美郷ほたる館でホタルと里山の魅力に触れるリラックスデート|徳島県吉野川市の博物館

今回は徳島県吉野川市美郷(みさと)に位置する「美郷ほたる館」をメインに、周辺の人気観光スポットを巡るデートプランを紹介します。

美郷ほたる館は、徳島自動車道の脇町インターチェンジから車で20分ほどのところに位置しており、天然ホタルの生態と地元の自然・生活を紹介する博物館です。美郷地区に生息するホタルや周辺環境についての資料などが展示され、さまざまな角度からホタルと里山に関する知識を深められます。

「ほたるまつり」期間中の例年5月中旬~6月中旬頃に訪れれば、野生のホタルを観賞しながらロマンチックなひと時を過ごせるでしょう。

そこで今回は美郷ほたる館に焦点を当て、施設の魅力や見どころ、一緒に訪れたい周辺のおすすめデートスポットなどを紹介しました。ぜひ参考にしながら、吉野川市周辺でのデートプランを立ててみてくださいね。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳〜59歳
おすすめカップル:ホタル観賞がしたい、自然の中が好き、手作り体験がしたい、のんびり散策が好き
どんなデート?:ホタル、里山、和紙漉き、観賞、体験、散策

概要:里山でホタル観賞や川遊び!童心に帰るデート

美郷ほたる館のある吉野川市の美郷地区は、緑濃い山々や美しい川に囲まれた、自然豊かなのんびりできる里山です。周辺には地元の方・観光客を問わず人気の観光スポットやランチスポットも点在しますので、以下のようなデートプランを考えてみました。

今回のデートのメイン
美郷ほたる館
周辺のデートスポット
・阿波和紙伝統産業会館
・うだつの町並み
・阿波の土柱(あわのどちゅう)
ランチにおすすめのお店
・美郷物産館
・たねのや

「阿波和紙伝統産業会館」では阿波和紙に関連した多彩な作品を鑑賞できるほか、体験実習スペースでは和紙漉き(わしすき)にもチャレンジできます。また阿波地区が誇る観光名所「うだつの町並み」や「土柱」にも車で20分程度でアクセス可能なので、ゆっくりと周辺散策も楽しんではいかがでしょうか。

ランチスポットとしては、おそばや定食をリーズナブル価格で味わえる「美郷物産館」がおすすめ。さらに元小学校を改装した複合施設の「たねのや」では、ピザ作り体験ができますから、デート中のカップルが訪れれば、きっと思い出深いランチタイムになることでしょう。

ちなみに美郷ほたる館には、バーベキュースペースがありますので、季節や天候によってはバーベキューランチを楽しむのもよいですね。

それでは今回のメインスポット、美郷ほたる館の魅力・特徴から紹介していきます。

里山とホタルの魅力を発見できる「美郷ほたる館」

徳島県吉野川市美郷にある美郷ほたる館の外観

美郷ほたる館は、脇町インターチェンジから約20分ほど、国道193号線沿いにある博物館です。美郷地区は「ホタルおよびその発生地」として、1970年(昭和45年)に国の天然記念物に指定されています。館内ではホタルの生態に関する展示だけでなく、美郷の歴史や文化、生活についての展示も充実していることが特徴です。

エントランスは2Fにあり、1Fに展示室とライブラリ、地下に研究室と野外観察広場がある三層構造の建物となっています。「ほたるまつり」期間中の夜間には天然のホタルを観賞できるため、展示資料の見学と合わせることで、より一層ホタルの魅力を感じられることでしょう。

入館料も大人(高校生以上)が一人200円とリーズナブル。里山とホタルについて気軽に学べるおすすめスポットですから、吉野川市周辺でデートの際には足を運んでみるとよいですね。

今回は美郷ほたる館のスタッフ・上家博美さんにインタビュー取材を行い、施設の特徴やおすすめのポイントについてお話を伺いました。

ホタルを通して美郷地区の自然や魅力に触れられる博物館

川田川から眺める美郷ほたる館の外観
▲ホタルの生育環境保護のため窓はなく、川面への光が遮断されている「美郷ほたる館」

編集部

美郷ほたる館は、ホタルを通じて美郷地区の魅力に触れられる施設だとお伺いしました。まずは施設の特徴についてお話しくださいますか。

上家さん

当館は吉野川に注ぐ川田川のほとりに位置しており、ホタルと美郷地区の自然、受け継がれてきた暮らしを伝える総合案内所の位置付けです。

美郷ほたる館周辺に生息しているホタル
▲美郷ほたる館の周辺に生息している天然のホタル

美しい郷と書いて「美郷」です。美郷地区がホタルおよびその発生地として、国の天然記念物に指定されたのは1970年のことでした。地区全体が自然と暮らしの野外博物館(エコミュージアム)であり、当館では地元の自然や暮らしの知恵・技を展示や映像を通して紹介しています。

