
【長野県】諏訪市博物館で歴史や文化を学び、諏訪湖畔の温泉や美食も味わうデート
この記事では、長野県諏訪市にある「諏訪市博物館」をメインに、諏訪名物のうなぎや蕎麦、温泉を満喫するデートプランを紹介します。
諏訪市博物館は、縄文時代の出土品から諏訪信仰、そして現代に続く諏訪市の歴史が学べる博物館です。「訪れた方が自由な発想や観点で見学してほしい」という考えから、展示品が象徴的に並べられています。
博物館で諏訪に関する知識を深めたあとは、周辺の諏訪大社や諏訪名物がいただけるお店を訪れ、最後は温泉で体を癒してはいかがでしょうか。
今回は諏訪市博物館の魅力や周辺スポットについて詳しくご紹介するので、ぜひデートを企画する際の参考にしてみてください。
おすすめカップル:歴史や博物館が好きなカップル
どんなデート?:諏訪の歴史について学び、諏訪の美食と温泉を楽しむデート
概要:諏訪の歴史やグルメ、温泉を満喫するデート
今回メインで紹介する「諏訪市博物館」の目の前には「諏訪大社上社本宮」があり、車で少し走れば諏訪湖のほとりにある温泉へ行けるロケーションです。そこで、諏訪大社と諏訪湖周辺をめぐるデートプランを考えました。
今回のデートのメイン |
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諏訪市博物館 |
周辺のデートスポット |
・諏訪大社上社本宮 ・片倉館 |
ランチにおすすめのお店 |
・うなぎのうな藤 ・うなぎの古畑 ・手打そば更科 ・十割そば屋 |
まずは「諏訪市博物館」で諏訪の歴史や諏訪信仰について詳しく学びます。そのあとは博物館で得た知識を思い出しながら、博物館の目の前にある「諏訪大社上社本宮」へお参りしましょう。
諏訪大社上社本宮のお参りが終わったら、車を15分ほど走らせて諏訪湖へ向かいます。諏訪湖の近くには名物のうなぎや蕎麦のお店がたくさんあるため、ランチにおすすめです。
ランチを食べたあとは、温泉施設の「片倉館」へ。レトロな洋館はとても写真映えするので、ぜひ記念撮影を楽しむとよいでしょう。
片倉館の周辺には公園があるので、温泉の前後に散策するのもおすすめですよ。
それでは今回のメインとなる「諏訪市博物館」について詳しくご紹介します。
考古学から文化まで詳しく学べる「諏訪市博物館」
諏訪市博物館は諏訪の「時間・自然・信仰」をテーマに、諏訪市の歴史を縄文時代から順に学べる施設です。土器などの出土品はもちろん、諏訪信仰についての展示も充実しています。
博物館の2階には常設展や新たに発見された資料などが展示されていて、1階には諏訪大社の御柱祭の紹介や資料室、特別展示室などがあります。県宝や諏訪市有形文化財も多数展示されているため、ぜひじっくりと鑑賞してみてください。
また、諏訪市ゆかりの考古学者・藤森栄一氏に関する展示があり、企画展では歴史的価値のあるひな人形・甲冑なども展示されます。考古学好きのカップルはもちろん、諏訪市の文化に興味があるカップルにも見ごたえがありますよ。
さらに、諏訪市博物館には無料の足湯もあります。「博物館の目の前にある諏訪大社上社本宮を参拝したあとに利用すると、足が休まってちょうどいい」といった声もあるため、ぜひ合わせて利用されてはいかがでしょうか。
今回はそんな諏訪市博物館の学芸員・三澤さんにインタビュー取材を行い、展示内容や博物館の魅力についてお伺いしました。
諏訪における歴史の奥深さや文化の重厚な雰囲気を感じられる
編集部
諏訪市博物館では、72,000点もの資料を所蔵していると伺いました。まずは博物館の展示内容について詳しく教えていただけますか?
