愛知県名古屋市の「桑山美術館」へ美術館デートについてインタビュー!

「美術館めぐりデート」特集の第3弾でご紹介するのは、愛知県名古屋市にある「桑山美術館」さんです。

川名駅から徒歩8分の場所にある桑山美術館は、鎌倉時代から現代にいたるまでの茶道具や、近代の日本画を中心に貯蔵する私立美術館です。

今回は桑山美術館の学芸員である前田明美さんに、施設の魅力や人気の企画展について詳しくお話を伺いました。

「恋人と2人で美術館に行きたい」という方はもちろん、「美術館デートの楽しみ方が知りたい」という方も、是非この記事を参考にしてみてください。

※記事中の金額はすべて税込表示です

桑山美術館について

桑山美術館の外観

桑山美術館のコンセプトについて教えてください

前田さん

愛知県知多市出身で繊維・不動産などの事業を起こした桑山清一が、永年にわたって収集した日本画や茶道具を多くの方々に鑑賞していただきたいとの思いから財団法人を設立し、1981年に美術館を開館しました。

茶室での茶会、多目的ホールでの講習会やグループでの展示会などに人々が集い、交流の場となることを願っています。

インタビュアー

貴重な美術品は、人に見せずに大切に保存するのが昔のしきたりだったと思います。

それらを一般公開することは、相当勇気のいる決断だったでしょうね。

現在、こうして美術品の素晴らしさに触れられる機会があることを大切にしなければならないと感じました。

桑山美術館ならではの魅力や良さを教えてください

展示してある日本画や茶道具について説明する桑山美術館の職員

前田さん

当館では、所蔵品の中からテーマを設定して、企画展を年間3回開催しています。

4月~7月初旬は日本画、9~12月初旬は茶道具、そして1月~2月初旬は新春展と、全ての所蔵品からテーマに応じた展示を行います。

日本画がお好きな方は春の時期、茶道具に興味のある方は秋に、といった具合に時期に応じてのご来館が可能です。

そのほか、年間を通じて異なるジャンルの展示がご覧いただけることで、幅広く日本の芸術文化に親しむことができると思います。

また、当館は名古屋市内にありながら住宅街に位置する小規模な美術館なので、歩き回って疲れることがありません。

とても静かな環境なので、庭園を眺めながらゆったりとお過ごしいただけるかと思います

インタビュアー

桑山美術館には常設展はなく、期間限定の企画展をメインに開催しているんですね。

その時期にしか目にすることができない作品も多いでしょうから、いつどんな企画展があるのか、ホームページや公式アカウントでチェックしておきたいです。

>>桑山美術館の公式Facebook

>>桑山美術館の公式Instagram

桑山美術館の施設・見どころについて

桑山美術館の所蔵品である横山大観の霊峰春色

主にどのような展示物を拝見できますか?

前田さん

主な所蔵品は、近代から現代の日本画と、鎌倉時代から現代に至る茶道具です。

さらに、荒川豊蔵や加藤唐九郎などの現代陶芸となります。

インタビュアー

美術館の中で人気のある作品や展示物を教えてください。

前田さん

日本画では、日本の象徴でもある富士山と桜を描いた横山大観「霊峰春色」です。

桑山美術館の企画展で見ることができる速水御舟の小春

40歳という若さで亡くなったものの重要文化財も含む数々の名作を残した速水御舟が展覧会へ初出品・初入選し、画壇へのデビュー作となった「小春」もご覧いただけます。

そのほか、竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園など、近代日本画の巨匠の作品をテーマに応じて展示しております。

桑山美術館で鑑賞できる千利休の花押が記された竹一重切花入

桑山美術館に展示されている黄瀬戸茶碗

桑山美術館でのデートで鑑賞できる金海洲浜茶碗

→スクロールすると、作品が見られます

茶道具では、千利休の花押が記された「竹一重切花入」や、油揚げのような黄色い肌が味わい深い桃山時代の「黄瀬戸茶碗 銘 村雨」が見どころです。

また、白い肌に所々赤みがさし、猫掻きと呼ばれる鋭い線が文様のように付けられた「金海洲浜茶碗 銘 白梅」なども実際にご覧いただきたいと思います。

茶道具は馴染みがなくつまらないと思う方もいるかもしれませんが、「こんな茶碗で抹茶飲みたいね」「この形、面白いね」「文様がきれいだね」などと感想を話し合いながら鑑賞していただければと思います。

