「赤岩山光恩寺」で文化財と驚きの空間に魅了されるデート|群馬県千代田町|縁結び大学

今回ご紹介するのは、群馬県邑楽郡の寺院「赤岩山光恩寺(あかいわさんこうおんじ)」を中心に過ごすデートプランです。

赤岩山光恩寺は1,000年以上の歴史を誇り、貴重な文化財や迫力のある涅槃像など見どころの多い寺院です。四季折々の美しい景観のなか、非日常空間を味わいたいカップルにおすすめのデートスポットですよ。

今回は、そんな赤岩山光恩寺の副住職・長柄(ながら)さんに詳しく話をおうかがいしました。

長い歴史と文化財を誇る「赤岩山光恩寺」

赤岩山光恩寺の本堂側から見た山門

赤岩山光恩寺は、群馬県邑楽郡千代田町(おうらぐん・ちよだまち)にある真言宗の寺院です。現在の住職で84代という長い歴史を誇る光恩寺は、知られざる関東の古刹と言われています。

千年を越えて神聖な地であり続けている場所は関東でも数少なく、境内には目を引く重要文化財も有する大変貴重な寺院です。

ここからは、そんな光恩寺について詳しくみていきましょう。

デートなら、歴史を感じる渡し船でのアクセスもおすすめ

編集部

まずは、光恩寺周辺のロケーションやアクセスについて教えてください。

長柄さん

赤岩山光恩寺は、日本を代表する川・利根川の近くにございます。当寺から徒歩5分の距離に渡し舟「赤岩渡船」の渡船場があるため、この渡し舟を利用して埼玉県側からいらっしゃる方も多いんですよ。

赤岩渡船の歴史は古く、戦国時代の上杉謙信の文献にも登場しています。江戸時代には利根川を利用した水運が発達していたため町内には多くの渡船場が栄えていましたが、現在で町内に残っている渡船場はこの赤岩渡船だけになりました。

赤岩渡船の利用料は無料なので、カップルで渡し舟でお越しいただくのも良いかと思います。ちなみに、赤岩渡船は、利根川を挟んで埼玉県へとつなぐ、利根川唯一の水上の県道なんですよ。

お車でお越しいただく場合、東北自動車道の館林ICから車で30分ほどの距離に赤岩山光恩寺がございます。電車ですと、東武伊勢崎線の川俣駅からタクシーで10分程、館林駅からはタクシーで20分程です。

>>赤岩渡船について(千代田町公式サイト)

高麗の僧が開山、古墳や阿弥陀如来像が現存する光恩寺の歴史

編集部

光恩寺の歴史や由緒について、教えていただけますか?

長柄さん

寺伝によりますと、推古天皇33年(625年)に高麗王から遣わされた僧・慧灌(えかん)がこの地域の豪族の招きを受けて、当地で仏法を説き当寺を開山したとされます。

境内には、その豪族のものとされる全長90m程の前方後円墳が現存しています。

赤岩山光恩寺の赤岩堂山古墳
▲大型前方後円墳「赤岩堂山古墳」。近隣にも多くの古墳群が存在しています。

その後、弘仁5年(814年)に弘法大師が東国を訪れた際に当地に留まり、真言密教の道場として再興されたといわれ、現在も弘法大師を宗祖とする高野山真言宗の寺院となっています。

鎌倉時代に源頼朝の側近の1人であった佐貫広綱(※1)が造立したといわれる阿弥陀如来像(県指定重要文化財)も現存しており、今でも阿弥陀堂内には清浄な空気が流れ心が洗われます。
(※1)現在の群馬県邑楽郡を治めた鎌倉前期の武将

このほかにも、鎌倉時代の石像美術品としても貴重な「地蔵菩薩画像板碑」(県指定重要文化財)や、密教法具として価値のある「銅五種鈴」(国指定重病文化財)などが光恩寺で受け継がれてきました。

また、特に不動明王の霊場として古くから信仰され、願い事を込めて毎年たくさんの方にお参りいただいています。

迫力と驚きの空間が魅力!光恩寺の見どころ

歴史のある光恩寺には貴重な文化財があることがわかりましたが、もう少し詳しく光恩寺のことを掘り下げてみたいですね。この後は、境内の見どころについてお聞きしてみましょう。

