【サウザーの婚活指南Vol5】脱・女性経験ゼロ!師から伝えられる最後の課題
彼女のいない歴=年齢のまっちゃん(仮名)が、恋愛の師として数多の男性から崇拝されるサウザーさん(@Fist_of_Phoenix)に出会って成長していく本当の話を、小説風のタッチでお届けします。
<これまでのあらすじ>
「心の準備ができていないから」と、彼女に身体の関係を拒まれたまっちゃん。
サウザーには「次、また身体の関係を拒まれたら、彼女とは会うのをやめよう」と言われ、まっちゃんは少し気が進まない様子を見せる。
1ヶ月後、まっちゃんの状況はどのような変化を果たしたのだろうか。
夢にまで見た「女性経験ゼロ」からの脱出
「ついに、彩香ちゃんを抱くことができました!」
僕の報告に、画面越しのサウザーさんは驚いたように目を見開いた。
そして間髪いれず「ついにか!おめでとう!」と、
僕の”女性経験ゼロからの脱出”を笑顔で祝ってくれた。
サウザーさんの笑顔を見ながら、前回はあまりいい報告ができなかった『オンラインサウザー会』だが、今回はいい報告ができてよかった!僕は嬉しい気持ちになる。
「彩香ちゃんを家に呼んだのか?」
「いえ、ホテルに行きました。断られたらもう連絡しない気持ちでホテルデートに誘ったら、すんなりOKの返事をもらえて」
「実際にホテルに行ってから、”そんなつもりで来たんじゃない”なんて言われなかったか?」
サウザーさんの言葉に、
「まっちゃん、お菓子食べたり映画観たりしようっていってたじゃん」
と、ホテルで若干の抵抗を見せた彩香ちゃんの姿を思い出す。
「少しだけ、そんなようなことも言われましたね……。でも、1時間くらい雑談をして雰囲気を作ったら、なんとかいけました」
「やるじゃないか!初めてだと、ホテルに誘う勇気が出なかったり、ホテルの前や部屋の中で女の子にグダられたりして、最後までいけないケースが多いからな」
感心するような口ぶりで言ってから、サウザーさんはニヤリと口角を持ち上げた。
「それで、初めての感想は? 気持ちよかったか?」
「それが……正直あんまりでした。
期待してたほどじゃないというか……」
僕の言葉に、サウザーさんは、
「そうだろ、そんなもんだよ」
と笑った。
油断すれば3日で冷められる。「好き」を上書きしていけ
「ともかく、彩香ちゃんには感謝しないとな。
次は旅館やシティホテルでデートするのもいいんじゃないか?」
「はい、行ってみようと思います!」
レンタカーを借りて、プチ旅行がてら山梨や静岡あたりに足を運んでみるのもいいかもしれない。
次のデートを想像したら、自然と口元が緩んだ。
「次の話も出てるくらいなら、その後の関係も良好そうだな」
「むしろ前よりも好き度が高まってる感じがして、サウザーさんの持論だった、”女は自分を抱いた男を好きになる”っていうのを実感しています」
「そうだろ?
