奄美大島開運酒造の工場見学で希少な黒糖焼酎造りを学ぶ大人のデートプラン|鹿児島

この記事では、大人のデートスポットとして、鹿児島県大島郡宇検村(奄美大島)にある酒造メーカー「株式会社奄美大島開運酒造」の工場見学をご紹介します。

同社は、「れんと」や「紅さんご」で広く知られる黒糖焼酎の製造元で、今回訪れる工場では、そんな黒糖焼酎造りの様子を間近に見学可能。黒糖焼酎は、奄美群島のみで製造が認められている、全国的にも希少な焼酎です。

今回は、同社のお酒造りへの想いや、工場見学の見どころなどを詳しく紹介します。

奄美大島開運酒造が誇る黒糖焼酎造りの伝統と革新

奄美群島の霊峰とも言われる湯湾岳の麓(ふもと)・宇検村で生まれ育った創業者が、過疎化が進む故郷に産業を興し、携わる人々を増やして盛り上げていきたい、という強い想いを抱いたことが、株式会社奄美大島開運酒造の始まりです。

同社で造られるのは、奄美群島のみで生産が許されているお酒・黒糖焼酎です。原料のサトウキビ自体は、本土の鹿児島県や沖縄県でも栽培されていますが、黒糖焼酎造りは許されていません。奄美群島の中では、現在25の蔵元が黒糖焼酎造りに携わっています。その中でも、株式会社奄美大島開運酒造の代表銘柄「れんと」は、最も年間出荷量が多い黒糖焼酎の銘柄となりました。

女性にも人気の「れんと」誕生秘話と独自の製法

株式会社奄美大島開運酒造の黒糖焼酎「れんと」

株式会社奄美大島開運酒造と言えば、黒糖焼酎「れんと」の蔵元として広く知られています。「れんと」の誕生秘話についても、教えていただきました。

「れんと」を口にすると、黒糖焼酎は飲みやすいものだと感じる方が多いかと思いますが、本来はそうではありません。元々の黒糖焼酎は、芋焼酎よりも臭いが強いものだそうです。

同社が宇検村に工場を開いた1990年代、焼酎と言えば、仕事帰りに年配の男性が一人で飲むようなイメージだったとのこと。そこで、「女性が飲んでもサマになるような、格好よく飲めるお酒」というのが「れんと」の開発コンセプトになりました。

女性でも飲みやすいことを目指して造られた「れんと」は、原料の配合から発酵の温度帯、蒸留方法、醸造方法など、全てを見直して、徹底的にこだわった黒糖焼酎です。とりわけ、音響熟成という熟成工程がポイントになりました。

「れんと」は、25度にアルコール度数を合わせた後、水とアルコールがよく馴染むように、3ヵ月間クラシック音楽を聞かせ、温度管理もしながら、ゆっくりと熟成を重ねるという、音響熟成のプロセスを大切にした黒糖焼酎です。

さらに、減圧蒸留方式も採用しています。減圧蒸留では、蒸留器内の圧力を下げることで蒸留の沸点が下がり、雑味のないスッキリとした黒糖焼酎に仕上がります。これも、「れんと」のクセのない飲みやすさにつながっています。

「れんと」の名前の由来は、「緩やかに、ゆっくりと」を意味する音楽用語「Lento」にあるとのこと。豊かな自然に育まれた黒糖と水を原料に、交響曲に揺られながら、ゆっくり熟成されていきます。

糖質制限がトレンドとなっている昨今、繊細な喉ごしで糖質ゼロの黒糖焼酎「れんと」は、食事にも合わせやすいお酒です。

奄美大島開運酒造の工場見学でのデートの楽しみ方

「株式会社奄美大島開運酒造」の代表銘柄・黒糖焼酎「れんと」の瓶詰め作業

株式会社奄美大島開運酒造の工場見学では、黒糖焼酎「れんと」のこだわりの製造工程を解説してもらえます。各メーカーの黒糖焼酎の中で、全国的に最も売れている銘柄であり、毎月14万本程度を出荷しているとのこと。