受付にお声がけいただければ、学芸員が見どころなどをお話しします。

インタビュアー

作品をテーマごとに見て回れたり、学芸員さんのガイドを聞いたりできるのはいいですね。

初めて美術館に来られた方や美術品に詳しくない方でも、目の前の作品をより深く理解でき、楽しい時間を過ごせるでしょうね。

桑山美術館で人気の企画展などあれば教えてください

桑山美術館の展示会チラシ

前田さん

2011年に開催した「開館30周年記念 あなたが選ぶ桑山美術館ベスト30」という企画で、その前年から1年間かけてご来館された方に好きな作品を選んでもらい、その理由をご記入いただきました。

展示の際に、皆さまから寄せられた選んだ理由のコメントを作品と共に設置し、選ばれた作品を楽しむとともに見知らぬ来館者の感想に共感したりと大変好評でした

インタビュアー

とても面白そうな企画展ですね!

見知らぬ来館者の感想は、自分では気づかなかった作品の魅力を知るきっかけにもなったでしょうね。

前田さん

そうですね。

当館では、富士山、美人画、鯉などの同じモチーフの作品を隣合わせで展示し、作者による表現の違いをご覧いただく「ザ・対決!比べて感じる日本画」など、企画展ごとにテーマを設けています。

古めかしい印象を与える日本画の鑑賞を気軽に楽しんでいただけるように工夫しています。

「カワイイ!日本画 ~可愛らしさのツボを探ろう~」や、風景画や花鳥画に合わせた俳句を添えた「自然を写す心を映す 日本画から一句」という企画展も好評でした

インタビュアー

「可愛い」を切り口に近世の日本画を鑑賞するなんて新鮮ですね。

日本の美術の歴史において可愛いものはどう表現されてきたのか、とても興味深いです。

親しみやすく、かつ魅力的な切り口で作品を紹介してくださる桑山美術館さんの企画力に、注目されている方も多いでしょうね。

展示物以外の見どころはありますか?

桑山美術館の庭園風景

前田さん

当館は、ヨーロッパの古城をイメージした外観で、門から玄関までの石畳には紅葉の木々が覆っています

屋上からは名古屋駅の高層ビル群とともに、快晴の時には遠くの山並みもくっきりと姿を現し、冬には雪化粧した山々とビル群が同時に拝めます。

庭に面したコリドールにはベンチがあり、陽気のいい日は庭の景色を眺めたり、鳥のさえずりを聞いたりしながら語らうカップルも見かけます。

また回遊式の庭園はそれほど広くはないものの、春には桜をはじめ、牡丹、藤、つつじなどの花で彩られ、形や大きさが異なる灯籠が点在します。

灯籠の説明が記された「庭園散策ガイド」を手にしながらの散策をお楽しみください。

インタビュアー

桑山美術館では、展示品の鑑賞以外でも様々な楽しみ方ができるんですね。

恋人とベンチに腰掛けてのんびり過ごせば、疲れた心もじんわりと癒されるでしょうね。

※コリドールとは?…建物の各部をつなぐ通路のこと。

館内で記念撮影ができるスポットはありますか?

桑山美術館の庭園内の茶席

前田さん

おすすめの撮影スポットを館内で掲示していますので、ぜひご参考にしてください。

ご希望の方にはお好きな場所やおすすめの場所でツーショットを撮影いたしますので、お気軽に受付までお声がけください。

インタビュアー

それは嬉しいです。

カップルにおすすめの撮影スポットはどこですか?

前田さん

一番のお勧めは、白い壁とドーム型の天井によって洋館の雰囲気が漂うコリドールでの撮影です。

また、庭園内の茶席周囲は和風の空間となっております。着物でご来館して、展覧会よりも撮影を楽しむ方もみえます。

インタビュアー

レトロな洋館に和の空間、美しい紅葉など、桑山美術館さんでは様々なシチュエーションの写真を撮影できるんですね。

コリドールでの撮影は、ノスタルジックな雰囲気が好きな方にとってはたまらないでしょうね。

イベントや催しなどの開催はありますか?