ただな、油断していると3日程度で、その”好き”が薄れる危険がある」
衝撃的な言葉に、僕は思わず「え!?」と声を張り上げてしまう。
「友達にも紹介したい!」なんて好き好きアピールをし、僕に熱をあげている彩香ちゃんの気持ちが3日で冷めるなんて、にわかには信じがたい。
「俺の経験則でいうと、3日〜7日もすると、気持ちが落ち着きはじめることが多い。
確かに好き度は高まっていたのに、少し会わないうちに別の男にハマっていて、これっぽっちも俺に興味を示さなかったケースもあったな」
女心を知り尽くしたようなサウザーさんでもそんな経験があるのかと、僕は少し驚いた。
ますます、女性が何を考えているのかわからなくなってくる。
秋の空どころか、夏のゲリラ豪雨並みの急変ぶりじゃないか。
「彩香ちゃんの心をガッチリ掴んでおくには、最低でも週に1回は抱くようにするんだ」
「気持ちが落ち着く前に抱いて、また”好き”の気持ちを上書きする感じですかね?」
「そうだ。俺の経験上から話すが、上書きを繰り返していくうちに、気持ちが落ち着くまでの期間はどんどん伸びる。そして、1ヶ月や2ヶ月経っても気持ちが薄れない状態にまでなる。初月は週に1回、月4回のペースで抱くんだ」
彼女ができても、油断してはいけない
「まあ、ひとまず、これで一通り女の口説き方は覚えたことになるな。
これから先は、ほかの女にも、同じことをするだけだ。
彩香ちゃんとの経験を活かして、どんどん新規開拓をしていかなきゃな」
「新規開拓」という言葉に僕はドキリとする。
彩香ちゃんと付き合えているのに、ほかの女性に目を向けるなんて。
そんな僕の気持ちを察したのか、サウザーさんは
「まあ、彩香ちゃんには悪いけれど……」
と言葉を続けた。
でも、今までも教えたように、気持ちに余裕を作ったり女を口説く技術を身につけたりしたいなら、ほかの女と関わっていくことをやめちゃいけない。
”本当にいい女”を見つけ出すには、いろんな女を見る必要がある。
もちろん、この先、彩香ちゃんが大本命になる可能性だってある。
サウザーさんの言葉に、僕は静かに頷く。
「俺は、男の女修行に終わりはないと思う。
でも、まっちゃんには女の口説き方を覚えて。ある程度いい女を見つけたら結婚して……。
ステップアップしながら、男としていい人生を歩んでほしい」
サウザーさんの言葉を聞いても、彩香ちゃんに対する申し訳なさが消えたわけではない。
けれど、僕は自分のために、覚悟を決めて新規開拓を続けていこうと心に誓った。
「あと、もうひとつメリットがあってな。
複数の女が家に出入りするようになると、身だしなみや家がキレイになる。
別の女の気配を感じさせないよう入念に掃除をするようにもなるし、身なりに気を遣うからな」
「なるほど!」
「そういう自己啓発的なメリットもあるから、頑張って彩香ちゃん以外の女も開拓していってくれ」
最後に見えた課題は「自分事に捉える」こと
「頑張ります!これからは、アプリとナンパ、どちらで女の子の新規開拓をするのがいいんでしょう?」
僕の発言を聞いて、サウザーさんの表情がこれまでとは違う厳しいものへと一変した。
怒りとも呆れともつかない表情を浮かべたサウザーさんは、小さくため息を吐く。
「まっちゃん。新規開拓を、どこかでまだ他人事だと思ってないか?
自分のためにやると考えたら、”どっちもやらなきゃいけない”と感じるんじゃないか?」
僕は返す言葉を失った。
自分のためだと覚悟を決めたつもりでいながら、僕にはまだ、サウザーさんに頼りっきりの甘えた心があったのだろう。
「このぬるさは、まっちゃんの最後の課題かもしれないな。
ぬるいことを言うな……なんて、抽象的すぎるが、意識が変わってぬるさがなくなれば、きっとまっちゃんはもっと強い男になれるはずだ」
「強い男……に、なりたいです。なります」
サウザーさんは厳しい表情を緩めて頷いた。
「いつまでも俺がアレコレ教えているわけにはいかない。自分のことは、自分でどうにかできるようにならないとな。
今回出すのが、まっちゃんへの最後のミッションだ」
「最後……」
いつまでもサウザーさんに頼りっきりではいけない。
そうは思っても、何ヶ月間もずっと僕に道しるべを与えてくれていた師匠から「最後」と聞くと、途端に寂しい気持ちになる。
「最後のミッションは、さっきも言った通り、彩香ちゃんを月4回は抱くこと。あと、もうひとつ、
もうひとりでいい。女を落とすんだ。いままでの総ざらいってとこだな」
まっちゃんのメモ ・週1・月4回くらいのペースで抱いて、彩香ちゃんの心をガッチリ掴む
・自分事に捉えて「ぬるさ」を消し去る
・もう1人くらい女の子を落とす
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