田苑酒造焼酎資料館を中心に焼酎や地元の歴史に触れるのんびりデート｜鹿児島の博物館
今回は、鹿児島県薩摩川内市にある「田苑（でんえん）酒造焼酎資料館」を中心に、歴史を感じられる市内のおすすめスポットをめぐるデートを紹介します。
田苑酒造は、日本で初めて樽貯蔵による本格麦焼酎を創り出した会社です（※1）。焼酎造りの歴史と雰囲気を体感できるので、お酒（特に焼酎）好きのカップルにはたまらないスポットでしょう。
（※1）参考：「田苑酒造の歩み」田苑酒造公式サイト
また、資料館のある薩摩川内市には、古くから続く温泉街や武家屋敷群など、歴史情緒あふれるスポットが豊富。お酒や町の歴史に想いを馳せる、のんびりとしたデートはいかがでしょうか。
おすすめカップル：焼酎好き、歴史好き、温泉好き
どんなデート？：お酒、焼酎、歴史、学び、温泉、武家屋敷、大盛り
概要：薩摩川内市で歴史情緒を感じるのんびりデート
今回は「田苑酒造焼酎資料館」の見学とあわせて、薩摩川内市の各スポットを巡るデートプランを考えました。
| 今回のデートのメイン |
|---|
| 田苑（でんえん）酒造焼酎資料館 |
| 周辺のデートスポット |
| ・市比野（いちひの）温泉街 ・入来麓（いりきふもと）武家屋敷群 ・湯之滝公園 |
| ランチにおすすめのお店 |
| ・レストラン岡倉 ・仏料理おざ輝 |
田苑酒造焼酎資料館では、雰囲気ある館内で、焼酎造りの歴史に思いを馳せましょう。入館無料なのも嬉しいポイント！
田苑酒造焼酎資料館の近くにある「市比野（いちひの）温泉街」は、江戸時代から続く歴史ある温泉街。日帰り入浴はもちろん、温泉宿にお泊りデートというのも素敵ですね。
同じ市内にある「入来麓（いりきふもと）武家屋敷群」は、中世から続く古い町並みが残るエリア。貴重な史跡・文化財が多く残る街並みは、二人で散策するだけでも楽しいですし、郷土資料館や古いお屋敷の見学もできます。
お腹が空いたら、市比野温泉街の入口にある、超大盛りのランチで有名な「レストラン岡倉」はいかがでしょうか。食いしん坊カップルでも、そのボリュームにびっくりすると思いますよ。
ここからは、今回のデートのメインとなる「田苑酒造焼酎資料館」について、詳しくご紹介しましょう。
焼酎造りの長い歴史を学べる「田苑酒造焼酎資料館」
田苑酒造焼酎資料館は、江戸時代の酒蔵を利用した焼酎資料館です。日本初の焼酎に関する資料館として、1986年に開館しました。
館内には、焼酎造りに関する貴重な史料や、古い道具類がたくさん展示されています。100年以上の歴史を持つ田苑酒造の焼酎造りについて、詳しく知ることができますよ。
今回は、田苑酒造焼酎資料館の運営責任者である竹原さんにお話しを伺い、施設の魅力や楽しみ方について教えていただきました。
雰囲気ある館内で焼酎造りの歴史に触れる
編集部
酒蔵特有のひんやりとした空気が気持ちいい館内ですね。まずは田苑酒造焼酎資料館の展示内容について教えてください。
竹原さん
当館1階では、おもに木桶や古式蒸留機（チンタラ）などの道具類や、製法を記した古文書を展示しています。
2階では、田苑の歩みがしのばれる製品や広告、数々の受賞歴を物語る賞状を展示するとともに、古い農具や民具などを数多く収蔵・展示中です。
来館される皆さんには、焼酎資料館に展示されている古い焼酎を造る道具を通じて、焼酎造りの歴史や田苑酒造の歴史を感じて欲しいと思います。
▲2階展示室の様子。たくさんの広告や賞状が並んでいます
▲焼酎造りに関する文献も豊富！
編集部
実際に使われていた酒蔵内で焼酎造りの歴史を体感できるのは、ある意味贅沢なことですね。土間にある甕（かめ）は、創業当初から今に至るまで使われ続けているとお聞きし、少々ビックリしました。
リアルな焼酎造りの雰囲気が漂う田苑酒造焼酎資料館ですが、館内で体験できることを教えてください。
竹原さん
現在（2022年7月時点）は社会情勢を考慮して一時中止しておりますが、焼酎の試飲をご用意しております。芋や麦、フレーバー製品など、さまざまな焼酎の味や香りをお試しいただくことが可能です。
編集部
同じ焼酎でも、素材によってまったく味わいが違いますよね。
酒蔵の中で焼酎について学びながら、違いを味わえるのは、焼酎ファンのカップルにとっては、至福のひと時でしょう。再開されるのを心待ちにしております。
江戸時代後期の建物の雰囲気や昔の農具の展示も魅力
編集部
田苑酒造焼酎資料館の魅力は、竹原さんからご覧になって、どこにあると思われますか。
竹原さん
まずは、建物そのものです。この資料館の建物は、江戸時代後期に建てられたもので、実際に酒蔵として利用されてきたものを移築してきました。
柱が「杉」、横の梁が「松」の木でできており、「釘」が1本も使われていない、木と木の組み合わせによってできているのが、建築上の大きな特徴です。
