北海道乙部町で暮らす良さとは?移住のための仕事・住居・支援情報

この記事では、北海道での移住を検討している方に向けて、乙部町(おとべちょう)の暮らしに役立つ情報を紹介します。

北海道にある乙部町は、豊かな自然環境に恵まれていることから農業や漁業が盛んなまち。町内では地元でとれた新鮮な農作物や海産物が販売されているので、移住先で食を楽しみたい方にとってはおすすめです。

また子育て世帯にとって嬉しいサポートをはじめ、自然環境を活かした体験学習や遊び場もあるので、自然に囲まれた場所でのびのびと子育てすることもできます。

今回は乙部町役場 地域振興対策室・室長の宮本さん、総務課企画係・主事の高橋さんにインタビュー取材させていただいた内容をもとに、乙部町の特徴や魅力についてお伝えしていきます。

本日お話を伺った方
乙部町役場 地域振興対策室・室長の宮本さん

乙部町役場 地域振興対策室・室長

宮本政則さん

乙部町役場 総務課企画係・主事の高橋さん

乙部町役場 総務課企画係・主事

高橋昇大さん

乙部町の3つの特徴

北海道乙部町 暮らしの特徴

乙部町で暮らす大きな特徴として、次の3点が挙げられます。

  • 夕日が美しい海街。町内で気軽にアクティビティ体験ができる
  • 地大豆や鮭など、乙部町産の新鮮な食を堪能できる
  • 子育てサポートあり。小中学校では自然を活かした体験学習ができる

ここからは、これらの特徴について詳しく紹介します。

特徴1:夕日が美しい海街。町内で気軽にアクティビティ体験ができる

乙部町の滝瀬海岸から眺める夕日
▲滝瀬海岸では美しい夕日が眺められる

北海道の渡島半島の西部に位置する乙部町は、移住者に人気の海沿いのまち。中でも、滝瀬海岸の「シラフラ」と「くぐり岩」から眺める夕日はSNSでも話題になるほど絶景です。

乙部町にある滝瀬海岸のシラフラ
▲高さ20mほどの白い断崖が約500mそびえ立つ「シラフラ」

乙部町にある滝瀬海岸の「くぐり岩」
▲江戸時代の漁師たちがニシン漁のための通路として掘削して使用していた「くぐり岩」

また豊かな自然に囲まれたエリアであることから、身近な場所でアクティビティ体験も可能。プライベートな時間で海水浴や登山などを楽しむ方も多く、週末には親子で釣りをする姿も見受けられます。

乙部町にある乙部漁港のようす
▲釣りスポットとしても人気の「乙部漁港」

人気は秋の鮭釣りですが、春先はマスやホッケ、カレイ、夏にはブリ釣りも楽しめるので、町内はもちろん札幌近郊や函館などからも多くの人が訪れているのだとか。

そんな乙部町は、海街に住んでみたい、田舎暮らしをはじめてみたい方にとってピッタリのまちです。

特徴2:地大豆や鮭など、乙部町産の新鮮な食を堪能できる

農業や漁業が盛んな乙部町には、新鮮で美味しい食材がいっぱい。町内では米をはじめ、ブロッコリーやアスパラガス、イチゴなどが栽培されています。

乙部町で栽培される米、ジャガイモ、イチゴ、アスパラガス
▲乙部町の農作物。アスパラガス(右下)は甘味が強く、シャキシャキ食感が特徴

近年では、幻の大豆といわれる地大豆「黒千石(くろせんごく)」や「大莢白乙女(おおさやしろおとめ)」などの栽培に力を入れ、乙部町で作られた大豆は和菓子やアイス、きな粉などに加工し、町を代表する特産品として販売されているそうです。

乙部町の地大豆「黒千石大豆」(左)、「大莢白乙女」(右)
▲黒千石(左)は大豆イソフラボンやポリフェノールが豊富なので、美容や健康を気にする方にピッタリ

乙部町役場 地域振興対策室・室長の宮本さん
宮本さん

地元で採れた野菜を土日に販売する、期間限定の野菜市も開催しています。

海の幸では鮭やスケトウダラ、イカなどが水揚げされるほか、近年はナマコの養殖にも取り組まれているのだそう。町内で捕れた魚介類は港の直売所で販売されているので、移住後は新鮮な海産物も気軽に購入できます。

