武水別神社で巡る歴史と自然!心癒される大人の散策デート|長野県千曲市
自然豊かな景勝地で、ゆったりと癒されるデートプランはいかがですか?
今回は長野県千曲市にある「武水別(たけみずわけ)神社」を中心に、多くの俳人が訪れた絶景スポットから、120年の歴史ある名湯の温泉街まで、信濃の自然を満喫するプランをご紹介します。
神社の境内では伝統銘菓「うづらもち」をいただきながら、折々の景色の中を散策できるところもポイントです。日々の慌ただしさを忘れて、のんびりと休日を過ごしたいカップルは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
おすすめカップル:神社の参拝に興味がある、風光明媚な景色や夜景を楽しみたい、温泉でリフレッシュしたい
どんなデート?:自然と歴史の息づく景勝地で、心も体も洗い流す体験を
交通手段:ローカル線とタクシーの利用、もしくは自家用車がおすすめ
武水別神社で体験する歴史と自然の調和|デート概要
「うずら」をかたどった彫刻や銘菓で有名な「武水別神社」は、延喜式(平安初期の年中儀式や制度などを記した書物)に名神大社として記載され、紀元前から現在までこの地を見守り続けてきたとされています。
古くから地元の方に愛され、豊かな水源と五穀豊穣を願って祀られた御祭神のお膝元には、ここでしか体験できない風情豊かな名所が数多く存在します。
荘厳な神社へのお参りはもちろん、地元屈指の名湯がそろった温泉街も含めて、贅沢な大人のデートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回のデートのメイン |
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武水別(たけみずわけ)神社 |
周辺のデートスポット |
千曲川 姨捨(おばすて)の棚田 戸倉上山田温泉街 |
ランチにおすすめのお店 |
蕎麦処 萱(かや) 料理倶楽部 六花亭 |
少し足を延ばせば、信州蕎麦の名店やノスタルジックな雰囲気の老舗洋食屋など、特別なランチを楽しめるスポットも多数あります。
それでは、武水別神社の歴史や境内の見どころから詳しくご紹介していきましょう。
千曲の歴史が息づく武水別神社の魅力
▲本殿と並ぶ拝殿は、近年修繕が完了したばかりだ。
千曲川からほど近い場所に位置するのが、長い参道と広大な敷地を有する「武水別神社」です。その創建は紀元前とも伝えられ、はるか昔から千曲の氏神様として地域を見守り続けています。
戦国時代には多くの武将が参詣したともいわれ、境内には有名な「川中島の戦い」の初戦、「八幡の戦い」を記念する石碑も立てられています。必勝祈願の御利益があると言われているため、パートナーの大切な試験や競技などの勝負事を、2人で一緒に祈念してみるのもおすすめです。
武水別神社の境内では、縁起に由来のある「うづら」をかたどった彫刻建築や和菓子、かわいらしいおみくじやお守りなど、心温まる優しいアイテムに出会うことができます。
今回はそんな武水別神社の魅力について、権禰宜(※1)を務められる松田直隆さんに伺いました。
(※1)神社における神職の職位の一つ。神主の補佐役を務める。
紀元前から愛される「おはちまんさん」の由緒
編集部
まずは、武水別神社のロケーションについてお伺いしたいと思います。周辺環境など、この土地の魅力を教えてください。
松田さん
武水別神社は千曲市の真ん中を流れる千曲川の西側に、また名月の里として有名な姨捨山の麓に佇む神社です。
しなの鉄道屋代駅からはタクシーで10分(市内循環バスもあり)、上信越自動車道更埴I.Cより10分の場所にあります。約100台駐車可能な駐車場もあるので、車でのご参拝がおすすめです。
付近には市内を流れる千曲川、名月の里・棚田で有名な姨捨山、県内屈指の名湯として知られる戸倉上山田温泉街などのスポットが多くあり、自然と情緒に溢れた景色が魅力だと思います。
編集部
千曲川や名月の里は、万葉集をはじめとして多くの作品に詠まれているそうですね。では、武水別神社の御祭神や由来について教えてください。
松田さん
当社の創建は、社伝によれば紀元前にまで遡ると伝えられております。主祭神である武水別大神は、水と農業の神様として、また地域の氏神さまとして、長野県下最大の穀倉地帯である善光寺平の五穀豊穣と、脇を流れる千曲川の氾濫防止を祈って人々に崇められてきました。
相殿として(主祭神とご一緒に)誉田別命・息長足比売命・比咩大神の三柱の神さまが、併せて八幡大神としてお祀りされています。当社の所在地である千曲市八幡の地名や、通称が「おはちまんさん」というのは、こちらの八幡大神さまが由来です。
