五條新町の趣きある町並みを堪能する“映え”デートスポット巡り|奈良県

今回ご紹介するデートプランは、五條市観光協会の時永さんにお尋ねした情報を元に作成した、五條新町の撮影スポットをめぐる、“映え”デートプランです。

五條新町は奈良県や大阪府の中心市街地から車で約1時間、無料の観光用駐車場があり、駅からも近く、車でも電車でもアクセスがしやすい観光スポットです。

江戸時代からの歴史を受け継ぐ五條新町には、昭和前期までの各時代の特徴を残した、多くの建物が立ち並んでいます。

築250年もの町家を利用した飲食店をはじめとした、レトロモダンな魅力を活かしたグルメスポットもたくさんありますよ。

そこで今回は、歴史好きのカップルや、タイムスリップしたかのような古い町並みが好きな方にぴったりな撮影におすすめのデートプランを紹介していきます。

五條新町は江戸からの歴史が残る情緒あふれる町

五條新町の新町通り

五條新町は奈良県五條市のJR「五条駅」と「大和二見駅」の中間にあり、江戸時代からの趣が残る町として「五條市五條新町伝統的建造物保存地区」に指定されています。

なかでも、「新町通り」は江戸から昭和にかけての建築が残り、各時代の様子を知ることができます。

約900メートルの新町通りには、文化財の指定を受けている江戸時代の町家をはじめ、昭和初期の近代建築も建ち並んでおり、4世紀にわたって継承されてきました。

また、新町は近世初頭、すでに町場として栄えていた五條村と、二見城のあった二見村をつなぐように城下町の一部として築かれました。

吉野川北岸を並行に通る旧紀州街道(伊勢街道)沿いに、間口と奥行のそろった敷地割りをもつ町家が真っすぐに並んでいます。二見城の廃城後も、商業を基盤とした街道の宿場町として発展し、現在まで脈々と受け継がれています。

五條新町の映えスポット巡りおすすめルート

ここからは五條新町を中心とした、写真映えするデートスポットを紹介します。

五條新町は徒歩でのんびり、自分たちのペースで散策できることも魅力の一つです。五條新町は町並みを観光するための駐車場が整備されており、また駅から近く、JR「大和二見駅」から徒歩10分ほどと、車でも電車でも来場が可能です。

江戸、明治、大正、昭和の町家から近代建築まで、歴史的な建物に出会うことができ、古い町家をリノベーションしたモダンなお店でお食事しながら、のんびり過ごせるスポットを紹介していきます。

新町通りの趣のある町並みの写真や、町家の中でタイムスリップしたような写真がたくさん撮れますよ。

おすすめ“映え”スポット1「まちなみ伝承館」

五條新町にあるまちなみ伝承館

「まちなみ伝承館」は民家として実際に使用されていた建物を改修整備し、往時の風情を今に伝えるため、平成16年にオープンしました。まちなみの歴史や文化に関する資料を展示しており、自由に見学が可能です。

五條新町のまちなみ伝承館の内部
▲内部もしっかりと町家の風情が残されています。

駐車場やトイレも自由に利用できるので、五條新町探索の拠点として、最初に立ち寄って、五條新町の知識を深めるのがおすすめです。五條新町の町並み散策がより一層楽しくなりますよ。

公式:五條市「まちなみ伝承館」

おすすめ“映え”スポット2「栗山家住宅(五條市指定文化財)」

五條新町の栗山家住宅(五條市指定文化財)

栗山家住宅(五條市指定文化財)は「元禄9年(1696)」と銘打たれた棟札(※)と、翌年の銘の瓦が発見された江戸時代初期の住宅です。
※建築の記念や記録のために、施主や大工、建造年月日などが記された板

造りとしては厨子二階建て(※つしにかいだて)ですが、外からは平屋に見える構造となっており、二階建ての町家が建ち並ぶ五條新町の中では、特徴的な建物です。
※天井が低い2階部分がある建物。

ちなみに、「栗山家住宅」は近所にもう一軒あります。ここで紹介した栗山家住宅は五條市指定文化財に指定されており、ここから北へ徒歩1分ほど行くと、国の重要文化財に指定された「栗山家住宅」があり、「おすすめ“映え”スポット4」で紹介しています。
※現在も居住されているため内部非公開。

公式:五條市「文化財に指定されている古民家」

おすすめ“映え”スポット3「中家住宅」

五條新町にある中家住宅

中家住宅(奈良県指定文化財)は元禄16年(1703年)に起こった大火災の翌年である宝永元年(1704年)に建築されました。

大火の教訓を受け、二階部分の壁面には窓を設けず、軒裏まで漆喰で塗り込むなど、防火対策が入念に行われているところが見どころの建物です。
※現在も居住されているため内部非公開。

