
「鎌倉宮」で叶う少人数の心温まる本格神前挙式の魅力|神奈川県の神社
今回は、神奈川県鎌倉市にある「鎌倉宮(かまくらぐう)」での神前挙式についてご紹介します。
鎌倉宮は、土産物店や飲食店が立ち並ぶ鎌倉の街中から少し離れた場所にあるため、周囲はとても静かで、古都鎌倉らしい落ち着いた雰囲気の神社です。
ホテルや結婚式専門会場ではないので、豪華な空間や派手な演出はありませんが、四季折々の自然や癒しの空間が、ふたりや参列者を温かく祝福してくれますよ。
静かな環境で、無理せずふたりらしいスタイルで結婚式をしたい、というカップルにおすすめです。
今回は、鎌倉宮の禰宜である小岩さんに、鎌倉宮の特徴や神前挙式の魅力について詳しく教えていただきました。
基本情報
- 緑に囲まれた静かな環境で神前挙式ができる
- 家族を中心とした少人数の結婚式にぴったり
- 境内にフォト映えするスポットがたくさんある
挙式スタイル | 神前挙式 |
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対応人数 | 2~16名 |
予算目安 | 初穂料:平日5万円、土日祝12万円 |
豊かな自然に包まれた閑静な神社「鎌倉宮」
鎌倉宮は、有名観光地である鎌倉にありながら、静寂な空気に包まれ、心穏やかに過ごせる神社です。境内には豊かな自然があふれ、河津桜や大きな紅葉が季節を彩り、訪れる人の目を楽しませてくれます。
挙式は2か所から選ぶことができ、どちらも風通しの良い空間なので、緊張感が和らぐのも魅力です。またふたりだけの挙式や家族だけの結婚式をメインに行っており、少人数でも本格的かつ心に響く神前挙式が叶います。
それでは禰宜の小岩さんに、鎌倉宮について詳しく伺っていきましょう。
鎌倉幕府打倒に尽力した「大塔宮・護良親王」を祀る神社
編集部
鎌倉といえば、歴史のあるお寺や神社がたくさんありますよね。まずは鎌倉宮がどんな神社なのか、歴史や由緒を教えてください。
小岩さん
鎌倉宮の御祭神である大塔宮・護良親王(おおとうのみやもりながしんのう)は、幼少より才知に優れ、勇敢な御方でした。
天台座主(てんだいざす※1)となった護良親王は、父の後醍醐天皇が掲げた理想である建武中興(けんむのちゅうこう※2)に尽力し、鎌倉幕府打倒を果たして平和な世を実現されます。
(※1)天台宗の最高位の僧
(※2)後醍醐天皇が掲げた天皇親政の復活運動のこと
その後護良親王は、足利尊氏の陰謀によって幽閉の身となり、28歳の若さで生涯を閉じられますが、護良親王への追慕の念を抱いていた明治天皇が、明治2年にこの鎌倉宮を御創建し、親王を祀られました。
社格は旧官幣中社(かんぺいちゅうしゃ※3)とされています。
(※3)神社の社格、一般的には上位から第三の位置
摂社(せっしゃ※4)に、御祭神と最後まで側におられた南御方(女性の神様)を祀る「南方社」と、御祭神の身代わりとなられた村上彦四郎義光公を祀る「村上社」があります。
(※4)本殿に祀られている御祭神に次ぐ神様を祀る社殿
このような歴史があることから、厄除け、病気平癒、招福、身代わり安全、子どもの健康などの御利益があるとされています。
編集部
鎌倉時代から室町時代にかけての武士と朝廷の争いは、日本史の中でも激動の時代として、ドラマや映画の題材にもよく取り上げられますよね。
鎌倉宮を訪れる前に、歴史のおさらいをしておくと、より興味が深まると感じました。
街の喧噪から離れた静かな環境が魅力
編集部
鎌倉宮のロケーションや周囲の環境について教えてください。
小岩さん
JR鎌倉駅より鎌倉宮行きのバスが出ています。バスに乗って約10分くらい、終点「鎌倉宮」で下車していただくと、目の前に神社があります。
周りは住宅地、境内に自販機があるくらいで、近くにコンビニや土産屋はありません。観光地鎌倉にありながら、境内でゆっくり過ごすことができますよ。
▲清々しい空気に包まれた境内で心からリラックスできる
編集部
鎌倉駅周辺や小町通りなどは観光客で賑わっているイメージがありますが、駅から少し離れると人もまばらになり、古都鎌倉らしい風景に浸ることができますね。
朝一番の「神林浴」でマイナスイオンを浴びて
編集部
鎌倉宮に観光で来た場合の見どころや、おすすめの時間帯はありますか?
