奈良・當麻寺で執り行う荘厳な仏前式|国宝と名園に彩られた格式ある結婚式
この記事では、奈良県にある當麻寺の仏前式について解説しています。
當麻寺の中には女性の守り本尊が祀られる僧院・中之坊があります。この由緒正しい寺院で、観音さまに見守られながら伝統的な結婚式を挙げることができます。
お寺での結婚式を考えている方や、いつかご縁のあるお寺での結婚式をしたいと思っている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
国宝と1400年の歴史を誇る「當麻寺」
當麻寺は最寄り駅の当麻寺駅から徒歩約15分の場所にある寺院です。1400年を超える長い歴史を誇り、奈良・平安よりもさらに古い時代の伝統的な国宝を現在に伝えています。
実際に仏前式を執り行う本尊では「足元を照らし、行くべき道を示してくださる」と言い伝えられる「導き観音さま」をお祀りしています。観音さまの前で愛を誓えば、新郎新婦の結婚後の人生を暖かく見守ってくれますよ。
また、大和の三名園にも数えられる庭園はおすすめの撮影スポットです。四季折々の美しい景色が楽しめる庭園は、フォトウェディングの撮影場所としても使われるほど美しく、婚礼衣装がよく映えます。
今回は、當麻寺中之坊院主(院主:寺院の主)松村實昭さんにお話を伺いました。院主様のご厚意で仏前式の写真もたくさん掲載しているのでぜひご覧ください。
女性の守り本尊「導き観音」の由緒
インタビュアー
當麻寺はどのようなお寺か教えてください。
院主
飛鳥時代に用命天皇の第三皇子・麻呂子親王が、兄・聖徳太子の勧めにより創建したお寺が「當麻寺」で、その中にある最古の僧院が「中之坊」です。
中之坊は、奈良時代に女性も浄土に救われるということをはじめて示したとされる中将姫が尼僧となって修行された道場です。本尊・導き観音は、特に女性の守り本尊として古くから信仰をあつめてきました。
インタビュアー
たいへん古くからの長い歴史があるお寺さんですね。わたしも中将姫伝説というのは何かで読んだ記憶があります。女性の守り本尊である導き観音さまにぜひお参りしたいと思います。
大和三名園に数えられる美しい庭園
インタビュアー
當麻寺・中之坊を訪れた場合の見どころなどはありますか?
院主
當麻寺中之坊の庭園は大和三名園の一つとされる名園で、フォトウェディングでも多く利用されるスポットでもあります。挙式の前後に、名園で美しい写真を撮ることができます。
インタビュアー
當麻寺は牡丹の花が咲き誇るお庭も有名ですね。大輪の花が咲き誇る庭園で打ち掛けや白無垢姿の新婦さんの姿はさぞ映えることでしょう。さまざまな場所で素晴らしいお写真が撮影できそうです。
結婚式でなくても、當麻寺は見どころが多いのでぜひ訪れてほしいです。古からの歴史の息吹を感じながらお参りをし、ゆったりと過ごせば、心豊かな時間が過ごせそうですね。
當麻寺で執り行う仏前式の特徴・魅力
インタビュアー
當麻寺中之坊で仏前式を行うようになったのはいつ頃からですか?
院主
寺の住職や僧侶以外の方を対象に仏前式を勤めるようになったのは、20年ほど前に、檀信徒の方から「お寺で結婚式ってできますか?」と聞かれて「できますよ」と答えたことからです。
インタビュアー
當麻寺とご縁のある方々から自然と「二人の門出をこのお寺さんで行いたい」という声があがってきたのですね。
10箇条の戒め「十善戒」を授かるのが特徴
インタビュアー
仏前式とその他の結婚式で大きな違いやメリットはありますか?
院主
仏前式、また、當麻寺中之坊での仏前式の特徴はだいたい当寺のホームページにまとめてあります。その中から少しだけ紹介します。
新しい生活をはじめるにあたり、何に誓うのか、誰に誓うのか、というのは重要な意味を持つと思います。目の前にはっきりと見える導き観音さまの前で結婚の誓いをしたという事実は、今後の結婚生活において大きな支えとなることと思います。
当寺の仏前式では、これから歩んでいく上で守るべき10箇条の戒め“十善戒”を授かります。
殺してはいけないという“不殺生戒”、盗んではいけないという“不偸盗戒”といった基本的な戒めのほか、浮気、不倫を戒める“不邪淫戒”や、”不妄語”(嘘をつかない)、”不悪口”(悪口をいわない)、”不瞋恚'(ふしんに)”(むやみに怒らない)といった、お互いを傷つけ合わず、慈しみ合えるような戒めを授かります。
他にも十善戒はこのような意味を持っています。
不両舌:思いやりのあることばを話す
不慳貪(ふけんどん):惜しみなく施しをする
不邪見:正しく判断する
新しい結婚生活を営んでいくにあたって大切な誓いとなるでしょう。
インタビュアー
十戒というと難しく聞こえますが、基本は「互いに傷つけ合わず慈しみあうこと」なんですね。
ほかに、當麻寺ならではの仏前式のメリットや特徴などございますか?