三澤さん
当館は、諏訪大社上社本宮前に位置する博物館です。天下の奇祭で謎の多い「御柱祭」や冬の諏訪湖に出現する「御神渡り」といった諏訪信仰にまつわる歴史民俗や、縄文土器などの長野県宝を含む文化財を映像・音響などを交えて展示・紹介しています。
▲常設展示室1では、自然信仰から発生した諏訪の歴史を詳しく紹介しています
▲長野県宝に指定されている縄文土器「蛇体文把手付深鉢形土器」も常設展示室1で見ることができます
編集部
縄文時代の出土品から諏訪大社に関するものまで、幅広く紹介されているのですね。見学した方が自由に発想できるよう、象徴的な展示にされているそうですが、そのほかに諏訪市博物館ならではの特徴があれば教えてください。
三澤さん
常設展示室1では、諏訪の歴史を時代順に紹介しております。他の展示室と雰囲気も違っていて、諏訪信仰の神秘的な雰囲気を感じていただけると思います。
また、一階の廊下の奥にある「すわ大昔情報センター」では、考古学者・藤森栄一氏や戸沢充則氏ら諏訪の歴史研究を推し進めた先人の研究文献や書籍を閲覧できます。今ではなかなか見ることができない貴重な資料も多いので、ぜひじっくりとご鑑賞ください。
▲展示室から「すわ大昔情報センター」へ続く廊下は、時空を通るトンネルをイメージしているそうです
▲すわ大昔情報センターでは、諏訪ゆかりの考古学や歴史学研究者の資料が閲覧できます
編集部
藤森栄一氏は諏訪考古学研究所を立ち上げて、諏訪の遺跡を発掘した人物ですよね。アニメーション監督の宮崎駿さんも藤森氏の縄文農耕論に影響を受けたと公言(※1)されているので、藤森氏のことをご存知の方も多いと思います。
(※1)参考:Wikipedia「藤森栄一」より
戸沢充則氏は藤森栄一氏の弟子にあたる方で、縄文時代に関する著書をたくさん出版されていますね。そんなお二人に関する展示に力を入れていらっしゃることから、歴史の深い部分までしっかりと学べる施設だと感じました。
全体的にパッと見るだけでも楽しめるような象徴的な展示が多いため、普段歴史に馴染みのない方でも抵抗なく楽しめるのではと思います。来館者にはどのようなことを感じて欲しいと思われますか?
三澤さん
人々に豊かな恵みを与え、時に厳しい寒さや天災という形でその牙をむく諏訪の雄大な大自然。諏訪信仰は自然信仰から発生したもので、中世には「戦の神」として名だたる戦国大名たちの信仰を集め、それ以来人々に幅広く支持されてきました。
展示資料だけでなく、建物の建築デザインや展示空間にも、諏訪の太古からの自然や風土、永続的な時間の流れや歴史の連なり、諏訪信仰のイメージなどを抽象的に盛り込んでいます。見学していただく中で、奥深い諏訪地方の歴史や文化の重厚な雰囲気を感じてほしいと思います。
▲諏訪信仰の歴史は展示品はもちろん、アニメーションでも詳しく紹介されています
編集部
諏訪信仰の歴史が展示されているコーナーは、青いライトが神秘的な雰囲気でとても素敵ですね。諏訪信仰の世界に入り込めて、展示の内容もより記憶に残りそうです。
諏訪の伝説がイラストで紹介されている展示がおすすめ
編集部
三澤さんは、諏訪市博物館の魅力はどのようなところにあると思われますか?
三澤さん
実物の展示資料とあわせて、「諏訪に伝わる昔話や伝説」をアニメーションや立体パネルで学べるようにしています。実物の展示資料と、諏訪の人々が語り継いできた昔話や伝説の対比は面白いと思います。
諏訪信仰のシンボルとなる展示資料が並ぶ空間や、自然の中で生きる人々の工夫を学べる空間の中にもありますので、ぜひご覧いただきたいです。
編集部
諏訪信仰は、長野県や近隣に住んでいらっしゃる方はご存知の方も多いと思いますが、改めて見直すと新たな発見があるかもしれませんね。アニメーションや立体パネルといった楽しく学べる工夫があるので、リラックスして満喫できそうです。
数ある展示の中で、三澤さんの好きな展示を教えていただけますか?
三澤さん
私のお気に入りは常設展示室2にある、諏訪に伝わる昔話や人々に語り継がれてきた伝説を立体パネルで表現した展示です。「伝説の窓」というタイトルの展示なのですが、日本昔話のような、絵本のようなイラストで表現されていて、初めて見たときは思わず「かわいい!」と言ってしまいました。
諏訪大社は上社に男神タケミナカタノミコト、下社に女神ヤサカトメノミコトを祀っており、この夫婦の神様に関する「温泉伝説」のパネルが一番好きです。どんなストーリーの伝説なのかは、ぜひ実物を観て確かめてください!
