名護博物館で名護・やんばるの魅力を再発見!自然や歴史・文化に親しむデート|沖縄県
この記事でご紹介するのは、沖縄県名護市にある「名護博物館」を訪ねて、本島北部「名護・やんばる」エリアの自然や歴史・文化の魅力を体感するデートプランです。
同博物館は、「やんばるの森」への入口に当たる名護市の地域博物館として、2023年5月にリニューアルオープンしました。地域の観光情報の発信にも注力していますから、本島北部のドライブデートの途中で立ち寄るのもおすすめです。
今回は、「名護博物館」の学芸員・山田さんにインタビュー取材をお願いし、同博物館の特徴や魅力、見どころのほか、デートでの楽しみ方についてもお話を伺いました。
やんばるエリアの自然とくらしを体感!名護博物館の展示
▲移転後にリニューアルオープンした「名護博物館」の本館外観。明るく、広々とした雰囲気
名護博物館は、「名護・やんばるのくらしと自然」をテーマにしており、本島北部では最大級の博物館です。常設展示の資料は、自然史と歴史、民俗関係を合わせて、約2,000点を数えます。
最初に、博物館のコンセプトや成り立ちをお尋ねしてみました。
歴史ある地域博物館!名護・やんばるのエリア情報も発信中
編集部
久しぶりに本島北部・名護市に来ました。名護市東江(あがりえ)から、こちら大中へと移転して、2023年5月初めにリニューアルオープンされたそうですね。
まずは、名護博物館の成り立ちやコンセプトについて、簡単にご紹介をお願いします。
山田さん
当館は、「名護・やんばるのくらしと自然」を基本テーマとする地域博物館です。50年以上前の1971年から民俗資料の収集を開始しまして、市民の皆さんとともに博物館づくりに取り組んできました。実際の開館は1984年で、もう40年近く経っています。
今年2023年の5月2日には、こちらに移転してからの本格リニューアルオープンとなりました。
私ども名護博物館では、市街地に残された緑地を保全・活用しながら、屋内外の両方で資料展示を行っています。どなたでも自然や、そのなかで育まれてきた「名護・やんばる」エリアのくらしの様子を学び、体感いただくことが可能ですよ。
また、本島北部の「名護・やんばる」をご紹介するガイダンスとしての情報発信も行っております。ドライブデートなどの際に、お立ち寄りいただいてもいいのではないでしょうか。
名護・やんばるの文化やくらしを紹介する名護博物館の常設展示
編集部
次に、名護博物館の常設展示(メインの展示)について、ご紹介いただけますか。
山田さん
当館の常設展示では、「名護・やんばる」の豊かな自然環境の中で育まれてきた多様な文化・歴史をベースにして、「海」、「まち・ムラ」、そして「山」の3大テーマを設定しているんですよ。
そして、やんばるの人々のくらしと、自然とのつながりを紹介しています。民具などの民俗資料に加えて、動物の剥製(はくせい)などの自然史資料を複合させまして、くらしと自然のつながりをイメージしやすいように工夫しました。
編集部
名護博物館の展示の特徴があれば教えてください。
山田さん
そうですね、旧館時代から引き継いだ展示の手法の一つに、展示ケースに入れない露出展示をするという特徴、こだわりがあります。
▲本館2階の常設展示「まち・ムラのくらしと自然」
展示資料との距離が近い分、質感や空気感などをよりリアルに感じることができると思います。
屋外展示あり!動きやすい服装と歩きやすい靴での来館がおすすめ
編集部
常設展示のおすすめの見学方法などがありましたら、教えていただけるでしょうか。
山田さん
常設展示では、見学者の皆さんに距離感や質感をよりリアルにご体感いただけるよう、展示ケースに収納せずに資料を展示しています。「名護・やんばる」の自然とくらしが織りなす情景をぜひ感じ取ってみてくださいね。
また、屋外エリアでは、「名護・やんばる」の動植物を身近に感じ、観察することができます。広い敷地ですから、動きやすい服装と歩きやすい靴でお越しいただくのがおすすめですよ。
