【千葉】和情緒に浸る!「野田市郷土博物館・市民会館」を中心に巡るデートプラン|縁結び大学

今回、紹介するのは千葉県野田市で過ごすデートプランです。

野田市といえば、醤油づくりが有名。こちらのデートではそんな野田市と醤油の歴史を学ぶことができますよ。メインとなるのは「野田市郷土博物館・市民会館」です。

野田市郷土博物館は、17世紀に始まった野田での醤油づくりについてわかりやすく展示・解説している施設です。敷地内には野田市市民会館として公開されている古い邸宅や庭園もあり、見学ができるんですよ。

野田市郷土博物館・市民会館の前後には、周辺にある心落ち着くスポットを巡ります。落ち着いた大人のデートをしたい二人にはぴったりだと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:全て
おすすめカップル:日本の食文化や建築物が好きなカップル
どんなデート?:歴史や文化についての学び、由緒ある建造物の鑑賞

概要:趣深いスポットで親密な時を過ごすデートプラン

「野田市市民会館」の大玄関

メインとなる野田市郷土博物館・市民会館は、醤油に関する展示を行う野田市郷土博物館と、旧茂木佐平治邸と茶室、そして庭園をふくむ野田市市民会館からなる、郷土の文化を学べるスポットです。

歴史を辿りながら、醤油づくりの方法から人々の暮らしまでを知ることができます。模型などもあり、わかりやすく学ぶことができると評判で、予備知識がなくても問題ないのもポイントです。

施設内の展示を眺めた後は、美しい庭園や大正時代に建てられた邸宅を見物しましょう。木々や花々から四季の機微を感じることができて、心潤うひと時を過ごせます。

今回のデートのメイン
野田市郷土博物館・市民会館
周辺のデートスポット
・茂木本家美術館
・公益財団法人髙梨本家上花輪歴史館
ランチにおすすめのお店
・珈琲工房 茶亭 山ぼうし
・カフェMOMOA

野田市郷土博物館・市民会館を堪能した後も、野田市内でデートを続けます。

「茂木本家美術館」は、葛飾北斎をはじめとする浮世絵や日本画など約700点のコレクションを誇る美術館です。日本を代表する美術品の数々を鑑賞できますよ。

ランチや小休止向けの場所としては、「珈琲工房 茶亭 山ぼうし」がいち押しです。広い庭園を眺めながらいただく自家焙煎のコーヒーは絶品ですよ。旬のフルーツが添えられたトーストなどの軽食も用意されていて、お腹と心を満たしてくれます。

また、先ほど紹介した茂木本家美術館を訪れた際は、併設されている「カフェMOMOA」でのひと休みもおすすめです。和菓子とお茶のセットとともに、名画の余韻に浸ってくださいね。

このように、野田市内には見どころがたっぷりあります。国登録有形文化財となった建物が点在しているので、街に息づく歴史に思いを馳せながら巡ると、より心豊かなデートになるはずです。

では、メインとなる野田市郷土博物館・市民会館から解説していきます。

美しい空間で醤油を学べる野田市郷土博物館と市民会館

千葉県野田市にある「野田市市民会館」の正面入り口

野田市郷土博物館は「野田に生きた人々の生活と文化」を常設展のテーマに掲げる博物館で、醤油醸造を中心に野田の歴史についても学ぶことができるスポットです。

江戸時代に野田での醤油醸造が発展していった様子や、野田で盛んだった醤油樽の製造についてなど、展示内容は幅広く、展示点数はなんと約140点にも及びます。

模型や実際に使われていた道具の展示もあり、想像以上に見応えがあるはず。工場での大量生産とは異なる昔の醤油造りは大変興味深く、新しい気づきと学びがいっぱいです。

また、野田市郷土博物館は建物の美しい佇まいもポイントです。名建築家である山田守氏が手がけたもので、入口のガラス扉を開くとそこは別世界!和モダンな内装は落ち着いた雰囲気がありつつも、赤い床や左右に分かれる階段など上品なしつらえが随所に施されているんです。きっと最後の1点まで、高揚した気分で鑑賞できると思います。

館内を満喫したら、併設されている日本庭園の散策へと向かいましょう。春には梅やツツジ、秋には紅葉が見ごろを迎えるお庭は、展示品の感想を語り合う場所としてもぴったりです。あわせて市民会館として公開されている、醤油醸造家・茂木佐平治家の邸宅も見学してくださいね。