公式:五條市「文化財に指定されている古民家」

おすすめ“映え”スポット4「栗山家住宅(重要文化財)」

五條新町の栗山家住宅(重要文化財)

栗山家住宅(重要文化財)は「慶長12年(1607)」と棟札に残されており、建築年代が明らかな民家としては最古の建物です。

本瓦葺の反りの強いの屋根が特徴的で、大きく立派な構えを持っています。内部に柱を一本も立てない広い土間があり、太い牛梁(※)や美しい小屋組をのぞむことができます。
※牛の背骨のように湾曲した梁
※現在も居住されているため内部非公開。

公式:五條市「文化財に指定されている古民家」

おすすめ“映え”スポット5「吉野川の河川敷」

五條新町の吉野川河川敷

新町通りのすぐ横に流れる吉野川の河川敷では、吉野川の清流と景観美をゆったりと楽しみながら散歩できます。

この河川敷では、春の3月後半から5月の上旬まで、たくさんの鯉のぼりが掲揚され、その圧巻の景色を見に多くの方が訪れます。

吉野川河川敷に掲揚される鯉のぼり
▲約200匹もの鯉のぼりが大空を泳ぎます。

また、毎年8月15日には「全国花火大会百選」に選ばれた「吉野川祭り」が開催され、大勢の方で賑わいます。

吉野川河川敷で開催される吉野川祭り
▲音楽に合わせて、約4,000発の花火が夜空を彩ります。

公式:五條市観光協会「吉野川」

おすすめ“映え”スポット6「旧国鉄五新線」

五條新町にある旧国鉄五新線

旧国鉄五新線は、明治時代に奈良県五條市と和歌山県新宮市を結ぶ「五新鉄道の建設を!」との声が高まり、昭和14年に念願の五新鉄道の建設が始まりました。

しかし、太平洋戦争が始まり、吉野川横断の鉄橋の橋脚などを完成させながらも、工事は中止となりました。

その後、昭和29年から工事が再開されましたが、昭和56年に工事が凍結、計画は断念され、結局列車が走ることはありませんでした。五新鉄道は一度もレールを引かれることのない「幻の五新鉄道(未成線)」となったのです。

この五新鉄道を題材として、映画監督・河瀨直美氏が「萌の朱雀」を撮影し、同作品で第50回カンヌ国際映画祭のカメラ・ドールを受賞しています。また、五條市出身の尾野真千子さんは、この映画で主演デビューしています。

五條新町にある旧国鉄五新線の橋脚
▲趣あるアーチ状の橋脚にツタが張り、苔むした姿には哀愁を感じさせられます。

公式:五條市「幻の五新鉄道」

おすすめ“映え”スポット7「大野屋」

五條新町にある大野屋の外観

花火大会でおなじみの、「かぎやー、たまやー」のかけ声は、江戸で活躍した花火師の屋号「鍵屋」「玉屋」が由来になっています。

「鍵屋」の初代弥兵衛(やへえ)は、現在の五條市大塔町篠原の出身で、新町村で火薬製造の技術を学び、江戸に出て「鍵屋」を開いたと伝えられています。

大野屋では、この「鍵屋」の宗家花火鍵屋15代目の写真や資料が展示されています。展示を見てからお祭りの花火を鑑賞すると、今までとは花火の見え方が変わって面白いですよ。

ほかにも、大野屋では五條市起業家支援施設として、食堂・カフェ・展示の3つのスペースがあり、グループや法人による創業や起業の新たな分野の進出の支援に利用されています。

五條新町にある大野屋のカフェスペース
▲カフェは雰囲気の良く、小休憩にぴったりですよ。

公式:五條市「大野屋」

おすすめ“映え”スポット8「山田旅館」

五條新町にある山田旅館

山田旅館は明治中頃に建築された現役の旅館で、五條市の最古の旅館です。東側の妻(※)に掲げられた「五二館」という看板は、創業者が五條村と二見村の間にある旅館ということで頭文字を取って名付けた当初の旅館の名前だそうです。
※建物の軒先に直行している方向