「名護・やんばるの沖縄戦」に関する企画展にも注目しよう
編集部
名護博物館の企画展についてもご紹介ください。過去に人気だった展示や、繰り返し開催している企画展がありましたら、お話しいただけますか。
山田さん
これまで繰り返し行われてきた企画展は、慰霊の日(6月23日)前後に合わせた「名護・やんばるの沖縄戦」に関するものや、大宜味村出身の写真家・平良孝七(たいらこうしち)(※1)氏の写真展などがあります。
(※1)沖縄県大宜味村生まれの写真家で、1994年没。沖縄県の本土復帰を見つめ続け、沖縄の人々のリアルな実情を捉えた写真を多く残している。
沖縄戦について学び考える機会として、毎年、慰霊の日の前後には、平和学習の一環で多くの方々が来館されているんですよ。
また、鳥の巣展は、過去に人気があった企画展の一つでした。
今後開催される企画展については、公式サイトの「イベント情報など」ページをチェックしてみてくださいね。
ピトゥ漁の展示資料は必見!名護博物館の見どころ・魅力
▲本館2階の常設展示室。スペース的にも余裕があり、クジラの骨格標本などをマイペースで見学できる
編集部
山田さんが思われる名護博物館の魅力や見どころについて、ぜひご紹介をお願いします。
山田さん
ピトゥの漁に関する資料は、一番の見どころになるかと思います。サバニ(※2)や製塩道具の展示もありまして、何と言っても名護ならではの展示内容ですね。
(※2)沖縄県の南西諸島で古くから用いられてきた漁船(小型の帆船)を指す。
本館に入るとすぐに、ピトゥの代表種であるコビレゴンドウの骨格標本を見ることもできますよ。
また常設展示では、新たに千葉県館山市から譲り受けた全長9.6mのザトウクジラの骨格標本も加わりました。既存のマッコウクジラの骨格標本と並べて展示しており、なかなか迫力があります。
あと、屋外エリアでは、季節の移り変わりを感じられる動植物を身近に観察することができますよ。
編集部
ほかの類似施設と差別化できる部分や、ちょっと自慢したいポイントなどがあれば、併せて教えてください。
山田さん
当館を維持・発展させるために、「名護博物館友の会」や「なごはくサポーター」など、多くの方々と協働しています。公園のように、どなたでも、いつでも、気軽に立ち寄れる地域の集いの場にもなっているんですよ。
タイミングが合えば、地域の活動をされる皆さんからも、いろいろと地元のことを教えてもらえるかもしれませんね。
カップルでのお土産探しも!デートでの楽しみ方
▲広々として、洗練された印象の本館1階のエントランス内部。書籍やミュージアムグッズの販売も行われている
ここまでは、名護博物館の特徴や見どころなど、観光客目線で見学する際の魅力を中心に伺ってきました。ここからは、デートの一環で訪れた場合に特化して、お話を聞いてみましょう。
1階エントランスでは書籍・ミュージアムグッズも販売中
編集部
館内には、カップルでお土産探しができるような、ミュージアムショップなどはあるでしょうか。
山田さん
ミュージアムショップは、現在のところありません。それでも、1階エントランスにて、書籍やミュージアムグッズの販売を行なっていますよ。
リニューアルオープンして間もないため、まだどちらのグッズが人気になるかは分かりませんが、デート記念になりそうなお品をいろいろと探してみてくださいね。
大自然にもアクセスしやすい!名護博物館の周辺デートスポット
編集部
デート中のカップルが来館の前後に立ち寄れそうな、おすすめの周辺デートスポットなどはありますでしょうか。
山田さん
名護博物館は、「名護湾」と「羽地(はねじ)内海」、「大浦湾」という美しい3つの海に囲まれた地域に位置しており、「名護岳」や「嘉津宇(かつう)岳」などのカップルで気軽に散策できる山々にも、車でのご来館ならばアクセスしやすいです。
