【北杜市デート】清里フォトアートミュージアムを起点に巡る芸術と自然の1日

山梨県北杜市にある「清里フォトアートミュージアム」。豊かな自然に囲まれた場所に位置し、ゆっくりと流れる時間の中で選りすぐりのフォトアートを楽しめる美術館です。

清里フォトアートミュージアムで芸術を堪能した後は、清里の自然を満喫したり、地元の美味しい料理を楽しんだりできるのが北杜市の魅力です。また、周辺には他の美術館もあるため、一日かけて美術館を巡るデートプランもおすすめです。

今回は北杜市の清里フォトアートミュージアムを中心に、1日楽しめるデートプランを紹介します。

このデートプランの特徴

おすすめの年代:20代〜
おすすめのカップル:写真が好きなカップル・鑑賞系のデートが好きなカップル
デートの雰囲気:落ち着いた雰囲気でゆっくりとした時間を過ごす
スタイル:学び・グルメ
目安時間:半日〜1日

概要:自然と芸術が融合する清里フォトアートミュージアムでのデート

写真好きなカップルにおすすめしたいのが「清里フォトアートミュージアム」でのデート。

数ある美術館の中でも「プラチナ・プリント」という古典技法を用いたフォトアートを展示しているのが特徴です。1995年に山梨県北西部、八ヶ岳南麓に位置する清里高原に開館し、現在まで続く美術館です。プラチナ・プリントは、独特の深みのある階調と優れた保存性を持つ写真技法で、芸術的な価値が高く評価されています。

自然豊かな場所で芸術を味わう!清里フォトアートミュージアムのデートプラン

周辺には他の美術館や美しい自然、美味しいグルメスポットもあります。この美しい自然に囲まれた場所で、芸術鑑賞と地元の食を大切な人と楽しみながら、特別な時間を過ごせます。

清里フォトアートミュージアムを起点とした北杜市デートプランの提案

清里フォトアートミュージアムを起点に、北杜市の豊かな自然とおいしいグルメを満喫できるデートプランをご紹介します。心が潤い、お腹も満たされる充実したコースとなっています。

昼食まで 清里フォトアートミュージアムで写真芸術を楽しむ
昼食 美術館近くのレストランで地元の食材を使った料理を堪能
昼食の後 ・清里高原で四季折々の自然を楽しみながら散歩デート
・清泉寮で有名な濃厚ソフトクリームを味わう
・他ジャンルの美術館で多様な芸術作品を鑑賞するデート

見どころ:清里フォトアートミュージアムの独自性と魅力

比類なきフォトアートを味わえる清里フォトアートミュージアム

今回は清里フォトアートミュージアムの学芸員である綱さんにお話を伺い、ミュージアムの見どころや展示作品について詳しく教えていただきました。

それでは、綱さんのお話を聞いていきましょう。

伝統と革新が共存する清里フォトアートミュージアムの展示コンセプト

清里フォトアートミュージアムはどんな美術館なのか、綱さんに教えてもらいました。

綱さん

清里フォトアートミュージアムは、1995年に山梨県北西部、八ヶ岳南麓に位置する清里高原に開館しました。年2、3回の企画展、数回のワークショップやイベントを中心に活動を続けています。

2020年時点では収蔵作品数は約1万点に達しています。展覧会企画及び作品の収集は、次の3つの基本理念に基づいて行っています。

「古典技法」と「若い力」を味わえるフォトアート

1)命あるものへの共感
2)永遠のプラチナ・プリント
3)若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ

「命あるものへの共感」は、表現のジャンルや技法に関わりなく、生命を慈しむ全ての作品を対象としています。主に1900年以降に製作された国内外の作品を収集・展示しており、生命の尊さや美しさを表現した写真作品が多く展示されています。

編集部

これら3つの理念に基づいた作品が展示されているんですね!この中で「プラチナ・プリント」と「ヤング・ポートフォリオ」について、もう少し詳しく教えていただけますか?