前田さん

日本画展、茶道具展ごとに学芸員によるギャラリートークを開催しています。

通常のギャラリートークでは職員やボランティアの方による説明を聞くことが多いと思いますが、当館では、特に日本画展において参加された方々との会話を通じて進行します。

「この作品は好きですか?嫌いですか?」「どんな点がそう思いますか?」などの問い掛けから始まり、作品とじっくり向き合い、感じたことを言葉で表現してもらいます。

まとめとして作品の背景や作者についてなどを学芸員からお話ししますが、何気ない感想が作品の本質をついていることも多くあります。

カップルでのご参加でも、パートナーと共感したり異なる意見や感想に思わぬ一面を発見したり、作品を通じてコミュニケーションが深まるかもしれません。

また春と秋の展覧会ごとに応じた、水彩画や水墨画の一日講座、茶道具に関する講演会なども開催しています。

インタビュアー

ギャラリートークの参加者全員で作品への理解を深めていくのは楽しいでしょうね。

確かに、「この作品ではこう感じるんだ。自分も同じだ」「そういう考えも良いね」といった共感を得られるギャラリートークは、恋人との仲を深める良い機会になりそうです。

体験教室やワークショップなどはありますか?

前田さん

コロナ感染拡大により昨年は中断しましたが、名古屋市内に茶室のある施設を巡る「お茶会スタンプラリー」に当館も加えていただき、春と秋にお茶会を開催しています。

作法を知らなくても気軽にご参加いただけますので、カップルでのご参加もお待ちしています。

当館では、庭園内の小間席、展示室2階に併設された広間席、さらに別館2階には立礼席(りゅうれいせき)という趣の異なる3つの茶室を使用します。

立礼席での茶会は、くじ引きでお飲みいただく茶碗が決まるという趣向で行っております

飲み終えた後で床の前に集まっていただき、茶碗の見所などをお話ししながら参加者全員で手に取って鑑賞してもらいます。

大変好評で、よく「楽しかったです!」と感想を頂きますよ。

インタビュアー

桑山美術館さんには、机と椅子のお茶室もあるんですね。

お茶会は、着物を着て正座して飲むもの…と難しく考えていましたが、初心者でも気軽に茶道を楽しめるのは魅力的ですね。

大きな茶碗に映える抹茶は目を楽しませ、日本茶特有の味わいや香りは心をほっと落ち着かせてくれるでしょうね。

グッズやお土産を購入できるミュージアムショップはありますか?

桑山美術館の受付

前田さん

ミュージアムショップはありませんが、受付にてポストカードと所蔵品選の図録は購入できます。

インタビュアー

ポストカードがあるんですか。

自分の好きな作品を手頃な価格で持ち帰れるのはいいですね!

館内に、食事や軽食などがいただけるレストランやカフェはありますか?

前田さん

当館にはありません。

インタビュアー

付近にはおしゃれなカフェや和食屋さんもあるので、美術館デートの後は散策するのもよさそうですね。

公共交通機関で行く場合のアクセス方法を教えてください

前田さん

地下鉄の場合は、鶴舞線「川名駅」を降りてから徒歩8分ほどです。

ますは、2番出口またはエレベーターを利用して地上へ向かってください。交差点「山中」を直進して、2本目の筋を右折すると到着します。

バスの場合は、市バス「栄18」または「八事12」系統で「山中」下車、徒歩3分ほどで到着します。

インタビュアー

名古屋駅から電車で30分ほどとアクセスが良いので、デートでも訪れやすいですね。

車で行く場合、駐車場はありますか?

前田さん

美術館の門の脇に8台分ございます。

インタビュアー

コインパーキングを探す手間などがかからないのでありがたいです。

桑山美術館の来館予約や料金について

桑山美術館のエントランス

来館の予約は必要ですか?

前田さん

当館は予約不要でご利用いただけます。

ただし、行事やイベントで混雑する場合があるので、ご確認いただくと安心です。

インタビュアー

予約なしでもOKなら、気軽に立ち寄りやすいですね。

入館料や展覧会のチケットなどの料金を教えてください

前田さん

一般500円、中高大学生300円です。

インタビュアー

非常にリーズナブルな料金で鑑賞できるんですね。

1人1,000円くらいかかるイメージだったので、この料金はちょっと驚きです!

安く利用できる方法などは何かありますか?

