「木次酒造」のお酒で楽しむ大人のおうちデート。島根愛あふれる日本酒の魅力とは

本記事では、島根県にある木次酒造の日本酒をおうちデートにおすすめの選択肢として紹介します。大正12年創業の長い歴史を持つ木次酒造は、丁寧な酒造りで知られています。

木次酒造は、島根県特産の佐香錦を中心に、五百万石などの原料米を使用しています。看板商品「雲」をはじめ、地元の素材を贅沢に使用した日本酒を製造しており、多様な銘柄を取り揃えています。

この記事では、木次酒造のお酒造りへの想いやおすすめの日本酒を詳しく紹介しています。おうちデートで日本酒を楽しみたいカップルの方々は、ぜひ参考にしてください。

飲酒は二十歳になってから

飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や乳児期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく適量を。飲んだ後はリサイクル。

島根の誇り・木次酒造が守り続ける地元愛あふれる酒造り

木次酒造の中庭からの外観

島根県雲南市にある木次酒造は、大正12年(1923年)に創業した、約100年の歴史を誇る酒蔵です。

木次酒造は、地元雲南市の米と水を使用してお酒を製造しています。さらに、木次酒造で造られたお酒のラベルにも、雲南市で作られている「斐伊川和紙」を採用しています。

地元産にこだわった木次酒造のお酒からは、地元への深い愛着が感じられるはずです。

蔵元自らが杜氏としてお酒造りに携わり、丁寧に手間を惜しまず製造しています。年ごとに変化と進化を続ける木次酒造のお酒は、日本酒初心者から熟練の愛好家まで幅広い層に楽しんでいただけるでしょう。

今回は、木次酒造の代表取締役兼杜氏である川本さんに、木次酒造の歴史やおすすめの日本酒についてお話を伺いました。

島根の恵みを活かした木次酒造のこだわり素材

木次酒造の蔵の外観
▲自然に囲まれた蔵の裏山から

編集部

木次酒造の歴史を教えてください。

川本さん

木次酒造は、大正12年(1923年)に創業しました。当時は同じ町内に5つの蔵がありましたが、現在は木次町内での日本酒製造は当蔵のみとなっております。

編集部

お酒造りに使用されるお水や原料米へのこだわりはありますか?

川本さん

蔵のすぐ近くの山に湧く、口当たりが良く柔らかい岩清水を使っています。

また使用している原料米は、蔵元から20km圏内の雲南市内産の酒米で、島根県のみで栽培されている佐香錦を中心に五百万石などを使っています。

酒米の田圃
▲この田園で酒米が作られています

また、木次町は「神話ヤマタノオロチ伝説」が語り継がれる土地のため、古代のお酒を想像して雑穀を使用した五穀のにごり酒も造っています。

蔵元みずからが杜氏として造るこだわりの日本酒

甑の移動を行う蔵元社氏
▲蔵元社氏自ら酒米を蒸す甑(こしき)の移動を行う

編集部

どのような思いでお酒づくりをされていますか?

川本さん

私は、醸造責任者としての経験が全くないところからお酒造りをスタートしました。経験不足を補うため、一つ一つの作業をとにかく丁寧に、手間を惜しまず行うという想いでお酒造りを続けています。

洗米後の吸水歩合の計算

木次酒造の蔵内仕込み水用のタンク

木次酒造蔵内の麹室へ続く階段

木次酒造の蔵内洗い場

木次酒造蔵内の発酵室

スクロールで酒造の様子がみられます→

編集部

お酒づくりに関してこだわりはありますか?

川本さん

「地元の方々に誇りに思ってもらえる」「地元を誇れる」、そんなお酒を造ることができるように精進しています。そのために、できる限り地元産のものを使って、丁寧に手間を惜しまずお酒造りをしています。例えば、地元の酒米、水、ラベル用紙の手漉き和紙などを使用しています。

また、小さな酒蔵であることを生かし、よりおいしいお酒を造るために毎年お酒造りの方法を検証し、改善点があれば積極的に取り入れるなど、常に進化を続ける努力をしています。

木次酒造の麹室での作業
▲蔵麹室で作業を行う蔵元社氏

酒母の温度計測風景
▲入念に酒母の温度計測を行う

櫂入れ作業風景
▲蔵元杜氏が丁寧に行う櫂入れ

編集部

蔵元である川本さんが醸造責任者としての経験が全くない状態でお酒造りを始められたとうかがいましたが、どのような経緯があったんでしょうか?

