【京都市】「樂美術館」で樂焼の魅力に触れる!御所や甘味処も訪れるリラックスデート

この記事では京都市上京区にある「公益財団法人 樂美術館(らくびじゅつかん)」をメインに、京都御所や晴明神社の散策、さらには虎屋菓寮でお茶や甘味を味わうデートプランをご紹介します。

樂美術館は、手とへらだけで成形する手捏ね(てづくね)の手法が特徴的な「樂焼(らくやき)」の窯元・樂家に隣接する美術館です。450年の歴史のなかで伝わってきた歴代の作品を中心に、古文書や茶道関連の美術品などを約1,000点以上展示・収蔵しています。

今回は樂美術館について調査し、施設の特徴や見どころ、イベント・ワークショップ情報などを詳しくまとめました。

芸術好きなカップルや静かな場所でデートを楽しみたいカップルは、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳〜59歳
おすすめカップル:芸術鑑賞や散策が好き
どんなデート?:美術館見学、御所や神社を散策、お茶や甘味を味わう
目安時間:5時間半
目安予算:2人で6,000円程度

概要:京都の芸術・歴史・自然を堪能するデートプラン

樂美術館は「日本文化の原点」とも言われる京都市上京区にあり、美術館周辺には観光スポットとして人気の高い「京都御所」や「晴明神社」といった名所が点在しています。

そこで、美術館で芸術鑑賞を楽しみつつ、京都の歴史や自然、グルメも満喫するデートプランを考えました。

12:00 今出川駅に集合
12:00~13:00 駅周辺でランチ後、「京都御所」へ
13:00~14:00 「京都御所」を散策
14:10~15:10 「樂美術館」を見学
15:15~16:00 「晴明神社」を散策
16:10~17:30 「虎屋菓寮」でお茶や甘味を味わう

まずは烏丸線「今出川駅」に集合してランチを済ませたら、駅から徒歩5分ほどのところにある「京都御所」を散策します。その後「樂美術館」にて樂焼をじっくりと見学し、5分ほど歩いて「晴明神社」へ。最後に「虎屋菓寮」に立ち寄って、ゆっくりとお茶や甘味を味わいながら会話を楽しむデートコースです。

それでは、メインでご紹介する「樂美術館」の魅力から解説していきます!

450年の伝統を誇る「樂焼」を鑑賞できる樂美術館

樂美術館の館内の様子

烏丸線「今出川駅」から徒歩13分ほどの場所にある「樂美術館」は、樂焼の窯元・樂家に隣接する美術館です。1978年に樂家十四代吉左衞門・覚入(かくにゅう)氏によって設立されました。

館内にメインで展示されているのは、初代・長次郎氏から当代15代吉左衞門直入氏までの歴代作品。さらに茶道関係の古文書や美術品など、1,000点以上の作品が収蔵されています。

年に4回程度展覧会が開かれており、入館料は展覧会の内容によって異なるシステムです。また、実際に作品を手に取って鑑賞できるイベントも随時開催されており、樂焼の魅力を存分に満喫できます。

今回はそんな樂美術館のおすすめポイントについて、事務局スタッフさんにたっぷりとお話をお伺いしました!

千利休が愛した「樂焼茶碗」の心髄に触れられる美術館

編集部

樂美術館では、1,000点以上もの多彩な展示品を所蔵されているそうですね。まずはメインとなる展示品の特徴を教えてください。

事務局スタッフさん

樂美術館の収蔵は、樂焼を創始した長次郎を家祖にもつ窯元・樂吉左衞門家に450年にわたって伝来した、樂歴代作品や関係茶道美術品、さらには樂家古文書資料などから成り立っております。

そもそも樂焼茶碗は、千利休が「侘び茶にかなう茶碗を」と樂家初代長次郎に依頼して誕生しました。以来、樂歴代それぞれが受け継いだ伝統技術と精神性が込められた作品を、一堂に展示しております。

それらの作品は、個人のコレクターが集めた美術品とは異なり、樂歴代が樂焼450年の歴史を継承するうえで自らの作陶を打ち出すために学び、そして手本としてきたものです。まさに樂焼における450年のエッセンスが込められていますので、樂焼の心髄を感じていただけるのではないかと思います。

編集部

口コミでも「樂焼の歴史をさまざまな角度から学べて面白かった」といった意見が多くみられました。「茶聖」とも称される千利休が認めた樂家の茶碗を、ぜひじっくりと鑑賞したいです。

