日本ワインの美味しさに感動!エーデルワインでおうちデートしよう

この記事では、岩手県花巻市大迫町にあるワイナリー「エーデルワイン」のワインをメインにした、おうちデートの楽しみ方を紹介します。

エーデルワインは、岩手県産のぶどうにこだわっており、様々なぶどうの品種を使ってワイン造りをしています。ライトボディからフルボディ、辛口から甘口までバリエーション豊かなシリーズがあるので、どれにしようかなと選ぶ楽しみがあるのも嬉しいポイントです。

「今日は白ワイン」「今夜はフルボディ」など、テーマを設けていくつか飲み比べるのも盛り上がると思います。ぜひお試しください。

国内外から支持される、岩手県の名ワイナリー「エーデルワイン」

エーデルワインは、岩手県を代表するワイナリーのひとつです。土壌と気候に恵まれた大迫町で造られたぶどうで醸造するワインは、芳醇な味と香りで全国から愛されています。さらに昨今では、海外のワインコンクールで金賞を受賞するなど高く評価される銘柄が多く、世界からも注目されてます。

風土に恵まれているエーデルワインですが、ワイナリーとぶどう生産者との間に深い関係性が育まれているのも美味しさの秘訣のよう。ぶどうを栽培する方の個性を尊重しつつ、生産者ひとりひとりと密にやり取りすることで、より良いぶどうを、より良いワインを造ろうと常に志高くワイン造りがなされています。

そんな絆と強い思いがあるからこそ、年を重ねるたびに新たな感動をもたらしてくれるのだと思います。

では、エーデルワインで管理部総務部長を務める高見章子さんにワイナリーの魅力を詳しく伺いましょう。

ぶどうの栽培に必要な条件が揃う大迫でワインを造る

岩手県花巻市大迫町にあるワイナリー「エーデルワイン」で使っているぶどうの農園

編集部

岩手県花巻市にある大迫町は、「ワインの里」と呼ばれるほどワイン造りに適した地なのだそうですね。まず、ワイナリーの成り立ちについて教えてください。

高見さん

大迫町のぶどうの歴史は古く、今から約70年前にさかのぼります。もともと葉たばこが特産品だったのですが、降雨量が比較的少ないこと・昼夜の温度差が大きいこと・弱アルカリ性の石灰岩土壌など、ぶどうの栽培に適した条件が、ここ大迫には揃っていました

大迫のワインの里としての始まりには、ひとりの人物が大きく影響しています。当時の岩手県知事、国分謙吉氏です。戦後間もない1947年、48年に「カザリン台風・アイオン台風」と名前がつくほどの大きな台風が岩手県を襲いました。ここ大迫町も甚大な被害を受けたそうです。

その後1951年に国分謙吉知事は、復興策の一環として「ここ大迫を日本のボルドーに」とぶどう栽培を奨励したのです。それが大迫のぶどう生産の始まりといわれています。

始めは生食用として栽培されていましたが、「市場に出荷できないような、形や色の悪いぶどうや余剰分を有効利用できないか」と加工食品化の試みが重ねられて、1962年からワインづくりがスタートしました。これが岩手ぶどう酒醸造組合といい、エーデルワインの前身となります。

編集部

もともとぶどう造りに適した土地だったということは、エーデルワインが生まれたのは台風というきっかけがありつつも、必然のことだったのかもしれませんね。

なお、社名の「エーデルワイン」は、岩手県の花の名山として知られる早池峰山に咲く早池峰うすゆき草が、アルプスのエーデルワイスと姉妹花であることから名付けられたのだそうですね。エーデルワイスの白く可憐な様子が、ワインの繊細で華やかなイメージと重なります。

農家と連携しぶどうの品質向上に努めている

岩手県花巻市大迫町にあるワイナリー「エーデルワイン」の栽培指導会の様子

編集部

ぶどう栽培に適した土地ということですが、ぶどう造りやワイン造りにおいてこだわっていることはありますか?