では、野田市郷土博物館・市民会館の学芸員を務める寺内さんに、施設の魅力を詳しく伺いましょう。

野田市と醤油づくりの歴史について学べる野田市郷土博物館

「野田市郷土博物館」のエントランス

編集部

野田市郷土博物館と市民会館は、趣深い雰囲気で心が和みますね。まず、野田市郷土博物館の特徴から教えてください。

寺内さん

江戸川と利根川という2つの大きな河川に挟まれた野田市では、江戸時代より醤油醸造業が盛んに行われてきました。当館では、醤油に関する資料をたくさん展示しています。

2階の展示室の常設展示では、この醤油醸造業に関わる資料を中心に、野田市域の郷土資料を展示しています。そのほかに、1階の展示室では企画展や特別展などを開催しています。

醤油は、現在では工場で大規模に生産されていますが、昔はどのようにして作られていたのでしょうか。模型や道具をとおして、醤油づくりの歴史について学んでもらえたらと思います。

編集部

野田市で醤油醸造業が本格的になりだしたのは、18世紀のことなのだそうですね。その当時から1950年代までの歴史をわかりやすく学べる、大変意義深い施設だと思います。

その資料の数は、約140点にものぼるのだと聞きました。見応えがあり満足度が高そうです。

醤油はほぼ毎日いただくような代表的な調味料ですので、学ぶことで日々の食卓がさらに潤いそうですね。二人で食事を共にするたびに、野田市郷土博物館でのデートが思い返されて幸せな気分で包まれそうです。

明治時代の人々を生き生きと描いた野田醤油醸造之図は必見

「野田市郷土博物館」にある展示物・押絵扁額「野田醤油醸造之図」の全体を眺める

編集部

どちらの展示も思い入れが深くていらっしゃるとは思いますが、博物館で寺内さんの特に好きな展示はどちらですか?

寺内さん

私が気に入っている展示物は、野田市指定文化財に登録されている押絵扁額「野田醤油醸造之図」です。

明治期の人気押絵職人であった四代勝文斎の作で、明治初期の醤油醸造工程が、綿を布地で包んで立体感を出す押絵という技法で表現されています。

「野田市郷土博物館」にある展示物・押絵扁額「野田醤油醸造之図」を寄りで眺める
▲実際に動いているような感じさえ受けるほどにリアルに描かれている

これは、正月に飾る羽子板と同じ技法です。醤油の仕込み、圧搾、樽詰めなどの作業場で働く職人の生き生きとした姿が気に入っています。

編集部

野田醤油醸造之図は、高さは94cm、横幅は3m67cmに及ぶ大きなサイズ感も特徴的ですね。

描かれている人々を一人ずつ観察するうちに、明治時代の街の雰囲気まで感じ取れるような魅力的な作品だと思いました。醤油の製造過程で使われる道具が、どのようなものかがわかる点も興味深かったです。

常設展示されていて、いつでも観られる点も嬉しいですね。訪れた際はじっくり鑑賞したい作品だと感じました。

偉大な建築家・山田守氏が手がけた建築にも注目

「野田市郷土博物館」の内観

編集部

展示物以外にも寺内さんが野田市郷土博物館ならでは、とお考えになる施設の特徴はありますか?ここに注目するとより博物館を楽しめる、というポイントがあれば教えていただきたいです。

寺内さん

博物館というと展示品ばかりに目が行きがちですが、当館の建物そのものにもご注目いただきたいと思います。この建物は日本武道館や京都タワーで知られる建築家・山田守による設計で、1959年4月の開館以来、展示室として使用し続けています。

横長で左右対称の均整の取れた外観は「近代の校倉造」を意識したもので、内部の吹き抜け構造や階段の独特なフォルムも山田守の意匠によるものです。令和3年には国登録有形文化財となっています

博物館自体が“展示品”とも言えるので、建物にもご注目ください。

編集部

野田市郷土博物館は、水平を意識した意匠や自然光を間接的に取り込む環境設計が、造形の規範と評価されたのだそうですね。

外観は安定感と落ち着いた佇まいですが、ガラスの扉を開けるとガラリと雰囲気が変わりますね。赤い色をした床はレッドカーペットのようで、左右に分かれる階段はまるで劇場へと続くような雰囲気さえします。

すごく上品で、展示鑑賞前に気分を一段引き上げてくれるような効用があるように思いました。

多様な観点から野田の歴史を学べる企画展も開催

「野田市市民会館」の玄関
▲風格漂う市民会館玄関は、ドラマ「私たちはどうかしている」のロケ地にもなった

編集部

野田市郷土博物館は常設展も十分に見応えがありますか、企画展も開催されているのでしょうか?

