「筑豊一ノ宮 風治八幡宮」で両家の絆が深まる、日本古来の神前式を|福岡県田川市の神社

今回は、福岡県田川市にある「筑豊一ノ宮 風治八幡宮(ちくほういちのみや ふうじはちまんぐう)」での神前式についてご紹介します。

風治八幡宮のある田川市は、福岡県の中央部「筑豊地方」にあり、古くから炭鉱の町として知られています。山間部も多い自然いっぱいのエリアで、景色の良い場所や歴史ある史跡などもたくさんあるんですよ。

そんな田川市にある風治八幡宮では、静かな環境の中で、日本古来の伝統や両家の結びつきを大切にした神前式をすることができます。

家族中心の結婚式をしたい、披露宴は行わず挙式だけ行いたい、というカップルにおすすめです。

今回は、風治八幡宮の権禰宜である瀬戸さんに、風治八幡宮の特徴や神前式の魅力について教えていただきました。

基本情報

筑豊一ノ宮風治八幡宮の前で笑顔の新郎新婦

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で笑顔の新郎新婦

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で撮影する新郎新婦

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で撮影する新郎新婦

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で撮影する新郎新婦

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で銀杏の木を背景に撮影する新郎新婦

おすすめポイント
  • 地域に愛され続ける氏神様の前で神前式ができる
  • 白無垢以外の着物でも挙式が可能
  • 樹齢400年の「夫婦楠」などフォトスポットが充実
挙式スタイル 神前式
対応人数 2~50名
予算目安 初穂料:5万円

田川を見守る氏神様「風治八幡宮」

筑豊一ノ宮風治八幡宮の外観

「風治八幡宮」は、自然あふれる筑豊地方にある神社です。「一ノ宮」とは、地域の中で最も社格の高いとされる神社のことです。

小高い高台の上に建っていて境内からの眺めが良く、また四季を感じる自然に囲まれ、心穏やかになれる場所でもあります。

そんな風治八幡宮での神前式は、伝統的な式次第に沿って厳かに行われますが、新郎新婦からの希望があれば変更を加えたり、白無垢以外の衣裳で行うこともできます。

挙式をするふたりに寄り添った対応をしてくれるのも嬉しいポイントですよ。

それでは権禰宜の瀬戸さんに、風治八幡宮について詳しく伺っていきましょう。

「六柱の神さま」を祀る由緒ある神社

編集部

まずは風治八幡宮がどんな神社なのか、由緒などを教えてください。

瀬戸さん

風治八幡宮は、古くは「伊田大神(いたおおかみ)」と称し、弘仁8年(817年)、田川の里を鎮め護るお社として造営されました。

古い言い伝えに、神功皇后(じんぐうこうごう※1)がこの地を訪れた際、伊田大神に祈りを捧げて暴風雨を治めたとあります。

その伝説にちなんで八幡神(はちまんしん※2)を勧請(かんじょう※3)し、「風治」の字を国主に賜って「風治八幡宮」という現在の形となりました。
(※1)14代天皇仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后
(※2)15代天皇「応神天皇」のこと
(※3)神仏の来臨を願うこと

八幡神が武人としての命運が長く続いたことから、強運授けのご利益があると云われております。

また、風治八幡宮は御祭神として「六柱(むはしら)の神さま」をお祀りしています。

御祭神同士の関係性が親子、兄弟、夫婦ということから、夫婦円満、家内安全、五穀豊穣や社業繁栄、交通安全などのご利益があるとされ、田川地区の氏神様として篤く敬われています。
(※)応神天皇、仲哀天皇、神功皇后、海津見神(わだつみ)、豊玉姫(とよたまひめ)、玉依姫(たまよりひめ)の六柱

筑豊一ノ宮風治八幡宮にある絵馬殿
▲地域の人々の様々な願い事が書かれた絵馬が奉納されている

編集部

古来から伝わる伝説や日本神話と紐づいたお話は、なんだかワクワクしますね。多くの神社がパワースポットとして人気があるのも、こうした伝説にロマンを感じる人が多いからではないでしょうか。

最寄駅から徒歩3分!高台に立つ眺めの良いロケーション

編集部

風治八幡宮は最寄り駅から歩いてすぐのようですね。周囲はどのような環境なのですか?