夢の実現を願いくぐる「合格の門」&迫力の「龍神天井画」

赤岩山光恩寺の合格の門

編集部

訪れた方に観ていたただきたい、光恩寺の見どころについてご紹介ください。

長柄さん

まずご紹介したいのは、近代日本の女医・荻野吟子(おぎのぎんこ)の生家である長屋門ですね。明治期に現在の熊谷市から光恩寺に移築され、現在も残っています。

吟子女史は、女性で初めて医師国家試験に合格した人物です。明治初期は女性が医師になる道はありませんでしたが、道なき道を固い決意で切り開いて願いを成就し、その決意をもって吟子が田舎から上京する際に通ったのが、この長屋門です。

赤岩山光恩寺の吟子女史像と長屋門
▲荻野吟子生家長屋門(国登録有形文化財)と吟子女史像

そのことから吟子女史「合格の門」と呼ばれ、受験合格や夢の実現を願いながら、実際にこの門を通ることができるんですよ。

また、本堂に入りますと、70畳に及ぶ大きさの龍神の天井画が迎えてくれます。

赤岩山光恩寺の本堂天井画
▲本堂内の本尊不動明王と胎蔵竜王天井画

ぜひ本堂で横になって見上げていただきたいです。天井いっぱいに描かれた龍神の迫力に圧倒されますよ。

そしてしっかりと御利益をいただくために本堂内を一周し、龍神の尾を探してみてください。その上で仕事、事業の成功、身体堅固を御祈願いただくとよいと思います。

横たわる金色の釈迦如来像は圧巻!美しい八角形の涅槃堂

赤岩山光恩寺の涅槃堂内部

編集部

ほかにも見どころとなる建造物はありますか?

長柄さん

本堂のすぐ近くに近年建立された、八角形の御堂、釈迦如来涅槃堂もぜひご覧いただきたいです。

赤岩山光恩寺の涅槃堂外観
▲釈迦如来涅槃堂の外観

世界的建築家、手塚貴晴氏による設計で、建築物としても魅力的ですが、内部は釈迦如来涅槃図の世界観を立体化した宗教的空間になっています。

5メートル近い黄金の涅槃像が横たわった姿に驚かれることでしょう。

赤岩山光恩寺の涅槃堂内部
▲堂内に横たわる迫力ある涅槃像

涅槃像の足の裏に実際に触れていただくことも可能です。

ほかにも、御弥陀堂にて鎌倉時代初期の阿弥陀三尊像を拝観いただけます。御堂に入ると、阿弥陀仏から清浄な空気が伝わってくるのを感じられるのではないでしょうか。

赤岩山光恩寺の春の本堂
▲阿弥陀三尊像(県指定重要文化財)が安置されている阿弥陀堂。

いずれの御堂も管理の都合上、拝観希望の際は事前のお問い合わせが必要です。ぜひご連絡の上、拝観してくださいね。

四季の美しさで魅了する境内、空間を彩る桜と大銀杏が見事

編集部

季節ごとに違う楽しみ方などがあれば教えてください。

長柄さん

季節としては、春がおすすめですね。3月末頃から4月にかけて桜がとてもきれいです。新緑の木々に囲まれる5月も気持ちがいいですよ。

大銀杏などの黄葉で境内が明るくなる秋も、ぜひ訪れてほしい季節です。また本堂の裏手に竹林がありますが、これから竹林道も整備していく予定です。

赤岩山光恩寺の春の景色

赤岩山光恩寺の春の涅槃堂

赤岩山光恩寺の春の境内

赤岩山光恩寺の夏の吟子女史像

赤岩山光恩寺の初夏の境内

赤岩山光恩寺の初夏の本堂

赤岩山光恩寺の秋

赤岩山光恩寺の冬の境内

スクロールで季節ごとの境内の写真が見られます→

編集部

境内をまわる際、おすすめの順路はありますか?

長柄さん

山門から入った場合の順路としては、本堂から涅槃堂、長屋門をご覧いただいてから、少し離れた阿弥陀堂へとお参りいただくのがよいかと思います。または順路を気にせずに自由に散策していただいても構いません。

火渡りの荒行にインド舞踏の奉納も!魅力的な年中行事

編集部

光恩寺で行われる年中行事について、聞かせていただけますか?