高見さん

前述したとおり、天災の復興策の一環として始まったぶどう栽培、そしてぶどう栽培者の救済策として始まったワインづくりですので、エーデルワインで使うのは岩手県産のぶどうです。

ワインの原料はぶどうだけですから、ぶどうの持っている成分でワインの個性が決まります。ぶどうの味を育むのは大地、つまり畑です。畑が持つ「土壌の成分の特徴」「土地独特の気候」、そして「栽培する人の個性」という条件すべてがぶどうの味を作る源になります。

地元・大迫町の醸造用ぶどう農家は、エコファーマーの認定を受けています。土づくりと化学肥料・農薬の低減を一体的に行う農業者として認められた上で、安心・安全を目指し良質なぶどう栽培に努めています。

当社では栽培指導の担当者が、ワイン専用品種のぶどうを栽培している方と関係機関と共に、定期的に栽培指導会を開催して栽培技術の向上を目指しています。また、生産者ごとにワインを醸造し定期的に公開テイスティングを開催することで、ワインの品質を確認し、生産者と消費者との交流も図っています。

前年のぶどう栽培の実績や反省を踏まえて、「今年はどのような方針で栽培に取り組むか」について生産者と農協、果樹の研究指導機関の方を交えて意見交換会を行うのも、当社ならではの取り組みです。

生産者の中には高齢の方もいらっしゃいますが、皆さん意欲をもって栽培に取り組んでおり、品質の高いぶどうを造るための積極的な意見交換や栽培技術の習得に余念がありません。それはすべてぶどうづくりへかける情熱の表れです。

編集部

岩手県産のぶどうで作られるということは、岩手の自然の恵みがぎゅっと詰まっているのでしょうね。ワイナリー含め大迫町を訪れたことのある方でしたら、ひと口いただくたびに、この豊かな自然が目に浮かぶかもしれません。

エーデルワインは、大迫はもちろん岩手県の中でも主要なワイナリーとして有名ですが、その地位を確立されているのは、ぶどう農家との密なやり取りや良質な関係性があってこそなのですね。

人の心を豊かにするワイン造りを目指すワイナリー

岩手県花巻市大迫町にあるワイナリー「エーデルワイン」でぶどうを圧搾する様子

編集部

ワインを造るのはすごく難しいことだと聞いたことがありますが、特に苦労を感じるのはどのような時ですか?

高見さん

毎年好天に恵まれるわけでは決してありません。ぶどうの生育にとって必ずしも良くない天候だったとしても、ぶどうの生産者が1年を通して季節ごとに必要な作業を丁寧に繰り返してくださった結果、良質なぶどうが収穫できたときは深い喜びを感じます。

また、同じぶどうの品種でも味の引き出し方によってワインの性格は様々に変化します。そのぶどうを最大限に活かしたワインができたときは、苦労を凌駕する喜びをおぼえます。

私たちは、人の心までも豊かにする飲み物であり続けたい、そう願っています。産地主義にこだわり、美味しく本格的でリーズナブルなワインを多くの人に届けたいという想いがあります。ぶどう耕作のたゆまぬ向上と生産者との信頼関係、醸造技術の革新を通じて、多くの人に愛されるワインを造りたいと考えています。

編集部

ワインは自然が育むものであると同時に、農家の方や醸造される方によっていかようにも変化するお酒であるということですね。自然環境は良い時も悪い時もあり苦労は想像以上だと思いますが、どう対応していくのかが、ワイン造りの腕の見せどころといえるのかもしれません。

ワイン造りにおける歴史や深いこだわり、思いを伺い、エーデルワインの1杯がよりありがたく、そして愛おしく感じられるようになりました。さらに深く味わえそうです。素敵なお話をありがとうございました。

エーデルワインの主なラインナップ

エーデルワインでは「月のセレナーデ」「コンツェルト」「ナイアガラ」など、たくさんのシリーズが造られています。

中でも「五月長根リースリング・リオン白」はワイナリーを代表する銘柄で、国内外のコンクールで毎年高く評価されています。とりわけ2012年産の評判が良く、2013年のダボス会議では冬季・夏季の二季に渡り日本を代表する白ワインとして世界各国の列席者に提供されました。

各シリーズの様々な銘柄が、国内のコンクールはもちろんのこと、世界で最も大きな影響力を持つといわれる「International Wine Challenge」など、海外でも受賞歴を誇ります。

