【千葉県立美術館】アートとみなと町の景色を満喫する大人のデートプラン

今回は千葉ポートパークに隣接する「千葉県立美術館」を中心に、アートとみなと町のアクティビティを楽しむデートプランをご紹介します。

1974年に開館した千葉県立美術館は、約1万坪の広大な敷地に平屋建て全8室で構成された贅沢な造りで、千葉県にゆかりのある作家を中心に、国内外の作品約2,800点を収蔵しています。昨今の美術館は作品の展示だけでなく、その土地の人や自然との結びつきを重視する傾向にありますが、千葉県立美術館は早くからそのスタイルを取り入れた施設だと言えます。

千葉ポートパークが眼前に広がる心地よいロケーションでのアート鑑賞は、深呼吸をするように素直に感じたままに楽しめそうです。カップルであれこれ語り合いながら散策すれば、普段はあまり口にしないような話題も飛び出して、会話も尽きないでしょう。

鑑賞後は港から出ている観光船で、海から千葉の景色を眺めるのも面白いと思います。千葉のアートと自然を楽しむデートプラン、ぜひ参考にしてみてください。

こんなカップルにおすすめ!
向いてる年代:20歳以上
おすすめカップル:アートが好きなカップル、お話好きなカップル
どんなデート?:観る、散策、語らうデート
目安時間:半日
目安予算:2人で8,000円~

概要:「千葉県立美術館」を中心に”アート”と”みなと町”の景色を楽しむデートコース

美術館の周りは公園や緑が多いので、今回は周辺の風景もたっぷり満喫するデートコースです。

11:30 JR京葉線・千葉都市モノレール「千葉みなと」駅で待ち合わせ
徒歩で千葉県立美術館へ
11:40~13:30 千葉県立美術館を見学
途中、「カフェレストランShirayuri」で休憩
13:30~14:30 千葉港めぐり観光船にてクルーズ(千葉県立美術館から徒歩5分)
14:30~16:00 シーフードレストラン「PIER-01(ピアゼロワン)」にて食事

最寄り駅から美術館へは、徒歩で向かいます。周辺の美しい街並を見ながら歩いていると見えてくる、趣ある赤煉瓦造りの建物が千葉県立美術館です。到着したら館内の展示を鑑賞し、一通り観たところで施設内の「カフェレストランShirayuri」で一息つきましょう。

その後、庭園を散策しながら屋外の展示を鑑賞したら、旅客船ターミナルの観光船発着所に向かいます。千葉中央ふ頭を回って海の上から見る千葉の景色は、コンテナターミナルやコンビナート、工場など、公園や緑とはまた違った表情を見ることができます。

遊覧後は旅客船ターミナル複合施設「ケーズハーバー」にあるシーフードレストラン「PIER-01」でお腹も満たせば、大満足の一日になるでしょう。

それではデートプランのメインとなる千葉県立美術館について、詳しく紹介していきたいと思います。

美しい絵画のような佇まいが印象的な「千葉県立美術館」

第7展示室の廊下側

千葉県立美術館は、千葉ポートパークに隣接する美術館です。千葉県にゆかりのある美術資料を中心に収蔵されており、「みる、かたる、つくる」というユニークな活動により、美術の素晴らしさや楽しさを積極的に発信しています。

また日本を代表する建築家の一人、大高正人の設計により1974年に建てられた赤い煉瓦造りの建物も非常に趣があります。周囲の自然と融合したまるで絵画のような美しい佇まいは、それ自体が一つの作品のようでもあります。

単に展示を鑑賞するだけでなく、さまざまな角度からアートに触れ、楽しむことができるという意味で、初心者から上級者まで楽しめる美術館です。

今回はそんな「千葉県立美術館」の作品や活動について、主任上席研究員の山崎恵美子さんにお話を伺いました。

明治洋画界の先駆者・浅井忠からミレー、ルノワールまで幅広いコレクション

編集部

展示の鑑賞だけでなく、建物や周りの環境も含めて楽しむことのできる、とても素敵な美術館だと思いました。見どころがたくさんあるので、あれこれ語りながらデートができそうです。

では、改めて千葉県立美術館についてお伺いしたいと思います。まずは収蔵作品や特徴について、お聞かせいただけますか?