ここからは、株式会社奄美大島開運酒造の課長・小田桐さんに、丹精込めた酒造りと、工場見学での見どころについて、インタビュー形式でご紹介していきます。

「株式会社奄美大島開運酒造」の課長・小田桐さん近影
▲今回お話を伺った課長の小田桐さん。東京都出身で、20年ほど前に奄美大島に移住されたとのこと

音響熟成の工程に注目!モーツァルトを聞いてまろやかになる焼酎

編集部

奄美大島開運酒造さんの工場見学では、どのような楽しみ方ができるのでしょうか?

小田桐さん

私どもの工場見学では、ビデオ鑑賞から始まり、音響熟成タンクの見学、商品の説明、そして試飲、といった流れでのご案内をしています。

売店もありまして、各種の黒糖焼酎やおつまみ類、関連雑貨など、他では手に入らないアイテムを多数取り揃えていますから、ぜひご覧になってみてくださいね。ちなみに、オンラインショップも運営中ですよ。

公式:株式会社奄美大島開運酒造 公式オンラインショップ

「株式会社奄美大島開運酒造」の黒糖焼酎仕込み風景
▲黒糖焼酎の仕込みの様子

編集部

小田桐さんからご覧になって、見学での一番の見どころと言えば、どちらになると思われますか?

小田桐さん

そうですね、何と言っても音響熟成タンクの見学でしょうか。

私どもの代表銘柄「れんと」の製造工程では、音響熟成製法を活用して、ゆっくりと黒糖焼酎を熟成させることが大きな特徴の一つです。まさに「音楽のゆりかご」の中で、じっくりと焼酎を育て上げる工程となります。

貯蔵タンクに取り付けたスピーカーから約3ヵ月間、交響曲などのクラッシック音楽を流しており、モーツァルトやベートーベン、ビバルディなどの楽曲を多く流しています。

この熟成プロセスにより、まろやかで優しい風味と、豊かな香りが生まれます。ご見学の際には、ぜひタンクに触れていただき、その音響を体感してみてくださいね。

12種類以上の黒糖焼酎が楽しめる無料試飲体験

「株式会社奄美大島開運酒造」のショールーム内
▲工程見学後には、ショールームにて試飲体験!無料で12種以上の黒糖焼酎が飲み放題となる

編集部

一連の工場見学では、こちらで造られている黒糖焼酎の試飲もさせていただけるのですよね。

小田桐さん

はい、工程見学後はショールームにご案内しまして、当工場で生産される黒糖焼酎の試飲をお楽しみいただけます。試飲は無料ですよ。私どもの製品を常時12~13種類ほどご用意しており、基本全て飲み放題としております。

時期は限られますが、例年1~3月の黒糖の製糖シーズンには、サトウキビ刈り体験やキビジュースの試飲、黒糖の試食も可能です。特にドライブデートには良いシーズンではないでしょうか。

自分好みの黒糖焼酎の飲み方を探す楽しみ

編集部

試飲の際には、おすすめの飲み方も教えていただけるのでしょうか。

小田桐さん

そうですね、私ども従業員が、個人的におすすめの飲み方などもご案内させていただけます。お客さまからもお気に入りの飲み方をお聞きしていますので、併せてお話しできるでしょう。

そもそものお話、焼酎は「このようにして飲むべき!」という決まったスタイルがないお酒です。それだからこそ、自分のお気に入りの飲み方を見付ける楽しさがありますよ。

試飲コーナーには給湯器を配置しており、水や氷もご用意していますから、お好みの飲み方で黒糖焼酎を味わってみてくださいね。

+αの工場見学!とっておきのリアルな地元情報も教えてもらえる

編集部

その他、奄美大島開運酒造さんの工場見学ならでは、と言った特徴・魅力などもあるでしょうか。

小田桐さん

私どもの工場見学では、地元ならではの生の情報も積極的に発信しています。

例えば、私の場合は元々が東京都墨田区の出身でして、約20年前に妻と子どもと一緒に奄美大島に移住しました。その際の状況や仕事・住宅の事情、島の文化の魅力、自然の素晴らしさなどについても、折に触れてお話しするんですよ。

