【茨城】本場結城紬郷土館を中心に伝統文化に出会い和の魅力を再発見するデートプラン

この記事では、茨城県結城市にある「本場結城紬郷土館」をメインに、伝統的な街並みや、老舗の和菓子屋さんによるカフェを満喫できるデートプランを紹介します。

本場結城紬郷土館では、結城紬に関する展示や機織(はたおり)実演が見られます。特に、伝統的な手法による機織りの体験ができるのが魅力です。

また結城市には、明治〜大正時代に建築された建物が多く残る街並みがあります。建物はまだ使われているものばかりなんですよ。

焼失してしまった有名な槍のレプリカを展示している施設、昭和初期から続く老舗和菓子店が営む和カフェなど、どれも伝統文化が色濃く残っているものばかりです。

今回は、そんな着物文化や伝統的な街並みに出会い、江戸時代から作られてきた和菓子を味わう、和の魅力を再発見するデートをご紹介します。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:全て
おすすめカップル:着物や伝統文化に関心があるカップル
どんなデート?:着物文化や伝統的街並みに出会い、和の魅力を感じるデート

概要:伝統文化に出会い和の良さを楽しむデート

今回メインで紹介する「本場結城紬郷土館」は、歴史のある結城市の中心部にあります。周辺には、歩いて回れる古い街並みや、伝統文化の展示施設があるため、和の魅力に触れるデートプランを考えました。

今回のデートのメイン
本場結城紬郷土館
周辺のデートスポット
「見世蔵」の街並み
公益財団法人日本花の会 結城農場・桜見本園
結城蔵美館
ランチにおすすめのお店
和カフェ 甘味茶蔵(かんみちゃくら)
海鮮すし問屋 粋亭

本場結城紬郷土館では、結城紬の歴史などに触れ、昔ながらの手法による地機織りの実演を見たり、体験したりしましょう。

「見世蔵」の街並みでは、明治から大正時代に作られた蔵造りの建物が素敵ですよ。ぜひ散策してみてください。現役の建物が多く、店舗やカフェとして使われており、建物内に入れるところもあるのが特徴です。カップルで歩いていたら、100年前の結城にいるかのような、不思議な感覚を味わえるかもしれません。

また、和カフェ甘味茶蔵は、昭和7年創業の老舗和菓子屋が営業しているカフェです。スイーツはもちろんですが、栄養バランスが整った月替わりランチもおすすめです。結城名物「ゆでまんじゅう」は、忘れずに注文しましょう。江戸時代から作られてきた伝統の味です。

ここからは、今回のメインとなる「本場結城紬郷土館」について、詳しくご紹介します。

地機織りの見学・体験ができる「本場結城紬郷土館」

本場結城紬郷土館の外観

本場結城紬郷土館は、茨城県結城市にある、結城紬に関する博物館です。結城紬の歴史・生産工程に関する展示や、地機(じばた)織りの実演を見ることができます。

結城紬とは、国の重要無形文化財やユネスコ無形文化遺産に登録された伝統文化です。真綿から指先で糸をつむぐ「糸つむぎ」、柄の部分が染められないように綿糸でくくる「絣(かすり)くびり」、原始的な織機である地機を使った「地機織り」など、すべてが手作業で行われます。

博物館では、そんな結城紬の歴史、道具、工程が紹介されています。その中でも、特に地機織りの実演は見応えがあります。結城紬を作るのに、どれほどの手間ひまがかけられているのかがよくわかるでしょう。

また、事前予約をすれば、全身を使って作業をする「地機織り」の体験ができるのが大きな魅力です。実演を見られるだけではなく、実際に体験できるのはとても貴重な機会です。

今回は、本場結城紬郷土館の坂之上さんにインタビュー取材を行い、施設の魅力やおすすめの周辺の見どころなどについてお話をお伺いしました。

最初から最後まで手作業で作られる高級織物「結城紬」

郷土館の2軒隣にある小倉商店の旧社屋

編集部

結城紬は、美しくシックな色合いや模様、独特の柔らかい風合いが魅力的ですね。はじめに、本場結城紬郷土館の特徴を教えてください。

坂之上さん

当館では、資料的な価値のある古い結城紬の着物や製作道具、現在商品として流通している新しい結城紬を展示しています。

高級織物として知られている結城紬は、最初から最後まで人の手によって作られています。そのかけられた手間と時間、そして価値を実感していただきたいですね。

本場結城紬郷土館の製作道具などの展示
▲展示では結城紬の生産工程がわかりやすく解説されています

編集部

生産工程に関する展示を見ると、養蚕から始まり、糸を指先で丹念につむぎ、絣*(かすり)を作るために細かい糸くくりの作業を経て、染め上げ、織るという、気の遠くなるような作業によって、結城紬が作られることがよくわかります。だからこそ、質の高い美しい織物ができるのですね。

*絣(かすり):織物の技法の一つ。前もって染めた糸を使い、たて・よこに重ねて織り上げるもの。

他にはどのような展示がありますか?