ここから、世界中で注目されるエーデルワインのおすすめの銘柄について紹介していきます。

エーデルワインを代表する「五月長根リースリング・リオン白」

もともとワイナリーの看板商品だった「五月長根葡萄園」が新ラベルで生まれ変わったのが「五月長根リースリング・リオン白」です。エコファーマーの認定を受ける、大迫町の契約農家約20軒のぶどうのみから造られたエーデルワイン自慢の銘柄です。

収穫された良質なぶどうを長期低温発酵させているのがポイントなのだそう。青りんごやグレープフルーツを感じさせる爽やかな香りで、ほど良い酸味と果実味のあるバランスのとれた味わいです。

エーデルワインを代表する「五月長根リースリング・リオン白」 味わい やや辛口
品種 リースリング・リオン
原産地 岩手県花巻市大迫町
アルコール度数 11.5%
価格 750ml 2,497円
360ml 1,375円

甘口で飲みやすい「月のセレナーデ赤」

エーデルワインで最も売れ筋の赤ワインです。新鮮なぶどう果汁を加えることで、赤ワインのコクがありながらフレッシュ&フルーティな甘口タイプに仕上がっています。赤ワインを飲みたいけど、辛口はちょっと苦手という方にはぴったりですよ。

甘口で飲みやすい「月のセレナーデ赤」 味わい 甘口・ライトボディ
品種 キャンベル
原産地 岩手県花巻市大迫町
アルコール度数 10.5%
価格 720ml 1,320円

情熱と魂が込められた「ゼーレオオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成 2018 赤」

エコファーマーの認定を受けた大迫町のぶどう栽培者による地元のぶどうにこだわり、より良いワイン造りの情熱と魂(ゼーレ)を込めたのが「ゼーレオオハサマ」シリーズです。

「ゼーレオオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成 2018 赤」は、エーデルワインの中で最高級となる特別醸造の限定品のひとつです。気品溢れる味を二人で味わって、うっとりするようなひと時を過ごしてくださいね。

飲みごたえのある「ゼーレオオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成 2018 赤」 味わい 辛口・フルボディ
品種 ツヴァイゲルトレーベ
原産地 岩手県花巻市大迫町
アルコール度数 13.0%
価格 750ml 4,620円

白ワインのいち押しは「グリューナー・ヴェルトリーナー 2020 白」

大迫町との友好都市50周年を記念して、2015年にオーストリア共和国のベルンドルフ市より贈呈されたぶどう品種「グリューナー・ヴェルトリーナー」の苗木を栽培・収穫・醸造したものです。なお、グリューナー・ヴェルトリーナーを使い日本ワインを商品化したのはエーデルワインが初なのだそう。

熟した柑橘を思わせるような香りがあり、穏やかな酸味が感じられるやわらかな口当たりの白ワインです。

白ワインのいち押し「グリューナー・ヴェルトリーナー 2020 白」 味わい 辛口
品種 グリューナー・ヴェルトリーナー
原産地 岩手県花巻市大迫町
アルコール度数 12.0%
価格 750ml 2,640円

泡好きには「スパークリングワイン 星の果樹園 ロゼ」がおすすめ

岩手県産のぶどうのみで造られたスパークリングワインです。いちごに似た香りが感じられる、華やかさと優しさの両面をもったロゼです。さっぱりとした甘味がありバランスのとれたテイストが特徴ですよ。アルコール度数も9.0%と低めなので、ワイン初心者でも飲みやすいと思います。

泡好きには「スパークリングワイン 星の果樹園 ロゼ」がおすすめ 味わい 甘口
品種 キャンベル
アルコール度数 9.0%
価格 720ml 1,727円

ワイン好きにおすすめのエーデルワインのお酒

個性がありつつバランスが良い、そんな非の打ちどころのない1本をお探しの通なカップルにこそおすすめしたいワインを、白と赤それぞれ1本ずつ選りすぐりました。おつまみと合わせたり、時間をかけていただき味の変化を感じたりと、飲み方を工夫することでより奥深く味わうことができますよ。