院主
當麻寺中之坊の導き観音さまは、“足もとを照らし、行くべき道を示す”といわれるほとけさまです。
当坊の結婚式では、導き観音さまからの右手からつながる五色の結縁紐を新郎、新婦に握っていただきますので、導き観音さま、新郎、新婦の三者が、五色の結縁紐を通じて繋がっていただくことになります。
インタビュアー
これからふたりの人生を歩み始めるカップルにとって、行くべき道を示してくださる導き観音様と繋がるとは、尊い儀式ですね。
當麻寺の仏前式:厳かな儀式の流れ
インタビュアー
仏前式では実際にどのようなことを行うのでしょうか?
院主
次のとおりになります。
次、本尊さまに僧侶が勤行
次、洒水加持(新郎・新婦をお清め)
次、念珠授与
次、授戒(「十善の誓い」)
次、指輪交換
次、鑑戒
次、誓詞(新郎新婦が「誓いの言葉」を読み上げる)
次、誓水(夫婦固め、親族固めとして誓いの水を口にする)
次、祈願
次、最後に一同で読経
インタビュアー
十善の誓いのあと、指輪交換もあるんですね。緋色の毛せん(敷物)と庭の緑、美しい仏具のなかで、思っていた以上に華やかな雰囲気です。
女性の色打ち掛けや白無垢も映えて、日本らしい結婚式だなと感じます。これを見て、改めて仏前結婚式って素晴らしいなと感じる人も多いのではないでしょうか。
挙式をした夫婦が改めて参拝に訪れることも
インタビュアー
ご夫婦、または参列者の方々からはどのような感想が多いですか?
院主
ご結婚されたあと、あらためてご夫婦やご家族で、参拝にあるいは観光に来られる方が多いですので、結婚式を挙げたことにより、良き思い出の場所となっているのだと思います。
また、導き観音さまは安産の仏さまとしても知られていますので、当坊で結婚式を挙げられた方が、安産祈願においでになり、さらにお子様がお生まれになって1か月後の「初参り」においでになるなど、おめでたいことが続いていくのがたいへん嬉しく思います。
インタビュアー
當麻寺は安産祈願でも有名だと伺っています。當麻寺で愛を誓い、お子さんを授かり、節目節目の喜びの時にもお寺さんをお参りするというのは幸せなことですね。
仏前式の予約申し込みについて解説
インタビュアー
挙式予約は何ヶ月前頃から可能でしょうか?
院主
予約は1年前~1か月前まで可能です。3か月前くらいまであれば、おおむね希望日時をご予約いただけると思います。
インタビュアー
少し余裕をもって半年くらい前には予約をいれると良さそうですね。やはり良い季節で大安で・・・と考えると早めの予約をしたいです。
仏前式申し込みの流れ
インタビュアー
當麻寺中之坊での挙式申し込みの流れを教えてください。
院主
結婚式のみのお申し込みの場合は直接お寺にご連絡でお受けしています。
式以外の衣装、写真、披露宴などのご相談、トータルプロデュースのご希望は、専門の業者さま・施設さまなどにご相談ください。當麻寺のWEBサイトには当坊での挙式を扱った経験のある業者・施設を数か所紹介しています。
インタビュアー
披露宴はどうしよう、貸衣装はどこで?と悩む人も多いと思うので、ブライダル業者を紹介して頂いてお任せする方法もよさそうですね。
當麻寺の仏前式についてよくある質問
インタビュアー
何名まで参列が可能でしょうか?
院主
導き観音さまの前で行う結婚式は、新郎・新婦のほか、両家それぞれ15人程度計30人程度可能です。
それ以上の場合は客殿をご利用いただき、計60人程度の式まで可能です。
インタビュアー
客殿を利用すると60人規模の式も行えるわけですね。親族のほか、特に親しい友人なども参列してほしいこともあるでしょうから、ある程度の規模で挙式できるのはいいですね。
新郎新婦両家のための控室設備
インタビュアー
當麻寺中之坊に控室はありますか?
院主
控室は新郎・新婦、両家各1部屋ずつの用意は可能です。
インタビュアー
着付けなどにも利用できる控室があるのは助かります。
當麻寺仏前式の料金詳細
インタビュアー
仏前式にかかる料金について教えてください。
院主
以下の通りです。
料金 お供え料 |
80,000円 |
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数珠交換 | 別途実費 持ち込み可 |
結婚が決まったカップルへのメッセージ
院主
導き観音さまの前で、夫婦の誓いをたてていただく結婚式は、きっと深く心に残るものだと思います。導き観音さまは、“足もとを照らし、行くべき道を示す”といわれる仏さまです。おふたりの門出にふさわしい結婚式となるでしょう。
インタビュアー
導き観音さまと紐で結ばれる儀式など、當麻寺ならではの仏前式の素晴らしさが印象に残っています。厳かな儀式で夫婦の誓いをたてることは、結婚生活を支える心のよりどころとなりそうですね。
今日はお忙しい中、ありがとうございました。
當麻寺中之坊の基本情報
住所 | 〒639−0276
奈良県葛城市當麻1263 中之坊 |
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電話番号 | 0745-48-2001 (9:00-17:00/FAX共通) |
公式サイト | http://www.taimadera.org/ |