小岩さん
マイナスイオンいっぱいの神苑(しんえん※)は、鎌倉宮の見どころの一つです。「神林浴」といわれるほど神々しい空気に満ちて、映画のワンシーンのような光景がみられます。
誰もいない朝一番の時間が特におすすめですよ。
(※)神社の境内にある庭園のこと
▲マイナスイオンを全身に浴びてリフレッシュ!
また季節によっては、見上げるほど背の高いジャンボ紅葉、ヤマアジサイ、珍しいイワタバコなども見られます。
「神苑拝観コース」は有料(300円)となりますが、神苑をはじめ宝物殿、南方社、村上社など、境内全体をゆっくりと観られるのでおすすめです。
編集部
朝の境内は、空気が澄み切っていて、幻想的な雰囲気ですね。心の中の余計なものが全部浄化されそうです。
古式ゆかしい「神前挙式」を行う鎌倉宮
編集部
結婚式をされる方の価値観も多様化している現代ですが、鎌倉宮ではどのような神前挙式を行っていますか?
小岩さん
様々な事情で、従来の挙式ではなく「結婚報告祭」を希望する声が増えておりますが、鎌倉宮では「結婚報告祭」は受けておりません。
当社では、せっかくのご縁で結ばれるおふたりには、きちんとしたかたちでの「神前挙式」を御奉仕させていただきたいと考えております。
編集部
「結婚報告祭」では、一般的な神前挙式の流れの儀式を簡略化し、形にとらわれず「ふたりが結ばれたことを神様に奉告する」ご祈祷をおこなうと聞きました。
結婚報告祭だと、ご親族の参列も基本的にはないようなので、ご親族の意向なども十分考慮した上で、後悔のない選択をしてほしいですね。
神前挙式は本殿と拝殿から選べる
編集部
神前挙式を行う場所について教えてください。
小岩さん
挙式会場は、屋外にある本殿と拝殿の2か所からお選びいただけます。どちらを選んでも、所要時間、式次第、参列者数、初穂料などに変わりはありません。
「本殿式」は御祭神により近く厳かな雰囲気で、外界をシャットアウトしたかたちで行われます。
▲プライベート感を大切にしたい場合は本殿挙式がおすすめ
本殿では、靴を履いたままでの式を行うので、車椅子・ベビーカーのままでご参列いただけますよ。
「拝殿式」は上の鳥居をくぐってすぐ、階段を五段ほど上がった舞台のような形状の拝殿で行います。
▲拝殿は周囲の自然をダイレクトに感じながら挙式がおこなえる
拝殿へは靴を脱いで上がっていただきます。風通しのよい開放的な雰囲気で、大鳥居からもよく見え、偶然居合わせた参拝者からも祝福を受けることができます。
編集部
おふたりの好みや列席者の顔ぶれで選べるのが嬉しいですね。どちらも自然の空気を感じながら挙式ができるので、緊張がほぐれ、落ち着いて挙式に臨めそうだと感じます。
伝統的な儀式を丁寧に行う神前挙式
編集部
当日の挙式の流れはどのようになりますか?
小岩さん
はい、基本的な神前挙式の流れに沿って、以下のように進めます。
- 参進の儀/社務所をスタートし、本殿または拝殿まで進む
- 修祓(しゅばつ)/清めのお祓いを受ける
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)/斎主が神前にふたりの結婚を報告
- 誓杯の儀(せいはいのぎ)/三三九度の杯
- 誓詞奏上(ちかいのことばそうじょう)/新郎新婦が誓いの言葉を読み上げる
- 指輪の交換(※)
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん)/新郎新婦と両家代表が神前に玉串をささげる
- 親族杯の儀(しんぞくはいのぎ)/両家親族がお神酒をいただく
- 斎主あいさつ(さいしゅあいさつ)/斎主が結婚の儀が滞りなく終了したことをあいさつ
※指輪の交換は希望される場合に行われます
▲参進の儀は社務所からスタートする
▲祝詞奏上の様子
▲誓杯の儀が行われる様子
編集部
神前挙式の一つひとつの儀式には、ふたりと家族を結ぶ大切な意味が込められているのですね。鎌倉宮では結婚報告祭ではなく、きちんとした神前挙式にこだわられる理由が分かる気がします。
挙式の流れの中での注目ポイントなどはありますか?