前田さん

JAF会員証ご提示で、2名まで100円割引させて頂きます

また、名古屋市交通局の「ドニチエコきっぷ」、古川美術館、岡崎市美術博物館、豊田市美術館のパスポート、昭和美術館の当日入館券、表千家同門会員証などのご提示で1名100円割引しております。

1,300円の年間パスポートをご購入の場合は、次のような様々な特典がございます。

・有効期限内は何度でもご入館可能
・上記の提携美術館でのご提示で割引
・次回展覧会のご案内の送付
・パスポート会員限定講座へご参加可能

インタビュアー

桑山美術館さんには、様々な割引サービスがあるんですね。

節約中のカップルも、美術館デート後のご飯を少し豪華にしたりできるので嬉しいでしょうね。

桑山美術館のコロナ対策について

桑山美術館の1階展示室

現在実施されているコロナ対策を教えてください

前田さん

職員はマスク着用でのご対応とし、ご入館の際はマスクの着用をお願いしています。

また、受付脇に手指消毒用アルコール液を配置し、館内の通路は換気のため解放しています。

インタビュアー

鑑賞者と職員さんの安全に配慮して企画展を開催されていらっしゃるんですね。

利用する側としても、咳エチケットの配慮などには十分気をつけたいです。

その他、美術館デートを楽しむ上でのマナーがあれば教えてください。

前田さん

館内では、大声での会話は控えてください。

インタビュアー

素敵な作品があると、ついつい恋人と共感しながら鑑賞したくなりますが、他の鑑賞者もいらっしゃることを頭に入れておかなければなりませんね。

比較的混みにくい曜日や時間があれば教えてください

前田さん

お茶会や貸席でのイベントがなければ、平日はもとより、土日祝日もさほど混雑することはありません。

インタビュアー

コロナが心配な方は、公式サイトなどでイベント情報をチェックしておくと安心ですね。

オンラインで紹介されている展示物があれば教えてください

前田さん

当館HPにて、所蔵品の紹介ページを少し掲載しています。

インタビュアー

予備知識が無くても感性で楽しめるのが美術館の魅力ですが、事前に展示作品に関する知識を得ておくと、作品への理解が深まって何倍も楽しく鑑賞できる気がします。

コロナが落ち着くまではオンラインで楽しむのもアリですが、実物を鑑賞しに行く際も、ぜひHPをチェックしたいところですね。

桑山美術館の利用者について

どのような利用者が多いですか?

前田さん

女性グループ、ご夫婦、おひとりでのご来館も多くみえます。

このインタビューを機会に、若い方々にもご来館いただきたいです。

インタビュアー

美術館でゆっくりと展示品を鑑賞して2人で感想を語り合うというと、「ちょっと大人なデート」という印象を持つカップルも多いかもしれませんね。

でも、桑山美術館さんのように、展示品だけでなく施設の風景も楽しめる美術館ってデートにぴったりだと思います。

私も次回は彼氏を連れてきますね。

利用者からよく聞く感想や嬉しかった声を教えてください

前田さん

「解説が分かりやすかったです」「静かに鑑賞できました」「疲れることなく作品をじっくり見ることができました」などの感想をいただきます。

またご来館の際、受付前のガラスから庭園が見えるので「こんな環境でお仕事出来て幸せね~」とのお声がけもいただきました。

インタビュアー

桑山美術館さんは、美術作品をのんびりゆっくり堪能できる美術館だということが利用者の感想から伝わります。

美術館デートを考えているカップルへメッセージ

桑山美術館の展示品と学芸員さん

前田さん

遊園地などと異なり、美術館は堅苦しいイメージがあるかもしれません。

また印象派の洋画やポップカルチャーとは異なり、当館のように日本画や茶道具は古めかしく難しいものと感じる方も多いと思います。

美術館での楽しみ方としては、絵画にしても茶道具などの工芸品であっても、展示作品をどれか1点持ち帰っていいといわれたら何を選ぶかを考えることです

「この絵を自分の家に飾るとしたらどの部屋へ?」と想像したり、「これとこれならどっちが好き?」「なぜこれを選んだのか?」など、意外にパートナーとの会話が弾むかもしれません。

美術作品を通じて、今まで気づかなかったお互いの感性に触れる機会にもなるでしょう。

作品鑑賞以外でも食べ歩きをするような感覚で様々な美術館を訪れ、独特のコレクションに触れ、外観や雰囲気を味わってみるのも楽しいと思います。

インタビュアー

テーマのある企画展に行く、ギャラリートークに参加する、鑑賞途中に館内で休憩してみるなど、実は美術館って様々な楽しみ方があったんですね!

持ち帰りたい展示作品について考えるという楽しみ方は考えつかなかったので、大変参考になりました。

美術館の楽しみ方は正解があるものでもないと思うので、私も様々な美術館を巡って、自分だけの楽しみ方を見つけたいと思います。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

桑山美術館の基本情報

住所 〒466-0828
愛知県名古屋市昭和区山中町2-12
電話番号 052-763-5188
公式サイト http://www.kuwayama-museum.jp/

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