猪(いのしし)や山羊(やぎ)のお肉のおいしさですとか、夏の海ではこんな魚が獲れますよとか、一般的な観光情報だけではない、地元密着の話題も提供しています。地元のリアルなお話は、一番喜んでいただけるようです。

私どもは黒糖焼酎の生産に携わっていますが、全国で見ても芋焼酎や麦焼酎、蕎麦焼酎などいろいろある中、基本的な焼酎の造り方は、どこも大きく変わりません。原料や熟成の温度帯、仕込み方法が各社異なるものの、それほどの差はないです。

そんなわけで、工場見学に足を運んでくださる皆さんに、他と似たようなご案内をしても、少々面白みに欠けると思い、私の感じる地元のリアルなお話をしています。

1日4回開催のツアー形式工場見学:予約方法と注意点

編集部

奄美大島開運酒造さんの工場見学をしたい場合、どのように申し込めばよろしいでしょうか。

小田桐さん

私どもの本社工場を見学される際は、希望日の前日までにお電話(080-8557-4497)にてご予約をお願いしております。

1日4回のツアー形式でのご案内となっていまして、定員は1回10名様です。お着きになるタイミングによっては、30分ほどお待ちいただくこともあり得ますので、その点はご了承ください。

工場見学の所要時間は、1回45分程度です。試飲時間や売店での過ごし方次第では、それ以上の所要時間となることもあります。見学ツアー参加も試飲も無料ですし、奄美大島にお越しの際には、ぜひデートの一環として足をお運びください。

編集部

初めてお邪魔しましたが、清潔な明るい雰囲気の本社工場なんですね。カップルでの工場見学は、思い出深いひと時を過ごせそうです。

小田桐さん、本日は興味深い話を聞かせていただき、ありがとうございました。

奄美大島開運酒造の工場見学の予約方法・所要時間・見学料金など

予約 希望日の前日までに電話(080-8557-4497)での予約が必須
見学方法 ツアー参加方式(1回当りの定員は10名)
見学スタート時刻 ①9:30~
②10:30~
③13:30~
④15:30~
見学料金 無料
※ドライバー以外は、無料にて試飲も可(常時12~13種類の黒糖焼酎を用意)
所要時間 45分程度~
※試飲や売店での時間により前後

奄美大島開運酒造の工場を見学した皆さんの声・感想

株式会社奄美大島開運酒造の黒糖焼酎「れんと」

今後、株式会社奄美大島開運酒造の工場見学を楽しむカップルの参考になるよう、実際にツアー参加した皆さんが残した声・感想もチェックしておきましょう。

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黒糖焼酎「れんと」の製造工程が分かりやすく解説され、今までよりも一層愛着を感じました。明るい雰囲気のきれいな工場です。
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工場見学で説明いただいた方の、東京から奄美大島への移住体験のお話がとても面白かった。焼酎造り以外の話題も豊富で、楽しい時間を過ごせると思う。
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工場見学をすると、丹精こめて焼酎を造っていることが伝わってきます。無料で焼酎を試飲させてもらいました。名瀬からの距離はありますが、立ち寄る価値は十分あります。

