
「郷さくら美術館」で日本画の繊細な美しさに魅了されるデート|東京都目黒区
この記事では、東京都目黒区にある「郷(さと)さくら美術館」を訪れて、美しい日本画の世界を堪能するデートをご紹介します。
「郷さくら美術館」は現代日本画専門の美術館で、名前の通り桜を描いた作品が数多く展示されています。
春を告げる桜の花は、古来から日本人が特別な存在として愛で、大切にしてきた花です。「郷さくら美術館」では、お花見の季節以外でも、全国各地の満開の桜に出合うことができますよ。
今回は「郷さくら美術館」の学芸員である竹内さんにお話を伺い、美術館の特徴や見どころについて教えていただきました。
桜の魅力を堪能できる「郷さくら美術館」の展示
「郷さくら美術館」は、2012年3月に現代日本画を展示する専門美術館として、東京の中目黒にオープンしました。
桜をテーマにした展示室の他、様々なコレクション展や展覧会が開催され、多くの日本画愛好家や桜ファンが訪れる美術館です。
それではここから「郷さくら美術館」について詳しくご紹介していきましょう。
全国各地の桜を鑑賞!郷さくら美術館の常設展「桜百景」
編集部
中目黒駅からも程近く、都会的で洗練された外観が目を惹きますね。まずは郷さくら美術館の常設展について教えてください。
竹内さん
郷さくら美術館では、『満開の桜を日本画で楽しんでいただく』というコンセプトにもとづき、桜をモチーフにした作品を常設する展示室「桜百景」を設けております。
▲日本各地の桜の名所を描いた作品に出会える
編集部
桜には日本人を強く惹きつけてやまない魅力がありますね。来館者には、どんなことを学び、感じてほしいと思われますか?
竹内さん
日本画と聞くと、教科書で見る掛軸の人物画や落ち着いた水墨画を思い浮かべる人が多いと思います。でも、実際の日本画はとても色鮮やかな作品が多いんですよ。
日本画には、岩絵の具と呼ばれる鉱石を砕いた粒状の絵の具が使われており、砕いた粒の大きさによって色の濃淡が変化します。作品を近くで見ると、大きい粒が光に反射してキラキラと輝きとても綺麗です。
▲岩絵の具の原料となる鉱石も展示してある
岩絵の具を使って描かれた花や自然の風景の細やかな描写からは、強い生命力を感じることができます。ぜひ、そのような日本画の繊細で力強い描写を味わっていただきたいです。
春夏秋冬で異なる展示が観られる企画展
編集部
常設展以外の企画展は、どのような内容で開催されていますか?
竹内さん
毎回テーマを設けて構成されるコレクション展を中心に、年に4、5回の展覧会を開催しています。全4室となる展示室には、毎回40点余りの作品が展示されますよ。
2022年現在は、季節によって下記のような企画展を開催しています。
テーマ・内容 | |
---|---|
春 | ・桜をテーマに若手日本画家が参加するコンペ形式の展覧会「桜花賞展」 ・日本画家10人によるグループ展示「FROM展」 |
夏・秋 | 年ごとにテーマを設けた企画展示 |
冬 | 日本画家の個展となる特別展 |
最近ですと「現代日本画 夜」という展覧会を開催しました。また、 冬季展として「郷さくら美術館特別展 松村公嗣の世界」を予定しています。
▲日本を代表する画家の作品をじっくり鑑賞できる
郷さくら美術館は作品を近くで鑑賞できるのが魅力!
編集部
郷さくら美術館の「ここが魅力!」というポイントをご紹介ください。
竹内さん
作品をとても近い距離で鑑賞できることです。一部の屏風作品などは額に入れず展示しておりますので、モチーフの細かい描写や重ねられた色彩の奥行きを、隅々までご覧いただくことができますよ。
▲作品を近くで観ると、まるで生きた植物のように生命力を感じる
編集部
竹内さんが個人的に思う、郷さくら美術館のイチ押しポイントは何でしょうか?
竹内さん
一つひとつの展示作品を通して、日本画家がとらえた自然の風景や季節の移ろいを感じられるところです。美術館にいながら日本の花鳥風月を体感することができますよ。
また、郷さくら美術館の建物は2012年にグッドデザイン賞を受賞しております。美術館のロゴマークが施された外観も注目ポイントです。
▲アートミュージアムらしいスタイリッシュな外観がお洒落!
▲桜をモチーフにデザインされたロゴマーク
編集部
竹内さんが特に好きな展示やコレクションもぜひ教えてください。
竹内さん
私は春に開催される「桜花賞展」が好きです。全室に桜がテーマの作品が展示され、とても華やかになるんですよ。作家が実際に取材した全国各地の桜を見ると、実際に現地へ行きたくなりますね。
編集部
郷さくら美術館の「他とはここが違う!」という部分はどこだと思われますか?