川本さん

私(蔵元)が杜氏としてお酒造りを始めたのは、平成18酒造年度からです。

山梨大学でワイン酵母の勉強をした後、国の研究機関であった醸造研究所(現在の酒類総合研究所)で日本酒の勉強をして、実家である木次酒造に帰ってきました。

帰ってきてからも酒造期には蔵人さんのお手伝い程度の作業はしていましたが、すべての工程の作業はしていませんでした。平成17酒造年度のお酒造りが終わった時に状況が変わり、金銭的な事情等があって自分でお酒造りをすることになりました。

蔵元杜氏の作業風景
▲洗米後の水切りを行う蔵元社氏

木次酒造自慢の日本酒ラインナップ

木次酒造の看板商品「雲」は、辛口でしっかりとした味わいが特徴的で、冷酒でいただくのがおすすめです。

「雲」純米吟醸と「雲」純米は原料米が異なるため、それぞれ独特の旨味を楽しむことができます。カップルで飲み比べをするのも面白い体験になるでしょう。

自分好みの日本酒を見つけるには、木次酒造の味わいマップを参考にするとよいでしょう。様々な銘柄の特徴が一目でわかるため、選ぶ際の参考になります。

木次酒造の味わいマップ

味わいマップで紹介した銘柄一覧

  1. 大吟醸「美波太平洋」
  2. 純米吟醸酒「美波太平洋」
  3. 純米酒「美波太平洋」
  4. 無濾過生原酒純米「雲」
  5. 純米吟醸原酒「うん、何?」
  6. 純穀物酒「おろち乃舌鼓」
  7. 純米酒「発砲うすにごりさくら」

看板商品「雲」純米吟醸:辛口の中に広がる甘味と旨味

「雲」純米吟醸は、やや辛口ですが、原料米の甘み・旨味・酸味を感じられます。温度によって味わいが変わる特徴があるため、シーンや好みに合わせて飲み分けるのもよいでしょう。食前・食中酒として楽しむのがおすすめです。

木次酒造の看板商品「雲」純米吟醸 原料米 佐香錦
日本酒度 +7~8(やや辛口)
価格 720ml:2,200円

川本さんからのコメント

「雲」純米吟醸は、島根県で品種改良され島根県でのみ栽培される酒米「佐香錦」を使った無濾過生原酒です。蔵からほど近い雲南市吉田町産の「佐香錦」を使用しており、後味に酸味も感じる爽やかな印象の無濾過生原酒で、しっかりとした味のお料理にも負けない力強さを持った日本酒です。
10℃から15℃くらいの冷えた状態から常温にかけてがおすすめの温度帯です。さらに、60℃くらいの熱燗にすると、冷えた状態では隠れていた旨味と香りを楽しむことができます。

地元米を使用した「雲」純米:雲南市三刀屋町産「五百万石」を使用

「雲」純米は「雲」純米吟醸よりも辛口で、原料米の甘味と豊かな香り・味わいを楽しめます。酒蔵のある木次町の隣町、雲南市三刀屋町産の酒米「五百万石」を使用した無濾過生原酒です。しっかりとした旨味が特徴で、日本酒通の方にも好評です。

木次酒造の看板商品「雲」純米 原料米 五百万石
日本酒度 +15〜16
価格 720ml:1,925円

五穀が原料のにごり酒「おろち乃舌鼓」:ヤマタノオロチをイメージ

「おろち乃舌鼓」は「ヤマタノオロチ伝説」をイメージして作られた五穀を原料とする濁り酒です。特徴は辛口で高アルコール度であり、雑穀特有の旨味とコクを楽しむことができます。

ヤマタノオロチ伝説を想像した「おろち乃舌鼓」 原料米 五穀
日本酒度 +20
価格 720ml:2,035円

おろち乃舌鼓とイノシシ肉ソーセージ
▲力強い味わいのおろち乃舌鼓は、濃厚なお肉料理とも相性が良い

日本酒通も唸る木次酒造の厳選銘柄

川本さんに、日本酒愛好家の方におすすめのお酒を紹介していただきました。カップルで一緒にお酒を選ぶことで、より楽しいおうちデートになるでしょう。お二人の好みに合わせて選ぶことで、新しい発見があるかもしれません。

後ほど、ふだんあまり日本酒を飲まない方でも飲みやすいお酒もご紹介します。そのため、カップルのどちらかが日本酒初心者でも安心してお楽しみいただけます。

映画にちなんだ「うん、何?」:旨味とキレの純米吟醸

辛口と熟成感が特徴的な「うん、何?」は、岩清水と雲南市産の酒米を使用し、丁寧に醸した純米吟醸酒です。熟成させることで旨味が引き立ち、キレの良い後味が楽しめます。この銘柄名は、島根県雲南市を舞台にした映画「うん、何?」を記念して名付けられました。

旨味とキレが特徴的な「うん、何?」 原料米 佐香錦
日本酒度 +15
酸度 1.5
価格 720ml:2,310円

香りと旨味が調和した「寓」純米:熟成の魅力が光る

「寓」純米は、味わい深い熟成純米原酒です。熟成による複雑な香りと、米本来の旨味が口の中いっぱいに広がります。日本酒通の方々に特におすすめの一本です。

熟成の味と香りが楽しめる「寓」純米 原料米 五百万石
日本酒度 +13〜14
酸度 1.3
価格 720ml:2,035円

「うん、何?」と「寓」純米の楽しみ方:常温〜ぬる燗がおすすめ

日本酒好きにおすすめの「うん、何?」「寓」純米は、やや辛口で熟成の旨味を感じられる味わい深いお酒です。熟成による複雑な風味と、すっきりとした後味が特徴です。

川本さんにおすすめの飲み方をお伺いしたところ、常温〜ぬる燗でいただくのがちょうどよいと教えていただきました。この温度帯で飲むことで、お酒の香りと味わいが最も引き立つそうです。

「うん、何?」と「寓」純米のペアリング:料理との相性も抜群!