評判のよい工場見学という印象です。株式会社奄美大島開運酒造の皆さんの黒糖焼酎造りに対する深い想い入れや、心を込めた丁寧な作業に感じ入る感想も目立ちました。

地元の皆さんしか知らないような情報も教えてもらえますし、焼酎ファンの二人なら、最高のデートスポットになることでしょう。

ちなみに、小田桐さんから伺ったお話では、奄美大島への移住・就職を希望されている方がいれば、同社はウェルカムとのことでした。

工場見学と組み合わせたい奄美大島の周辺観光スポット

ここからは、株式会社奄美大島開運酒造の小田桐さんに教えていただいた、デートにおすすめの周辺スポットをご紹介します。何と言っても、美しい大自然に恵まれた奄美大島です。工場見学の前後にカップルで立ち寄ってみれば、奄美群島の魅力を一層体感できることでしょう。

ウミガメの産卵も見られる美しい白浜「船越海水浴場」

最初にご紹介するのは、本社工場から車で15分ほどの「船越海水浴場」です。長さ約800mにもなる真っ白な砂浜が特徴で、海水浴やシュノーケリングを楽しめます。

大潮の干潮時になると、リーフが海一面に広がって、各種の貝や蛸(たこ)なども多く獲れるようです。上から見るとドーナッツ状になっている、「マイクロアトール(小さな環礁)」と呼ばれるサンゴ礁も生育しています。

しかも、例年7~9月の満月の夜になると、満潮時の海水面が最も高い場所で、ウミガメが産卵をするのだそうです。トイレ・シャワーも利用できます。

参考:公益社団法人鹿児島県観光連盟「船越海水浴場」

奄美群島最高峰の霊山「湯湾岳」:絶景と神秘のパワースポット

奄美群島で最も高い山は、宇検村と大和村との間にそびえる、標高694mの「湯湾岳(ゆわんだけ)」です。株式会社奄美大島開運酒造では、湯湾岳由来のきれいな水を使って、黒糖焼酎を仕込んできました。

展望台からの眺望は絶景の一言で、太平洋と東シナ海に浮かぶ島々を望むことができ、写真映えも抜群の光景が展開するそうです。

さらに、ターサと呼ばれる頂上付近広場には祠(ほこら)があって、奄美大島の開祖とされる阿麻弥姑(あまみこ)と志仁礼久(シニレク)の二神が降り立ったと伝わる、霊山としても知られます。

奄美群島最高峰のパワースポット、とも呼ばれる所以(ゆえん)です。本社工場から湯湾岳の駐車場までは、県道79号経由で20分強。車を停めて、徒歩でボードウォークを進めば、約15分でターサに到着します。

参考:公益社団法人鹿児島県観光連盟「湯湾岳」

地元産品の宝庫「うけん市場」:お土産探しにおすすめ

株式会社奄美大島開運酒造の本社工場から、車で1分ほどの近所には、宇検村が運営する「うけん市場」があります。奄美大島南部の観光スポットとして、密かな人気となっている理由は、「メイドイン宇検村」の超ローカルな産品が並んでいるから。

地元農家さんが毎朝持ち込む新鮮な島野菜の他、魚介類や農産物の加工品、手工芸品などが数多く取り扱われています。お洒落にパッケージングされた、昔ながらの農産物加工品なども要チェックです。

昨今の人気アイテムは、プリンやシフォンケーキ、チーズケーキ、スコーン、クレープ、アイスクリームなど、さまざまな種類の手作りスイーツ。作り手は、カフェや養鶏場、農家さんなどさまざまです。

味もよく、SNSを見て遠方から買い求めに来るお客さまも珍しくありません。

公式:うけん市場(X・Twitter)

奄美大島開運酒造の基本情報(アクセス・営業時間)

住所 【本社工場】
〒894-3301
鹿児島県大島郡宇検村湯湾2924-2
電話番号 0997-67-2753
アクセス・最寄駅 【車】
奄美空港より約90分
奄美市中心地(名瀬エリア)より約70分
駐車場 無料駐車場あり
※普通車10台分程度
営業時間 8:00~17:00
定休日 年末年始
公式URL https://lento.co.jp/

※最新の情報は、公式サイト等で都度ご確認をお願いします。
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