坂之上さん

今現在の新しい結城紬の反物や絵羽を、2階展示場にて見ることができます。また、地機織りの実演も自由にご覧ください。地機によって実演用ではなく、実際の製品を織っているところをご覧いただけます。

茨城県結城市の「本場結城紬郷土館」の結城紬製品の展示
▲新旧の結城紬製品が並んでいます

編集部

絵羽は、着物の縫い合わせのところも模様が続くように、作り上げたもののことですね。地機とはどのようなものなのでしょうか?

坂之上さん

地機とは最も原始的な織機のことで、たて糸を織り手の腰に固定して、織機と一体になって織る独特なものです。現在この織機を使っているのは、結城紬と越後上布くらいですね。

編集部

地機織りの実演を見ていると、織り手に織物が接続したような形態になっているので、本当に体を使って織っているのだということが実感できました。

自分で色を選んで地機織りの体験ができる

編集部

展示の中で、坂之上さんが特に好きなものを教えてください。

坂之上さん

一番好きな展示品は、1階に展示してある明治~大正期の藍染の結城紬です。藍染の独特の雰囲気もさることながら、着丈がとても短く、当時の庶民の平均的身長などが想像できて興味深いですね。

編集部

長い歴史のある結城紬ならではの展示品ですね。かつては、紬も日常生活の中にあったものだということがわかります。

それらの展示品を見学する以外に、郷土館ではどのような体験をすることができますか?

坂之上さん

事前の予約が必要になりますが、日本最古の織機といわれる、地機を使った織体験をすることができます。地機織りの実演を見られるところは、市内にいくつかありますが、織体験ができるのは当館だけです。

本場結城紬郷土館の地機織り実演・織体験スペース
▲地機織りの実演が見られるだけではなく体験もできるんです

編集部

好きな色のよこ糸を選び、2〜3時間の織体験をすると、テーブルセンターが作れるとお聞きしました。カップルで相手のイメージカラーに合わせて織って、お互いにプレゼントしあったら、とてもいい思い出になりそうです。

着物を着て参加すると特典満載の「きものday結城」

編集部

地機織り体験のほかに、結城紬に関するイベントなどはありますか?

坂之上さん

結城市をあげての結城紬のイベントとして、毎年11月に開催される「きものday結城」があります。来場者は着物を着て街歩きをしたり、市内各所のワークショップに参加したりします。また、結城紬が当たる抽選会なども好評です。

編集部

着物を着用して市内を歩くと、さまざまな特典が受けられるそうですね。結城紬のレンタル予約もできるとのことなので、ぜひ着物を来て参加したいです。

日常ではなかなか着物を着る機会はありませんが、結城紬のような高級品を身にまとうことは、なおさら機会がありません。実際に結城紬に触れて、柔らかな風合いや肌触り、本物の持つ美しさを実感できそうです。

本場結城紬郷土館の口コミ評価や感想

小倉商店の旧社屋玄関に飾られている繭の暖簾

編集部

実際に来館された方からは、どんな感想をいただいていますか?

坂之上さん

「結城紬はなんであんなに値段が高いのかと思っていたが、実際に織っているところを見て、その時間と手間にびっくりして高価な理由が分かった」と言われる方が多いです。

編集部

実演を見るのに加えて、実際に自分で織体験もしてみたら、いっそう手作業の大変さがよくわかりますよね。

「着物が好きになった」「高価なのは当然」という声がたくさん

編集部でも、インターネットで実際の口コミを調べてみました。

アイコン
実際に織っているところを見学できて、説明もしてもらいました。高価なのは当たり前だと思いました
アイコン
織体験を通じて、結城紬について楽しみながら理解を深められた
アイコン
展示や実演を見て着物が身近になり、日常生活に着物を取り入れたくなった

他にも、結城紬の美しさに魅せられた、糸を手で紡いでいるとわかり驚いたなどという声が、たくさん寄せられていました。訪れた方は、生産工程の時間と手間を実感したようですね。

本場結城紬郷土館の基本情報

住所 〒307-0001
茨城県結城市結城116
アクセス JR水戸線結城駅北口より600m
営業時間 平日 9:30~17:00
土曜・祝日 10:00~17:00
休館日 日曜日
駐車場 5台(無料)
入館料 無料
電話番号  0296-32-2121
平均的な滞在時間  30分程度
比較的空いている時間 平日や土曜日も比較的どの時間も空いています
公式サイト http://www.yuukiogura
.co.jp/kyoudokan.html