古くからこの地方随一の八幡宮として武将達からの尊崇が篤く、木曽義仲公なども戦勝祈願に参ったとの記録があります。
▲境内の手水舎の付近にたたずむ、「八幡の戦い」の石碑。
編集部
「おはちまんさん」という親しみやすい呼び名があるのですね。他にはどういった祈願のために、皆さんこちらにお参りにいらっしゃるのでしょうか。
松田さん
武水別神社は特に交通安全を願う祈願が有名で、年間数千台の自動車が県内広くからお祓いに訪れます。
編集部
境内には、お祓いをする方専用の駐車場も整備されているとか。多くの方が訪れていることがよくわかりますね。
広大な境内と江戸時代の彫刻美を楽しむ散策
編集部
武水別神社の境内には大鳥居から中鳥居、本殿までをつなぐ長い参道がありますね。敷地自体もとても広いですが、観光で訪れた際には、どのような順路で回るとよいのでしょうか。
松田さん
境内南側駐車場のある正面参道から順に境内を進んでいただき、手水舎で心身を清めていただいてから中鳥居をくぐってお参りしていただければと思います。大きな欅に囲まれた正面参道は、さわやかな自然を感じられる神聖な雰囲気があります。
また、本殿裏までぐるりと廻れるようになっておりますので、四方から本殿彫刻を眺めてみるのも楽しいかもしれません。
▲中鳥居をくぐって本殿へ向かう参道の左右には、欅並木が広がっている。
編集部
なかでも、特に見てもらいたい場所や、おすすめのスポットなどはありますか?
松田さん
江戸時代の宮大工である立川和四郎(2代・富昌)の手掛けた本殿は、ぜひじっくり見ていただきたいです。建坪31坪余と規模が広大な上に、内外の彫刻は繊細を極め、見事の一言です。
その他にも戦国武将ゆかりの史跡などもございますので、歴史と文化を肌で感じていただければと思います。
▲本殿裏手にも、所狭しと彫刻が施されている。
編集部
境内には本殿以外にも見どころが多そうですが、季節ごとに違った魅力を味わえるポイントはあるでしょうか。
松田さん
春は桜、夏にかけては欅の木の緑が心地良いです。秋は紅葉が楽しめ、冬は雪に包まれた静かな境内を感じることができます。四季ごとに違った一面を楽しめるかと思います。
そんな季節ごとに装いを変える境内の樹木をバックに記念撮影される方は多いですよ。撮影スポットで言えば、彫刻の見事な本殿前や、隠れスポットとして本殿裏手に続く小道も、雰囲気があって記念撮影におすすめです。
編集部
いろいろと見て歩き記念撮影まで行うと、ちょっとひと休みしたくなることもあると思います。そんなときに、ゆっくり過ごせる場所などはありますか?
松田さん
南側駐車場からすぐのところに、茶店がございます。銘菓「うづらもち」をお茶や甘酒などと一緒に楽しみながら、のんびりしたひと時を過ごせますよ。
編集部
うづらもちを頂けるのは「うづらや」さんというお店ですよね。時代劇に出てくる茶屋を彷彿とさせるこじんまりとした佇まいが印象的で、寄ってみたくなりました。晴れた日には外の長椅子で、さわやかな空気を感じながらお菓子をいただくのも良さそうですね。
また秋ごろ(※2)には境内に、伝統のべっ甲飴の屋台が出ていることもあると伺いました。こちらも、散策のお供にはうってつけですね。
(※2)例年、10月初めから11月中旬ごろの出店です。
季節の祭事で楽しむ思い出に残るデート
編集部
武水別神社のお祭りで、特に多くの人が訪れる人気の高いものはありますか?
松田さん
多くの方が訪れるのは、9月の仲秋祭です。
規模的には大きくはありませんが、仕掛け花火が見られるのは全国的にも珍しいため、地元の方だけでなく遠方からお越しの方もいらっしゃいます。地元神楽会の獅子舞も披露されますので、仕掛け花火と合わせて、カップルの皆さまにとって素敵な思い出になると思います。
▲秋の夜空を彩る、盛大な仕掛け花火の様子。
編集部
神社のお祭りで仕掛け花火が見られるのは珍しいですね。獅子舞も秋のお祭りで楽しめるとは意外です。この2つが同時に体験できるのは武水別神社ならではの特別なデートになりそうですね。
ほかにも、カップルで訪れる方におすすめの行事などがあれば教えてください。
松田さん
特にカップル向けの神事は行っておりませんが、1月の初詣にはカップルでお越しくださる方も多く賑わっています。また、2月には節分祭があり、12月の大頭祭は練り行列で街が賑わいます。
編集部
大頭祭は400年以上の歴史があり、国の選択無形民俗文化財にも指定されているそうですね。お祭りの役人である「頭人」は毎年、地元の方から当番で選ばれると聞きました。地元で長く愛されているお祭りなのですね。
デートの記念に!鳩型おみくじと御朱印
編集部
武水別神社にカップルでデートで訪れた場合に、おすすめの授与品などはありますか?