「寓」純米は、熟成の香りとしっかりとした味わいが特徴的な日本酒です。そのため、チョコレートや干し柿などの甘みと深みのある食べ物と一緒に楽しむのがおすすめです。これらの組み合わせにより、日本酒の風味がより引き立ち、豊かな味わいを楽しめます。

日本酒デビューにぴったり!木次酒造の入門銘柄

おうちデートを機会に「日本酒に挑戦してみたい!」というカップルのために、日本酒初心者におすすめの銘柄を川本さんにお伺いしたところ、スパークリング酒を紹介していただきました。

スパークリング酒は炭酸が入った日本酒で、飲みやすいのが特徴です。そのため、日本酒を飲んだことがない女性でも気軽に挑戦できます。スパークリング酒の栓開けに慣れていないと「栓を開けるのが怖い」と思うこともありますが、そんな時こそチャンスです!栓を開けてくれる男性は「頼りがいがある」と女性から高評価を受けやすいので、彼氏さんはぜひ栓抜きにチャレンジしてみてください。きっと素敵な思い出になるはずです。

スパークリング「泡雲」:キレのある後味が飲みやすい

「泡雲」スパークリングは、辛口の発泡性純米酒です。爽やかな炭酸と切れの良い後味が特徴で、日本酒初心者でも楽しめる飲みやすいお酒です。

「泡雲」スパークリング 原料米 五百万石
日本酒度 +16
価格 750ml:3,740円

「泡雲」スパークリングに合うおつまみ選び

「泡雲スパークリング」は、シャンパン製法で造られているため、フランス料理や和食など、幅広いジャンルの料理に適しています。スパークリングワインの特性を活かすため、冷やして飲むのがおすすめです。

川本さんからのコメント

白身魚のカルパッチョやお寿司、ローストビーフなど、様々な料理と相性が良いです。特に、食前酒から前菜にかけての軽めの料理との組み合わせがおすすめです。

冷やして、ワイングラスやフルートグラスでお楽しみください。

木次酒造の銘酒を手に入れる方法

木次酒造の商品は、雲南市内の小売店や蔵元直売所、オンラインストアで購入できます。オンラインストアから購入する際は、商品代金に加えて配送料がかかりますので、ご注意ください。

オンラインストア:https://shop.kisukisyuzou.com/(現在メンテナンス中)

まとめ:地元愛と革新が融合した木次酒造の日本酒

木次酒造の代表取締役兼杜氏の川本さん
▲こだわりあるお酒を丁寧に造る川本さん

木次酒造の代表取締役兼杜氏である川本さんからメッセージをいただきました。

川本さんからのコメント

日本酒は冷たく飲むものという固定概念を捨てて、少量を温めたり熱くしたりして楽しんでみてください。湯煎が理想的ですが、まずは電子レンジで温めてみるのもよいでしょう。日本酒の「冷やしても温めてもおいしい」という特徴を存分に楽しんでいただきたいです。

暑い季節やお鍋料理の時は、氷を入れたり水で割ったりして冷たく飲むのも一つの楽しみ方です。ロックアイスやクラッシュアイス、かき氷用のふわふわした氷など、様々な氷で試してみてください。

さらに、熟成酒など甘いおつまみと合う日本酒もあります。お酒の持つ多様な魅力を発見していただければ幸いです。

木次酒造は、地元への愛が感じられるお酒が印象的でした。長い歴史と蔵元杜氏が丁寧に造る日本酒は、おうちデートだけでなく大切な記念日・誕生日などのお祝いを華やかに演出してくれるでしょう。

辛口で力強い日本酒が多い木次酒造の日本酒は、お肉料理などと合わせるのもおすすめです。日本酒初心者の方は、スパークリング日本酒でイタリアンやフレンチを楽しむのも良いでしょう。おうちデートに飽きてきたカップルでも、2人で日本酒を飲み雰囲気を変えると、より親密になれるかもしれません。

木次酒造では酒蔵見学※も可能です。日本酒の製造過程に興味がある方は、実際に見学してみてください。2人で一緒に木次酒造の日本酒の魅力を深く知ることで、より美味しく味わえそうですね。
酒造期(12月~4月後半)は見学を行っておりません。また、酒造期以外の見学は予約が必要です。

木次酒造へのアクセスと基本情報

住所 〒699-1332
島根県雲南市木次町木次477-1
お問合せ 0854-42-0072
営業時間 9:00~17:30
公式サイト ▼ホームページ
https://www.kisukisyuzou.com/

▼オンラインストア
https://shop.kisukisyuzou.com/(現在メンテナンス中)

※最新の情報は公式サイトでご確認ください
※記事中の金額はすべて税込表示です