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

本場結城紬郷土館周辺のおすすめデートスポット

本場結城紬郷土館の周辺にも、歴史ある結城市ならではの、おすすめのデートスポットがあります。郷土館に立ち寄ったら、ぜひ訪れたい観光スポットをご紹介します。

おすすめのデートスポット

古くからの建物が現役で使われている「見世蔵」の街並み

「見世蔵」とは、明治から大正時代に作られた、蔵造りの建物のことです。店舗と住宅を兼ねており、現在でも紬問屋や老舗商店として使われているものもあります。登録文化財に指定されているものも含め、結城市には数多くの見世蔵が残っており、街並みとして見学・散策することができます

本場結城紬郷土館からは、すぐ近くにある「桜井長太郎商店」を起点として、見世蔵を巡るコースがありますので参考にしてみてください。

住宅として使用されており、外からしか見られないところもありますが、喫茶店や店舗として使われている見世蔵もあるので、実際に中に入ることもできます。カップルで「見世蔵」の街並みを歩いていると、過去にタイムスリップしたような不思議なデートになるかもしれません。

見世蔵めぐりの詳細:結城市役所

10品種の桜が同時開花する「日本花の会 結城農場・桜見本園」

「公益財団法人日本花の会 結城農場・桜見本園」は、本場結城紬郷土館から車で15分ほどのところにあります。4月ごろの開花時期であれば、ぜひ訪れたい桜の名所です。

国内だけではなく、海外からも桜の品種を集めた見本園です。その種類はなんと350種にも上ります。特に見事なのは、10品種の桜が集められた「十色桜の並木」です。

カップルで桜色の光を浴びながら並木の下を散策したら、手仕事による織物の美しさに加えて、自然の美しさも感じることができるでしょう。

桜見本園の詳細:日本花の会

4m以上もの大槍を展示している「結城蔵美館」

結城蔵美館は、本場結城紬郷土館から歩いて5分ほどのところにある施設です。2つの蔵から構成されており、「本蔵」は新しい芸術文化を創造・情報発信する場として、位置づけられています。また、「袖蔵」は、結城の歴史的・文化的資料の収蔵・公開の場とされています。

中でも見どころは、「袖蔵」にて展示されている、「天下三槍」の一つと言われた「御手杵(おてぎね)の槍」のレプリカです。室町時代に大名・結城晴朝が作らせた長さ約4.2mの大槍で、残念ながら本物は、東京大空襲により焼失してしまいました。

しかし、レプリカでも「天下三槍」の迫力はすごいものです。特に138cmもの長さの刃は、美しく輝いています。ぜひ、一度、見に行ってみてくださいね。

結城蔵美館の詳細:結城市役所

ゆでまんじゅうがおすすめの「和カフェ 甘味茶蔵」

昭和7年創業の老舗和菓子屋「和菓子処真盛堂」が、ランチと甘味を提供しているのが「和カフェ 甘味茶蔵」です。

月替わりランチは、栄養バランスが考えられた、体に優しい献立となっています。また、軽めに食べたい方におすすめなのが、「お赤飯セット」です。

和菓子屋なので、もちろんスイーツも充実しています。あんみつ、パフェ、わらびもち、どら焼き、ぜんざいなど、食べたいものがたくさんあって迷ってしまいます。

その中でも、どうしても押さえておきたいのが、結城名物の「ゆでまんじゅう」です。江戸の昔から、お祭りなどで、各家庭で茹でて食べられていた伝統ある饅頭です。

公式URL:和カフェ甘味茶蔵

その他の近隣おすすめスポット

海鮮すし問屋 粋亭

まとめ:美しい手仕事や街並みなどの伝統文化に出会うデート

今回は、「本場結城紬郷土館」と、その近隣の伝統的な街並みや食文化に出会うデートプランをご紹介しました。

本場結城紬郷土館には、柔らかい風合いを持ち、シックで美しい、古今の結城紬が数多く展示されています。また、地機織りの実演を見れば、織物作りの大変さがよくわかるでしょう。予約を入れて地機織り体験をすれば、いっそう、結城紬と着物の世界が身近に感じられますよ。周辺にも「見世蔵」や桜の名所、「結城蔵美館」などのデートスポットが揃っています。

着物に関心があるカップルはもちろんですが、伝統文化や和の良さに触れてみたいというカップルは、ぜひ、本場結城紬郷土館を訪れてみてくださいね。