孫文記念館(移情閣)でレトロな洋館とインスタ映えする絶景を満喫するデート|神戸市|縁結び大学

今回ご紹介するのは、神戸市垂水区にある「孫文記念館(移情閣)」で、孫文(孫中山)と日本とのつながりを学び、フォトジェニックな光景も満喫するデートです。気分を変えて知的なデートを楽しみたい、レトロな建築と綺麗な海を眺めてのんびりしたい、そんな二人にぴったりのスポットになります。

孫文記念館は国内で唯一、辛亥革命(※1)に大きな影響を与えた孫文を顕彰し、日本とのご縁についても掘り下げた施設です。明治・大正期の日本と中国との関係に興味がある歴史ファンも、ぜひ訪ねてみてくださいね。
(※1)1911(宣統3)年から翌年にかけて、清(中国)で発生した共和革命。

孫文記念館の成り立ちや魅力、デートでの楽しみ方などについて、事務局次長の東谷さんにお話を伺っています。

国内唯一!孫文記念館(移情閣)の貴重な展示品の数々

「孫文記念館(移情閣)」の正面外観と明石海峡大橋(その1)
▲「孫文記念館(移情閣)」の正面外観と明石海峡大橋。思わず息を呑む美しさ!

孫文記念館(移情閣)は、明石海峡に面した兵庫県立舞子公園の一角に建ち、明石海峡大橋がすぐそばに架かるという絶景の立地。大正モダンの香り漂う洋館は、精緻な造り込みの内装も魅力です。

ここからは、孫文記念館について、具体的に見ていきましょう。

必見の常設展!孫文との縁が深い洋館は内装もお洒落

編集部

今回初めて孫文記念館(移情閣)にお邪魔しましたが、明石海峡大橋がすぐ後ろを通るという海沿いで、まさに絶景を堪能できるロケーションですね。海の青にクラシカルな洋館の風情が映えて、何ともフォトジェニックな光景だと感じました。

最初に、孫文記念館の成り立ちや、おもな展示(常設展)についてお聞かせください。

東谷さん

孫文記念館(移情閣)は、「三民主義(※2)」で知られる中国の革命家・政治家・思想家である孫文(孫中山)を顕彰した国内で唯一の施設です。1984(昭和59)年の11月に開設されました。
(※2)孫文が掲げた中国革命での三原則で、「民族の独立」「民権の伸張」「民生の安定」を指す。

「孫文記念館(移情閣)」内部の常設展示パネル
▲常設展のパネル。孫文(孫中山)は、東洋初の共和制国家を生んだ辛亥革命(双十革命)に大きな影響を与えた

こちらの洋館は、元々は神戸で活躍した華僑の実業家・呉錦堂(ごきんどう)氏(1855~1926)が建てた別荘「松海別荘」であり、1915(大正4)年には、別荘の東側に八角三層の楼閣「移情閣」が増築されます。

2001(平成13)年11月、文部科学省より国の重要文化財に指定されました。

松海別荘は、孫文が1913(大正2)年の3月に来日した折、神戸在住の華僑や政財界の有志が開いた歓迎昼食会の会場となります。それがこの建物と、孫文とのご縁の始まりでした。

孫文一行来日の歓迎昼食会にての記念写真(1913年)
▲松海別荘(現孫文記念館)前で撮影された、孫文一行来日の歓迎昼食会にての記念写真(1913年)。前列向かって左から5人目に孫文(孫中山)

孫文記念館では、日本・神戸と孫文との関わりを中心に、呉錦堂氏の生涯や、松海別荘・移情閣の変遷などについて、詳細な常設展を設けています。孫文直筆の書や、贅(ぜい)を凝らした内装は必見ですよ。

編集部

常設展の中で、東谷さんが特にお好きな展示品を教えてください。

東谷さん

孫文直筆の「革命」と墨書された額は、私の一番のお気に入りです。見学に来られた中国の方も、よく額の前で記念撮影をされていますよ。

「孫文記念館(移情閣)」に常設展示される孫文直筆の墨書「革命」
▲孫文直筆の墨書「革命」。逸仙は孫文の字(あざな・成人後に自ら名乗った通称)

編集部

孫文記念館(移情閣)で体験できることがありましたら、併せてお話しいただけますか?