スタッフさんが特に好きな展示があれば教えてください。

事務局スタッフさん

私が特に好きな展示は第一展示室の「茶碗が一堂に並んでいる展示」です。樂歴代によって形や色、雰囲気までもが異なり、とても個性豊かです。

樂美術館の第一展示室
▲樂焼450年の歴史に触れられる第一展示室

また、キャプションも制作者ならではの視点で書かれていますので、作品と合わせてチェックしていただくととても面白いと思います。

編集部

樂焼は、ろくろを使わずに手捏ねで、そして一碗ずつ制作されるそうですね。歴代の作品が一堂に展示されているとのことで、ベースは代々受け継がれていながらも作風にどのような違いがあるのか、ぜひゆっくりと比較してみたいと思いました。

展示室はとても趣がありますが、展示空間へのこだわりポイントがあれば教えてください。

事務局スタッフさん

弊館では「茶室にいるような感覚で作品をご覧いただきたい」という想いから、展示室の照明を茶室と同じくらいの暗さになるようこだわっております。そのため、一般的な美術館に比べてかなり展示室が暗くなっており、茶の湯の雰囲気を少しでも味わっていただけたらうれしいです。

編集部

茶室の照明にまでこだわることで、千利休が愛した樂焼茶碗の魅力がより一層引き立っていますね。とても静かで幻想的な空間が広がっているので、しっとりと過ごしたいデートにぴったりなスポットだと感じました。

目で見て、触れて、味わって…茶碗の魅力を「五感で」楽しめる

樂美術館の通路の風景

編集部

樂美術館は期間限定の企画展やイベントも実施されていると伺いました。内容について詳しく教えてください。

事務局スタッフさん

年に2回ですが特別展を開催しており、歴代の作品が一堂に並びます。

イベントとしては、「茶碗は五感で楽しむもの」と考え、手に触れる事業として「特別鑑賞茶会」や「手のひら鑑賞会」を行っております。お茶碗は手に触れてこその魅力がありますので、目で見て、触れて、そして、お茶を一服飲んでみる…そのなかでご自身が感じる茶碗の魅力を見つけていただけたらと思います。(手に触れる事業は現在中止しておりますので、再開しましたらホームページでお知らせいたします)

また、お子さま向けの夏休みイベントではありますが、十五代・十六代の指導のもと粘土に触れていただける体験講座もございます。

ちなみに、オンラインイベントとして館長の十五代吉左衞門・直入によるギャラリートークも行っておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。製作者ならではの視点で語られるお話は、とても新鮮だと思いますよ。

編集部

個人的には、ぜひ「手のひら鑑賞会」に参加してみたいと思いました。焼物の美術館ではガラス越しに鑑賞するのが基本ですが、実際に手に取って作品を感じることで違った発見がありそうです。

また、zoomを使ったオンラインのギャラリートークでは、樂茶碗の基礎知識や樂美術館の展示品の解説といった内容を配信されていると伺いました。事前の予約が必要で、人気のため早々に定員に達することもあるとのことなので、早めに予約できるようにこまめに公式サイトをチェックすると良さそうです。

デートの前にギャラリートークで知識を深めておけば、当日は樂焼について語る素敵な一面を見せられるかもしれませんね。

季節や時間によって変わる茶碗の表情にも注目

樂美術館の窓から見えるお庭の風景

編集部

時期や時間帯など、訪れるタイミングによって楽しめるポイントがあれば教えてください。また、カップルにおすすめのスポットはありますか?

事務局スタッフさん

朝・昼・夕方の時間の移り変わりや、季節のうつろいなどで茶碗の表情が変わりますので、ぜひそのときどきの魅力をご堪能ください。

ロビーにはお庭の見えるスペースがありますので、デートの際はぜひそちらでゆったりと過ごされてはいかがでしょうか。お庭の風景からも、季節や時間の移り変わりをお楽しみいただけますよ。

編集部

窓から差し込む光や外の明るさによっても、茶碗の雰囲気が大きく変わるのですね。

ロビーのくつろぎスペースは休憩にぴったりで、お庭を眺めながら「あの樂焼が素敵だった!」などと感想を言い合うなど素敵な時間を過ごせそうだと思いました。

樂美術館の口コミ・評判をチェック

編集部

樂美術館を利用した方からよく聞く感想はありますか?