山崎さん

千葉県ゆかりの作家や作品を中心にご紹介しており、明治洋画界の先駆者浅井忠や彼が影響を受けたバルビゾン派のミレー、さらにルノワールなどの作品を収蔵しています。

編集部

芸術にあまり詳しくない私でも、名前を聞いてわかるような作家がたくさんいらっしゃいますね。

山崎さんが思う千葉県立美術館の魅力や見どころとは、どんなところですか?

山崎さん

当館では企画展や特別展以外にも、「コレクション展」を年に5回開催しています。約2,800点の収蔵資料の中から、テーマを決めて人気の作品や資料を展示するというものなのですが、毎回まるでパンドラの箱を開けるようなワクワク感があります。ぜひ多くの方に、この感覚を味わっていただきたいです。

編集部

ミレーやルノワールのような著名な画家の貴重な作品が、その期間だけ限定的に展示されるなんて、まさにパンドラの箱が開く時ですね。何を観ることができるのか、期待も膨らみます。

企画展や特別展で観ることができるのは、こういった著名画家の作品が多いのでしょうか?

山崎さん

著名な方ばかりでなく、若手作家の展覧会も積極的に行っていますよ。また「みる、かたる、つくる」活動を通じて、理解を深めていただけるような工夫も行っています。

編集部

なるほど、新旧幅広く扱っていらっしゃるのですね。著名な作家の知名度によって注目が集まりやすいので、若手作家を知る良いきっかけになりそうです。

「みる、かたる、つくる」活動で、美術の素晴らしさや楽しさを発信

編集部

「みる、かたる、つくる」活動とは、具体的にどのようなことをされているのですか?

山崎さん

例えば企画展などの作家や作品に関する講演会を開催したり、感銘を受けた作品についてみんなで語り合ったりすることで、楽しみながら鑑賞力を養っています。また、実際に作る喜びを感じていただけるようなワークショップを開催するなど、楽しみ方の幅を広げていただけるような活動を行っています。

編集部

それなら芸術にあまり詳しくないという方でも、参加してみたくなりそうですね。これまでに開催されたものについて、簡単に内容を教えていただけますか?

山崎さん

企画展や特別展を年に一回開催しているのですが、2018年に行った企画展「中山忠彦-永遠の美を求めて-」で、「中山忠彦の美をめぐって」という解説会を開催しました。

編集部

解説会はとても興味深いイベントですね。自分なりに作品を観て感じることも楽しいですが、作家や作品について詳しく知ることができると、作品に対する興味や理解が深まってまた違った見方ができそうです。

山崎さん

また「じぶんサイズあーと」と題して、親子が一組になって段ボールで子供の分身を作るというワークショップも開催しました。

「じぶんサイズあーと」の様子
▲ワークショップ「じぶんサイズあーと」で、実際に子供の分身を作っている様子

ボランティアスタッフとの記念撮影
▲ボランティアスタッフさんとの完成後の記念撮影

編集部

ワークショップも企画展や特別展と連動して開催されているのですね。なるほど、まさに「みる、かたる、つくる」ですね。展示内容だけでなくさまざまな角度から楽しめるので、印象にも残りやすいですし、その作家や作品をもっと好きになれそうです。

山崎さん

2021年度の企画展「漆黒のモダン漆芸家佐治賢使展」では、解説会として佐治賢使さんのご子息で漆芸家の佐治ヒロシさんにお話しいただきました。

編集部

偉大な父の作品について同じ道を歩むご子息が語るなんて、それだけで興味津々です。もう終わってしまったのがとても残念です。佐治賢使さんは、千葉県市川市の名誉市民でいらっしゃるとお聞きしましたので、そんなご縁もあって実現できた貴重なイベントだったのですね。

編集部

今後予定されているものについても、教えていただけますか?