寺内さん

はい。醤油に関わる展示としては、2007年には容器として用いられた樽を作る職人・菅谷又三と玉ノ井芳雄に焦点を当てた「野田と樽職人」展を行いました。野田の名物であるお煎餅を取り上げた、2011年の「野田の煎餅」展も、醤油に関連した企画展です。

2013年の「野田の絵馬」展や2018年の「野田と大杉様」といった地域の信仰に関する展示や、2014年の「野田で生まれた漫画たち」のように野田ゆかりの人物を取り上げたものもあります。

編集部

どちらも野田市についての理解が深まりそうな、興味深いものばかりですね。

「野田と大杉様」は、企画展の中でも特別展としての位置付けだったようですね。水上交通の安全や疫病退散の神として広く信仰されてきた大杉信仰をクローズアップし、祭礼に関わる道具とともに地域の人々と信仰について紹介されたのだと聞きました。

人々の内面にも迫るような、非常に魅力的な展示だったことと思います。今年の企画展にも期待が高まります!

>>企画展についてはこちら

歴史を感じる!醤油醸造家・茂木佐平治家の邸宅

「野田市市民会館」として公開されている茂木佐平治邸の和室

編集部

続いて、博物館以外の敷地内にある建物や見どころについても伺いたいです。

寺内さん

当館の敷地内には、江戸時代より醤油づくりを行ってきた醤油醸造家・茂木佐平治家の邸宅があります。

1924年頃に建てられた近代和風建築の建物で、現在は野田市市民会館として使用していますが、玄関・台所や浴室などを見学できます

茂木佐平治邸にある五右衛門風呂
▲実際に使われていた五右衛門風呂も見学可能

和室は貸部屋として文化活動にご利用いただくことも可能ですよ。

旧茂木佐平治邸にある日本庭園も美しくおすすめです。春にはツツジ、秋には紅葉など、四季折々の風景を眺められます。

庭園は記念撮影にもぴったりです。天気の良い日には、庭園の真ん中あたりにある平べったい石に腰かけているお客様もいらっしゃいますよ。

また、博物館展示室のボランティアさんに受付をしていただいているのも当館の特徴です。現在は難しい部分もありますが、入退館時のご挨拶や展示概要の紹介などをしているので、コミュニケーションをとってみてくださいね。

編集部

茂木佐平治家の邸宅は庭園に囲まれたの家屋で、非常に趣深いですね。

なお、茂木佐平治氏は、キッコーマン株式会社の前身である野田醤油株式会社の創立に関わった方なのだと伺いました。醤油を語る上で欠かすことのできない、歴史的な方のお宅を拝見できるというのは、またとない機会ですね。

「野田市市民会館」の大玄関の照明
▲照明ひとつ取っても美しく館内のいたるところに美術品があるよう

市民会館は貸部屋の利用が可能とのことですが、施設主催の体験型イベントなどが行われることもあるのでしょうか?

「野田市市民会館」にある茶室「松樹庵」
▲こけら葺の屋根が美しい茶室「松樹庵」

寺内さん

現在は中断してしまっていますが、通常ですと年に2回、「呈茶席」というお抹茶をいただくことができる有料のイベントを野田市茶道協会の協力で開催しています。当館にある茶室「松樹庵」で、本格的な作法で振舞われるお抹茶を気軽にいただけますよ。

編集部

松樹庵というのは、茂木佐平治家の邸宅の主屋の東側に位置する平屋の建物のことですね。風格ある茶室でお抹茶とお菓子をいただくのは、良い思い出になることと思います。再開を楽しみにしています。

デートの記念にオリジナルグッズや図録もおすすめ

「野田市市民会館」のしつらい

編集部

展示鑑賞後は記念品が欲しくなりそうですが、館内でオリジナルグッズの販売はされていますか?

寺内さん

はい、ミュージアムグッズを販売しています。過去に開催した特別展の展示図録や、博物館や市民会館、庭園を写した絵はがき、博物館のキャラクターであるドグウのミミーの缶バッジなどを扱っていますよ。

編集部

美しい建物や四季折々の彩りをたたえた庭園の絵はがきは、インテリアとしても映えそうですね。

また、過去の特別展の図録が手に入るのは貴重だと思います。先ほど過去の企画展についてご紹介いただいた際に、「見たかった!」と感じた読者もいるのではないでしょうか。図録で過去に遡るようにして鑑賞できるのはありがたいですね。

野田市郷土博物館・市民会館の口コミ評価

「野田市市民会館」の茂木佐平治家の邸宅と庭園

編集部

野田市郷土博物館・市民会館を訪れた方からは、どのようなご感想をよく聞かれますか?

