
【宮城県】東松島市の「奥松島縄文村歴史資料館」を中心に自然と縄文時代を体感するデートプラン
この記事では、宮城県東松島市にある「奥松島縄文村歴史資料館」を中心に、縄文時代から変わらない風景を見て、奥松島の自然を感じるデートプランを紹介します。
奥松島縄文村歴史資料館は、本物の貝塚を剥ぎ取った貝層の断面や貝塚からの出土品が展示されています。縄文時代の生活体験や、当時に使われていたアクセサリー作りも体験できるため、見るだけでなく、縄文時代の生活に触れることもできますよ。
資料館見学の前後には、遊覧船に乗って奥松島の自然を海から眺めたり、散策や登山をしたりして、海や陸から見える奥松島の風景を堪能しましょう。
今回は縄文時代に思いを馳せ、奥松島の自然を全身で感じる、ロマンあふれるデートをご紹介します。
おすすめカップル:歴史好きカップル、景勝地巡りが好きなカップル
どんなデート?:奥松島の自然と縄文時代を体感するデート
目安時間:1日
目安予算:2人で7,000円
概要:縄文時代に思いをはせ、奥松島の自然を満喫するデート
奥松島にある「奥松島縄文村歴史資料館」は、車で行ける島「宮戸島」にあります。縄文時代から変わらない海が眺められ、景勝地もたくさんあるため、遊覧船に乗ったり歩いたりして宮戸島や奥松島の自然を感じるデートプランを考えました。
今回のデートのメイン |
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奥松島縄文村歴史資料館 |
周辺のデートスポット |
・奥松島遊覧船 ・大高盛 ・オルレ奥松島コース |
まずは奥松島遊覧船に乗り、奥松島縄文村歴史資料館のある宮戸島を外から眺めてみましょう。
日本三景の松島はおだやかな眺めですが、松島の北東にある宮戸島の外洋側は、太平洋の荒波を受けた岩が荒々しくそびえ立っています。松島を見たことがあるカップルは、景色の違いを感じながら遊覧船に乗るといいですよ。遊覧船の乗船時間はおよそ60分です。
遊覧船をおりたら、観光案内所でお土産を見て、併設する「あおみな食堂」で昼食を取ります。お土産は東松島の特産品が買えますし、食堂では東松島海苔や地元で獲れた魚を使った海鮮丼がいただけます。
午後からは、メインとなる施設の「奥松島縄文村歴史資料館」を見学しましょう。館内をゆっくり見て回るなら1時間あればいいですが、ワークショップやイベントに参加したいカップルは2時間ほど時間を取っておくといいですよ。
夕方は夕日が美しく見える大高森へ登ります。標高は106mほどですが、途中に階段や岩場もあるため、履きなれた靴で登ることをおすすめします。
今回ご紹介したプランは全て、韓国版トレッキング「オルレ」の奥松島コースに含まれています。4時間ほどで巡るトレッキングコースのため、時間があるカップルは徒歩で宮戸島を回ってみてはいかがでしょうか。
それでは今回メインとなる「奥松島縄文村歴史資料館」について、詳しくご紹介します。
本物の貝層断面や出土品が見られる「奥松島縄文村歴史資料館」
奥松島縄文村歴史資料館は、宮城県に約210か所あるといわれる貝塚のうち、約70か所が集中している松島湾に浮かぶ島にあります。資料館では、国史跡でもある里浜貝塚からの出土品を展示し、当時の生活や知恵をわかりやすく紹介しています。
資料館のなかには本物の貝塚を剥ぎ取った貝層断面もあり、貝をはじめ、動物の骨や土器なども見ることが可能です。2,800年以上も昔の生活がそのまま凝縮された貝塚は、ロマンにあふれていると言えるでしょう。
奥松島縄文村歴史資料館は「縄文村」と名前にある通り、資料館の周辺には縄文時代の住居が再現されていたり、資料館付属の中庭美術館があったりと魅力がいっぱい。資料館を見学したあとは、周辺を散策して縄文時代に思いを馳せてみましょう。
また展示だけではなく、イベントや企画展もたくさん行われているのが、奥松島縄文村歴史資料館の魅力のひとつです。当時使用されていたアクセサリーや土器が作れるほか、火おこしなども体験できます。ぜひ見学とあわせて挑戦してみましょう!
