【サウザーの婚活指南Vol4】チャンス!せっかくできた彼女を「振るべき」衝撃の理由
マッチングアプリ大学特別企画、「サウザーの婚活講座」第4回。
彼女のいない歴=年齢のまっちゃん(仮名)が、恋愛の師として数多の男性から崇拝されるサウザーさん(@Fist_of_Phoenix)に出会って成長していく本当の話を、小説風のタッチでお届けします。
<これまでのあらすじ>
サウザーの指導により、マッチングアプリで人生初の彼女ができたまっちゃん。
しかし、彼女とはまた身体の関係を持てておらず……。
サウザーからは「彼女とは早く身体の関係を持つこと」「彼女ができてもマッチングアプリは続けること」と指導を受ける。
はたして、まっちゃんは目標を達成できたのか。
「心の準備ができてない」と身体の関係を拒む彼女の心理
オンライン会議システムの画面を見つめながら、僕はソワソワと落ち着かない気持ちでいた。
今日は1ヶ月ぶりにサウザーさんと会う日だ。
最近はミートアップももっぱら『オンラインサウザー会』に。
サウザーさんに、早くこの1ヶ月のことを話したい。
そんなことを考えていると、サウザーさんが入室してきた。
「待たせて悪い、久しぶりだな。
……あれ、まっちゃん、なんか雰囲気変わったんじゃないか?」
「実は、美容院で髪を切ってきまして……。
あと、周りからは、少し筋肉が付いてきたんじゃないかと言われます」
「筋トレも頑張ってるんだな。いい傾向だ」
「最近は会社の女の子ともうまく喋れるようになってきて。本当に、サウザーさんのおかげです」
サウザーさんは表情を緩めながら、どこか満足げに頷いた。
「さっそくだけど、その後はどうだ?」
「それがですね……。あのあと、彼女…彩香ちゃんとは2回ほどデートをしたんです。1回目のデートでは初めてキスをして。
2回目のデートでは更に一歩踏み込んだのに、ダメでした」
「そこまでいって、一線を超えられなかったのか?」
「“心の準備ができてない”って、断られてしまって。
そこで粘り続けても仕方ないと思って、その日はすぐに解散して、そのあとはまだ会っていません」
「それは……もしかして、その彩香ちゃんって女の子、
恋愛に慣れていないんじゃないか?」
「どうなんでしょう……」
「俺の経験から言うと、身体の関係を持つことを渋る女には、体の関係に嫌なイメージを持っている可能性がある。
身体の関係を持ったあとに捨てられたトラウマがあるとか嫌なイメージがあると、関係を持つ前に人間関係を深めようとするんだよ」
「関係を深めて、”これでもう捨てられることはない”って確信を得たいからですかね?」
「おそらくな、他に女を選べる男相手には全く意味ない手なんだが」
彼女へ「してくれ」と懇願したら負け
「彼女に電話して、”次会ったときは心の準備ができてないとかナシだよ”と言ってみろ」
「そこで、もし彩香ちゃんが渋ったら、僕はどうすればいいんでしょう?」
「彼女と会うのをやめるんだ。
“そっか、わかった”だけ言って電話を切って、もう追いかけない」
ズバッと言い切ったサウザーさんに、僕は言葉を失った。
身体の関係が持てないから会うのをやめるなんて、彩香ちゃんに対して失礼な気がして、どうも気が進まない。
「そこで彼女を追いかけたり、身体の関係を懇願したりすると……。
たぶん、まっちゃんは飽きられる」
「ど、どうしてですか!?」
「経験から言うよ。
多くの女は、男が懇願してきたとき、その男の心を手に入れたと感じる。
まっちゃんが彼女を追いかけたり懇願したりしたら、彼女は”この男の心はもう手に入れた”と感じて、”もっと高いレベルの男にチャレンジしたい”と思うようになるだろう」
まるで迷路のように入り組んでいる複雑な女心。
僕は「はあ……」と気の抜けた返事を漏らした。
「女は自分の格で手が届く範囲で最高の男を手に入れたいだけ、動機はシンプルさ、ただしそれを決して口にしない、だから複雑に感じるんだろ」
「あと、さっきのサウザー理論でいけば、身体の関係を拒まない子のほうが、体の関係に対して嫌なイメージを持っていなくて魅力的っていうのも理由のひとつだ」
「確かに、身体の関係を拒む子は恋愛に慣れていないとおっしゃってましたもんね」
「優しい男」と思われるな!