東谷さん

孫文の生涯や、関わりのあった人物たちを紹介するビデオを、1階ホールにて常時ご視聴いただけますよ。

また、建物外や、館内での写真撮影も可能です。移情閣前の孫文の銅像前でも、記念写真を撮る方を多く見かけますね。

「孫文記念館(移情閣)」1階ホールの様子
▲贅を凝らした内装の1階ホール。本物のレトロ感が何ともいい雰囲気!紹介ビデオを視聴できる

編集部

来館される方には、どんなことを感じ取り、学んでほしいと思われますか。

東谷さん

孫文は、日本で9年間暮らしており、実質的に日本は孫文が主導する中国革命のベース(基地)となっていました。実際に孫文は、1905(明治38)年に東京で、「中国革命同盟会」の総理となっています。

「孫文記念館(移情閣)」内部1階にある孫文の胸像
▲1階にある孫文の胸像。日本とも縁が深い人物であることを知る現代の日本人は少ない

来館される皆さんには、孫文と日本の関わり、日本の支援者たちとの交流を知っていただき、明治・大正期の日本と、中国との関係性をご理解くだされば幸いです。

毎年11月に特別展示を開催!孫文と日本を掘り下げるチャンス

「孫文記念館(移情閣)」に常設展示される孫文直筆の墨書「天下為公」
▲孫文直筆の墨書「天下為公(てんかいこう)」。孫文が好んで揮毫(きごう)していた言葉

編集部

孫文記念館(移情閣)では、折々での特別展示(企画展)などはありますでしょうか。

東谷さん

 孫文の誕生日は、1866年(慶応2年)の11月12日でした。これにちなみ、毎年11月には「孫文月間」と称して、特別展示・講演会などを企画しています。

中国関係の学術的なことに興味がある方は、お気軽に見に来てください。

特別展示・講演会の具体的な内容や、申込みについては、公式サイト・トップページの「お知らせ」コーナーをチェックいただければと思います。

>>公式サイト・トップページ「お知らせ」

孫文記念館(移情閣)の魅力は豊富なインスタ映えシーン

明石海峡大橋と孫文記念館(移情閣)の事務局次長・東谷眞吾氏
▲今回インタビュー取材でお世話になった孫文記念館(移情閣)の事務局次長・東谷さん。後ろに明石海峡大橋

編集部

東谷さんが思われる、孫文記念館(移情閣)の魅力・見どころについて教えてください。

東谷さん

当記念館の一部である「移情閣」は、天井には龍や鳳凰(ほうおう)の飾りが施され、壁紙には金唐紙(※3)が使用されています。大正ロマンを感じさせる内装を忠実に復元したものです。
(※3)金属箔を押した和紙に凹凸加工をし、上からワニスや彩色を施して仕上げた高級な壁紙。かつては鹿鳴館や国会議事堂にも使われていた。

「孫文記念館(移情閣)」内の階段
▲大正ロマンの香りあふれる国指定の重要文化財「移情閣」内部の階段

東洋的なテイストも採り入れたノスタルジックな洋館の内外には、インスタ映えするシーンも豊富にありますよ。

また、館内の窓から見える明石海峡大橋と、海との絶景が実にロマンチックで、撮影や結婚式の前撮りのお申込みも多いです。外からご覧になっても、クラシカルな洋館の外観と、優美な明石海峡大橋とが絶妙にマッチして、素晴らしい光景だと思います。

「孫文記念館(移情閣)」窓から見た明石海峡大橋と夕景
▲館内の窓から見た明石海峡大橋と夕景。何ともロマンチックな構図の一枚!