今回は「奥松島縄文村歴史資料館」で展示解説員をされている土井さんに、施設の魅力や見どころをお伺いしました。
縄文人のSDGsな暮らしを学べる「奥松島縄文村歴史資料館」
編集部
松島湾に囲まれた風光明媚な場所にある奥松島縄文村歴史資料館ですが、まずはメインの展示内容を教えていただけますか?
土井さん
当館は、日本最大級の貝塚「里浜貝塚」から出土した土器や骨角器などの道具類や縄文人骨、獣や魚の骨を展示し縄文時代の人々の暮らしを紹介する施設です。
松島湾は縄文時代から変わらない地形と風景が特徴で、里浜貝塚には縄文時代から変わらない地形と風景が残されているので、「縄文人も見たまんまの海」が見られることが魅力かと思います。
貝塚は縄文人のタイムカプセルといわれますが、里浜貝塚から発掘されたさまざまな資料から、縄文人の暮らしぶりをより具体的に知ることができますよ。
▲「教科書で見た!」「ちょっと教科書とは違うかも?」と語り合いながら展示を見てみましょう!
編集部
松島湾は縄文時代から約2,500年もの間、地形が変わらないんですね!沿岸部は海水の浸食があったり、埋め立てられたりする場所が多いなか、美しい風景が残っているのは貴重だと思います。美しい風景がそのまま残っているからこそ、縄文人の暮らしぶりが具体的にわかるわけですね。
資料館に訪れたカップルには、どのようなことを学んでほしいと思いますか?
土井さん
松島湾の海や自然と共生しながら、5,000年間にもわたって営まれた里浜縄文人の暮らしぶりでしょうか。まさにSDGsな暮らしを、展示やイベントから学んでいただきたいです。
編集部
稲作文化が始まる前の縄文文化では、差別や貧困がなく、環境に優しい生活をしていたんですね。SDGsが提唱されているからこそ、縄文文化を見直してみたいと思います!
貝層を剥ぎ取った「貝塚断面」は見るたびに発見がある
編集部
数ある展示のなかで、土井さんおすすめのものを教えていただけますか?
土井さん
展示室入り口にある「貝塚の壁」がおすすめです。貝層を剥ぎ取ったもので、縄文人が食べたもの、使ったものなど縄文人の暮らしの手がかりがつまっていて、見るたびに発見があります。
このほか、普通の遺跡では残らない縄文人の骨や、動物の骨・角で作られた驚くほど精巧なつくりの「漁具」や「装身具」も見ていただきたいです。
編集部
縄文時代と一言でいっても1万年も続いていたんですよね。1万年のなかで、道具なども進化していったんだと思うと長い歴史を感じます。土器ひとつとっても美しい模様がたくさん入っていて、ほかの道具もたくさん見たいと思いました!
学芸員こだわりの魅力的な企画展も開催されている
編集部
奥松島縄文村歴史資料館では、企画展などもされていますか?
土井さん
はい。過去には学芸員のこだわりがつまった、特色ある企画展を開催しました。
過去の企画展 |
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・「縄文人とリサイクル」:縄文人のもったいない精神を紹介 ・「貝塚の壁」:宮城県内の海と沼の「貝塚の断面」を一挙に公開 ・「松島湾の塩作り」:里浜貝塚の特色のひとつである製塩を紹介 ・「縄文人のからだのひみつ」:縄文人骨をずらりと展示 |
▲こちらは常設展の人骨です。企画展では縄文人の全身の骨が展示されたそうです。
編集部
縄文人のもったいない精神は、まさにSDGsに直結するテーマですね。縄文人が塩作りをしていたなんて、知りませんでした。企画展では実際の展示を見て驚き、たくさんのことを学びたいですね。
人気イベントは早めにチェック!気軽に参加できるワークショップあり
▲火おこしや生活体験のほか、鹿の角を使ったストラップや勾玉なども作れます。
編集部
奥松島縄文村歴史資料館で体験できることがあれば教えてください。
土井さん
当館の特色は「貝塚と縄文人が暮らした海がすぐそばにあること」です。海と生きた縄文人の暮らしを実際に体験していただけます。
また火おこしや勾玉作り、シカ角ストラップ作りなどの縄文生活が学べるワークショップのほか、年間通して海と山を活かしたさまざまなイベントを開催しています。特に、釣り針を作って海釣りをするイベントや塩作り、縄文の食体験はすぐに定員に達するほど人気です。
▲資料館から徒歩10分の里浜貝塚を見学するツアーも開催されます。
編集部
気軽に参加できるワークショップから、実際に道具を作って海釣りまでするイベントまで、多彩な体験ができるんですね!面白そうなものばかりだと思います。
デートならストラップや勾玉作りなど、記念に作れるようなものがよさそうですね。
勾玉や鹿角を使ったストラップなどのミュージアムグッズを販売
編集部
博物館の帰りにお土産を買って帰る人もいるかと思いますが、ミュージアムショップはありますか?人気のグッズがあればあわせて教えていただきたいです。
土井さん
受付前で資料館オリジナルのミュージアムグッズを扱っております。滑石製の勾玉ストラップや、シカ角ストラップが人気です。おうちで作れる「勾玉作りセット」もありますので、カップルでおそろいの勾玉を作っても楽しいと思います。
編集部
ワークショップに参加できなくても、おうちで勾玉作りができるのは嬉しいです!ワークショップの時間が合わないカップルは、購入しておうちで挑戦するのもいいですね。
中庭は彫刻が展示されていて、フォトスポットとしてもおすすめ
編集部
資料館の周辺で、記念撮影ができるような場所はありますか?
