金の鉱山跡地をトロッコで回る「濵田酒造」の焼酎蔵見学デート|鹿児島県いちき串木野市

この記事では、大人向けのデートスポットとして、鹿児島県いちき串木野市にある濵田酒造株式会社の焼酎蔵見学をご紹介します。

濵田酒造は「隠し蔵」や「海童」などの本格焼酎で広く知られる酒造メーカーで、2018年に発売されたライチのように香る本格芋焼酎「だいやめ~DAIYAME~」は若者や女性からも人気であるほか、海外からも大きな注目を集めています。

そんな濵田酒造では、2つの焼酎蔵の見学が可能です。蔵の特性にあった異なるツアーを実施しており、金の鉱山跡地を利用した「薩摩金山蔵」ではトロッコに乗って坑洞内にある焼酎蔵を回るといったユニークな蔵見学が楽しめます。

3つの焼酎蔵でさまざまな人気焼酎を開発・製造する「濵田酒造」

鹿児島県いちき串木野市にある濵田酒造でつくられている焼酎が並んでいる写真

濵田酒造は、明治元年から焼酎造りを続けている酒造メーカーです。その大きな特徴は、焼酎造りの理念を体現する3つの焼酎蔵にあります。伝兵衛蔵は「伝統」、傳藏院蔵は「革新」、薩摩金山蔵は「継承」を掲げて、それぞれで個性ある焼酎を開発・製造しています。

濵田酒造が「隠し蔵」や「海童」など広く流通する看板商品を造り続けながらも、国内外のさまざまなコンテストで高く評価される新たな商品を続々とリリースしていけるのは、この3つの蔵の存在が大きいといえるでしょう。

濵田酒造の伝兵衛蔵の焼酎造りの様子
▲伝兵衛蔵での焼酎造りの様子

「だいやめ〜DAIYAME〜」「CHILL GREEN」などの新商品が話題に

濵田酒造の焼酎の中でも、近年特に注目されているのが、2018年発売の「だいやめ〜DAIYAME〜」です。独自開発の「香熟芋」を使った本格芋焼酎で、ライチを思わせる華やかな香りと、甘くてまろやかな味わいを持っており、若者や女性から好評なのだと言います。さらに、食中酒用にキレの良い後味に設計されていて、強炭酸水で割って飲むスタイルが人気のようです。

2019年には世界三大酒類コンテストに数えられる「インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション(IWSC)」で、焼酎部門の「トロフィー(部門最高賞)」を受賞(※)して、大きな話題を呼びました。(※)公式:濵田酒造(だいやめ〜DAIYAME〜

また2023年には、ボタニカル系の麦焼酎「CHILL GREEN」を発売。近年注目されるようになったスパイス「マーガオ」をボタニカル原料として使用した、フルーティーな逸品です。これまでの焼酎にない、ジンのような香りや、ワイン瓶のようなスタイルとオーガニックなデザインが高く評価されており、「ガラスびんアワード2024」では審査委員長であるリリー・フランキー賞を受賞しています。

濵田酒造の焼酎蔵見学デートの楽しみ方「伝兵衛蔵」

濵田酒造の伝兵衛蔵の外観
▲濵田酒造の伝兵衛蔵の外観。お庭もキレイに整備されています。

ここからは、濵田酒造での焼酎蔵見学デートについて紹介します。濵田酒造で焼酎蔵見学ツアーがあるのは3つあるうちの2つ「伝兵衛蔵」と「薩摩金山蔵」です。まずは1つ目の「伝兵衛蔵」について、その見どころや知っておくと焼酎蔵見学がさらに楽しめる情報について、濵田酒造マーケティング本部の脇元課長と上西園係長に話を伺いました。

明治元年から続く「創業の蔵」で伝統と歴史を感じられる焼酎蔵見学

濵田酒造の伝兵衛蔵の木桶蒸留器
▲伝兵衛蔵の焼酎蔵見学では、長年使われてきた道具を見ることができる

編集部

3つの蔵ごとにコンセプトが異なるとのことですが、伝兵衛蔵とはどのような蔵なのでしょうか?

脇元さん

伝兵衛蔵は明治元年から続く創業の蔵です。現在も手づくりで焼酎を仕込んでおり、ミュージアムでは当時使っていた道具を展示しています。

また、伝統をコンセプトとした伝兵衛蔵で製造している代表的な焼酎に「古式有機原酒なゝこ(ななこ)」があります。現存する日本最古の黄麹や、有機米・有機芋の使用、杉木桶による木桶蒸留など、7つのこだわりを持って製造している芋焼酎で、年1回5月下旬に数量限定で発売しています。

濵田酒造の伝兵衛蔵で製造している「古式有機原酒なゝこ(ななこ)」
▲伝兵衛蔵で製造している「古式有機原酒なゝこ(ななこ)」

上西園さん

ボトルには日本の伝統色を使っており、これがきれいだと好評を頂いています。毎年カラーを変えていて、去年の2023年は牡丹(紫がかった紅色)でした。

会話が弾むクイズラリーや試飲もあり!蔵見学後は併設レストランで食事も可能

濵田酒造のマーケティング本部の脇元さん
▲インタビューに応じてくださった濵田酒造の脇元さん

編集部

伝兵衛蔵の蔵見学ではどのような楽しみ方ができるのでしょうか?