美郷ほたる館1階の展示室
▲美郷ほたる館1Fの展示室

美郷ほたる館スタッフの上家さん
▲今回のインタビュー取材に快く応じてくださった美郷ほたる館のスタッフ・上家さん

加えて期間限定の企画展も開催しており、2022年の2月現在は「故後藤田正晴(ごとうだまさはる)元副大臣(※)の生家模型展」を開催中です。

※自由民主党所属の政治家(旧内務省出身)で、1914年に現徳島県吉野川市美郷に生まれ、2005年に逝去した。辣腕ぶりから「カミソリ後藤田」の渾名を持ち、内閣官房長官や法務大臣、副総理大臣などを歴任。1997年には勲一等旭日大綬章を受けている。

編集部

美郷ほたる館は、自然環境の保護、そして観光開発と2つの目的を持った拠点施設なのですね。地元の方や美郷地区に関心を持つ方を中心に組織される「美郷宝さがし探検隊」とともに、ホタルが自然生育できる環境を守るために活動されている、と伺っています。

美郷宝さがし探検隊の皆さん
▲美郷ほたる館での体験サポートやガイドを務められる「美郷宝さがし探検隊」の皆さん

建物の2階には美郷地区の気候風土に関するパネルやホタルと生き物に関するパネル、1階にはホタルと周辺環境との関わりや美郷の歴史を学べるコーナー、そして地階には野外観察ひろばや人工河川などがあるとのことですね。カップルで初めて訪れても、さまざまなアプローチでホタルや美郷地区の魅力を発見できそうな気がします。

童心に帰る!ホタル観賞や川遊びなど里山の体験プログラムも充実

編集部

上家さんが思われる美郷ほたる館を訪れるべき魅力について、ぜひお話しください。

上家さん

例年5月中旬~6月中旬頃には、美郷のホタルが優しい光で皆さんを迎えてくれます。当地のホタルは天然記念物に指定されているため、当館でホタルを繁殖させているわけではなく、すべて自然発生によるものです。

2015年6月に開催された美郷ほたるまつりの夜景
▲過去に開催された「美郷ほたるまつり」での夜景

闇夜に浮かび上がるホタルの光
▲闇夜に浮かび上がる幻想的なホタルの光

美郷ほたる館周辺でホタルを鑑賞する人々の様子
▲例年5月中旬~6月中旬頃にはホタルを鑑賞する人々で賑わう

毎年7月・8月には川遊び体験を実施しており、多くの方が訪れます。水生昆虫を探したり、昔ながらの竹の水鉄砲やイカダで遊んだりと、楽しい時間をお過ごしいただけるでしょう。

ほかにも梅の収穫や石積み、蕎麦打ち、民芸品のほたるかご製作といった体験を随時開催しております。具体的なスケジュールは「美郷アレコレ」という冊子に掲載しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

▼参考:「美郷アレコレ」2021年初夏号
http://www.misatoya.or.jp/new5004.html

美郷ほたる館で行われる梅の収穫体験
▲フレッシュな梅をお土産に持ち帰れる「梅ちぎり」体験

美郷ほたる館での石積み体験の様子
▲美郷地区ならではの伝統!「石積み体験」

高開石積みの風景
▲「にほんの里100選」にも選ばれた高開石積みの風景

美郷ほたる館の蕎麦打ち体験
▲老若男女に大人気の「蕎麦打ち体験」

美郷ほたる館で体験できるほたるかごの製作
▲麦わらで制作する「ほたるかご」はお土産にもぴったり

編集部

美郷ほたる館は訪れる時期によって、いろいろと違った体験ができますね。

私が特に心惹かれたのは、やはり野生のホタルを観賞できることです。ホタルは生息地が限られる貴重な生物ですから、ぜひ時期を合わせて訪れて、じっくりと観察してみたいと思いました。暗闇の中で仄かな光が飛び交う幻想的な光景をカップルで眺めれば、ロマンチックなシチュエーションのなかでぐっと二人の距離を縮められそうです。