小岩さん
誓詞奏上という、おふたりが「誓いの言葉」を読み上げるシーンは、参列される方もグッとくるポイントだと思います。
挙式前に、誓詞に毛筆で名前を書き入れていただき、式ではおふたりが声をそろえて読み上げます。神さまへの「婚姻届」のような感じです。
編集部
ふたりが誓いの言葉を自ら読み上げるのはとても素敵ですね。改めて神前挙式っていいなと思いました!
多様な結婚のスタイルに寄り添う鎌倉宮
編集部
神前挙式ができる施設はたくさんありますが、鎌倉宮ならではの魅力は何だとお考えですか?
小岩さん
純粋な神社ですので、ホテルや結婚式場のような豪華な施設はありませんが、観光客で混み合うこともなく、静かな環境で挙式を行えることが魅力と考えております。
また、神社としての格式が高い旧官幣中社でありながら、初穂料をリーズナブルにしているところも喜ばれています。
初穂料
平日 | 50,000円 |
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土日祝 | 120,000円 |
編集部
初穂料は神社によって異なりますが、一般的な相場では5~20万円※のようなので、土日祝でも12万円なら、比較的リーズナブルと言えますね。
※参考:初穂料の相場(ゼクシィnet)
金銭的な面で、結婚式を諦めようとしているカップルにも嬉しい設定ではないでしょうか。
小岩さん
そうですね、お金をあまりかけたくないというカップル、そのほかにも次のような方の挙式も多いです。
- 披露宴は行わず挙式のみ
- おふたりだけ
- 家族のみ
- シニア婚
- 再婚
- お子様連れ婚
できるだけシンプルに結婚式をしたい、という方にピッタリだと思います。
▲派手な演出など無くても、生涯思い出に残る美しい挙式が叶う
編集部
家族構成や人間関係の変化によって、今後ますます少人数でのシンプルな結婚式を望まれる方は増えるのではないでしょうか。
鎌倉宮での、少人数で行う本格的な神前挙式は、ますますニーズが高まると感じました。
季節ごとの美しい自然に彩られる境内
編集部
挙式をする季節によって、境内の雰囲気はどのように変わりますか?
小岩さん
挙式を行う場所は屋外なので、四季折々の自然の風景が楽しめますよ。立春(2月初旬ごろ)には河津桜、本格的な春にはソメイヨシノが咲き誇ります。
▲立春の頃:河津桜が一足早く春を告げる。鳥居の下を人力車でくぐるのが人気
初夏は新緑がまぶしい森の中で、小鳥のさえずりを聞きながら挙式をおこないます。
▲初夏:鮮やかな新緑の季節は生命力にあふれる
晩秋から12月にかけては「紅天井」と呼ばれる紅葉が色づき、一番人気の季節です。
▲秋~冬:紅天井の紅葉が美しい境内は絶好の撮影スポット
紅天井は11月頃から色づきますが、その時期は七五三詣の方も多く、記念撮影をするには賑やかすぎてしまいます。
紅葉は12月まで楽しめるので、人を気にせず撮影するには12月が良いと思います。また年間通して、ゆったりとお写真を撮れる平日がおすすめです。
編集部
どの季節も、和装を着た新郎新婦がばっちり映える素敵な風景で憧れます。平日なら初穂料もお得ですし、好きな場所で思う存分撮影できるので、ねらい目ですね。
大正ロマンな雰囲気の写真が撮れる社務所
編集部
屋内にもおすすめの撮影スポットはありますか?
小岩さん
社務所内に緋色のもうせんが敷かれた廊下があり、撮影スポットとして人気です。
▲緋色のもうせんに白無垢が映える廊下
大正時代に建てられた社務所は、木枠のガラス戸や柱にレトロな趣があり、タイムスリップしたような雰囲気のお写真が撮れます。
編集部
ちょっとゆがんだガラスやランプシェイドがレトロな感じで趣がありますね。髪型や着物の着こなしを大正ロマン風にして、竹久夢二の世界のような写真を撮ってみたくなりました。
鎌倉宮での結婚式の雰囲気が分かる動画を公開中
編集部
挙式の相談や下見をしたい場合はどのようにすれば良いですか?