上西園さん

蔵見学は予約制のツアー形式です。ツアーと言っても、会話をしながら臨機応変に質問できるようなプライベートな雰囲気なので、デートにもピッタリです。クイズラリーがあるので、会話も弾むと思いますよ。実際にカップルでいらっしゃる方も少なくありません。伝兵衛蔵にはレストランも併設しているので、蔵見学のあとにお食事を楽しむこともできます。

また、蔵見学が終わったら試飲も可能です。そこでは、焼酎に使用する代表的な麹である黒麹、白麹、黄麴の味わいの違いを感じていただけると思いますよ。

編集部

例えばツアー中や売店で、それぞれの焼酎に合う料理などについても教えてもらうことはできるのでしょうか?

上西園さん

もちろんです。串木野はさつま揚げが有名なエリアで、鹿児島まで広げると鳥刺しなども良く食べられています。こうした地元のグルメとのペアリングを基本にご案内しています。

また、伝兵衛蔵の周辺には多彩な飲食店があるので、そちらをご紹介させていただくことも可能です。

伝兵衛蔵の蔵見学の予約方法・所要時間・見学料金

予約 予約フォーム
電話で申込も可能(0996-36-3131)
※事前予約制のため、要予約
見学方法 ・ツアー形式(最大20人程度)
・1日2回実施(11:00~、14:00~)
定休日 水曜日
見学料金 ・大人(20歳以上):500円(税込)
・20歳未満:無料
所要時間 40分

濵田酒造の焼酎蔵見学デートの楽しみ方「薩摩金山蔵」

濵田酒造の薩摩金山蔵
▲濵田酒造の薩摩金山蔵。同じ酒造メーカーの蔵とは思えないほど、伝兵衛蔵とはまったく異なる趣です。

次は2つ目の「薩摩金山蔵」の見学について紹介します。引き続き脇元さんと上西園さんに伺いました。

焼酎の製造・貯蔵を行う「薩摩金山蔵」は金の鉱山跡地を利用

濵田酒造の薩摩金山蔵の坑洞内の様子
▲金の鉱山跡地に大甕が並ぶ薩摩金山蔵

編集部

続いて、薩摩金山蔵とはどんな蔵なのか教えてください。

脇元さん

薩摩金山蔵は「継承」がテーマで、500年以上の歴史を持つと言われる焼酎の伝統や文化を継承するというコンセプトで立ち上げられました。最大の特徴は金の鉱山跡地を利用して焼酎の製造と貯蔵を行っていることです。坑洞内にずらっと並んだ大きい甕は見ごたえがありますよ。

また薩摩金山蔵は、坑洞を700メートルほど奥に入ったところにあり、1年を通じて気温が19度前後に保たれています。夏は涼しく冬は暖かく紫外線も届かないため、快適にデートを楽しめると思います。

編集部

薩摩金山蔵ではどのような焼酎を製造されているのでしょうか?代表銘柄をご紹介ください。

脇元さん

薩摩金山蔵のフラッグシップ商品は、緑色のボトルの「薩摩焼酎 金山蔵」です。非常に特徴的な、他の焼酎にはない個性を持っています。最大の特徴は、金山にちなんだ「黄金麴」で仕込み、金山の坑洞で長期貯蔵するという唯一無二の製法です。黄金麴は一般的な麴とは異なる、金山蔵独自の麹です。かなり昔に発見されたものの、長らく使われていなかったものを我々が復活させました。

深くまろやかな味わいで、華やかな余韻が長く続きます。飲み方としてはロックや水割りが好まれますが、最近は炭酸割りもポピュラーになってきているんですよ。

濵田酒造の薩摩金山蔵で製造されている「薩摩焼酎 金山蔵」
▲薩摩金山蔵で製造されている「薩摩焼酎 金山蔵」

脇元さん

また薩摩金山蔵では、鹿児島では珍しく日本酒「薩州正宗」も製造しています。2012年の発売当時、鹿児島県は日本で唯一、清酒蔵のない県でした。その鹿児島で約40年ぶりに製造販売されたのが「薩州正宗」です。

トロッコで坑洞を回る蔵見学!ツアー内容は定期的に変わるから何度でも楽しめる

濵田酒造の薩摩金山蔵を案内してくれる蔵人さんとトロッコ
▲薩摩金山蔵を案内してくれる蔵人さんとトロッコ

編集部

薩摩金山蔵の蔵見学ではどのような楽しみ方ができるのでしょうか?