土井さん
資料館の中庭は、彫刻が展示された美術館となっており穴場スポットです。ゆっくり鑑賞しても良いですし、アートな彫刻と写真を撮っても楽しめると思います。また、史跡公園をゆっくり散策するのもおすすめですよ。
編集部
史跡公園は、縄文村のさらに海側にある公園ですね。公園ではどのような風景が見られますか?
土井さん
史跡公園では、縄文人が見たまんまの海と、春は一面に咲く菜の花、秋はそばの花が見られます。
▲菜の花の黄色と海の水色、コントラストが美しいですね!
編集部
はじめにお伺いした「縄文時代から変わらない地形と風景」が見られる場所なんですね。美しい海ときれいなお花が一緒に眺められるなんて素敵すぎます!カップルでのんびり散策しながら、風景も写真に収めてほしいですね。
奥松島縄文村歴史資料館の口コミや評価
編集部
奥松島縄文村歴史資料館に来館されたお客様からは、どのようなお声をいただきますか?
土井さん
資料館の展示やイベントを通して「縄文人のイメージが変わった、意外に知恵があったんだね!」とよくお聞きします。イベントをきっかけに、縄文時代に興味が湧いたというお声もいただくんですよ。
編集部
縄文文化は狩猟採取で荒々しい生活をしていたと思っている方も多いと思いますが、繊細な道具と知恵を使った生活をしていたことを知ると、みなさん驚かれると思います。
出土品が多く見ごたえのある展示
また、編集部がGoogleやポータルサイトで調べた口コミもあわせてご紹介します。
- イベントでの館長のお話しがとても上手でした。スタッフの方の対応もよかったです。
- 縄文人の頭蓋骨を見ましたが、小顔だったんだなと思いました。体験もたくさんあっておすすめです!
- レプリカもあるけど、本物の出土品もたくさんあって見ごたえがありました。
出土品が多く展示されている資料館は、見ごたえがあって面白かったといった声が多くありました。また縄文体験やワークショップも多彩で、また体験しに来たいといった声もたくさんありましたよ。
イベントなどではスタッフの方が丁寧に対応してくださるとのことです。きっと快適なデートができると思うので、ぜひ実際に行って確かめてみてくださいね。
「奥松島縄文村歴史資料館」からカップルへのメッセージ
編集部
最後に、奥松島縄文村歴史資料館へ行ってみようと考えているカップルへ、メッセージをお願いします。
土井さん
資料館の見学はもちろん、ワークショップやイベントで「ものづくり」や「縄文生活」を体験できて、さまざまな楽しみ方ができる施設です。ぜひ奥松島縄文村歴史資料館で非日常を体感してみてはいかがでしょうか?
編集部
「縄文ブーム」「縄文女子」といった言葉も誕生したくらい、縄文文化は注目されています。デートで縄文文化に触れると、忘れられない思い出になりそうです。本日はお忙しいところ、ありがとうございました!