小岩さん
直接神社にお越しいただければ、挙式会場となる本殿や拝殿を担当者がご案内いたします。事前の見学予約はなくても大丈夫です。
お電話で大まかなご案内をすることも可能です。
0467-22-0318(鎌倉宮社務所・小岩様まで)
また、ブライダルフェアなどは開催しておりませんが、当日の流れがわかる動画を公開中です。
編集部
私も動画を拝見しましたが、挙式の様子や境内の撮影ポイントなどが分かりやすく編集されていて、具体的にイメージできました。
直接現地に行く前に、おうちでふたりでじっくり検討することができるので、今の時代に合ったご案内だと思いました。
利用者の声:鎌倉宮の口コミや評判
編集部
これまで鎌倉宮で挙式をされた方で、印象に残っているエピソードはありますか?
小岩さん
挙式の際、宮司の挨拶が胸にささり、感極まって号泣されたおふたりがいました。
「涙が今までの苦労や苦しみ、すべてを流していくように感じました。ふたりの歩みは正しかった、新たな道をふたりで進みます!」との言葉はとても印象に残っています。
編集部
障壁を乗り越えてのご結婚だったのでしょうね。おふたりにとって、結婚後のどんな困難も乗り越えていけるような、心強いお守りの言葉となったことでしょう。
参列したゲストの方々からよく聞く感想などあれば教えてください。
小岩さん
はい、以下のようなお声をいただいております。
- 車椅子のまま参列できて嬉しかった
- ペットも一緒に祝福することができた
- ふたりらしいオリジナリティが感じられた
また、巫女の舞が可愛い、と評判です。
編集部
多様なゲストや式にしっかり対応されていて素晴らしいと思います。招かれる人が不安や心配ごとなく参列できるように、という配慮も大事なおもてなしだと思います。
「参列者からも喜ばれた」の声多数
編集部でも、鎌倉宮で挙式をされた方の口コミをウエディング情報サイトなどで調べてみましたので、一部を要約してご紹介しますね。
- 歴史を感じる本殿が良かった
- 神社を訪れるたびに結婚式を思い出せる
- 周りが自然に囲まれてプライベート感があった
- 古き良き日本の結婚式という感じが逆に新鮮
静かで落ち着いた挙式ができる、という声が多く挙がっていました。また、参列者に鎌倉エリアの観光も楽しんでもらえたという口コミも見られ、参列者の満足度も高い神社であることが分かりました。
結婚が決まったカップルへのメッセージ
編集部
最後に、これから結婚式のことを考えるカップルへのメッセージをお願いします。
小岩さん
鎌倉宮では、宮司夫妻が直接挙式を担当しています。経験者だからこそお伝えできることなど、色々なお話をさせていただきます。
最近は、挙式を行うことを迷っている方が多く見受けられます。挙式をするには大変なこともありますが、おふたりの事情を聞いたうえで、式次第や当日の動線をカスタマイズすることもできますよ。
挙式のことで、ちょっとでも不安や疑問がありましたら、遠慮なく何でもお話しください。
編集部
神職という枠を超えて、夫婦の先輩として結婚式の相談に乗っていただけるのですね。とても心強いと感じました。
参考になるお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました!
鎌倉宮の詳細情報
住所 | 〒248-0002 神奈川県鎌倉市二階堂154 |
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アクセス | JR鎌倉駅から京急バス「鎌倉宮行き」終点下車すぐ |
駐車場 | 参拝者用あり 挙式の際は別途案内 |
付帯設備 | 挙式開始1時間前から休憩所を参列者待ち合い室として利用可 |
衣裳・ヘアメイク | 紹介可能 ・鎌倉着物スタジオ ・和婚スタイル ・kotowa ・チアーズブライダル ・鎌倉プリンスホテル など |
写真 | 鎌倉宮公式カメラマン |
挙式申込・予約 | 所定の申込用紙に記入して予約完了 仮予約はなし |
支払い | 初穂料は当日の支払い(内金制度なし) |
公式サイト | https://www.kamakuraguu.jp/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です
まとめ:鎌倉の自然の中で心に響く神前挙式を
今回は、鎌倉市二階堂にある「鎌倉宮」で叶う神前挙式の魅力についてご紹介しました。
鎌倉宮は、人気観光地にありながら、街の喧噪から離れた静かな環境で本格的な神前挙式をすることができます。
挙式会場となる本殿や拝殿は屋外に位置するため、そよ風が木の葉を揺らす音や小鳥のさえずりを聞きながら、リラックスした気分で挙式を行えます。
16名以下の少人数での挙式を行っているので、シンプルな挙式をしたい、家族だけの結婚式にしたい、というカップルにおすすめです。
鎌倉近辺で結婚式を考えているカップルは、ぜひ一度参拝がてら足を運んでみてください。