「彩香ちゃんがまだ体の関係を渋るようなら、もう追いかけない決断をします。
ちょうど今週、マッチングアプリで出会った看護師とデートもするし。
女の子はまだまだたくさんいるって考えます」
「そうそう、その意気だ」
「でも、彩香ちゃんが渋ったとき、ちゃんと電話で素っ気なくできるか心配です……」
「電話がやりづらいなら、家に呼んでムードを作って。
そこで判断をするのもひとつの手だぞ」
えっ!? 僕は少し固まった。
「もしかしたらこれから距離を置くかもしれないのに、家に呼ぶの怖くないですか?
友達から、別れた女の子が家の前で待ってたなんて話を聞いたら、怖くなってしまって……」
僕の言葉を聞いたサウザーさんは、「何言ってんだ」とでも言いたげな表情を浮かべた。
「もし、勝手に家の前で待ってたりしたら、通報していいんだよ」
「通報!?」
「待ち伏せなんて通報案件だろ。
こっちは被害者なんだから、通報していい。いや、通報するべきだ。
そもそも、”何をしても警察を呼んだりしなさそうな優しい男”だから、変につきまとわれやすくなっているかもしれないんだ」
「なるほど……。
そういう部分でも、強い男感を出すのが大切なんですね……」
「まあ、中身が軟弱なのに、無理に強い男を演じても意味はないけどな。
不屈の精神を持てるようになれば、自然と強い男になれるもんだよ」
マッチングアプリの世界を超えてゆけ!
「彼女は彼女で電話するなり家に呼ぶなりしつつ、ほかの女と関わるのも忘れずにな」
「はい。彩香ちゃんだけに固執しないように
もっといろんな出会いを探していきます。
ただ、マッチングアプリだと、なぜか看護師の女性とばかり出会うんです。
いろんなタイプの女性と出会うべきですよね?」
「そうだな、例えば、ネットの世界から羽ばたいて、現実世界でナンパをするのもありだ」
「ナンパ」という言葉を聞いて、僕は少し身を硬くした。
ようやくマッチングアプリでデートまでこぎつけられるようになった程度のスキルしか持っていない僕が、ナンパなんてできるものなんだろうか。
そんな僕の思いを察したのか、サウザーさんは
「まあ、今のまっちゃんには難しいかもな」
「でも、マッチングアプリで女に慣れれば、ナンパなんてすぐにできるようになるよ」
と笑った。
まっちゃんはいろいろな女と出会う必要がある
サウザーさんは、腕組みをして、何かを考え込むように押し黙った。
「いや、待て。今ならまっちゃんでもナンパ成功するかもしれない。
よし、明日からはナンパもしろ!」
「やっぱり、僕にナンパはまだ早かったか」と、どこかホッとした気持ちでいた僕は、サウザーさんが何を言ったのか、すぐには理解ができなかった。
「ええっ?」
声を振り絞って言葉を紡いだ僕に、サウザーさんはいいオモチャを見つけたいたずらっ子のような、楽しげな笑みを向ける。
ナンパをした女の子からとても迷惑そうな顔をされるシーンを想像して、僕は身震いした。
「明日から、スーパーとか松屋とか、出かけた先で女の子を見つけたら”一目惚れしました! 連絡先を教えてください!”とナンパするんだ」
「そ、そんな……」
思わず情けない声を出してしまったが、サウザーさんが「やれ」と言ったら、僕はやるしかない。
サウザーさんはもはや、僕の恋愛の師匠だからだ。
こんな頼れる師匠の命に背くなんて、僕にはできない。
「たぶん、いざナンパをしようと思ったら”周りから白い目で見られるかもしれない” とか、”よく見たらこの子は僕のタイプじゃないからナンパはやめておこう”とか。
そういう言い訳がまっちゃんの頭を駆け巡ると思う」
「そうですね……。
周りから白い目で見られることを想像しただけで、背筋が凍りましたよ」
「でも、自分への言い訳は全部潰すんだ。
周りに白い目で見られても、そいつらは知らないやつだ。
タイプじゃなくても、今のまっちゃんはいろんな女と出会う必要がある。
そうやって、言い訳を潰して、”連絡先教えてください”と声に出せ」
「自信はないけど……やれるだけやってみます」
「ひとつだけアドバイスするなら、連絡先はLINEよりも、
インスタIDのほうが教えてくれる可能性が高い。
まあ、まっちゃんの健闘を祈るよ」
まっちゃんのメモ
【明日からやること】 ・彩香ちゃんが身体の関係を渋ったら、もう追いかけない!
・女の子の新規開拓は続ける!
・スーパーや松屋で女の子をナンパして連絡先を聞け!
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※この内容はサウザーさんとまっちゃんの1対1指導をもとに、物語として編集を加えたものです。