瀬戸さん

風治八幡宮は、JR「田川伊田駅」から徒歩3分の場所にあります。古書には「伊田宮山」と称され、神社境内だけが周辺より小高い高台になっています

そのため周囲の眺めが良く、祈願中でも社殿の中で緑薫る風を感じ、社前からは「炭坑節」で唄われる二本煙突を臨むことができます。

編集部

炭坑節とは「月が~でたで~た~…」という歌ですね。歌詞の中に「あまり煙突が高いので、さぞやお月さんけむたかろう」と出てきますが、その煙突を見ることができるとは!

田川市の人達にとっては、なじみ深い「我が町の風景」だと思います。そんな景色が一望できる神社で挙式をすると、生涯忘れられない思い出になりますね。

参考:炭坑節の風景について田川市公式サイト

伝説の腰掛け石など見どころも満載!

編集部

風治八幡宮に観光として訪れた場合に「ここはぜひ見てほしい」というポイントをご紹介ください。

瀬戸さん

風治八幡宮は、「八幡造り(はちまんづくり)※1」でありながら、ご神殿が「神明造り(しんめいづくり)※2」という全国でも珍しい建築様式になっているところにご注目いただきたいですね。
(※1)神座のある後殿と前殿が別棟になっている形式
(※2)屋根が切妻造り、屋上に千木・鰹木と呼ばれる木材をのせるのが特徴

筑豊一ノ宮風治八幡宮の神明造りが分かる外観
▲写真の奥が神明造りになっているご神殿

実は風治八幡宮社殿は、平成初期に火災によって焼失してしまいました。

その後、地域の方々のご協力によって新たに建て替える際、伊勢神宮より、第61回式年遷宮(せんぐう)によって外宮「土の宮」社殿一棟を賜り、復元建築を致しました。よって、特殊な造りになっております。

そして、正面参道に入る一の鳥居の隣には、神功皇后が暴風雨を治める際に腰掛け祈願した伝説の「神功皇后の御腰掛け石」があります。

筑豊一ノ宮風治八幡宮にある神功皇后の御腰掛け石
▲神功皇后の伝説が残る腰掛石はどこか神秘的

また、境内社には「全国唯一社・封宮(ふうじぐう)」が鎮座しております。

筑豊一ノ宮風治八幡宮の封宮
▲全国で唯一とされる封宮は必見!封宮の御朱印もある

三柱(思兼神(おもいかねのかみ)・久那土神(くなどのかみ)・武内宿禰神(たけのうちのすくねのかみ))の神様をお祀りしており、自身が抱える悩みごとや災いごとを封じてくれます

編集部

悩み事やストレスを抱える人が多い昨今、封宮は地域の人達にとって心の拠り所になっているでしょうね。

おみこしが川を渡るパワフルな祭り「川渡り神幸祭」

編集部

風治八幡宮のおみこしを担ぐ大きなお祭りがあると伺いました。どんなお祭りなのですか?

瀬戸さん

例年5月の第三土曜・日曜は風治八幡宮の例大祭日で、例大祭終了後には、神社から大みこしを繰り出して彦山川を渡る「川渡り神幸祭」が開催されます。

風治八幡宮の例大祭日に行われる川渡り神幸祭の様子
▲おみこしや山笠を担ぐ威勢の良い掛け声が祭りを盛り上げる

2基のおみこしと11台の山笠が登場する、豪華絢爛の一大絵巻の様相です。

川を渡ったおみこしと山笠は川向こうのお旅所に一泊し、翌日同じルートを通って神社に帰還します。令和元年の川渡り神幸祭では、2日間で約25万人の人出で賑わいました。

編集部

泊まりがけでおみこしが川を往復するとは驚きました!これは近くで見たら大興奮でしょうね。室町時代から続く伝統の行事というのも納得です。

参考:川渡り神幸祭について田川市公式サイト

「風治八幡宮」で伝統を守りつつ時代に合わせた神前式が叶う

筑豊一ノ宮風治八幡宮の神前式の様子

編集部

古くから田川の護り神であった風治八幡宮ですが、神前式を行うようになったきっかけはありますか?