時を超える美:プラチナ・プリントの魅力と特徴

綱さん

プラチナ・プリント(Platinum Print)とは、写真の古典技法のひとつです。白金を用いた画像は黒の締まりがよく、豊かな階調を持ち、耐久性に優れているのが特徴です。この技法は、白黒写真に深みと独特の質感を与えます。

古典技法を用いた「プラチナ・プリント」

当館では、プラチナ・プリントが誕生した19世紀から現代までの作品を国内外から幅広く収集しています。

この比類ない表現方法を持つプラチナ・プリント作品の収集に加え、定期的に開催するワークショップを通じて、プラチナ・プリントの技法の継承と発展にも貢献したいと考えています。

編集部

白金を使った古くからある技法なのですね。普段見慣れているカラー写真とは異なる表現で、プラチナ・プリントならではの奥深さを感じられそうです。

未来の巨匠を発掘:ヤング・ポートフォリオの意義と展望

綱さん

ヤング・ポートフォリオとは、当館の理念の一つです。文化貢献活動として行っており、「写真を通して世界の若者を支援する」ことを目的としています。

毎年、世界中から35歳までの若手写真家の作品を公募し、第一線で活躍する写真家による選考を経て、 若手写真家の初期作品を購入・所蔵しています。

若手写真家の「原点」となる貴重な作品を後世に残すための活動です。コンテストとは異なり、選考された作品は美術館が永久保存します。

本活動は、世界でも他に類をみないものであり、2004年には公益社団法人・日本写真協会より文化振興賞を受賞しました。

編集部

ヤング・ポートフォリオでは若手ならではの独特な表現を味わえる写真が多くありそうですね。こちらの活動はいつ頃から始められたのでしょうか?

綱さん

ヤング・ポートフォリオは、当館開館の1995年度より継続して行っており、2020年度で第26回を迎えました。

これまで世界77カ国から、のべ1万人以上、作品数にして約14万点の作品が応募されました。そのなかから、46カ国の816人による作品、6,000点以上を購入しています。

若い力が溢れる「ヤング・ポートフォリオ」

作品選考は、当館館長のほか、ヤング・ポートフォリオの理念にご賛同いただいた現役写真家が行います。選考基準は、表現意欲の強さや視点の明確さなどです。

写真のジャンルは多様ですが、選考委員によって特定の傾向が生まれることはありません。若い才能に未来を託す思いで選考し、3名の選考委員全員が合意した作品を収蔵します。

近年、応募が多いのはロシア、ポーランドなど東欧の国々、アジアでは中国、韓国、台湾などです。世界のさまざまな地域の特徴、多様な芸術性、そして、世界の若者が捉えた<いま>を俯瞰して見ることができます。

編集部

日本の作品だけでなく世界中から募集していることで、同じ若者でも様々な国の文化や特性が出た写真を楽しむことができますね。

新鮮な体験を提供する清里フォトアートミュージアムの展示戦略

清里フォトアートミュージアムには常設展示がなく、展示作品が常に変化しています。それでは展示について詳しく伺っていきましょう。

編集部

ミュージアム全体でどのくらいの作品が展示されていますか?

綱さん

一回の展示で、約150点から200点ほど展示します。

常に変わりゆく展示作品たち01

編集部

ミュージアム全体の中で、特に見てほしいポイントがあればご紹介ください。

綱さん

展示作品だけでなく、館内には自由にご覧いただけるよう、たくさんの写真集を設置してあります。ぜひお手に取ってお楽しみください。

編集部

ミュージアム全体を通して、どのような点が見所・魅力だとお考えですか?

綱さん

古典的な名作から、世界的に評価の高い現在活躍中の作家の作品、ヤング・ポートフォリオの若手の作品までの幅広い作品を豊かな自然に囲まれながら、ゆったりと鑑賞いただけます。

常に変わりゆく展示作品たち02

編集部

コレクションの中で有名なものをご紹介ください。

綱さん

細江英公氏の作品『薔薇刑』『鎌鼬』、ロバート・フランク氏の作品『The Americans』などが挙げられます。

編集部

より作品を楽しむために、事前に知っておいたほうがいいことはありますか?

綱さん

特にはありません。ご自身の気持ちの赴くままに楽しんでいただければ、新しい発見があるはずです。

編集部

オンライン展示があればご紹介ください。

綱さん

清里フォトミュージアムでは、1995年の開館記念展「25人の20代の写真」をヴァーチャル美術館の第1回展覧会として、サイト上に再現しました。当時の日本を代表する20代の写真家25人の写真を、1人5点ずつ展示しています。