また、頭上には「阿弥陀車」という、原料の上げ下ろしに使っていた仕掛けがございます。その他にも昔の農具などが置いてあるので、酒蔵の歴史を感じ取っていただけるでしょう。
編集部
天然木の組み合わせだけで、焼酎造りに最適な環境づくりをしていたのには感心しますね。100年以上も前の建物なのに、現在でも現役というのがすごいです！
アーティストを招いて素敵な音楽会♪酒蔵サロンコンサートも開催
編集部
田苑酒造焼酎資料館では、企画展やイベントなども催されているのでしょうか。
竹原さん
企画展は実施しておりませんが、イベントとして「酒蔵サロンコンサート」を年2回（春・秋）開催しています。
▲酒蔵サロンコンサートの様子。実力派アーティストを招いた楽しい音楽会です
編集部
レトロなムード満載の田苑酒造焼酎資料館の中で、コンサートを楽しめるなんて素敵ですね！
音楽といえば、田苑酒造では焼酎にクラシック音楽を聞かせているとお聞きしました。発酵や熟成によい効果があるそうですね。人間も焼酎も、音楽によって角（かど）が取れるのだとすれば、なかなか深いお話だと感じます。
音楽を流すようになってから発酵に変化が現れたそうで、とても興味深いです。
▼公式ホームページでは音楽仕込みで見られた変化について詳しく紹介されています。
田苑酒造の音楽仕込みについて
竹原さん
また、イベントではありませんが、団体のお客さまが研修の一環などで見学に来られることもあるんですね。その際には、工場や研究室の社員がより詳しく焼酎についてお話ししています。
編集部
プロの方に直接教えてもらうのは、お酒好きならきっと楽しいですよね。来館者はすごく嬉しいと思います。
ミュージアムショップでは田苑酒造の製品を購入できる
編集部
田苑酒造焼酎資料館のミュージアムショップでは、どのような商品を購入できますか。おすすめがあれば、ぜひ教えてください。
竹原さん
ショップで扱う商品は全部！とお答えしたいところですが、2018年に発売の樽貯蔵芋焼酎「ENVELHECIDA（エンヴェレシーダ）」を特におすすめします。
▲樽貯蔵芋焼酎「ENVELHECIDA」。ポルトガル語で「貯蔵」という意味なのだそう
美しい琥珀色に柑橘系のふんわりとした香りが特徴。全量3年貯蔵酒ならではのまろやかな味わいに、原料の特性とオーク樽に由来する甘さが絶妙に合い、フルーティーな味わいに仕上がっています。
こちらの製品は芋焼酎好きの方や、容器もおしゃれなので、贈り物やお土産にも好まれます。
ENVELHECIDAだけでなく、来館者のみなさまがお気に入りの焼酎を見つけていただければ嬉しいです。
編集部
ENVELHECIDAは、完成・出荷までに18年も要するのだそうですね。田苑酒造の皆さんの焼酎造りへの情熱に脱帽します！
フルーティーな味わいは、いろいろなお料理との相性もよさそうなので、カップルのおうちデートにも花を添えてくれそうです。ボトルデザインも可愛くて、お部屋のインテリアとしても映えますね。
武田双葉先生の手による大きな看板は必見！
編集部
魅力的な展示品がたくさんある田苑酒造焼酎資料館ですが、中でも竹原さんがお好きな展示はどれでしょうか。
竹原さん
私のお気に入りは、資料館に到着した際に目に入る「焼酎資料館」と大書された大きな看板です。
こちらの看板は、大河ドラマ「天地人」の題字でも有名な書道家・武田双雲先生のお母さまである武田双葉（そうよう）先生の作品になります。力強い書体が、とてもかっこいいですよ。
▲館入口にある武田双葉先生筆の看板
編集部
外から眺めて、「看板の字、素敵だな！」と感じていました。時折テレビ番組などにも出演される書道家・武田双葉先生の手によるものだったのですね！
力強さの中に絶妙な繊細さも感じられ、まるで焼酎の味わいのようにも感じました。田苑酒造焼酎資料館のたたずまいとも絶妙にマッチして、とても絵になっていますね。
田苑酒造焼酎資料館の口コミ・評価をチェック！
▲今回のインタビュー取材にご対応いただいた竹原さん
編集部
最後になりますが、来館される皆さんからは、どのような声を耳にされることが多いでしょうか。
竹原さん
資料館を見学してくださった皆さんには、「見学できてよかった！また来ます！」と喜んでいただけます。
2階に展示している農具に対しては、お若い方は「すごい！」と言ってくださり、ご年配の方は「懐かしい！」と感慨深く思ってくださる方もいらっしゃいますね。
編集部
豊富な展示品があるからこそ、多くの方の印象に残るのでしょうね。さつまいもに麦、米など、焼酎の原料は農作物であり、お酒造りと農業（農具）との深い関わりも感じられ、とても感慨深かったです。
竹原さん、本日はお忙しい最中にお時間を割いていただき、大変ありがとうございました。