映画のロケにも使われるほど風情があり、いつも笑顔の女将さんが出迎えてくれる心休まる旅館です。

東側の妻に掲げられた「五二館」という看板
▲趣のある旅館の看板は歴史を感じさせます。

五條新町にある山田旅館の内観
▲宿泊だけでなく、喫茶やお食事の利用も可能です。

五條新町にある山田旅館の客室
▲客室は他では味わえないほどの趣がありますよ。

公式:五條市観光協会「五條市で“泊る”」

一緒に立ち寄りたいおすすめスポット「松倉豊後守重政之碑」

五條新町の新町通りにある松倉豊後守重政の石碑

石碑になっている松倉豊後守重政は、五條新町が現在まで栄えるきっかけを作った人物です。

松倉豊後守重政は関ケ原の戦いの功績により、1万石余りの大名として、慶長13年(1608)に二見城の城主となりました。そして、二見城と五條村を結び、城下町として吉野川に沿った新町を開設し、商人の町として繁栄させたのです。

紹介しているおすすめルート・新町通りの途中に石碑がありますので、松倉豊後守重政が栄えさせた現在の五條新町を見ながら思いを馳せてみてくださいね。

五條新町の食べる“映え”スポット

ここからは五條新町で食べられるおすすめグルメを紹介していきます。

新町通りには、古い町家を改修した飲食店がいくつも営まれています。町家の雰囲気を残しつつ、かつ現在の要素も取り入れたモダンなお店がたくさんありますよ。

店舗もメニューも写真映えするお店ばかりなので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

食べる“映え”スポット1「五條 源兵衛」

五條新町にある「五條 源兵衛」の外観

「五條 源兵衛」は、江戸・明治・大正・昭和前期の建物が軒を連ねる五條市の「新町通り」の一角にある築250年の商家で、「栄養価が高くて美味しい」と評判の五條の野菜と、引き立て合う旬の食材にこだわった料理が食べられます。

五條新町にある「五條 源兵衛」の店内
▲店内は大人のデートにぴったりな雰囲気です。

昼・夜ともに、五條市の野菜を中心としたコース料理が提供されており、野菜に合わせたお魚や大和牛のコースをいただけます。

五條新町にある「五條 源兵衛」のお料理
▲色とりどりの美しい料理は、写真映えすること間違いありませんよ。

築250年の守り継いできた町家建築の中で提供される、野菜が主役の料理一品一品に店主のこだわりが伺えます。

「五條 源兵衛」では、昼間は予約優先、夜間は完全予約制となっています。昼間は予約がないと入れないことも多いので、予定が決まっている方は、予約を入れておくと安心です。

「五條 源兵衛」のおすすめ映えメニューは「大和の恵みの昼コース」!

「大和の恵みの昼コース」は、その日の朝に採れた五條野菜を使った料理に、大和牛のステーキを加えた、ちょっと贅沢なコース料理で、昼間の営業時間のみのメニューとなっています。

女性のみならず男性からも選ばれている絶品メニューです。

お食事と一緒にお酒を楽しみたい方は、日本酒のペアリングコースがおすすめです。奈良の蔵元の地酒をはじめ、日本各地のお酒が取り揃えられており、お酒に合う料理を提供してもらえます。

時永さんからのおすすめポイント

男性スタッフのアイコン
時永さん

春はタケノコ、夏は鮎、秋は柿、冬はジビエなど、地元の旬の食材で作られた一品で、口いっぱいに広がる五條の味を感じていただけますよ。

「五條 源兵衛」の基本情報(アクセス)

住所 五條市本町2丁目5-17
電話番号 0747-23-5566
最寄り駅
アクセス
【徒歩】
・JR五条駅より 徒歩約15分
・JR大和二見駅より 徒歩約10分
【車】
・京奈和自動車道「五條IC」下車南へ 約5分
営業時間 【昼】
1部:11時~12時30分(※予約優先)
2部:12時30分~14時(※予約優先)
【夜】
17時30分~20時30分(※要予約)
定休日 火曜日
公式サイト https://genbei.info

食べる“映え”スポット2「山直」

五條新町にある山直

山直は新町通りの中ほどにある高札場(※こうさつば)跡の前に建つ、明治15年(1882)創業のお食事処です。

※幕府や領主が決めた掟を札に書き、人目に付くよう高所に掲げておく場所

五條新町にある山直の店内
▲風情あるお店の中で、昔ながらのほっこりする味のお料理がいただけます。

「山直」のおすすめ映えメニューは「鍋焼きうどん」と「カレーうどん」!