瀬戸さん

地域の皆様からの「氏神様の前で婚儀を行いたい」との強い希望があったことがきっかけです。

現代では様々な形で結婚式が行われていますが、流行りに関係なく、日本古来の挙式を神殿にて行っています。基本の式次第はありますが、変更を加えることもできます。

また、神社挙式は白無垢で行うもの、と思われる方が多いですが、他のお衣裳で行うことも可能ですよ。

編集部

伝統を守りつつ、今の時代に合わせてアレンジができるのは良いですね。お母様やお祖母様から譲り受けたお着物で挙式をしたいという方など、個別の事情をご相談できるのは嬉しいのではないでしょうか。

風治八幡宮での神前式は、どんなカップルに向いていると思いますか?

瀬戸さん

日本の伝統や歴史を大切にした挙式をしたいおふたりに向いていると思います。また、神前式は親族がすぐそばで見守る形になるため、両家の絆をより深めたい、という方にもおすすめです。

編集部

結婚後は、両家の親族が集まる機会もなかなか無いでしょうし、人と人との繋がりが希薄になりつつある現代だからこそ、近い距離で新しい家族の誕生を一緒に祝うことに意義がある気がします。

夫婦固め・親族固めの盃を大切にした神前式

編集部

風治八幡宮の神前式の流れを教えてください。

瀬戸さん

基本の式次第は以下の通りです。

  1. 参進の儀/新郎新婦を先頭に拝殿へ進む
  2. 一拝/開式に合わせ一拝
  3. 祓式(はらいしき)/儀式に使う物や参列者のお祓い
  4. 祝詞奏上(のりとそうじょう)/神主が神前にふたりの結婚を報告
  5. 三献の儀(さんこんのぎ)/三つ重ねの盃でお神酒をいただく儀式
  6. 誓いの詞奏上/新郎新婦が前に出て、新郎が誓いの言葉を奏上
  7. 指輪交換の儀
  8. 玉串拝礼/新郎新婦…新郎新婦が神前に玉串を捧げる
  9. 親族盃の儀/両家の代表に受けていただいた盃を新郎新婦が受ける
  10. 玉串拝礼/両家代表両家の代表が神前に玉串を捧げる
  11. 一拝/閉式  

筑豊一ノ宮風治八幡宮の参進の儀の様子
▲一歩ずつ歩みを進めながら、夫婦になるという実感が湧く「参進の儀」

筑豊一ノ宮風治八幡宮の神前式の様子
▲お祓いでけがれをはらい清め、災いを取り去る

筑豊一ノ宮風治八幡宮の神前式の様子
▲厳粛な儀式の流れに背筋が伸びて気持ちも引き締まる

筑豊一ノ宮風治八幡宮の神前式の様子
▲夫婦となり、共に歩んでいくことを神様に誓う

筑豊一ノ宮風治八幡宮の神前式の様子
▲両家の結びつきと繁栄を願い、祈りを捧げる

編集部

一つひとつの儀式に意味が込められていて、夫婦になる、という決意や覚悟のようなものがひしひしと伝わってきます。

挙式の流れの中で、特に注目してほしいポイントはありますか?

瀬戸さん

風治八幡宮では、盃事(さかずきごと)を大切に考えております。夫婦固めの盃である「三献の儀」、新郎新婦とそのご両家が家族親族となる「親族固めの盃」があります。

家族と歩んできた今までの道のり、夫婦として結ばれるということ、新しく家族となられる方々とのこれからのことなど、様々な想いを巡らせながら、誓いの儀式に臨んでもらいたいです。

編集部

3つの盃は、過去への感謝、現在の決意、未来への希望、を表しているのですね。結婚式を行う意味が込められていて、一連の儀式の中でも特に大切にされている理由がよく分かります。

樹齢400年を超えて寄り添う「夫婦楠」

編集部

風治八幡宮の「ここが自慢!」というところがあれば教えてください。

瀬戸さん

社殿右側に、本殿火災の煽りを受けながらも耐え抜いた樹齢400年の「夫婦楠」が静かに鎮座しています。

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内にある夫婦楠
▲新しい家族の誕生を見守り続ける「夫婦楠」

境内に並んでそびえる夫婦楠は、400年を超える長い歴史の間、新たにご夫婦になられた幾多の男女を社殿から送り出してきました。

長い年月を経ても仲睦まじく災いを乗り越えていける、というご利益があると思います。

編集部

樹齢400年を超えてもなお、豊かな緑の葉をつけて生命力にあふれていますね。2本寄り添うように立っている姿は、まさしく理想の夫婦像のように感じます。

季節ごとに彩りを変える境内は絶好のフォトスポット

編集部

風治八幡宮の境内には、豊かな自然があふれているので、季節によって様々な景色が見られそうですね。特に人気がある季節はありますか?