山崎さん

スプリングワークショップ「春を見つけよう-万華鏡の世界を楽しむ-」を、2022年2月19日(土)に開催する予定です。ミラーペーパーで三角鏡を作って、美術館の館内や外を探検して春の景色をのぞいてみるというものです。

スプリングワークショップの様子
▲実際に三角鏡でのぞいた様子

編集部

2月19日といえば私たちの体感としてはまだまだ冬の真っただ中ですが、草木や虫などは自然の中で春の気配を感じようということですね。

山崎さん

対象は幼児から小学生で、参加費用は500円です。事前申し込みが必要ですので、2月5日(土)までにお申し込みください。

編集部

大人は対象外なので少し残念ですが、周りの子供たちにぜひ教えてあげようと思います。

日本を代表する建築家・大高正人の設計による建築

編集部

収蔵作品の素晴らしさはもちろんですが、千葉県立美術館では建物自体も貴重な建築物なのだとか?

山崎さん

はい、戦後モダニズム建築の一派として活躍し、後に黒川紀章らとともにメタボリズム建築運動を立ち上げた、大高正人の設計によるものです。

編集部

大高正人氏と言えば、日本を代表する建築家の一人ですね。展示だけでなく建物もしっかり鑑賞したいと思います。また、千葉県文化会館や千葉県立中央図書館なども手掛けられているので、建築家・大高正人の作品をめぐってみるのも楽しいかもしれません。

他にも施設の見どころがあれば、ぜひ教えてください。

山崎さん

屋内だけでなく屋外にも彫刻などの作品を展示していますので、お天気のいい日にはぜひこちらもご覧いただきたいです。広い庭園で自然と融合する作品は、いろいろな角度から眺めてみるのも楽しいと思います。

屋外の展示作品
▲屋外の展示作品

編集部

広大な敷地に建つ美術館だからこそ、空間全体を活かしたスケールの大きい展示ができるのですね。

周辺の自然も絵になるロケーションはカップルデートにぴったり

編集部

館内の展示だけでなく、屋外のアートと自然の融合を散策しながら楽しめそうですね。一人でのんびり訪れるのもいいですが、やはりカップルであれこれ話しながら回遊するのがよいと思いました。

山崎さん

はい、おっしゃるとおりです。約1万坪の敷地に広がる芝生や四季の花々が目を楽しませてくれますし、傾斜屋根のモダンな建物はそれだけで絵になります。背後にそびえるポートタワーとのコントラストも素敵ですよ。また美術館の周りにも公園や緑が多く、ここまで来る道のりにも美しい景色が広がっているので、カップルで散策するにはぴったりのロケーションだと思います。

編集部

どれも素敵なので、全部楽しみたいですね。となると一息つける場所がほしくなりますが、館内にカフェやレストランなどはありますか?

山崎さん

はい、レストランShirayuriがあります。中庭に面していますので、彫刻を鑑賞したり季節の移ろいを感じたりしながら、お食事や休憩を楽しんでいただけると思います。

カフェレストランShirayuriの外観
▲中庭に面したカフェレストランShirayuri

編集部

こんなに美しい中庭を眺めながらくつろげるのなら、デートで訪れる時にはあらかじめコースに入れておきたいですね。

ちなみにデートの帰りにお土産を買って帰る人もいると思いますが、ミュージアムショップではどのようなグッズが販売されていますか?

山崎さん

開催中の展覧会の関連グッズを販売しています。お互いに気に入ったものをプレゼントし合うのも記念になるので、ぜひ覗いてみてください。

編集部

ここに来るだけで、本当にさまざまな楽しみがありますね。企画展やコレクション展など、タイミングによって鑑賞できる作品も異なりますし、何度でも訪れたくなる美術館だと思いました。

本日はたくさんの話を聞かせていただき、ありがとうございました。

千葉県立美術館の口コミ評価

ポータルサイトなどで、美術館を訪れた人の口コミを調べてみました。

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じっくりと作品を鑑賞する環境が整っている。美しい絵画を見て、心が豊かになった。
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とてもレベルの高い作品と落ち着いた空間で、癒やしの一時を味わえた。
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駐車場もあり車で行くのは便利ですが、電車、モノレールでも、景色を楽しみながら歩けばあっという間です。
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展示だけでなく趣のある建物もよかった。
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レストランのランチセットは、値段も手頃で美味しかった。