ランチやお土産探しであれば、周囲にもスポットはありますし、当館から車で15分弱の「道の駅 許田 やんばる物産センター」に立ち寄られてもいいでしょう。エメラルドグリーンの名護湾が目の前にある、沖縄県内では初の道の駅なんですよ。
当館は、「名護・やんばる」のフィールドへ実際に行ってみたい!と来館される皆さんに興味・関心を持っていただけるような、情報発信の場を目指しています。
展示資料を通して、地元の自然や歴史・文化について学んだり、フィールドに関する情報収集をしたりして、お二人で当館から「名護・やんばる」の各所へお出かけいただければ嬉しいですね。
名護博物館からカップルへのメッセージ
▲亜熱帯の沖縄らしい雰囲気が素敵な、花ブロックで仕上げられたワークショップ棟の外観。イベントや講座の開催に使われるそう
編集部
これから名護博物館を見学するカップルへのメッセージや、今回のインタビュー取材で伝えきれなかった想いなどがありましたら、ぜひお話しください。
山田さん
名護市は、2021年7月にユネスコ世界自然遺産に登録された「やんばるの森」への入口のような位置付けだと思います。「やんばるの森」は、約1億年前から生き続けているとても古い森です。
私ども名護博物館では、やんばるのフィールドへ入る前に知っておいてほしいことや、フィールドへ行った際により深く学び、楽しめるような情報を発信しています。博物館を拠点に、「名護・やんばる」エリアの魅力に触れていただければ幸いです。
編集部
かつて那覇近郊に在住していましたが、北部の「名護・やんばる」の魅力も体感しないと、沖縄本島は理解できないと感じますね。
山田さん、本日はいろいろなお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。
名護博物館の口コミ・感想をチェック!
ここまで、名護博物館のさまざまな魅力を伺ってきました。デートの参考になるように、実際に見学した皆さんの口コミや、感想についてもチェックしておきましょう。
- 年齢や性別に関係なく楽しめる博物館です。展示資料も迫力がありました。
- 博物館と聞くと敷居が高いイメージでしたが、明るい雰囲気で、気軽に立ち寄れる感じが好印象です。
- 沖縄の古民家が展示された屋外エリアもおすすめ!心地よく、ゆったり気分で過ごせます。
- 見学にちょうどよいサイズ感で、雰囲気もよい博物館だと感じました。
2023年5月初旬にリニューアルオープンしたばかりですが、地元の方々からも愛される、評判のよい地域博物館という印象です。
大きすぎず、小さすぎずで見学しやすいことや、スペース的に余裕があって明るい雰囲気なので、のんびりと過ごせることには、多くの方が言及していました。
沖縄本島北部をドライブデートする際には、気軽に立ち寄ってみることをおすすめします。
名護博物館の料金・割引・混雑しない日時
観覧料金 |
【本館1階および屋外展示(古民家周辺)】 【本館2階の常設展示】 【発行日より1年間有効の「年間パスポート」】 |
---|---|
割引 |
【名護市割】 【やんばる割】 |
混雑しない日時 | 平日であれば、いずれの時間帯も比較的空いている ※学校や旅行社などの団体利用があると、混雑する場合あり |
※金額は、すべて税込表示です
名護博物館の基本情報(アクセス・開館時間)
住所 | 〒905-0021 沖縄県名護市大中四丁目20番50号 |
---|---|
電話 | 0980-54-8875 |
アクセス |
【公共交通機関】 【車】 |
駐車場 | 無料駐車場あり |
開館時間 | 10:00~18:00 ※最終入館時刻は、17:30 |
休館日 | 毎週月曜日・毎月第4木曜日・祝日(一部を除く)・慰霊の日(毎年6月23日)・年末年始・ガスくん蒸実施期間 |
公式サイト | https://www.city.nago.okinawa.jp/museum/ |
公式SNS |
※最新の情報は、公式サイト等でご確認をお願いいたします
※記事中の金額は、すべて税込表示です