寺内さん

博物館の落ち着いた雰囲気が良い」というお声をいただきます。これも山田守による設計の賜物かもしれません。

編集部

確かに、心を和ませてくれる素敵な空間ですね。落ち着くと心を高揚させてくれる、魅力的な場所だと思います。

大人に安らぎをくれる場所であるとの声が多数!

編集部でもGoogleの口コミをチェックしてみました。とにかく「落ち着く」「心が和む」など大絶賛の声が多くみられたのが印象的です。参考になりそうなものをいくつか紹介しますね。

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静かでゆったりとした過ごせる穴場的スポット
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館内に加えて併設の庭園と屋敷屋内も入場無料なのが嬉しい
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外にある、仕込み桶の底板や古墳時代末期の箱式石棺の展示鑑賞もお忘れなく
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趣深い雰囲気で、心落ち着く大好きな場所
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模型などもあり野田市と醤油醸造の歴史をわかりやすく学べる

施設内の雰囲気の良さも、展示のわかりやすさや学びの多さについても、好評の声が多数寄せられていました。そんな素敵なスポットでありながら、無料で入場できてしまうという点も満足度が高い要因のようです。

野田市郷土博物館・市民会館からカップルへのメッセージ

千葉県野田市にある「野田市郷土博物館・市民会館」の西門

編集部

野田市郷土博物館・市民会館でのデートを検討しているカップルへ、メッセージをお願いします。

寺内さん

博物館というと、堅苦しいイメージになりがちですが、当館は、市民会館・旧茂木佐平治邸という近代和風建築の建物や庭園も一緒に観ることができます。まずは、お気軽にご来館いただけたらと思います。

編集部

和情緒あふれる空間で、知的欲求を満たすことのできる素敵な場所だと思いました。カップルの心を豊かにしてくれますね。本日はどうもありがとうございました。

野田市郷土博物館・市民会館の基本情報

住所 〒278-0037
千葉県野田市野田370-8
アクセス 【電車】
野田市駅または愛宕駅から徒歩8分
【車】
柏ICから約20分
開館時間 9:00〜17:00
休館日 火曜日(祝日の場合は開館)
年末年始(12月29日~1月3日)
駐車場 無料、30台収容可能(近隣施設と供用)
入館料 無料(市民会館の貸部屋は有料)
比較的空いている日 平日
(市民会館の貸部屋は利用がないときのみ見学可)
平均的な滞在時間 30分~1時間程度
公式サイト https://noda-muse.jp/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

野田市郷土博物館・市民会館の前後におすすめのスポット

野田市郷土博物館・市民会館の滞在時間の目安は1時間前後です。まだまだデートを楽しみたい二人のために、ぴったりな場所を選びました。どちらも野田らしい、落ち着いた雰囲気が魅力ですよ。

周辺のおすすめデートスポット

葛飾北斎作品など名作が揃う「茂木本家美術館」

「茂木本家美術館」は、茂木七左衞門氏が収集してきた美術品を展示・所蔵しているスポットです。横山大観・片岡球子・中島千波などの日本画を常設展示のほか、葛飾北斎・歌川広重・東洲斎写楽などの浮世絵を企画展として鑑賞することができます。

日本の誇る名作の数々は、心にしみますよ。一枚一枚、目に焼き付けるようにじっくりと堪能してください。コーヒーや軽食、和菓子がいただけるカフェMOMOAも併設されています。

茂木本家美術館:https://www.momoa.jp/

お庭を眺めながらくつろぐ「珈琲工房 茶亭 山ぼうし」

「珈琲工房 茶亭 山ぼうし」では、木漏れ日のさす緑豊かな広い庭園を眺めながらゆったりと過ごすことができます。自慢は、自家焙煎にこだわる絶品のコーヒー!コーヒー豆の本来の味と香りにこだわった、豊かな味と風味は格別です。

フルーツを添えたトーストや自家製のケーキとともに、じっくりと味わってくださいね。

珈琲工房 茶亭 山ぼうし:http://www.yama-boshi.com/

その他のおすすめスポット

まとめ:野田の街を巡り心安らぐ落ち着いた時を過ごそう

野田市郷土博物館・市民会館は、醤油づくりと野田の歴史を知ることのできる施設です。醤油醸造の歴史とともに人々の暮らしにも触れられているので、今ある暮らしに感謝したくなるような、心温まるひと時が過ごせるはずです。

また、野田市郷土博物館・市民会館を含め、野田市には趣深いスポットが点在しています。こちらで紹介した「茂木本家美術館」や「珈琲工房 茶亭 山ぼうし」などを巡るほどに、心の奥がほぐれていくような気持ちになれるはずです。

ゆったりと安らかな気持ちを二人で共有する、贅沢な休日を過ごしてくださいね。