レストランの食事がおいしいというコメントや、館内の雰囲気や環境を評価する声が多く見られました。訪れた方たちは、みなさんゆっくり鑑賞されているようです。

インタビューを終えて感じたこと

ここまで山崎さんにいろいろお話を伺ってきましたが、ぜひデートで訪れてほしい美術館だと思いました。貴重なコレクションの数々に、より理解を深められる解説会やワークショップなどはもちろんですが、みなと町というロケーションに趣ある建物と美しい庭園は、カップルが過ごすにはこれ以上ないシチュエーションです。

次のデートプランを考えているみなさんは、ぜひ一度千葉県立美術館を訪れてみてくださいね。

千葉県立美術館の基本情報

住所 〒260-0024
千葉市中央区中央港1丁目10番1号
電話番号 043-242-8311
開館時間 9:00~16:30
休館日 ・月曜日
(ただし、月曜日が祝日・振替休日に当たるときは開館し、翌日休館)
・年末年始、臨時休館日もあり
※詳しくは公式サイトにてご確認ください。
入場料 ◎通常期間
(令和4年1月25日〜3月21日、以降は施設にご確認ください。)
一般:300円/高・大生:150円/中学生以下、65歳以上:無料

◎企画展期間
(決まり次第公式サイトに掲載されます。)
一般:500円/高・大生:250円/中学生以下、65歳以上:無料
※県民の日(6月15日)と文化の日(11月3日)は入場料が無料になります。
*身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳保持者の方、および介護者の方は無料。
*65歳以上の方・学生の方は証明書をご提示ください。
*中学生の方は生徒手帳のご提示をお願いしております。
駐車場 無料駐車場78台分(うち2台は身体障碍者用)
アクセス 【公共交通機関】
・JR京葉線・千葉都市モノレール「千葉みなと」駅下車、徒歩約10分

【車】
・(東京方面から)東関東自動車道「湾岸習志野I.C」から約20分
・(成田方面から)京葉道路「穴川I.C」から約20分
・(東金方面から)千葉東金道路「千葉東I.C」から約20分
・(館山方面から)京葉道路「松ケ丘I.C」から約20分
公式サイト http://www2.chiba-muse.or.jp/ART/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です

千葉県立美術館周辺のおすすめデートスポット

千葉県立美術館見学後は、みなと町を満喫するのがおすすめです。観覧船での千葉港クルージングは、海側から見る千葉の景色がいつもと違って見えてとても新鮮です。デートの最後はシーフードグルメでお腹を満たして、締めくくりましょう。

おすすめのデートスポット

海側からのアングルで千葉を楽しむ観光船クルージング「千葉港めぐり」

千葉港めぐりのクルージングコースは、千葉港中央ふ頭を約40分かけて遊覧します。コンテナターミナルや食品コンビナート、ジェット燃料の油送基地、製鉄所が立ち並ぶ海岸沿いの光景は、どこかノスタルジックな雰囲気が漂います。移り変わる景色を見ながら、たわいない会話に花を咲かせるのも楽しいひと時ですね。

「イルミネーションクルーズ」や「花火クルーズ」、「納涼船プラン」など、季節によって登場するプランもあるので、ぜひいろいろ試してみてください。

公式URL:http://www.chiba-port.com/

いけすから好きな魚介類を選べるシーフードレストラン「PIER-01みなと店」

シーフードレストラン「PIER-01」は、千葉港めぐり観光船の発着所がある旅客船ターミナル複合施設「ケーズハーバー」にあります。いけすから好きな魚介類を選び、好みの調理方法でいただけるので、グルメ好きのカップルなら「何を選んでどう食べるか」を決めるだけでも十分盛り上がりそうですね。

クルージングが13:30からのスタートなので、食事はクルージングの後にゆっくり楽しむのがおすすめです。

公式URL:https://ksnetwork.com/chain/pier/minato/index.html

まとめ:「千葉県立美術館」でのアート鑑賞と地元巡りで、千葉みなと周辺の魅力を知ろう

今回は千葉県立美術館で地元にゆかりのあるアートを鑑賞し、千葉港中央ふ頭を観光船での遊覧、シーフードグルメと、千葉の地元を堪能するデートプランを紹介しました。近隣の他府県から訪れる人はもちろんですが、地元の人ほど改めて気付く魅力がたくさんあると思います。

季節ごとに景色や楽しみ方も異なりますので、気に入った場所は何度でも訪れてみてください。