竹内さん
そうですね、「現代日本画専門の美術館」というところだと思います。昭和生まれ以降の作家を中心にコレクションしており、今現在日本画家として活動されている作家の作品が多数展示されています。
郷さくら美術館をご覧になれば、現代の日本画が歩む多種多様な表現をタイムリーに感じていただけますよ。
郷さくら美術館のデートでの楽しみ方
ここまでは郷さくら美術館の特徴や竹内さんイチ押しの見どころを伺ってきましたが、ここからはデートで訪れた場合の楽しみ方について聞いてみましょう。
桜の季節以外でも楽しめるお花見デート
編集部
郷さくら美術館にカップルで訪れた場合、どんな楽しみ方がおすすめでしょうか?
竹内さん
郷さくら美術館のすぐ近くの目黒川沿いは桜の名所で、満開の時期にはとても賑やかになります。ちょうどその時期には「桜花賞展」を開催しておりますので、美術館でのお花見もできますよ。
▲全国各地の桜スポットを訪れた気分になれる
桜の季節を過ぎてもお花見デートができるのは、郷さくら美術館ならではです。
※冬季は「桜百景」の展示は無し
編集部
天候や季節に関わらず、快適な状態でお花見気分を満喫できるのが良いですね!
美術館内には、カップルがゆっくり過ごせる場所はありますか?
竹内さん
展示室ごとにベンチがありますので、座りながらゆっくりと絵を鑑賞していただけます。
▲街の喧噪を忘れ、静かに過ごすふたりの時間を堪能できる
カフェタイムが楽しめるアイスクリームトラック
編集部
郷さくら美術館内に、飲食できるスペースやカフェなどはありますか?
竹内さん
土日を中心に「Mrs.Charlotte(ミセスシャーロット)」さんのアイスクリームトラックが美術館前に来てくれて、アイスやクレープを販売しています。
※冬季は休業しています
▲可愛らしいアイスクリームトラックが目を惹く。ベンチで飲食も可能
郷さくら美術館限定のオリジナルメニューもあり、アイスの上のお花がとても可愛らしいです。アイスクリームトラックの出店日時はTwitterで確認できますよ。
>>Mrs.Charlotte公式Twitterはこちら(@MrsCharlotte ic)
▲花をテーマにした美術館らしいオリジナルアイスクリーム
ミュージアムショップで人気のお土産
編集部
ミュージアムショップのグッズ目当てに美術館や博物館めぐりをしている方も多いと聞きます。郷さくら美術館のミュージアムショップではどんなものが販売されていますか?
竹内さん
館内のショップには、展示作品のポストカード・クリアファイル・一筆箋を中心に、桜の入浴剤、ハンドクリームなど桜グッズをご用意しています。
▲デートの記念や友人へのプレゼントに最適なグッズが揃う
▲おウチでお花見気分が味わえる桜グッズ
▲お気に入り作品のポストカードをお土産に♪
郷さくら美術館からのメッセージ
編集部
最後に、これから郷さくら美術館へのデートを考えているカップルへのメッセージや、アピールしたいことがあればお願いします。
竹内さん
郷さくら美術館は、日本画へのイメージが大きく変わる美術館だと思います。小さな美術館ですので、混雑することなくゆったり鑑賞できますよ。
当館の周りには、たくさんのランチスポットやお洒落なカフェがありますので、デートで訪れるのにピッタリの場所だと思います。中目黒周辺にお出かけの際は、ぜひお立ち寄りください。
編集部
私自身も、日本画に対するイメージがガラッと変わりました。桜の作品はもちろん、季節ごとの企画展もぜひ鑑賞してみたいと思いました。
竹内さん、本日はたくさんのお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
郷さくら美術館の口コミ・評判
ここまでは郷さくら美術館の魅力や見どころを伺ってきましたが、実際に鑑賞に訪れた方の口コミや評判についても調べてみましたので、一部を要約してご紹介しますね。
- 初めて日本画を見にきたけど、これまで思っていた日本画のイメージとは違い驚いた
- 小規模ながら感動できる美術館!心が穏やかになれた
- 写真撮影可能だった!気に入った作品をたくさん撮影できた(※)
- 桜の表情がこんなにもたくさんあることに感動した
- 何度行ってもいつも新しい発見がある
※展覧会により、写真撮影が可能かどうかは異なります。詳細は公式サイトの「開催中の展覧会」をご確認ください。
概ね高評価の口コミが多く、特に定期的に訪れるリピーターの方が多い印象でした。また、一年を通して桜の作品が観られることから、桜が恋しくなるたびに訪れるという方も多く、改めて桜は日本人の心を掴む特別な花だということを痛感しました。
料金・割引・予約・混雑しない日時
入館料 | 一般:500円 シニア(70歳以上):400円 大学生・高校生:300円 中学生:100円 小学生:無料(保護者の同伴必要) ※現金のみ。クレジットカード・電子マネー等は利用不可 |
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所要時間目安 | 30分〜60分程度 |
混雑しない時間帯 | 平日は終日混雑なし |
郷さくら美術館の基本情報(アクセス・開館時間など)
住所 | 〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-7-13 |
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連絡先 | 03-3496-1771 |
アクセス | 東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅正面出口」より徒歩5分 |
営業時間 | 10:00〜17:00(最終入館16:30) |
休館日 | ・月曜日(祝日/振替休日の場合は翌日・又は直後の平日) ・年末年始、展示替え期間 |
駐車場 | なし 近くにコインパーキングあり |
公式URL | https://www.satosakura.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
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