これらの作品群は作家の原点で、生涯を通しての代表作です。戦後日本の新しい写真表現に挑戦し、歴史を切り拓いてきた軌跡でもあります。

本展により、芸術における青年期の意義を世に問い、世界の青年、若い写真家を激励できればと思います。

「25人の20代の写真」

荒木経惟《さっちん》
奈良原一高《王国》
藤原新也《バラナシの死》他
野町和嘉《サハラ》
英伸三《農村電子工業》
大石芳野《ニューギニア》
細江英公《おとこと女》
篠山紀信《誕生》
今井壽恵《風―白昼夢―》
白川義員《白い山》
石元泰博《シカゴ ハロウィン》
高梨豊《オツカレサマ》
岩合光昭《海からの手紙》
田沼武能《戦後の子供達》
川田喜久治《地図》
立木義浩《彼のもの、彼女のもの》他
木之下晃《音楽家》
東松照明《家》
桑原史成《水俣》
富山治夫《現代語感》
森山大道《パントマイム》
土田ヒロミ《俗神》
長野重一《広島》
横須賀功光《ポートレイト》
内藤正敏《トキドロレン》

※掲載写真家名並びに作品タイトル(ABC順)

★作品に併せて、25年前に執筆いただいた写真家の自筆原稿(自作への想いや、若い写真家へのメッセージ)も掲載しています。

>>オンライン展示を見てみる!


ミュージアムショップ

編集部

ミュージアムショップはありますか?

綱さん

はい。オリジナルのポストカードや手ごろな価格のグッズをご用意しています。プレゼントにもぴったりです。

編集部

ミュージアムの平均的な滞在時間を教えてください。

綱さん

展示のみの場合は約30分から1時間ほどですが、ガレリアに設置してある写真集をご覧いただく場合は、約1時間半程度になります。

自然と調和する美術館:清里フォトアートミュージアムの魅力的な立地

記念撮影に向いている場所やロケーションについて綱さんに教えてもらいました。

編集部

敷地内で綺麗な景色や写真映えするスポットはありますか?

綱さん

建物の周囲は森に囲まれていて、春は新緑と桜、秋には紅葉など、季節ごとに楽しめるスポットがたくさんあります。また、館内にもカラフルで写真映えするスポットが多数用意されています。

お二人で散策しながら、お気に入りの場所を探したり、写真を撮影したりしながらお楽しみいただけると思います。

敷地内で綺麗な景色や写真映えするスポット

編集部

カップルに向いているロマンチックなおすすめスポットはありますか?

綱さん

テラスでゆっくり過ごしたり、回廊をめぐったり、芝生の広場で寛いだりすることができます。これらの場所は、カップルにとって特にロマンチックな雰囲気を楽しめるスポットです。

清里フォトアートミュージアムのテラス

編集部

美術館の前後に廻れるおすすめの周辺デートスポットがあれば教えてください。

綱さん

北杜市には、当館の他にもさまざまな特徴ある美術館があります。カップルの皆さまの興味に合わせて、美術館巡りをお楽しみいただけます。例えば、現代アートや日本画、彫刻など、様々なジャンルの美術館があるので、お二人の好みに合わせて選んでいただけると思います。

体験して学ぶ:清里フォトアートミュージアムの多彩なワークショップ

清里フォトアートミュージアムで行われているワークショップについて、綱さんに教えてもらいました。

編集部

現在開催されているイベントや催しがあればご紹介ください。

綱さん

現在は、コロナ禍のため開催を見合わせていますが、プラチナ・プリントワークショップやピンホールカメラワークショップを行っています。その他、"星をみる会"という天体観測会も行っています。

清里フォトアートミュージアムの天体観測会「星をみる会」の参加者


天体観測で見えた流れ星と三日月
▲星をみる会で天体観測をする様子

状況が改善されれば再開いたしますので、ホームページでご確認ください。

>清里フォトアートミュージアムHP

編集部

参加した人の感想の声を教えてください。

綱さん

プラチナ・プリントワークショップはご自身のポートレートを、プラチナプリントでお持ち帰りいただけます。

ピンホールカメラワークショップでは、小さなお子様も参加でき、今では珍しくなった暗室作業も体験できます。こちらもご自身の作品をお持ち帰りいただけますので、とても喜ばれます。

何度も繰り返し参加して上達しながら楽しまれる方もいらっしゃいます。

"星をみる会"は、どなたもが美しい星空に感動されます。

来館者の声:清里フォトアートミュージアムの魅力と評価

実際に清里フォトアートミュージアムへ訪れた方の感想や声を綱さんに伺いました。

編集部

ミュージアムに訪れた人、作品を見た人の感想や声を教えてください。

綱さん

駅や国道からは少し離れていますが、「来てよかった」「ゆっくりと鑑賞できる」など好評です。特に、落ち着いた雰囲気の中で作品に集中できることが喜ばれています。また、海外からの来館者からも「日本有数の写真美術館」と高い評価をいただいております。展示内容はもちろん、立地の静けさも魅力の一つとなっているようです。