事務局スタッフさん

静かな美術館ですので、「とてもゆったりとした時間を過ごせました」と言っていただくことが多いです。

「侘び寂びの世界に浸れる」「好みの茶碗を探すのが楽しい」の声も

編集部でもSNSなどで口コミを調べてみたところ、以下のような感想が多くみられました。

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お茶に興味がある方にぜひおすすめしたい美術館。外観や内装もとても素敵で、侘び寂びの世界にじっくりと浸れた。
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赤楽、黒楽など、好みの茶碗を探すのに夢中になった。
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初代からの作品が順番に展示されているので、伝統の移り変わりを興味深く観察できた。

特に多かったのが、「素敵な空間で、静かにゆっくりと鑑賞できる」といった意見です。落ち着いた空間のなかで芸術に触れるデートを楽しみたいカップルには、まさに樂美術館がぴったりだと感じました。

樂美術館からのメッセージ

編集部

最後に、樂美術館に興味があるカップルに向けてメッセージをお願いします。

事務局スタッフさん

樂茶碗には歴代によって、時代によってさまざまな魅力があります。ぜひ「この茶碗でお茶を一服飲んでみたい」と思うようなお気に入りの作品を見つけていただけたらうれしいですし、お好みの茶碗についてカップルでお話されると盛り上がると思いますよ。

お昼頃は比較的空いておりますので、あまり人がいない時間帯にお越しになりたい場合はお昼どきを狙ってみてください。

なお、通常ですと30分〜1時間程度ですべての展示を回っていただけますので、デートプランを計画される際の参考にしていただければと思います。

編集部

カップルで好みの茶碗について語り合うなかで、お互いの感性に触れることができそうですね。仲を深めたいカップルにぴったりのスポットだと思います。

たくさんのお話をありがとうございました!

樂美術館の基本情報

住所  〒602-0923
京都市上京区油小路通一条下る
アクセス

■京都市バス
・堀川中立売・一条戻橋下車後、徒歩約3分
・堀川今出川下車後、徒歩約8分

■京都市営地下鉄
烏丸線今出川駅下車後、徒歩約13分

■タクシー
京都駅から約25分

電話番号 075-414-0304
営業時間 10:00~16:30
(入館は16:00まで)
休館日 月曜日(祝日は開館)、展示替え期間
駐車場 駐車場(4台)と臨時駐車場あり
入館料 展覧会により異なる
公式サイト https://www.raku-yaki.or.jp/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

樂美術館と一緒に楽しみたいおすすめデートスポット

樂美術館の周辺にはデートにおすすめのスポットがたくさんあります。

美術館で芸術作品に触れるだけではなく、「京都御所」や「清明神社」を散策すれば、京都らしい厳かな雰囲気を肌で感じることができます。デートの最後に「虎屋菓寮」で美味しいお茶や甘味をいただけば、はんなりとした気持ちになるのではないでしょうか。

カップルでゆっくりとした時間をお過ごしください。

おすすめのデートスポット

古来における内裏の形態を観察できる「京都御所」

広大な京都御苑(ぎょえん)のなかに位置する「京都御所」は、南北朝時代から500年以上にわたって皇居として利用された由緒ある場所です。紫宸殿をはじめ清涼殿、小御所、御学問所、御常御殿といった古来の内裏の形態が残されており、平安時代からの建築様式の移り変わりについてじっくりと学べます。

京都御苑では季節の草花を眺めながらのんびりと散策でき、日々の喧騒を忘れられる癒しの時間を過ごせますよ。

公式URL:https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html

安倍晴明を祀る人気の観光名所「晴明神社」

「晴明神社」は陰陽道の確立者とされる安倍晴明を祀る神社で、厄除けや魔除けのご利益があると言われています。難病を治すと伝わる「晴明水」が有名で、遠方から訪れる方も多いのだとか。晴明神社のシンボルである「晴明桔梗(五芒星)」がデザインされた御朱印長も人気で、デートのお土産としてもおすすめです。

公式URL:https://www.seimeijinja.jp/

上質な空間でいただくお茶や甘味は絶品!「虎屋菓寮」

京都御所や晴明神社からほど近い「虎屋菓寮 京都一条店」は、美術館&散策デートの締めくくりにぴったりなスポットです。季節ごとに表情の変わるお庭や稲荷社などを眺めながら、シックな雰囲気の店内でお茶や甘味を味わえますよ

また、店内では日本文化に関する書籍を600冊ほど所蔵しており、自由に閲覧できる点も注目したいポイント。美術館の感想を言い合ったり、書籍を読みながら日本文化について語り合ったりと、充実の時間をお過ごしください。

公式URL:https://www.toraya-group.co.jp/toraya/shops/detail/?id=55

まとめ:芸術鑑賞や散策で日々の疲れを癒すデートを

今回は、京都市上京区にある「樂美術館」を中心として、散策やお茶・甘味を楽しむデートコースをご紹介しました。

樂美術館には樂家における代々の樂焼が数多く展示されており、年代や作り手によって異なる茶碗の魅力を堪能できる施設です。オンラインのギャラリートークで事前に知識を得ておくと、実際に訪れた際により一層楽しめるかもしれません。

ぜひ樂美術館周辺のおすすめスポットも参考に、日々の疲れが癒えるようなリラックスデートを計画してみてはいかがでしょうか。