瀬戸さん

11月頃はイチョウの落葉によって境内一面が鮮やかに彩られます。七五三のお祝いもあるのでお子様の声で賑わうシーズンです。

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で撮影する新郎新婦
▲境内には写真に撮りたくなる風景がたくさん♪

編集部

色づいた紅葉に和装が美しく映えて、記念の撮影にもピッタリの季節ですね。

瀬戸さんがお気に入りの季節、おすすめしたい時期などはありますか?

瀬戸さん

新緑がひと際鮮やかな初夏がおすすめです。爽やかな風も心地よく、境内の木々や草花の息吹を感じ、結婚という新たなスタートにふさわしい季節だと思います。

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で撮影する新郎新婦
▲新居にさりげなく飾っておきたい素敵な写真が撮れる

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内で撮影する新郎新婦
▲屋外での撮影は開放感たっぷりだから自然な笑顔になれる

編集部

同じ境内でも、季節や時間帯によって見える景色が変わりますね。事前に下見をしておいて、写真を撮りたい季節に合わせて結婚式の日取りを決めるのも良いのではないでしょうか。

挙式料は両家でそれぞれに用意

編集部

風治八幡宮の挙式料金について教えてください。

瀬戸さん

挙式料は計5万円です。新郎側より2万5千円、新婦側より2万5千円をそれぞれ封筒にてご準備いただいております。

編集部

神前式料金の相場は5~20万円くらいなので、曜日に関係なく全日5万円なら比較的リーズナブルと言えますね。
※参考:初穂料(神前式料)の相場≪ゼクシィnet≫

また、両家が半額ずつそれぞれ用意するという流れも、どちらが負担するかというやり取りをしなくて済むので、スマートで良いなと思いました。

結婚が決まったカップルへのメッセージ

筑豊一ノ宮風治八幡宮の境内を歩く新郎新婦の足元アップ

編集部

最後に、これから結婚式のことを考えるカップルへのメッセージを一言お願いします。

瀬戸さん

大神様の御前での新しい門出ですので、できる限りおふたりのご要望にお応えしたいと考えております。ご不明点などはどんな些細なことでもお尋ねください。

編集部

インタビューを通して、地域に愛され、地域の氏神様として新しい家族の誕生をすぐ近くで見守ってくれる神社だということが良く分かりました。

参考になるお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました!

風治八幡宮の口コミや評判

編集部では、風治八幡宮に行かれた方の口コミを、Googleマップなどで調べてみましたので、一部を要約してご紹介します。

アイコン
キレイにお手入れされて気持ちが良い
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銀杏が見事、写真映えする
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宮司さんがとても親切だった

希少な「封宮」が目当て、という声が多く、神社好きの間では遠くからも足を運ぶ価値のある場所であることが分かりました。

また、地元の田川の方達の「子供の頃からずっと通っている場所」「神社と言えばココ」というコメントも多数あり、改めて地域に愛されている存在であることが実感できました。

風治八幡宮の詳細情報

住所 〒825-0014
福岡県田川市魚町2ー30
アクセス JR日田彦山線「田川伊田駅」徒歩3分
駐車場 あり
付帯設備 控室、着付スペースあり
衣裳・ヘアメイク ご自身での手配
写真 ご自身での手配
予約・申込 1か月前までに予約
公式サイト http://fuuji.net/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

まとめ:田川の氏神様「風治八幡宮」の前で夫婦の誓いをたてて

今回は、福岡県田川市にある「風治八幡宮」で叶う神前式の魅力についてご紹介しました。

風治八幡宮は古くから田川の地を護る神さまとして親しまれ、火災で焼失した後も地域の人達の協力で再建を果たした、人々に愛されてきた神社です。

四季折々の自然を感じる境内には、和装が映える撮影スポットがたくさんあり、美しい写真をたくさん残せますよ。

50名以下の挙式のみを行っているので、披露宴はせず挙式だけやりたい、家族中心のシンプルな結婚式をしたい、というカップルにぴったりです。

福岡県や近隣エリアで結婚式を考えているカップルは、ぜひ参考にしてくださいね。