「奥松島縄文村歴史資料館」の基本情報
住所 | 〒981-0412 宮城県東松島市宮戸字里81-18 |
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電話番号 | 0225-88-3927 |
アクセス | 【電車】 ・JR「仙台駅」から「野蒜駅(のびるえき)」まで仙石線・仙石東北ラインで40分 ※野蒜駅から奥松島縄文村は自動車で約10分。駅からのバスはないため、タクシー・徒歩でご来館ください。(約5km) 【車】 ・東北自動車道「大和I.C」から約50分 ・三陸自動車道「鳴瀬奥松島I.C」から約20分 ・一般道で仙台から約70分 ・一般道で松島から約25分 |
営業時間 | 9:00~16:30 |
休館日 | ・毎週水曜日 ・年末年始 |
駐車場 | 100台 |
入館料 | ・一般:400円 ・高校生:300円 ・小中学生:150円 |
体験料金 | 縄文体験は別途利用料金が必要(無料~1,000円) ※事前予約制です |
平均的な所要時間 | 30分~1時間程度 (ワークショップに参加したり周辺散策をする場合は2時間から3時間) |
空いている時間帯 | 平日 |
公式サイト | http://www.satohama-jomon.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
「奥松島縄文村歴史資料館」周辺のデートスポット
奥松島縄文村歴史資料館は車で行ける宮戸島にありますが、縄文時代と変わらない地形と風景はとても貴重です。遊覧船で島巡りを楽しんだり、韓国版トレッキング「オルレ」を体験して、ぜひ海からも陸からも、美しい宮戸島を眺めるデートをしてみましょう。
資料館向かいにある「大高森」は、夕日の絶景スポットとしても有名で、20分ほどで頂上まで登れる山です。午前は島巡り、午後から資料館を見学して、夕日を目指して登山するのもいいですよ。
おすすめのデートスポット
海から雄大な自然を感じることができる「奥松島遊覧船」
「奥松島遊覧船」は、荒々しい岩がたくさん見られる嵯峨渓(さがけい)のコースを、およそ60分かけて進みます。嵯峨渓は日本三大渓のひとつで、太平洋の荒波に削られながらも立派にそびえる岩々からは力強さが感じられるでしょう。
遊覧船乗り場には東松山のお土産が買える案内所や、地元の特産品がいただける「あおみな食堂」があるため、遊覧船に乗る前後もゆっくりと過ごせますよ。あおみな食堂は12月から3月末まで基本的に土日祝日のみの営業となりますが、3日前までに予約すれば平日も利用できます。
公式URL:https://higashimatsushima-kanko.com/pleasure_boat/
奥松島の島々が見渡せて、きれいな夕日も見える「大高森」
大高森は夕日が有名な場所ですが、山頂からは奥松島の島々が箱庭のように見えます。松島四大観の「壮観」と呼ばれている美しい景色は、夕日の時間以外に登って見るのもおすすめです。
大高森はオルレのコースにも入っていますが、オルレのコースを全て歩く時間がないカップルは、大高森だけ登るといいですよ。登山口からは約20分で山頂まで行けます。
東松島市役所URL:https://www.city.higashimatsushima.miyagi.jp/index.cfm/37,26881,175,html
縄文の歴史と自然を感じながら歩ける「オルレ奥松島コース」
オルレ奥松島コースは、約10kmを4時間かけて歩きます。奥松島遊覧船乗り場をスタートし、奥松島縄文村歴史資料館や大高森もコースに含まれているため、奥松島遊覧船に乗った後にオルレコースを巡ると、今回ご紹介したデートスポットが全て回れますよ。
本来「オルレ」の意味は「狭い路地」ですが、路地を歩く道やトレッキングの代名詞として使われています。韓国版トレッキングといわれる「オルレ」は済州島ではじまり、2018年に「宮城オルレ」が整備されたとのことです。
大切な人と一緒に巡れば、素敵な散策デートになるのではないでしょうか。
公式URL:https://www.miyagiolle.jp/course/okumatsushima/
まとめ:奥松島縄文村歴史資料館で縄文時代にふれるデートをしよう
奥松島縄文村歴史資料館では本物の貝層や出土品が多く展示されています。縄文時代そのままの生活が感じられる展示は貴重なため、ぜひゆっくりと見て回ってくださいね。また縄文アクセサリー作りもできるため、デートの思い出作りとして記念の品を作るのもおすすめですよ。
また、資料館の周辺では縄文時代と変わらない海を眺めることもできますし、本物の貝塚を見ることもできます。約1万年も続いた縄文時代に思いを馳せ、当時の様子を想像してみてはいかがでしょうか。