美郷ほたる館では館内の展示プログラムも充実していますよね。上家さんが館内で特にお気に入りのものや場所などありますでしょうか。

上家さん

当館地階からつながる川田川ですね。博物館の一部でありながらも自然の中であるという、ホッとできる場所となっています。

美郷ほたる館周辺にある川田川で川遊びする人々を俯瞰
▲美郷ほたる館の地下からは川田川に出られる

川田川と高開石積みの集落光景
▲川田川と高開石積みが織りなす集落の光景は、まさに日本の里山の原風景と言えるもの

編集部

美郷ほたる館の地下出口からは河原に続く階段があって、そこから川田川に降りられるのですよね。入館料と川遊び料金を支払うと、水中スコープや網、浮き輪、ライフジャケットなどの川遊び道具を無料レンタル可能とのことで、デート途中に手ぶらで訪れても、存分に川遊びを満喫できそうだと思いました。子供の頃に戻って、二人で無心に川遊びに興じるのもよい思い出になるでしょう。

また川沿いにはバーベキュースペースもあるので、訪れる時期がホタル観賞の時期とは合わなくても、カップルでも楽しめる要素が多いスポットだと感じますね。

川田川にて水鉄砲遊びに興じる人々
▲昔懐かしい竹製の水鉄砲は、川遊びにはおすすめのアイテム!

川田川で水生昆虫を夢中で探す子どもたち
▲思わず夢中になる水生昆虫探し!

川田川で採れた水生昆虫を観察している様子
▲水生昆虫を見つけてじっくり観察してみれば、二人で子供時代にタイムスリップ!

川田川でいかだに乗る子どもたち
▲いかだに乗って遊ぶ子どもたちの姿も見かける

ちなみに美郷ほたる館には、訪れたカップルがゆっくりと過ごせるような場所はありますでしょうか。

上家さん


館内にはYogibo(ヨギボー)やベンチを設置しておりますので、ぜひ適度に休憩を挟みながら見学していただけたらと思います。

美郷ほたる館1FのYogiboが設置されているコーナー
▲Yogiboが設置されている1階の休憩スペース。いかにものんびりできそう

美郷ほたる館1FのYogiboが設置されているコーナーでくつろぐ人々
▲映像を観ながらのリラックスしたひと時も過ごせる

編集部

リラックスできるスペースも用意されており、「のんびりデートを楽しみたい!」と考えるカップルにも、美郷ほたる館はぴったりのデートスポットになりそうです。Yogiboで休憩しながらホタルの展示に関する感想を話し合ったり、次に訪れるデートスポットやランチスポットについて相談したりと、二人でくつろいだひと時を過ごせますね。

「美郷ほたる館」の口コミ・評価をチェック!

美郷ほたる館の地階から観察できるホタルの乱舞

編集部

利用者の皆さんからよく耳にされる声がありましたら、教えていただけますでしょうか。

上家さん

ホタルの時期には、「ホタルを初めて観ました!」「ホタルの数にびっくりしました!」といったお声をよく聞きます。また夏になると、「川遊びに最適!」「遊びやすい川があって嬉しい!」などの感想も多いですね。

編集部

美郷ほたる館の周辺に生育するホタルが多いことは、ご紹介くださったホタルが光る写真を見ても一目瞭然ですね。今の時代にホタルの光が乱舞するような幻想的な光景は、そうそう誰でも眺められるものではないので、大切なデートの貴重な一コマになると思います。

また美郷ほたる館付近の川田川は浅瀬ですから、川遊びに慣れていない方にも危険が少なく、初めて訪れるカップルでも気軽に楽しめそうだと感じました。

「展示が分かりやすい!」「体験プログラムが楽しい!」との声も

編集部では、GoogleやSNS上に残された美郷ほたる館についての口コミや評価をチェックしてみました。以下のような声もありましたので、要約して紹介します。

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ホタルに関する展示が分かりやすく、楽しみながら知識を深められた。
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川遊びとバーベキューでリフレッシュできた。
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体験プログラムが楽しい!スタッフの方が親切に教えてくださり、充実した時間を過ごせた。

展示や映像が理解しやすい点、さらには川遊びや製作などの体験プログラムが豊富に用意されている点が高評価につながっているようでした。自然が好きなカップルや、ホタル観賞でロマンチックなひと時を過ごしたいカップルにとっては、ぴったりのデートスポットだと感じます。

「美郷ほたる館」からカップルへのメッセージ

国道193号線側から眺める美郷ほたる館の外観

編集部

最後になりますが、デートでの来館を検討しているカップルに向けて、一言メッセージをお願いします。

上家さん

そもそもホタルの光は求愛の印ですので、ホタルを観て愛の告白を行っていただくのはいかがでしょうか。実際にホタル観賞が初デートだったカップルさんが、結婚式の前撮りに来られたこともありました。