乙部町で水揚げされた鮭、シマエビ、スケトウダラ
▲秋には立派な鮭が水揚げされる

町内には道内で有名な水産加工会社「株式会社マルサ笹谷商店」が運営する魚の専門店「釧之助(せんのすけ)函館乙部店」もあるので、海鮮好きな方にとってうってつけのまちと言えるでしょう。

■参考:株式会社マルサ笹谷商店「釧之助」

特徴3:子育てサポートあり。小中学校では自然を活かした体験学習ができる

乙部町の小学生がマーチングパレードをしているようす

乙部町では、小中学校の給食費半額や高校生の通学バス定期券代の2/3を補助するなど、子育て世帯にとって嬉しいサポートが行われています。また、0歳から高校3年生まで(18歳に達する日の属する年度末まで)の医療費(保険適用分)は初診料を除いて無料なので、子どもが多い家庭でも家計を気にせず受診できるのではないでしょうか。
■参考:乙部町役場(こども医療費助成制度について)

そんな乙部町では、小中学校で自然環境を活かした体験学習が行われているのだそう。小学生は農業体験で田植えから収穫まで、中学生は地元で捕れた鮭を使ってイクラの醤油漬けなどを作る調理実習にチャレンジします。

農業体験で田植え体験をする乙部町の小学生たち
▲農業体験をする地元の小学生たち

どちらも地元の農家や漁業組合の協力のもと行われるので、体験学習を通して、地元の子どもたちは教科書では学べない知識や経験を得られるはず。

”子どもには自然に囲まれた環境でのびのびと育ってほしい。”そんな方は乙部町での子育てを検討してみてはいかがでしょうか。

乙部町役場 総務課企画係・主事の高橋さん
高橋さん

町内には学童保育もあるので、共働きの移住者でも子どもの預け先には困りませんよ。

地元の子どもたちには「海のプール」や「緑地広場」のある元和台海浜公園が人気

職員さんに乙部町の子どもたちの遊びを伺ったところ、「元和台海浜公園」を教えていただきました。元和台海浜公園には大型遊具やアスレチック遊具がある「緑地広場」や、道内で唯一快水浴場百選に選ばれている「海のプール」など、子どもたちが喜ぶ場所がいっぱい。

元和台海浜公園の緑地広場
▲緑地広場には小さい子どもが楽しめる遊具も

元和台海浜公園の海のプール
▲夏季にオープンする「海のプール」は、地元の方に人気のスポット

海のプールは施設自体が防波堤となって大きい波をガードしているので、波が穏やかですし、シーズン中の土日祝日には、子どもを対象にウニやホタテの手づかみ体験を行っています。

海産物の手づかみ体験をする乙部町の子どもたち
▲真剣な表情でウニやホタテを手づかみする子どもたち

また遊び場とは少し異なりますが、乙部町ではスポーツ少年団に入る子どもが多く、野球やサッカー、バドミントンや水泳など、それぞれが好きなことに挑戦しているのだそう。移住後に子どもがうまく地域に馴染めるかどうか心配な方でも、スポーツ少年団を活用して子どもが熱中できるものや場所を見つけてあげれば、親よりも先にまちに溶け込む…なんてこともあるかもしれません。
■参考:乙部町役場(スポーツ少年団)

乙部町のスポーツ少年団の子どもたち

乙部町の暮らしに関する情報

それでは、乙部町の暮らしに関するデータを見ていきましょう。

気候 1月:-0.6℃
8月:22.6℃
(乙部町に観測地点がないため、近隣の江差のデータを掲載)
※参考:気象庁ホームページ
人口 3,195人
(2024年4月末時点)
病院 病院:1、歯科:1
学校 保育園:2(うち休園1)小学校:2、中学校:1
交通 【バス】函館バス(檜山海岸線)
【タクシー】乙部町乗り合いタクシー、高校生デマンドタクシー
近隣都市 江差町(えさしちょう)、厚沢部町(あっさぶちょう)、八雲町(やくもちょう)

※人口以外の数字は2024年7月時点のものです

北海道への移住を検討する際、まず押さえておきたいのが冬の生活。乙部町は北海道内では積雪量の少ないエリア(※)なので、1日に何度も雪かきをする必要はありません。
(※)参考:北海道(垂直積雪量)

一方で、乙部町は日本海側に位置することから北西からの風が強く、体感温度が下がりやすいため、防寒対策は必須。雪国での生活が初めての方なら、引っ越しの挨拶時にでも、地元の方に冬の生活について教えてもらうのもおすすめです。