館内の雰囲気や焼酎の味わいを評価する声が多数！
編集部でも独自に、「田苑酒造焼酎資料館」について、GoogleやSNS上に残された口コミ・評価をチェックしてみました。おもなものを要約してご紹介します。
- 豊かな自然に囲まれ、素晴らしい立地にある資料館。
- 田苑酒造さんの焼酎造りに対する情熱を感じた。
- お洒落な内部で、お土産用の焼酎も種類豊富だった。
館内の雰囲気や環境について、評価する声がたくさん挙がっていました。また、製品の焼酎への感想も多く、田苑酒造の焼酎造りへの熱意がたくさんの方々に届いていると感じます。
デートの一環でカップルが田苑酒造焼酎資料館を訪れても、多くのことを感じ取れて、満足度の高いひと時になると思いました。
「田苑酒造焼酎資料館」の基本情報
| 住所 | 〒895-1202 鹿児島県薩摩川内市樋脇町塔之原11356番地1 |
|---|---|
| アクセス | （九州自動車道）姶良（あいら）ICから薩摩川内市街地方面へ約35分 |
| 開館時間 | 9:00～16:00 |
| 休館日 | 土日祝日・お盆・年末年始 |
| 駐車場 | あり |
| 入館料 | 無料 |
| 比較的空いている日 | 平日は終日空いている場合が多い |
| 平均的な滞在時間 | 40～60分程度 |
| 公式サイト | https://www.denen-shuzo.co.jp/factory-tour.htm |
※最新の情報は公式サイト等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
「田苑酒造焼酎資料館」周辺のデートスポット
田苑酒造焼酎資料館の周辺には、薩摩川内市ならではの風情あるスポットが多くありますよ。ここからは、資料館見学の前後に訪れやすいデートスポットを紹介しましょう。
おすすめのデートスポット
古くから続く情感豊かな温泉街「市比野温泉街」
田苑酒造焼酎資料館から車ですぐの場所にある「市比野（いちひの）温泉街」は、江戸時代から一般庶民向けの湯治場として栄えた温泉街。泉質が良く、地元の方はもちろん、遠方から訪れるお客さんも珍しくありません。
日帰り入浴や街の散策だけでも十分楽しめますが、お宿もそろっていますので、スケジュールの都合が付けば、お泊りデートにするのも素敵ですよ。
ミュージアムショップで購入した焼酎をお部屋に持ち込んで、温泉でくつろいだ後に二人で乾杯！なんていかがでしょう♪
参考URL：市比野温泉街（鹿児島県観光サイト「かごしまの旅」）
江戸期の面影を残す町並みを散策できる「入来麓武家屋敷群」
薩摩川内市内にある「入来麓（いりきふもと）武家屋敷群」では、中世から江戸期にかけての面影を残した、ノスタルジックな町並みの中をカップルで散策できますよ。
区画割や茅葺きの屋敷門、お仮屋跡など貴重な史跡・文化財が多くあり、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているそうです。
郷土資料館や見学可能なお屋敷（旧増田家住宅）などもあるので、デートで訪れても見どころは盛りだくさんです。
参考URL:入来麓武家屋敷群（薩摩川内観光物産ガイド こころ）
食いしん坊カップルに！超大盛ランチと言えば「レストラン岡倉」
市比野温泉街の入口にある「レストラン岡倉」は、超大盛のメニューで名を知られたお店です。とても一人前とは思えないボリューミーな料理が、ドドーンと出てくるさまは圧巻！
メディアでもたびたび取り上げられていて、大食いを自認する皆さんからも一目置かれている存在なんですね。お腹を空かせて訪れて、二人で噂のランチを体験してみてはいかがでしょうか。
※公式サイト・公式SNSなし（電話：0996-38-0324）
その他の周辺デートスポット
まとめ：焼酎や温泉、町並みから地元の歴史を想う一日
100年を超える焼酎造りの歴史を伝える田苑酒造焼酎資料館では、日常あまり思い至らない焼酎のあれこれを分かりやすく学べます。お酒に詳しくなると、普段飲む1杯の味わいも変わってくるものですね。
薩摩川内市内には、今回ご紹介したような、地元の歴史を感じられるスポットが豊富に存在します。温泉に浸かりながら、レトロな街を散策しながら、歴史に想いを馳せるのんびりとしたひと時を味わえるでしょう。
薩摩川内市でのデートを検討しているカップルは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
なお、このページをご覧の方の中には鹿児島市近辺にお住まいのカップルの方もいらっしゃるでしょう。そんな方向けに、鹿児島市内でのんびり楽しめるデートプランを以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
