです!

副館長:吉田さん

手がけてきた作品も幅広く、掛軸・屏風(びょうぶ)・巻物・画帖(がじょう)・工芸・石塔など多岐にわたります。「え、これが複製?」という、絵画の魅力とはまたひと味違った芸術鑑賞の面白さもあると思いますよ。

複製の美術館だからこそ、作品の写真撮影も手で触れることもできる

編集部

複製美術館ならではの、ほかの美術館では体験できない特徴があるとお伺いしましたが、どんなことでしょうか。

副館長:吉田さん

複製ですから、作品が原本よりもずっと取り扱いやすい点が最大の特徴です。例えば普通の美術館の場合、掛軸はその体裁がゆえに1ヶ月程度の展示が精一杯です。

また、日本画の顔料は自然のものから採取されているので、紫外線に弱く、多くの美術展では暗がりでの鑑賞を余儀なくされます。

一方、こちらの美術館の展示物は複製ですから、明るい光のもと、ガラス無しで作品に息がかかるくらい間近に近づいて鑑賞することができるんです。

また、画帖や和本を、直接自分でページをめくって鑑賞することだって可能なんですよ。画帖のページをめくるにもやり方があるので、ぜひ実際に試してください。

画帖以外にも、石塔・お盆・仏像・杉板など、展示作品すべて触れて楽しんでいただけますし、写真撮影も自由にできますので、作品と一緒に記念写真もぜひどうぞ。

編集部

画帖や和本をカップルで仲良くめくって楽しめるなんてなかなかない体験ですね!実際に美術作品に触れることができると、カップルでさらに盛り上がれそうな気がします。

美術品の保護のため、フラッシュを使っての撮影を禁止している美術館が多い中、こちらではOKなのもうれしい点です。美術作品と一緒にカップルで撮影できれば、かなり「映える」2ショットになりそうです。

館内で美術品に近づいて鑑賞しているお客さんの様子
▲息がかかるほど近くに寄って見ることもできる

作品と表具の布の質感や時代を合わせて1枚の複製画にするこだわりも

編集部

美術品のすばらしさを、印刷の技術でここまで再現できるとは思いませんでした。

作品を鑑賞するときに、ここに着目したら面白いというような注目ポイントはありますでしょうか。

副館長:吉田さん

はい。作品はすべて1枚の印刷物として作成されたものなんです。例えば、掛軸の表装の布の質感と、作品の和紙の質感を同じ1枚の紙の上に再現しています。ぜひ近くに寄って見ていただきたいと思います。

また、作品の額縁に相当する表装にもこだわりがあり、作品が描かれた同時代の裂を帆風美術館オリジナルの組み合わせで表具あわせをしているんですよ。

編集部

全く異なる素材の質感を1枚の紙で表現とは驚きです。高い印刷技術だからなせる業ですね。細部にもこだわって作品を展示されているということで、表具合わせについても気をつけて見てみたいと思います。

ちなみに、それぞれの作品は複製ということですから、きっと原品も日本のどこかに存在するということでしょうか。

副館長:吉田さん

はい。作品にキャプションが添えられており、それぞれ原品の所在地も書いてありますので、帆風美術館で作品に興味を持ったなら、「いつかこの原品を鑑賞しに行こう」と将来の旅行を計画されるのも、きっと楽しいでしょうね。

編集部

帆風美術館でのデートから次のデートへの広がりが感じられるなんて、ちょっとワクワクしますね!

感染症対策のため、若干展示物を減らしている館内の写真

飾られた作品は江戸時代を中心に、古くは縄文時代のものまで

編集部

展示物ですが、だいたいいつ頃の作品の複製画が展示されているのでしょうか。

副館長:吉田さん

そうですね、江戸期の作品が中心に展示されています。次いで室町、安土桃山時代あたりの作品が多いです。縄文時代・飛鳥時代・平安時代・明治時代の作品もあるんですよ。

編集部

古くは縄文時代の作品が複製として再現されているなんて、とても夢がありますね!デートそっちのけで作品に見入ってしまいそうです。

帆風美術館に来館した人の口コミ評価

編集部

帆風美術館にはどのような方が来館されていますか。

副館長:吉田さん

ご家族やカップル、お友達同士はもちろん、おひとりでお越しの方も多くいらっしゃいます。

編集部

来館される皆さんは、帆風美術館にどのような感想を残して帰られますか。

副館長:吉田さん

そうですね、観覧後、全体を通して「癒される」というお声掛けをよくいただきます。

ストレスを減らし、幸せな気持ちを増してくれる幸せホルモン「オキシトシン」にちなんで、帆風美術館のことを「オキシトシン美術館」と言ってくださる方もいるほどです!