普段は家族連れが多いのですが、やはりホタルの時期にはカップルでのお越しが多い印象です。美郷ほたる館は観光案内所も兼ねていますので、ぜひ何でも聞いてくださいね。

編集部

初デートでホタル観賞をした思い出のデートスポットを訪れて、二人で結婚式の前撮りですか。素敵なお話しを伺いました。カップルでホタルの光に包まれるロマンチックなムードであれば、告白の成功率もグッと高まりそうに思えますね。

上家さん、本日は貴重なお話しをたくさんお聞かせいただきまして、大変有難うございました。

「美郷ほたる館」の基本情報

住所 〒779-3051
徳島県吉野川市美郷字宗田82-1
アクセス 【車】
徳島自動車道の脇町ICから約20分

【電車】
JR徳島線の阿波山川駅で下車後、バス利用で約15分
電話番号 0883-43-2888
営業時間 9:00~16:30
※ほたるまつり期間中(5月20日〜6月20日)は9:00~21:30
休館日 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始
※ほたるまつり期間中は無休
駐車場 あり
料金 大人(高校生以上):200円
小学生以上:100円
小学生未満:無料
空いている曜日・時間帯 ほたるまつり(5月20日~6月20日)期間以外の平日全時間帯
平均的な滞在時間 1時間程度
公式サイト https://www.misato-hotarukan.jp/

※最新の情報は公式サイト等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。

「美郷ほたる館」の前後に立ち寄りたいデートスポット

先のデートプランで触れた、二人で訪ねるおすすめの近隣スポットをまとめました。美郷ほたる館の前後に足を延ばせば、一層充実したデートになるのではないでしょうか。

おすすめのデートスポット

二人で和紙漉きの体験ができる「阿波和紙伝統産業会館」

奈良時代から続く阿波和紙の歴史と伝統を継承しつつ、新たな和紙文化を発信しているのが「阿波和紙伝統産業会館」です。オリジナルの阿波和紙を製作できる「紙漉き体験」を実施する人気の観光スポットであり、ハガキ判なら3枚、半紙判なら2枚の和紙作りにチャレンジできます。

館内にはミュージアムショップもあり、阿波和紙を用いたセンスのよいブックカバーや名刺入れ、コースターなどが並べられ、デートの記念にも最適です。

お揃いのアイテムを購入したり、お互いにプレゼントを選んだりしても、カップルで楽しいひと時を過ごせますよ。

公式URL:阿波和紙伝統産業会館

国内に2か所しか残らない貴重な「うだつの町並み」

「うだつ」とは隣家との境に設けられた屋根付きの土造り防火壁のことで、後に富裕の象徴ともなったことから、江戸期には近畿地方の商家を中心に競うように築かれていました。

現在で「うだつ」が見られるのは、岐阜県美濃市と徳島県美馬市の2か所のみと言われています。美馬市の「うだつの町並み」では、85軒が立派なうだつを並べる壮観な光景を眺めることが可能です。

江戸期の情緒あふれる町並みを背景に、ぜひカップルでフォトジェニックな一枚を撮影してみてくださいね。

参考URL:美馬市役所「うだつの町並み」

世界三大奇勝の一つ!自然が生んだ芸術「阿波の土柱」

「阿波の土柱(あわのどちゅう)」は、土でできた柱やカーテン状の襞(ひだ)が林立する四国を代表する観光名所の一つ。世界でも同様の地形は、米国のロッキー山脈とイタリアのチロル地方、そして徳島県阿波市でのみしか見られないと言われており、「世界三大奇勝」とも称されています。

最大の波濤嶽(はとうがたけ)が1934年に国の天然記念物に指定されたほか、2017年には四国らしさが感じられる景観として、「四国八十八景」の一つにも選定されました。

夜間はライトアップされますので、光と土柱が織りなす幻想的な光景も楽しめます。カップルでホタル観賞の後に訪れてみれば、二人にとっての印象深い一夜となることでしょう。

参考URL:一般社団法人阿波市観光協会「阿波の土柱 国の天然記念物」

デートランチにおすすめのお店もチェック!

美郷物産館
たねのや

まとめ:里山とホタルの魅力に触れる印象深い一日を!

今回は徳島県吉野川市にある「美郷ほたる館」を中心に、二人で里山やホタル、そして地元吉野川市周辺の魅力を満喫できるデートプランを紹介しました。

美郷ほたる館では、ホタルや里山の生活に関する多彩な展示や映像を通じて、貴重な天然のホタルの生態を学べるほか、川遊びや製作体験なども楽しめます。例年5月中旬~6月中旬頃には、同館の周囲で野生のホタルを観賞できますから、可能ならば時期を見計らって訪れるとよいでしょう。

ぜひ今回紹介した内容を参考にデートを計画して、地元の魅力を堪能する印象深い一日をお過ごしくださいね。