長柄さん

1月1日から4日までは、一年の無事を祈り厄除け祈願を行っています。この間は秘仏の不動明王が開扉され、すぐ前でお参りすることができますよ。

赤岩山光恩寺の本堂での御祈願
▲1月のご祈願の様子。秘仏の直ぐ前でお参りする参拝者。

3月28日には、柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)という火渡りの荒行があります。

赤岩山光恩寺の火渡り荒行
▲春季不動尊大祭の火渡り荒行

これは参拝の方の願いが成就するように祈願するもので、行者の荒行の後、火勢を十分抑えた後で参拝者も安全に火渡り修行体験をすることができるんです。人気の行事で、毎年多くの参拝者で賑わってきました。

また10月28日にはインド舞踏が奉納されます。現住職はインド関係者との交流が深く、一流の舞踏家を毎年招いている人気の行事です。

赤岩山光恩寺のインド舞踏
▲秋季不動尊大祭でのインド舞踏

花火や灯ろう流しも行われる伝統の「川せがき」

編集部

光恩寺には、お祭りのような行事はありますか?

長柄さん

8月18日には、無形文化財に指定されている「川せがき」が行なわれます。これは光恩寺が起源の利根川での法要で、150年続く千代田町の伝統行事です。

赤岩山光恩寺の川せがきの様子
▲利根川での「川せがき」の様子。左手に渡し船が見える。

今では町全体の「千代田の祭り 川せがき」として行われ、夕方6時頃から光恩寺近くの利根川岸にて花火や灯ろう流しが見られます。露天がたくさん並び、見物客で賑わいますよ。

どちらの行事も、子どもから大人まで楽しみながらご参拝いただけます。遠方からお越しになる方も多く、カメラでの写真撮影が好きな方もたくさん来られていますよ。

光恩寺のデートでの楽しみ方

ここからは光恩寺におけるデートの楽しみ方を聞いていきましょう。

2人でお釈迦様の足の裏を撫でて共に正しく歩めるよう願う

編集部

デートで訪れた2人に、「これだけは見てほしい」という長柄さんおすすめのものはありますか?

長柄さん

釈迦如来涅槃堂の涅槃像ですね。涅槃のお釈迦様の足の裏を片方ずつ2人で一緒に撫でてみてください。そして、お釈迦様のぴったり揃った両脚にあやかり、いつまでも共に正しく歩めるように願いを込めるとよいと思いますよ。

赤岩山光恩寺の涅槃像の足の裏
▲光が差し込む涅槃堂に横たわる釈迦如来の足の裏

編集部

これはぜひ、2人で願いをこめて撫でてみたいですね。忘れられない経験になりそうです。

ベンチで景色を堪能する!記念撮影は山門や長屋門がおすすめ

編集部

カップルがゆっくり過ごせるような場所や、おすすめの撮影スポットについても教えてください。

長柄さん

境内に大きいベンチが設置してありますので、こちらでゆっくりお過ごしください。桜や大銀杏の黄葉の季節には、境内の景色も堪能していただけるでしょう。

赤岩山光恩寺の大銀杏力
▲11月頃に見ごろとなる大銀杏の黄葉。左は光恩寺庫裏(国登録有形文化財)。

記念撮影は、荻野吟子生家長屋門や山門の前などが良いでしょう。

赤岩山光恩寺の山門
▲撮影スポットにおすすめの山門前(引用:公式Facebook

カップルでいただきたい御朱印とお守り

編集部

光恩寺には、カップルの記念になるような授与品などはありますか?