和室の展示室があり、こちらにゆったりと腰を下ろしてカップルで語り合うというのも素敵な時間だと思います。日々の生活に疲れたら、ぜひリフレッシュしにいらしてください。

和室の展示室に掛け軸がかけられている様子
▲畳に腰を下ろしながら、くつろいで芸術鑑賞できる和室が人気

編集部

編集部がリサーチした来館者の感想ですが、Googleの口コミには以下のようなものがありました。

アイコン
普通の美術館とは一味違っていて楽しめます。
アイコン
周りの景色も素敵。秋の紅葉も素晴らしいです。
アイコン
いつも新しい発見がある企画展がおすすめ。
アイコン
デートにぴったりだと思いました。

帆風美術館の副館長からのメッセージ

編集部

最後に、来館を検討されているカップルへのメッセージをお願いします。

副館長:吉田さん

長い時間をかけて、語り継がれ愛されてきた日本美術。言葉だけでは語り尽くせない、日本の感性がそこにあります。

気軽に名作を鑑賞できる帆風美術館で、日本美術が長く大事にされてきた理由を大好きな人と一緒に感じてみるのも素敵だと思います。

美術館まわりは、八甲田山系のおいらせ渓流が近いせいか、紅葉も山から降りてくるようにこの周辺にも広がります。どんぐりや栗の木もあったり、四季折々の自然を楽しむことができるのも美術館周辺の見どころのひとつです。

秋の高い空を眺めながら、カップルでもみじ狩りをお楽しみくださいね。

今回インタビューさせていただいた副館長の吉田章恵さんの写真
▲優しい笑顔がステキな副館長の吉田章恵さん

編集部

遠くから見るだけではなく、直接触れて鑑賞できる画期的な美術館でのデートは、美術館にあまりなじみのない恋人同士でも楽しめそうですね。

美術作品の感想を言い合うのもお互いを知るいいきっかけになりそうですし、和室での美術鑑賞など、リラックスして穏やかな時間を過ごせそうですね。本日はありがとうございました。

帆風美術館の基本情報

住所 〒039-2245
青森県八戸市北インター工業団地1-5-2
八戸インテリジェントプラザ隣り
アクセス JR東日本/新幹線・八戸線
八戸駅から車で20分
営業時間 10:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日 月・火・土
展示替え期間・夏期休館・年末年始など
※月が祝日の場合は開館、水曜休館
入場料 無料
電話番号 0178-20-1335
駐車場 無料(オフィスと兼用の駐車場)
公式ページ https://www.vanfu.co.jp/vf/csr/museum.html
その他 コロナ禍では、入館制限10名とさせていただいております

※最新の情報はホームページや電話等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

帆風美術館前後のデートプラン

帆風美術館のそばに「ツカハラミュージアム」というクラシックカーの博物館があり、こちらもデートにおすすめです。また、帆風美術館とツカハラミュージアムはすぐそばにあるので移動も楽ですよ。

美術館とツカハラミュージアムをまとめて回ることを考えると、美術館に行く前にランチは済ませておくといいかもしれません。

ランチにおすすめの八戸グルメスポット

美味しいものを食べるのも、デートに欠かせないお楽しみですよね。ここでは、帆風美術館に行く前に楽しめる美味しいスポットをご紹介します。

グルメといえばここは欠かせない!八食センター

八戸の幸を堪能できる八食センターで腹ごしらえを。恋人と美味しいものを食べれば、休日気分を満喫できますね。

八食センター内で購入した魚介類やお肉などを炭火焼きで焼いて食べられる「七厘村」が大人気です。

八食センター:https://www.849net.com/

古民家を改装したゆったり空間!KumaCafe

雑誌にも掲載され、人気のお店です。隠れ家風の雰囲気でゆっくりとした時間が過ごせます。ヴィーガンメニューがおいしいと評判で、レトロな雑貨も楽しめます。

のんびりくつろぎたい休日には、こんなまったりカフェでのランチはいかが?

公式URL:http://kumacafe.mars.bindcloud.jp/kumacafe.html

往年の名車に彼の目が輝く!ツカハラミュージアム

クラシックカーのパーツ1つ1つを丁寧に修復して展示しているツカハラミュージアム。車好きな彼ならきっと夢中、女性でもきっとロマンを感じられるはずです。

運転席に座れる体験カーの展示もあり、レーシングカーの座席に座ったら興奮してしまいそうです。

※中学生以下の方は、大人同伴の場合のみご入場いただけます。
※感染症対策により休館している可能性があります。開館状況はホームページをご確認ください
※開館期間は4月~10月

ツカハラミュージアム公式サイト
http://www.tsukahara-m.jp/