脇元さん

蔵見学では、実際にトロッコで坑洞の中に入り、焼酎を製造している蔵や貯蔵甕、採掘当時に使われていた機材を見学することができます。アトラクション的な要素もあるためか、若い方やカップルの見学者も多いですね。

また、蔵見学はツアー方式で内容が定期的に変わります。例えば2024年の4~5月は「~金山蔵の原点を知る~創業記念蔵見学ツアー」を行いました。トロッコや試飲に加えて、エンターテインメント性の高いツアーを体験していただけると思います。特別企画など、新しいツアーを随時実施していますので、詳細は公式サイトからご確認ください。

公式:最新情報(金山蔵

編集部

少し薄暗い坑洞という非現実的なシチュエーションも、デートにぴったりのロケーションだと感じました。

薩摩金山蔵の蔵見学の予約方法・所要時間・見学料金

予約 予約フォーム
電話で申込も可能(0996-21-2110)
見学方法 ・ツアー形式(最大40人程度)
・1日2回実施(11:00~、14:00~)
※内容は時期により異なる。詳細は公式サイト(最新情報)
営業日 土日祝日のみ営業
見学料金 ・試飲付きコース:大人(20歳以上)2,500円(税込)
・試飲無しコース:大人800円(税込)、小人400円(税込)
※事前予約料金
所要時間 75分

濵田酒造の蔵見学に訪れた人の声や口コミ

濵田酒造の薩摩金山蔵の製造風景

濵田酒造の蔵見学を体験した人の声や口コミを調べてみました。

▼伝兵衛蔵

アイコン
蔵見学では、素晴らしい歴史を感じられました。
アイコン
焼酎の品ぞろえが多く、珍しいものや梅酒なども並んでいました。
アイコン
ランチは値段に比べて内容が充実していたので大満足!平日でもお客さんがいました。

▼薩摩金山蔵

アイコン
トロッコは少し揺れたりするので、ワクワク感があります。
アイコン
金鉱山と蔵の案内を受けることができます。
アイコン
歴史ある鉱山の中はとても雰囲気があり、別世界のようです。
アイコン
ショップには焼酎、日本酒、梅酒などが並んでいました。

伝兵衛蔵も薩摩金山蔵も、どちらも蔵見学を満喫しているコメントが目立ちました。伝兵衛蔵はランチスポットとして、薩摩金山蔵はトロッコや坑洞の雰囲気を味わうスポットとして、デートで活用されているようです。

濵田酒造の蔵見学と一緒に楽しめる、周辺のおすすめデートスポット

濵田酒造のあるいちき串木野市は、薩摩の歴史と深く結びついているエリアです。

最後に脇元さんと上西園さんから教えていただいた、濵田酒造の蔵見学と一緒に訪れやすい周辺のデートスポットをご紹介します。

明治維新の時代を感じられる「薩摩藩英国留学生記念館」

薩摩藩英国留学生記念館は、明治維新の立役者となった留学生たちの記録を残す記念館です。薩摩金山蔵から車で約20分の場所にあります。

展示を通して、鎖国していた江戸時代の末期、五代友厚ら19人が串木野の羽島からイギリスへ密航し、西洋の文化を学んだ様子を知ることができます。

濵田酒造が創業した時代の雰囲気や土地柄・留学生の人柄を知ることができるスポットだと言えるでしょう。歴史好きのカップルには特におすすめです。

公式:薩摩藩英国留学生記念館

非日常を味わえるグランピングリゾート「吹上浜フィールドホテル」

吹上浜フィールドホテルは、非日常的な空間を味わえるグランピングリゾートです。伝兵衛蔵からは車で5分ほどの場所にあります。

トレーラールームやテントルームが並ぶグランピングエリアとホテル棟があり、天然温泉やプール、サウナ、焚き火やバーベキューなど、さまざまなアクティビティを楽しめます。夕暮れ時の吹上浜の風景や、トレーラーの屋上から見上げる星空など、デートにぴったりのロケーションですよ。

濵田酒造の思い出を二人で振り返りながら、ゆったりとした夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。

公式:吹上浜フィールドホテル

濵田酒造(伝兵衛蔵・薩摩金山蔵)の基本情報(アクセス・営業時間)

▼伝兵衛蔵

住所 〒899-2101
鹿児島県いちき串木野市湊町4丁目1番地
アクセス・最寄駅 【公共交通】
JR「市来駅」下車後、徒歩約20分

【車】
南九州西回り自動車道「市来IC」から約5分
電話番号 0996-36-3131
営業時間 【売店】
9:00~17:00

【お食事処】
・ランチタイム11:00~15:00(L.O.14:00)
・ディナータイム18:30~22:00(予約のみ)
定休日 水曜日
駐車場 あり
公式URL https://www.hamadasyuzou.co.jp/denbee/

▼薩摩金山蔵

住所 〒896-0073
鹿児島県いちき串木野市野下13665
アクセス・最寄駅 【公共交通】
JR「串木野駅」から路線バスで川内方面へ。「野下口」下車後、徒歩約5分

【車】
南九州西回り自動車道「串木野IC」から約10分
電話番号 0996-21-2110
営業時間 【売店】
・土日祝日のみ営業
・10:00~17:00
定休日 平日
駐車場 あり
公式URL https://www.hamadasyuzou.co.jp/kinzan/

※最新の情報はホームページでご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です。