
「三嶋暦師の館」で暦を通して歴史文化をひもとくデート|静岡県三島市の博物館
この記事では、静岡県三島市にある「三嶋暦師の館(みしまこよみしのやかた)」を中心としたデートを紹介します。
三嶋暦師の館は、織田信長や徳川家康といった武将も使った暦「三嶋暦」について詳しくなれる博物館です。スタッフさんの丁寧でユーモアあふれる解説に定評があるので、暦と聞いて難しそうだと感じる方もぜひ気軽に訪れてみてくださいね。
今回は三島市役所商工観光課の泉さんにお話を伺い、三嶋暦師の館の見どころやデートでの楽しみ方についてまとめました。
日本の暦について詳しくなれる「三嶋暦師の館」の展示
三嶋暦師の館では、三嶋暦をはじめとした日本の暦の歴史や製法を知ることができる博物館です。
ではさっそく、三嶋暦師の館の展示内容について聞いていきましょう。
崩し文字が美しい室町時代の「三嶋暦」が見られる常設展示
編集部
まずは、三嶋暦師の館がどんな場所なのか教えていただけますか?
泉さん
三嶋暦師の館は、三嶋暦を代々発行していた暦師・河合家の家屋を改修した博物館です。伊豆の国一の宮と称される「三嶋大社」から徒歩5分程度の住宅地の中にあります。
▲入り口には独特な書体で「三嶋暦師の館」と書かれている
館内には暦の関連資料が展示され、三嶋暦や日本の暦の歴史を紹介しています。レプリカの版木を使った印刷体験もできますよ。
常駐するボランティアスタッフが、館内や展示品をご案内いたします。難解な暦についても、歴史上の有名な人の話などを交えて、わかりやすく、楽しく解説してくれると評判です。
暦の博物館は国内でも数か所しかないニッチな分野なので、話のネタにもなりますよ。
編集部
三嶋暦師の館では、どんな展示が見られますか?
泉さん
仮名文字で印刷されたものとしては日本最古のものと伝わる「三嶋暦」や、その制作に使われた版木などがメインの展示になります。
三嶋暦は、鎌倉時代初期には既に制作されていたことが確認されており、現存する最古のものは西暦1437年の暦になります。文字の美しさ、線の繊細さで全国に知れ渡っており、中部・関東では三嶋暦が主流だったそうです。織田信長や徳川家康も使っていたと伝わります。
▲美しい線が印象的な三嶋暦。史料としてだけでなく芸術作品として鑑賞することもできそう
また、文様が三嶋暦の細かな仮名の崩し文字に似ていることから名付けられた「三島茶碗」も展示されています。
▲右にあるのが三島茶碗。実際の暦と比較してみると文様がよく似ているのがわかる
編集部
泉さんが特に好きな展示はどちらでしょうか?
泉さん
実際に使用されていた版木の展示です。様々な種類の版木がありますが、文字の繊細さ・美しさから暦師の技術力の高さを伺い知ることができます。繰り返し使い古されてきた版木からは、1,000年近く暦を作成してきた河合家の歴史を感じることができますよ。
三嶋暦師の館は建物や四季の景色も魅力
編集部
泉さんが思う、三嶋暦師の館の魅力や見どころを教えてください。
泉さん
三嶋暦に関連する展示はもちろん、建物自体にも文化財的な価値があることが魅力です。建物は、江戸時代末期に裾野の関所跡を移築してできたもので、武家屋敷の面影を多く残しています。特に、奥座敷は一段高い上段の間となっており、格式の高さが偲ばれます。
▲奥の部屋が一段高くなっているのがわかる。奥座敷では当主が過ごしたり客人を迎えたりしたという
なお、2006年には国の「登録有形文化財」に指定されました。
敷地内にはさまざまな木々が植えられており、春は枝垂れ梅、秋は山紅葉といったように四季折々の景観を楽しめるのも魅力です。
また、館内では現代版三嶋暦や三嶋暦をわかりやすく解説した絵本が販売されており、こちらも面白いと思います。
三嶋暦師の館周辺のデートスポット
編集部
三嶋暦師の館に訪れる前後に立ち寄れる、おすすめデートスポットを教えてください。
泉さん
徒歩5分の距離にある三嶋大社がおすすめです。伊豆の国一宮として古くから信仰を集めている由緒正しい神社で、源頼朝公が源氏再興を祈願し、百日詣をしたことでも知られております。境内には、頼朝公ゆかりの史跡や宝物館、鹿園などがありますよ。
また、周辺には三島の名物であるうなぎ屋が多くあります。富士山の伏流水にさらされた三島の鰻は臭みがなく、脂がのっていておいしいことから大変人気がありますよ。
午前中に三嶋暦師の館と三嶋大社を訪れた後、昼食に鰻を食べるのがおすすめです。
三嶋暦師の館からのメッセージ
編集部
次のデートで三嶋暦師の館に訪れようと考えているカップルに、メッセージをお願いします。
泉さん
閑静な住宅街にひっそりと佇む施設なので、他の観光客が少ない穴場スポットです。二人の時間をゆっくりと過ごすことができます。ぜひ、お気軽にお立ち寄りください!
編集部
暦というテーマは珍しく、相手と新鮮な会話が交わせそうな気がします。貴重な建物と庭の景観もあわせて、落ち着いたデートをしたいときにぴったりですね。
今日はお話を聞かせてくださりありがとうございました。
三嶋暦師の館の口コミ
- 暦の知識がないので難しそうな印象だったが、ボランティアスタッフの方の解説により、楽しく学ぶことができた
- 暦について知ることができる珍しい場所。これまで知らなかった分野に興味が湧いた
- 建築や庭の植栽も美しく、展示とあわせて楽しめた
展示の内容はもちろん、「暦について学べる」という館のコンセプトやスタッフさんの対応力の高さに好評が集まっているようです。特にスタッフさんの解説については、わかりやすくユーモアあふれるものだという声が高かったですよ。
三嶋暦師の館の料金・混雑しない日時
料金 | 無料 |
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比較的混雑しない時間帯 | ・午前中 ・15時以降 |
三嶋暦師の館の基本情報(アクセス・開館時間)
住所 | 〒411-0035 静岡県三島市大宮町2丁目5-17 |
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連絡先 | 055-976-3088 |
アクセス | 三島駅から徒歩約20分 三嶋大社から徒歩約5分 |
営業時間・休館日 |
【開館時間】 【休館日】 |
駐車場 | なし |
公式URL | https://www.mishima-kankou.com/spot/290/ |
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