松田さん
ご祭神の八幡(はちまん)さまにまつわる「鳩」型のかわいいおみくじや、絵馬がございます。カップルの方々には、お2人の想いを1つの絵馬に込めて納めていただくのがおすすめです。
▲神社の名前も入った、ふっくらと丸い「鳩みくじ」。
編集部
鳩みくじは、ころんと丸いフォルムが愛らしいですね。おみくじを結んだ後も、かわいい鳩を持ち帰ることができるので、大切な思い出の記念になりそうです。
最近は特に女性を中心に、御朱印集めが人気ですが、武水別神社では御朱印をいただくことはできますか?
松田さん
はい、御朱印をお受けいただけます。文字と印のみのシンプルなデザインですが、神職が一枚一枚丁寧に心を込めて書かせていただいております。
また、令和4年5月20日から8月末日まで、県内8社を巡る「ご神縁めぐり」という特別企画を開催しています。この期間中は、特別な台紙で作られた御朱印を受けることができますよ。
編集部
「ご神縁めぐり」は、東北信と中南信でエリアを分け、それぞれ4社ずつで特別御朱印をいただけるんですね。期間も長いので、今回の武水別神社へのお出かけをきっかけに、県内の他の神社も巡ってみるのも良さそうです。
参拝者の声:武水別神社の魅力と評価
編集部
武水別神社を訪れた方は、どのような感想を持たれることが多いのでしょうか。よく聞くお声などがあれば、ぜひ教えてください。
松田さん
静かで厳かな境内に、心が落ち着き洗われるとのお声を多くいただきます。特に、豊かな緑に囲まれた参道や、歴史を感じさせる本殿の佇まいに魅力を感じる方が多いようです。また、季節ごとの自然の移ろいを楽しめることも、来訪者の方々に好評です。
参拝者が感じる歴史の重みと高評価
そのほかにも、武水別神社を訪れた方の間では、GoogleマップやSNS上でいろいろな口コミが見られました。編集部で独自にリサーチしたものの一部をご紹介します。
- たまたま通りかかった際、立派な社殿が気になり訪問しました。重厚感のある杮葺き(こけらぶき)屋根が、格式の高さを感じさせます。
- 「うづらもち」で有名な神社。賞味期限は当日中なので、おいしいうちに食べましょう
- 古墳時代以前からある、荘厳な雰囲気の神社です。
- 歴史もあり、境内も広いが、よく手入れされていて励まされているような気持ちになる神社
他にも、江戸時代のものだという繊細な彫刻が施された本殿に関する口コミが多く見られました。また、銘菓「うづらもち」をお目当てに参拝する方も多いようです。デートで訪れた際も、ぜひこの2つは外さずにチェックしたいですね。
武水別神社権禰宜からカップルへのメッセージ
編集部
最後に、武水別神社のデートを考えているカップルに対しメッセージをお願いします。
松田さん
「名月の里」として知られる姨捨山の麓に鎮座する武水別神社は、静かで歴史深い神社です。
ここで神さまとのご縁を結ぶことで、未来のパートナーとの良縁を結んだり、現在の大切な方との絆をさらに強めたりすることができます。カップルの皆様の大切な関係を深める一助となれば幸いです。
皆様のご参拝を、心よりお待ち申し上げております。きっと素敵な思い出になることでしょう。
編集部
松田さん、本日はありがとうございました。
武水別神社へのアクセスと基本情報
住所 | 〒387-0023 長野県千曲市大字八幡3012 |
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電話番号 | TEL:026-272-1144 FAX:026-272-6330 |
アクセス | ・しなの鉄道『屋代駅』より車で10分 ※市内循環バス(めいげつ号・ちくま号)利用可能 ・上信越自動車道『更埴I.C』より車で10分 ・JR篠ノ井線『稲荷山駅』より車で10分 |
営業時間 | 9:00~16:00 ※祭典の日は時間が変更になる場合があります。 |
定休日 | なし |
駐車場 | 東側:60台 中鳥居前:10台 大鳥居前:25台 ※境内には交通安全祈願用に、別途6台分の駐車スペースがあります。 |
飲食施設 | 御茶屋うづらや べっ甲飴屋※10月初めから11月中旬まで営業 |
公式サイト | https://takemizuwake.jp/ |
※最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。