五條新町の山直の鍋焼きうどん

人気メニューは「鍋焼きうどん」と「カレーうどん」です。落ち着いた雰囲気の店内で、アツアツの鍋焼きうどんを食べると、心も体もほっこりします。

アツアツの鍋焼きうどんとカレーうどんを「ふー、ふー」しながらシェアして食べてみてくださいね。

男性スタッフのアイコン
時永さん

私のおすすめは牛カツカレーです。濃縮されたカレールーと牛カツのハーモニーがたまりません。

「山直」の基本情報(アクセス)

住所 五條市新町1丁目11-9
電話番号 0747-22-2158
最寄り駅
アクセス
【徒歩】
・JR五条駅より 徒歩約15分
・JR大和二見駅より 徒歩約10分
【車】
・京奈和自動車道「五條IC」下車南へ 約5分
営業時間 11:00~19:00
定休日 月曜日、第2・4日曜日
参考サイト 食べログ:https://tabelog.com/nara/A2905/A290501/29003171/

食べる“映え”スポット3「ラミ・ダンファンス アラメゾン」

五條新町にある「ラミ・ダンファンス アラメゾン」の外観

「ラミ・ダンファンス アラメゾン」は、五條市で本格的なフレンチが味わえるお店です。古い町家を改修して、落ち着いた雰囲気の中でコース料理をいただけます。

五條新町にある「ラミ・ダンファンス アラメゾン」の店内
▲店名の「ラミー・ダンファンス」はフランス語で「竹馬の友」。田舎の風景や古民家の懐かしさを感じる店内で、最高のフランス料理をいただけますよ。

シェフが作り出す本格的なフレンチは、地産地消による食材の新鮮さにこだわっており、素材の味を生かしたフレンチの真髄を味わうことができます。

おしゃれなフレンチでデートを飾ってみてはいかがでしょうか。お食事をしながら2人の会話が弾みますよ。

「ラミ・ダンファンス アラメゾン」のおすすめ映えメニューは「スペシャルランチ」と「スペシャルディナー」!

五條新町にある「ラミ・ダンファンス アラメゾン」のお料理

スペシャルランチとスペシャルディナーは、五條の新鮮な野菜や極上の素材を使った、特別な日を飾るのにぴったりなお料理です。お肉とお魚の両方のメインをいただけて、手作りデザートは彩り美しく、写真映えしますよ。

五條新町にある「ラミ・ダンファンス アラメゾン」の肉料理
▲デートや記念日の際に、ワンランク上のお食事をしたい方におすすめのメニューです。

時永さんからのおすすめポイント

男性スタッフのアイコン
時永さん

五條でとれたジビエの料理や自家製ハムも美味しいですよ。

「ラミ・ダンファンス アラメゾン」の基本情報(アクセス)

住所 五條市二見1丁目9-28
電話番号 0747-24-2205
最寄り駅
アクセス
【徒歩】
・JR五条駅より 徒歩約20分
・JR大和二見駅より 徒歩約5分
【車】
・京奈和自動車道「五條IC」下車南へ 約5分
営業時間 【昼】
11:30~15:00
【夜】
18:00~22:00(完全予約制)
定休日 水曜日
公式サイト https://lamidenfance.com

食べる“映え”スポット4「GOJO GIROCCO」

五條新町にある「GOJO JIROCCO」の外観

「GOJO GIROCCO」は古い酒蔵を改造したダイニングバーで、本当は教えたくない「大人の隠れ家」として、多くの人に愛されています。

五條新町にある「GOJO JIROCCO」のバーカウンター
▲店内は蔵の造形を残し、梁を活かした空間が広がります。

五條新町にある「GOJO JIROCCO」のバーカウンター
▲バーカウンターから見える白い蔵の壁は、情緒的で素敵な雰囲気を醸し出しています。

「GOJO GIROCCO」のおすすめ映えメニューは「季節のフルーツカクテル」!

五條新町にある「GOJO JIROCCO」の季節のフルーツカクテル

季節ごとの旬の果物を使用した、フレッシュフルーツのカクテルがおすすめです。五條市特産のフルーツを使ったカクテルで季節の移り変わりを感じてみてください。

時永さんからのおすすめポイント

男性スタッフのアイコン
時永さん

地元の食材を使用したパスタやピザ、サンドウィッチも人気で、一軒目からのご利用もOKなお店です。

五條新町にある「GOJO JIROCCO」のカルボナーラ
▲フードメニューも非常におしゃれで写真映えしますよ。

「GOJO GIROCCO」の基本情報(アクセス)

住所 五條市本町2丁目2-2
電話番号 0747-23-2605
最寄り駅
アクセス
【電車】
・JR五条駅から徒歩15分
【車】
・京奈和自動車道「五條IC」下車 南へ約5分
営業時間 18:00~24:00
定休日 日曜、第4月曜日
公式サイト https://girocco.jp

取材協力:五條市観光協会(https://www.gojo.ne.jp/g-kanko/