▲常設展示室2では、湖・山・里の伝説をイラストを交えて紹介しています
編集部
タケミナカタノミコトは戦国武将にも崇敬された、劣勢にも屈しない武の神様ですよね。ヤサカトメノミコトは諏訪固有の神様とも言われていて、謎めいているところが魅力だと思います。
そんなご夫婦の物語に、展示を通じて注目してみたいと思いました。
「御柱祭」関連の特別展・企画展も開催
編集部
諏訪市博物館では、期間限定の企画展も行われていると伺いました。開催時期や内容について教えていただけますか?
三澤さん
企画展や特別展などは、諏訪の魅力を伝えるテーマを設定して行っています。また、常設展示室2には、速報展や時事にかかわるミニ展示コーナーがあるので、過去にいらっしゃった方も飽きずに楽しめると思います。
過去には諏訪信仰を様々な面から紹介する展示や高島藩士の甲冑の展示、日本最古とみられる300年前の押し葉・押し花の展示、お雛様の展示などを行いました。
7年に一度の「御柱祭(おんばしらさい)」が開催された2022年度は、諏訪信仰と御柱に関する特別展がありました。
編集部
御柱祭は寅と申の年に行われるそうですね。2022年にも御柱祭が行われたので、諏訪信仰と御柱について注目されている方も多いと思います。
また、押し花やお雛様といった身近なテーマの展示もあり、幅広いジャンルの企画展を楽しめそうだと感じました。
土偶御朱印&気軽に入れる温泉「神宮寺足湯」をチェックしよう!
編集部
諏訪市博物館では、展示品を鑑賞する以外に体験できることはありますか?
三澤さん
日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」の土偶御朱印を授与しています。
編集部
長野県や山梨県では「三十三番土偶札所巡り」として土器や土偶の御朱印をいただけると聞いたことがありますが、諏訪市博物館もそのなかのひとつなのですね。普段御朱印を集めていない方にとっても、珍しい土偶の御朱印は良い記念になると思います。
諏訪市博物館に訪れた思い出に、何か記念になるものを購入したいカップルは多いと思いますが、ミュージアムショップはありますか?
三澤さん
ミュージアムグッズコーナーがあります。過去の企画展の図録などの書籍のほかに、館蔵資料を用いたマグネットやクリアファイルを販売しております。
編集部
過去に気になる企画展があって来られなかった方にとって、図録があるのはうれしいことと思います。また、カップルでお揃いのマグネットやクリアファイルを購入すれば、デートの良い記念になりそうですね。
館内をまわって少し歩き疲れた時に利用できる、カップルがゆっくりと過ごせるような場所はありますか?
三澤さん
ゆっくり過ごせる場所としては、敷地内にある「神宮寺足湯」がおすすめです。旅の疲れを癒しながら、まったりと語り合うことができると思いますよ。無料ですので、ぜひご利用ください。
▲足湯には無料で入れます!
編集部
足湯がある博物館は珍しいですね!話のネタになりそうです。
なぜ「神宮寺」と名がついているのか気になり調べたのですが、地元神宮寺の源泉をひいているのだそうですね。なんだかとても縁起が良い気がします。
三澤さん、この度はお忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました!