武水別神社周辺の自然を満喫するデートプラン
「武水別神社」で穏やかな歴史の流れを感じた後は、周辺の美しい景勝地をめぐってみてはいかがでしょうか。
おすすめは、午前中に爽やかな空気の中で神社の周辺を散策したあと、温泉街の周辺でゆっくりとランチを楽しみ、午後は名湯を満喫する贅沢なプランです。
たっぷり時間をかけて千曲の自然を存分に味わってみれば、きっと日々の慌ただしさを忘れ、心身ともにリフレッシュできると思います。
周辺のおすすめデートスポット
日本最長の川「千曲川」でアクティブデート
長野県では「千曲川」、新潟県では「信濃川」と呼ばれるこの川は、その長さでは日本で第1位、流域面積では第3位を誇ります。千曲市の生活の源であり、サイクリングや釣りなど、年間を通して様々なアクティビティが楽しめる憩いの場となっています。
また広い河原には、野球やマレットゴルフなどを楽しめる公園が点在しています。特に武水別神社から車で5分ほどの位置にある「更埴(こうしょく)中央公園」では、春には桜、秋にはイチョウの並木が美しい景色を作り出します。さらに、お手洗いや自動販売機なども整備されているため、デートの休憩スポットとしても最適です。
万葉集ゆかりの絶景「姨捨の棚田」
武水別神社から車で5分ほど南へ向かうと、国の名勝や「日本の棚田百選」にも数えられる「姨捨の棚田」を見ることができます。1,500余りの小さな田が連なる、高台の美しい景色が見どころです。
水をたたえた棚田に映る月が移動していく様は、松尾芭蕉や小林一茶といった多くの俳人が「田毎(たごと)の月」と歌に詠んだといいます。
また夜の姨捨山は夜景の絶景ポイントとしても知られ、善光寺平のきらびやかな景色を楽しむことができます。
参考:信州千曲観光局「さらしな・姨捨・八幡」
公式:千曲市公式サイト「姨捨の棚田」
レトロな雰囲気漂う「戸倉上山田温泉街」
武水別神社から車で約10分の川沿いには、長野県内屈指の名湯として知られる「戸倉上山田温泉」があります。開湯から120年以上の歴史を持ち、50を超える源泉が掘り起こされている大規模な温泉地です。
足湯や立ち寄り湯も豊富にあり、特に日本でも珍しい足湯併設のコンビニは、観光客にとって一見の価値があるスポットです。
この温泉はアルカリ性単純温泉で、泉質の良さから「美肌の湯」と呼ばれることもある人気の温泉地です。
築250年の文化財で味わう蕎麦処「萱」
戸倉上山田の温泉街から川を渡った先の戸倉駅前に、かやぶき屋根の風情ある蕎麦処「萱」がたたずんでいます。築250年の有形文化財に指定された建物で、伝統的な雰囲気と共に上質な信州蕎麦を楽しむことができます。
蕎麦処だけでなく、信州蕎麦を使用した創作スイーツが味わえるカフェや、お土産処も併設されています。ゆったりとした時間を過ごしながら、信州の味覚を堪能し、思い出に残る素敵なデートスポットとなることでしょう。
公式:蕎麦処「萱」
昭和の雰囲気漂う老舗洋食店「六花亭」
六花亭は、温かい照明とオーナーこだわりのアンティークが出迎える、ノスタルジックな洋食店です。おすすめは、創業時から進化を続けているという「豆腐ステーキ」。甘辛の餡が絡んだ自慢の一皿ながら、あっさりとローカロリーなのも嬉しいポイントです。
ほかにも、欧風オムレツや海の幸カルパッチョ、カニクリームコロッケなど、目移りしそうなメニューが用意されています。
参考:信州千曲観光局「六花亭」
まとめ:武水別神社で体験する歴史と自然の癒しデート
今回の記事では、豊かな自然に囲まれた「武水別神社」の歴史と伝統を味わいつつ、日ごろの疲れをすっきりと洗い流してくれるような、風情あふれるスポットを中心にご紹介してきました。神社の厳かな雰囲気や周辺の美しい景色、そして地元の名湯など、五感で楽しめる要素が盛りだくさんです。
「由緒ある神社で良縁を結びつつ、絶景や名湯で心も体も癒されたい…」なんてちょっぴり贅沢な2人にこそおすすめしたい、のんびり満喫プランです。カップルの絆を深められる静かな時間と、心地よい非日常感を味わえる特別な体験ができるでしょう。長野県内でのお出かけをご検討の際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。きっと思い出に残る素敵なデートになるはずです。