長柄さん

御朱印を集めている方には、3種類のものをご用意しています。特に梵字入りの御朱印は珍しいのではないでしょうか。

また、お釈迦様の足裏の模様からデザインされたお守りがあります。お二人で色違いのお守りをお持ちになるといいと思いますよ。

赤岩山光恩寺のお守り
▲色違いのお守り。花のような模様はお釈迦様の吉祥柄。

光恩寺周辺のデートスポット

周辺のデートスポットについてもお聞きしてみましょう。

編集部

光恩寺周辺のおすすめデートスポットがあれば教えてください。

長柄さん

近くの利根川と赤岩渡船がおすすめです。渡し船に乗って、雄大に流れる利根川を2人でゆったりと眺めてみてはいかがでしょうか。

都会ではなかなか味わえない、ゆったりとした時間が流れる中で、古の時代を感じることができます。特に、日が沈むころの利根川の輝きは、きっとお二人の心に残る景色になりますよ

渡船場には無料のレンタサイクルも設置されているので、周辺をサイクリングして楽しむのもいいですね。

光恩寺から車で2分ほどの距離には、文豪・田山花袋(たやまかたい)ゆかりの料亭「新田家(にったや)」があります。老舗のうなぎ料理店で人気があり、ランチにおすすめです。

一方、趣向は変わりますが、車で数分のところに一年中入れる町営の温水プールがあります。施設がきれいな上、いつも空いているので気持ちよく泳げます。水中で歩けるコースと泳げるコースで分けられていて、どなたでもリフレッシュできる施設でおすすめですよ。

また2023年春には、光恩寺から車で15分のところに、特に若い方に人気の大型商業施設「コストコ」ができる予定です。お車で来られる方は、お参りの後は心機一転して、お買い物をして帰るのも楽しいかもしれませんね。

光恩寺からのメッセージ

編集部

これから光恩寺を訪れるカップルへメッセージをお願いします。

長柄さん

決して交通の便がよい場所ではありませんが、その分ゆったりとした時間をお過ごしになれるかと思います。

事前にお問い合わせをいただければ、境内のご案内をいたします。外から見るだけではなく、お堂の中までご覧になってください。お二人で堂内を回ったり、門をくぐったり、お釈迦様に触れたりと、ぜひ歴史や文化の体験を共有していただきたいです。

また、お正月の厄除けなど、ご祈願のお申込みの方は年々増えております。ご祈願をいただく方には、お参り前のオンライン予約システムが好評ですよ。

赤岩山光恩寺の御札
▲光恩寺の祈願御札(普通、特別、特別大)

お参りいただく前に、御札を丁寧にお作りして準備することができるため、長くお待たせすることがありません。お越しになられましたら、すぐにご祈願に入らせていただきますので、ぜひご利用くださいね。

ご希望であれば、近所でおすすめのお寿司屋さんやお蕎麦屋さんなどをご紹介することもできますよ。お二人でお越しくださるのをお待ちしています。

編集部

今回は光恩寺の見どころについてお話しいただき、ありがとうございました。

光恩寺を訪れた方の口コミ・感想

編集部では、光恩寺を訪れた方の口コミや感想などを調べてみましたので、要約してご紹介します。

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本堂の迫力ある天井画の龍は圧巻!
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阿弥陀堂の阿弥陀如来像からは神聖な空気を感じる
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大きな涅槃仏に驚いた
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住職と奥様が気さくに話してくれたのが印象的だった

感想からは、龍の天井画や涅槃仏の迫力が心に残っているという方が多い印象でした。また長柄さんのお話では、合格祈願などで長屋門を通った方々から喜びの報告がたくさん寄せられているそうですよ。

光恩寺は見どころも多く、デートで訪れたカップルにいろいろな体験をもたらしてくれそうですね。

光恩寺の御祈願料金・予約など

御祈願 ・普通護摩祈願:3,500円
・特別護摩祈願:5,000円
・特別大護摩祈願:10,000円
御祈願予約 事前申し込みはこちら
御朱印 300円
お守り 600円

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。

赤岩山光恩寺の基本情報(アクセス・拝観時間など)

住所 〒370-0503
群馬県邑楽郡千代田町赤岩1041
連絡先 0276-86-2157
アクセス 【車】
東北自動車道「館林IC」より30分

【公共交通機関】
・東武伊勢崎線「川俣駅」下車、タクシーで10分
・東武伊勢崎線「館林駅」下車、タクシーで20分
・JR高崎線「吹上駅」下車、タクシーで25分
拝観時間 9:00〜16:30(12:00~13:00は昼休み)
*堂内拝観希望の場合は事前に要連絡
駐車場 あり
公式URL https://www.akaiwasan-kouonji.or.jp/

※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。