医療機関は町内に国民健康保険病院がありますが、町内で対応が難しい場合には江差町や函館市の病院を利用するのだそう。町内にはヘリポートもあるため、緊急時にはヘリコプターでの搬送も可能と伺いました。

スーパーは車で10分の隣町、ショッピングモールや映画などは車で1時間半ほどの函館市へ行く方が多く、車の運転ができない方は町内を通る函館バスを利用するそうです。とは言え、乙部町で快適に暮らしたいのであれば、車は必須と言えるでしょう。

【仕事】リモートワーク可能。町内はもちろん、近隣自治体に通勤する人も

乙部町の正社員求人を大手の求人情報サイトで検索したところ、25件の求人が見つかりました。また、車で30分程度の通勤圏(25km圏内)まで範囲を広げると、200件ほどの求人情報がありました(2024年7月時点)。
※参考:求人情報の一例(乙部町のみ)
※参考:求人情報の一例(乙部町から25km圏内)

乙部町の基幹産業は農業・漁業なので、農業をやってみたい人や漁業に取り組んでみたい人にはおすすめのエリア。地域おこし協力隊では、農業従事者や町内の観光協会の募集も出ているので、興味のある方は公式サイトをチェックしてみてください(2024年7月時点)。
■公式:乙部町役場(地域おこし協力隊)

車の運転ができる方であれば、町内はもちろん、近隣自治体にも働く場所はあります。車で20~30分の江差町や厚沢部町へ通勤する方がいる一方、町外から乙部町へ通勤している方もいらっしゃると伺いました。

また、町内全域に光回線が開通しているため、東京圏の会社に勤めながら乙部町でリモートワークも可能です。東京へは飛行機(函館空港)で約1時間、新幹線(JR新函館北斗駅)で4時間ほどでアクセスできるので、普段は自然豊かな乙部町でリモートワーク、必要に応じて出社…といったライフスタイルにも対応します。

【住まい】宅地分譲あり。空き家物件も紹介してもらえる

大手住宅情報サイトで乙部町の賃貸物件を検索したところ、賃貸アパート・マンションに関する情報はなく、戸建て住宅1件のみがヒットしました(2024年7月時点)。

※参考:賃貸物件情報の一例

乙部町には空き家が多く、物件情報は北海道空き家バンク等に掲載されています。

また乙部町では宅地分譲も行われているので、移住先で新築住宅を検討している方は公式サイトで詳細をチェックしてみてはいかがでしょうか。2024年7月時点で、緑台団地の3区画分譲中です。

■公式:乙部町役場(宅地の分譲)

入居条件はありますが、町営住宅への公募も適宜行われていますので、気になる方は公式サイトで詳細をご確認ください。

■公式:乙部町役場(町営住宅)

バリアフリーのお試し暮らし。乙部町の移住体験住宅

乙部町の移住体験住宅A棟の外観(左)、B棟の内観(右)
▲乙部町の移住体験住宅A棟の外観(左)とB棟の内観(右)

乙部町には2棟の移住体験住宅(ちょっと暮らし)があり、どちらもバリアフリーで車椅子の方も利用できます。利用期間は5日から90日以内で、料金は施設や滞在期間、使用時期によって異なるのが特徴です。

春・夏は人気で予約枠が埋まっているそうですが、北海道に移住を考えている方なら、お試し暮らしで冬の生活を体感しておくと、「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチも防げます。

実際に乙部町での暮らしを体験すれば移住後の生活のイメージも沸きやすいですし、お試し移住中に乙部町の魅力を知り、地元の方と交流を図れば、”乙部町に移住したい”という気持ちがさらに高まることでしょう。

乙部町役場 総務課企画係・主事の高橋さん
高橋さん

乙部町の住民は明るくて温かい方が多いので、人付き合いが好きな方にはぴったりのまちです。

乙部町での暮らしに興味のある方は、ぜひ以下の公式サイトで詳細をチェックしてみてください。

■公式:おとべ創生(ちょっと暮らし)

乙部町への移住に関するお問い合わせ

乙部町役場の外観

乙部町への移住については、乙部町役場までお問い合わせください。

担当課 総務課 企画係
住所 〒043-0103
北海道爾志郡乙部町字緑町388番地
電話番号 0139-62-2311
公式サイト https://www.town.otobe.lg.jp/index.html