「孫文記念館(移情閣)」の正面外観と明石海峡大橋(その2)
▲フォトジェニックな「孫文記念館(移情閣)」の正面外観と明石海峡大橋の風景

なお、当記念館の敷地外になりますが、海岸から眺める夕陽も実に美しく、季節によっては三脚を携えたカメラマンが数多く来られて、熱心に撮影されることもしばしばです。お時間があれば、ぜひ海岸からの夕陽も眺めてみてほしいと思います。

孫文記念館(移情閣)でのデートの楽しみ方

移情閣前の孫文の銅像
▲移情閣前の孫文の銅像。この前で記念写真を撮る方が多い。

ここまでは、孫文記念館(移情閣)の成り立ちや常設展などについて、観光で訪れた場合の見どころを中心に伺ってきました。ここからは、デートで訪れた場合に特化してお話を聞いてみましょう。

南庭園のベンチから二人で海を眺めながらゆったり

編集部

孫文記念館(移情閣)で、カップルがゆっくり過ごせるようなスポットがありましたら、ぜひご紹介をお願いします。

東谷さん

当記念館は海岸沿いにありますので、南庭園のベンチからは明石海峡と、行き交う船を眺められますよ。とても爽快で気持ちよく、お二人でゆったりと過ごしていただけるでしょう。

孫文記念館(移情閣)の南庭園から望む明石海峡大橋と夕景(その1)
▲南庭園から望む明石海峡大橋の夕景。ベンチもあるので、カップルでくつろげる

ただ、毎日17:00には閉館となりますので、それまでには庭園からも退出いただくことになります。閉館後に取り残されることがないように十分お気をつけてご見学ください。

マンガ「孫文物語」は売れ筋!受付でちょっとしたお土産探しも

編集部

館内には、レストラン・カフェやミュージアムショップなどは、特にないのですよね。デートの記念に、お土産などは購入できますか?

東谷さん

館内にカフェやミュージアムショップはありませんが、受付にて絵はがきや冊子など、ちょっとした記念になるアイテムを販売中です。

孫文の生涯を簡単なマンガにしたリーフレット「孫文物語」は、日本語版と中国語版がありまして、かなり売れていますよ。中国語を勉強中のカップルには、よい教材になってくれるかもしれませんね。

「孫文記念館(移情閣」の受付で頒布中のマンガ「孫文物語」
▲受付にて販売中のマンガ「孫文物語」。中国語版もあるので、カップルでの語学学習にも!

孫文記念館(移情閣)の周辺にはデートスポットがたくさん

編集部

孫文記念館(移情閣)の周辺で、おすすめのデートスポットがありましたら、併せてご紹介をお願いします。

東谷さん

例えば、午前中には兵庫県立舞子公園内の明石海峡大橋の橋桁から上る「舞子海上プロムナード(9:00開館)」や、「孫文記念館(10:00開館)」、「旧武藤山治邸(10:00開館)」などを訪ねます。

>>舞子海上プロムナード・世界有数のつり橋「明石海峡大橋」体験展望施設
>>旧武藤山治邸・コロニアル様式の西洋館

午後に「姫路城」や、神戸の中華街「南京町」を訪れる、もしくは、淡路島に行く高速バスが舞子駅付近から出ているので、これで明石海峡大橋を渡ってみるのはいかがでしょうか。

>>世界遺産 姫路城
>>熱烈歓迎 南京町
>>淡路島

旧武藤山治邸では、毎週土曜日にジャズのライブ演奏をよく開催していますので楽しんでいただくとか(要予約)、舞子海上プロムナードでは、明石海峡大橋の下に設けられた海上の散歩道(海面からの高さ47m)を歩くこともできますよ。一度体験してみてください。

旧武藤山治邸(手前)とシーサイドホテル舞子ビラ神戸(本館・別館)
▲明治期の洋館「旧武藤山治邸」(手前)と、「シーサイドホテル舞子ビラ神戸(本館・別館)」

さらに、技術的なことにも興味があるお二人ならば、「橋の科学館」を見学してもいいかもしれません。明石海峡大橋の建設当時の架橋技術が紹介されていますよ。

>>橋の科学館

舞子エリアのデートスポットは、JR神戸線の舞子駅と山陽電鉄の舞子公園駅からは、いずれも徒歩5~10分の範囲内です。デートで散策しながら巡るには、とても便利なロケーションだと思います。

なお、当記念館の近くには、「シーサイドホテル舞子ビラ神戸」や、「ホテルセトレ神戸・舞子」がありますから、泊りがけでのデートの場合、そちらに宿泊されてもいいでしょう。