来館者が語る清里フォトアートミュージアムの口コミ

実際に訪れた方の口コミを紹介します。

国際レベルの写真美術館として、20年以上にわたり独自の公募展を継続しています。新人写真家にとって国際的な登竜門となっており、多くの実績を積み重ねてきました。写真展以外にも様々な楽しめるイベントが開催されているのが特徴です。
2007年から写真と建物・庭に興味を持って訪問しています。特に中庭がお気に入りで、雑木林に囲まれた空間は心地よく、時間を忘れてしまいます。展示内容も専門的すぎず、見て学べる展示が多いと感じます。近くにあれば毎日でも訪れたい美術館です。
憧れていたロバート・フランク展を観に行きました。館内の雰囲気も良く、時間を忘れて作品を鑑賞できました。他の展示会も見てみたいと思います。美術館がある清里高原の景色も素晴らしいです。

訪問前に確認:清里フォトアートミュージアムの基本情報


住所 〒407-0301
山梨県北杜市高根町清里3545-1222
電話番号 0551-48-5599
営業時間 3月末~11月:10:00~18:00
(最終入館は17:30まで)
休館日 4~7月:毎週火曜日(展示替え休館あり)
8月:無休
9~11月:毎週火曜日
12~3月中旬:冬期休館
予約の有無 不要
入場料・料金 一般:400円(開館25周年記念割引)
学生:200円(開館25周年記念割引)
高校生以下:無料
家族割引:1200円(4名以上6名様まで)
電子マネー決済・キャッシュレス決済の導入 なし
公式サイト https://www.kmopa.com/
比較的空いている時間 金曜日の午後
レストラン 常設なし(イベント時に移動式カフェが出店する場合あり)
ミュージアムショップ あり

美術館デートの後に:清里周辺のおすすめスポット

清里フォトアートミュージアムを存分に満喫した後に訪れたい、山梨県北杜市清里エリアのおすすめデートスポットを紹介します。美術館での芸術鑑賞の余韻を楽しみながら、さらに二人の思い出を深められる場所をご紹介します。

絵本の世界へ誘う:えほんミュージアム清里

えほんミュージアム清里は、世界中の絵本原画を展示している美術館です。豊かな自然に囲まれた場所に位置し、洗練された館内でゆったりと美術館デートを楽しむことができます。また、併設のミュージアムショップでは、デートの思い出に残る素敵な記念品を見つけることもできるでしょう。

日本の絵本芸術に触れる:黒井健絵本ハウス

日本の絵本作家である黒井健さんの原画を展示する美術館です。豊かな自然に囲まれた環境で、黒井健さんの繊細で温かみのある原画を間近で鑑賞できる、素敵な美術館デートが楽しめます。モダンでスタイリッシュな建物の外観も魅力的なので、記念写真を撮影するのもおすすめです。館内外で心温まる時間を過ごせること間違いなしです。

大自然を満喫:清里高原の魅力

大自然を全身で感じられる清里高原。美しい山々に囲まれた場所で、日々の喧騒から解放されてリラックスできます。澄んだ空気と緑豊かな景色に包まれながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。カップルで散策したり、ピクニックをしたりと、豊かな自然の中でのんびり過ごすのにぴったりの場所です。

名物ソフトクリームを味わう:清泉寮

豊かな自然に囲まれた場所にあるのも清泉寮の魅力ですが、ここで特におすすめしたいのが「ソフトクリーム」です。現在では清泉寮ソフトクリームとして広く知られています。

濃厚で美味しいと評判が広がり、今では行列ができるほどの人気ぶりです。多くの方が「並んでも食べる価値がある」と絶賛しています。清里を訪れた際には、ぜひとも味わっていただきたい名物グルメの一つです。

学芸員が語る:清里フォトアートミュージアムの魅力と楽しみ方

清里フォトアートミュージアム学芸員の綱さんからのメッセージ

綱さん

古典の名作から現在の若手作家まで、洋の東西を問わず幅広い作品をご覧いただけます。写真に造詣(ぞうけい)の深い方はもちろん、初心者の方でも、写真作品や表現を自分自身の感性でお楽しみいただけます。

展示作品や自由にご覧いただける写真集を通じて、お互いのお気に入りの作品について話をしたり、新しい発見やお互いの感性について語り合う機会にしていただけると良いでしょう。カップルの皆さまにとって、お互いの新たな一面を発見する素晴らしい時間になるはずです。

清里周辺で楽しむ:おすすめデートスポット情報