諏訪市博物館の口コミ・評価
それではここで、諏訪市博物館の口コミについてご紹介します。
- 展示が美しく、単に展示物を並べているだけではないため、とても楽しく拝見しました。スタッフの方も丁寧に接してくださいました。
- 神社巡りだけではわからない諏訪大社の情報がわかりました。縄文時代から続く歴史がわかりやすかったです。
- 「御柱祭」に関する展示や、地元出身の考古学者・藤森栄一のコーナーが充実しています。足湯があるのも珍しいです。
- 諏訪大社参拝後の足湯に癒されました。
縄文時代から諏訪信仰まで展示内容は幅広く、工夫された美しい展示空間も高評価のようですね。また、諏訪市博物館には諏訪大社の参拝の前後に訪問する方が多く、「無料の足湯に癒された」といった声もたくさんありました。
諏訪の歴史に興味があるカップルだけでなく、「縄文時代が好き」「諏訪大社の理解を深めたい」といったカップルにもぴったりな場所だと思います。
「諏訪市博物館」の基本情報
住所 | 〒392-0015 長野県諏訪市中洲171-2 |
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電話番号 | 0266-52-7080 |
アクセス | 【車】 ・中央道「諏訪IC」から約5分 【公共交通機関】 ・JR中央本線「上諏訪」駅下車のちバスで約30~60分 |
営業時間 | 9:00~17:00 (入館は16:30まで) |
休館日 | ・月曜日 ・祝日の翌日 ・年末年始 ・資料整理期間 |
駐車場 | あり |
入館料 | ・一般:310円 ・小中学生:150円 ※企画展は別料金 |
空いている時間帯 | ・平日(比較的どの時間帯も空いています) ・日曜日の14時以降 |
平均的な滞在時間 | 1~2時間程度 |
公式サイト | https://suwacitymuseum.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
「諏訪市博物館」周辺のデートスポット
諏訪市博物館で諏訪信仰を学んだあとは、道路を挟んだ反対側にある「諏訪大社上社本宮」を参拝してはいかがでしょうか。国重要文化財の社殿や欄間(らんま)の彫刻なども素敵ですよ。
また、上諏訪方面もおすすめです。諏訪湖畔にある国重要文化財「片倉館」でレトロな雰囲気を楽しみながら温泉に浸かるのもいいですし、片倉館の近くのお店でおいしいお蕎麦やうなぎをいただくのもよいでしょう。
おすすめのデートスポット
諏訪四社のなかでも建物が多く見所が多い「諏訪大社上社本宮」
諏訪大社は上社本宮・上社前宮・下社秋宮・下社春宮と諏訪湖の周辺に四社ありますが、諏訪市博物館の近くには「上社本宮」があります。四社すべてお参りするのももちろんいいですが、「今回は1つだけお参りしよう」と考えている場合は上社本宮にお参りするといいですよ。
上社本宮は本殿がない「諏訪造り」とよばれる独特の様式で建築されています。上社本宮は社殿16棟が国の重要文化財となっていて、諏訪大社四社のなかで一番建物の数が多い点が大きな特徴です。
諏訪大社といえば神社の四隅に建てられた「御柱」が有名ですが、御柱は寅と申の年に行われる「御柱祭」で建て替えられます。ぜひスケジュールを合わせて伝統のお祭りを見学されてはいかがでしょうか。
公式URL:http://suwataisha.or.jp/honmiya.html
大きな千人風呂に入れるレトロな洋館「片倉館」
片倉館は昭和3年にできた洋館で、建物が国指定重要文化財となっています。もともとはシルクエンペラーと呼ばれた片倉財閥が地域交流を目的に建てたのですが、現在は事前予約すれば洋館内を見学することもできます。
予約なしでも利用できるのが千人風呂で、さすがに千人入ることはできないものの、100人くらいは収容可能な広い浴槽のある温泉です。2階には無料休憩室と、貸切ができる有料休憩室があるため、お二人でゆっくり過ごしたい場合は利用されるとよいでしょう。
ちなみに、休憩室は映画「テルマエ・ロマエ2」のロケ地としても使用された人気のスポットです。映画を観たことがある方は、ぜひ覗いてみてください。
公式URL:http://www.katakurakan.or.jp/index.php
諏訪市博物館周辺のうなぎ店と蕎麦屋はこちら
まとめ:諏訪の歴史と魅力に触れるデート
諏訪市博物館は奥深い諏訪の歴史と文化を学べる貴重な施設で、特に「諏訪信仰」や「縄文文化」に興味をお持ちの方におすすめです。展示室は空間作りも工夫されていて、諏訪の歴史に入り込んだような感覚で見学できますよ。
博物館で諏訪に関する知識を深めたあとは、周辺のうなぎ店や蕎麦屋などで諏訪のグルメを味わいましょう。そして、諏訪大社にお参りしたり、温泉でのんびりと過ごしたりと、リラックス感あふれるデートを楽しんではいかがでしょうか。
長野県諏訪市周辺でのデートを企画しているカップルは、ぜひ今回のプランを参考にしてみてくださいね。