>>シーサイドホテル舞子ビラ神戸
>>ホテルセトレ神戸・舞子

孫文記念館(移情閣)からのメッセージ

青空の下の明石海峡大橋と明石海峡

編集部

これから孫文記念館(移情閣)を訪れようとしているカップルへのメッセージや、今回のインタビュー取材で伝えきれなかった想いなどがあれば、お話しください。 

東谷さん

当記念館のある兵庫県立舞子公園は、JR舞子駅から近く、また、世界有数の規模を誇る明石海峡大橋が間近に通り、そのスケール感に圧倒されます。明治期の洋館・旧武藤山治邸や、舞子海上プロムナードもすぐそばです。

眼の前の海には、明石海峡を行き交う船が頻繁に往来し、眺めているだけでも飽きない場所だと思います。俳優さんが撮影やロケで、何度か来られたこともありました。このような孫文記念館で、ゆったり過ごされるデートも思い出深いひと時になるでしょう。

編集部

クラシカルで素敵な雰囲気の洋館と、海と明石海峡大橋を望む絶景がとにかく印象的な施設だと思いました。

気分転換にちょっと知的な雰囲気のデートを楽しみたいカップルや、綺麗な場所で海を眺めながらのんびりくつろぎたい二人にも、孫文記念館(移情閣)はぴったりのスポットになってくれそうですね。

東谷さん、本日はお忙しい最中にお時間を作っていただき、大変ありがとうございました。

孫文記念館(移情閣)の口コミ・感想をチェック!

孫文記念館(移情閣)の南庭園から望む明石海峡大橋と夕景(その2)

ここまで孫文記念館(移情閣)について、さまざまな魅力を伺ってきました。実際に孫文記念館を訪れた皆さんの口コミや、感想についてもチェックしてみましょう。

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教科書に少ししか記載されていない孫文が、大陸の人からも、台湾の人からも尊敬されていることが分かった。
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歴史好きも、レトロな建築好きも、訪ねて後悔しない施設だと思います。
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多くの日本人が孫文を支援していたと知り、大きな感慨を覚えた。
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2階の窓から感じる海辺の風がとても気持ちいいです。素敵な空間をゆっくり堪能できて満足しました。

全体的に評価が高い印象で、とりわけ周囲に広がる絶景とロケーションの素晴らしさ、趣(おもむき)ある洋館のたたずまいに多くの方が感心されていました。孫文と日本(人)との関係について新たな発見をして、心を動かされる方も散見されます。

歴史の知識がそこまで深くないカップルがデートの一環で見学しても、充実したひと時を過ごせるスポットだと感じました。

孫文記念館(移情閣)の料金・割引・混雑しない日時

入館料金 (70歳以上)1人200円
(大人)1人300円
(高校生以下)無料
※個人での来館は予約不要
割引 身体障害者手帳か療育手帳、または精神障害者保健福祉手帳を持参するご本人と、その付添者お一人は入館料金を100%割引(無料)
※障害者手帳アプリ「ミライロID」の提示も可
比較的混雑しない日時 平日は比較的空いている
※学校や旅行社等の団体での来館により、平日でも混み合う場合あり
平均滞在時間 30~60分

※記事中の金額はすべて税込表示です。

孫文記念館(移情閣)の基本情報(アクセス・営業時間など)

住所 〒655-0047
兵庫県神戸市垂水区東舞子町2051番地
※兵庫県立舞子公園内
連絡先 (電話)078-783-7172
(メール)sunwen20@aioros.ocn.ne.jp
アクセス 【公共交通機関】
(JR神戸線)舞子駅下車・徒歩約5分
(山陽電鉄本線)舞子公園駅下車・徒歩約6分
(高速バス)高速舞子バスのりばバス停下車・徒歩約6分

【車】
《淡路島・四国方面から》
(神戸淡路鳴門自動車道)垂水ICから南西へ約6km
《山陽自動車道方面から》
(神戸淡路鳴門自動車道)布施畑ICから南西へ約9km
《姫路・大阪方面から》
(第二神明道路)高丸ICから南西へ約4km
駐車場 兵庫県立舞子公園の有料駐車場を利用(徒歩約3分)
※1時間200円・上限1,000円
※普通車198台分
開館時間 10:00~17:00
※最終入館は16:30
休館日 毎週月曜日
※祝日の場合は開館し、翌日休館
年末年始
※12月29日~1月3日
公式サイト http://sonbun.or.jp/jp/

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