エーデルワインを代表する「五月長根リースリング・リオン白」

先ほど紹介したエーデルワイン自慢の1本「五月長根リースリング・リオン白」が、ワイン好きへいち押しの白ワインです。

グラスから立ち上がる爽やかな香りと、口に含んだ時のほとばしるような果実味は感動もの。後味も良く、一度味わったら忘れがたいテイストです。

「五月長根リースリング・リオン白」は繊細な日本料理をおつまみにしよう

「五月長根リースリング・リオン白」はほど良く酸味がある白ワインなので、天ぷらや貝の刺身と好相性。和食と合わせるのは意外に思われるかもしれませんが、結構クセになりますよ。ぜひお試しください。

飲みごたえのある「ゼーレオオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成 2018 赤」

こちらも既出ですが、「ゼーレオオハサマ ツヴァイゲルトレーベ樽熟成 2018 赤」は「サクラアワード2021」で金賞を受賞した銘酒です。2018年は春先より日照時間が多く降水量も少なく推移したため、栽培管理が行き渡り良質なぶどうが収穫できた当たり年でした。ワイン好きであればぜひ味わうべき1本ですよ。

チョコレートやブラックベリーを思わせる甘い香りとしっかりとしたタンニン、そして程よい酸味が感じられる赤ワインです。味のまとまりを堪能した後、幸せな余韻に浸れますよ。

ワイン初心者におすすめのエーデルワインのお酒

ワイン経験がまだ浅い方にすすめたいワインを紹介します。飲み口は軽やかながらぶどうの果実味は忘れがたく、もうひと口、もうひと口…と自然と進むお酒です。この1本をきっかけに、ワインの魅力にハマる方も多いと思いますよ。

ぶどう味が強くほんのり甘い「月のセレナーデ赤」

赤ワインらしいコクがありながら、ぶどうのフレッシュなニュアンスが際立った軽やかなワインです。ライトボディに分類され、ほのかな甘さとすっきりとした味わいが特徴です。

ぶどう味を強く感じられる最大の理由は、使われているぶどう品種「キャンベル」です。キャンベルはそのまま食べても美味しい黒ぶどうで、ワインにするとしっかりとした果実味が残るのだそう。

辛口のものや渋みのあるワインはもう少し先かな…という方にも手に取っていただける1本です。

おすすめはスイーツとの組み合わせ!食中酒にも最適

「月のセレナーデ赤」はフルーティーな甘口のワインなので、王道なのはスイーツとのペアリングです。それ以外にも、焼き鳥やすき焼き、お蕎麦など日常のごはんと合わせても美味しくいただけるので、食中酒にも最適です。

エーデルワインの購入方法

エーデルワインは、直売店である「ワインシャトー大迫」「ワインシャトー平泉」のほか、岩手県内の酒販店やスーパーで購入することができます。

岩手県以外にお住まいのカップルでしたら、オンラインでの購入が便利です。気になるものが複数ある場合や多めに買い置きしたい場合なども、オンラインサイトを利用すると配送面で便利ですよ。

以下の3つのショッピングサイトでエーデルワインのお店が開かれていますので、覗いてみてくださいね。

まとめ:ファンになったら二人でワイナリーを訪れよう

岩手県花巻市大迫町にあるワイナリー「エーデルワイン」の樽

高見さんから読者の皆さんへメッセージをいただきました。

高見さんからのコメント

ワインは人を幸せにする飲み物だと私たちは信じています。
ワインを飲みながら楽しい気分を味わっていただきたいと思います。

なお、エーデルワインはワイン工場の見学も可能です。ビン詰めから醸造、樽熟庫まで見学できるので、説明を受けながらワインの知識を深めるとますますワインのトリコになりそうですね。

工場見学の後は「ワインシャトー大迫」を訪れましょう。様々なワインのテイスティングができるほか、製造本数の少ない特別醸造の限定品やバックビンテージワインなど、ワインシャトー大迫でしか購入できないワインがたくさん揃っています。きっと、エーデルワインがもっと好きになるはずですよ。

エーデルワインの基本情報

住所 〒028-3203
岩手県花巻市大迫町大迫第10地割18-3
お問合せ TEL:0198-48-3037(代表)
営業時間 9:00〜17:00
公式サイト https://edelwein.co.jp/

※記載されている金額はすべてインタビュー時の価格です。