
【神奈川】横須賀市の「カスヤの森現代美術館」で楽しむアートを身近に感じるデートプラン
にぎやかでエキサイティングなデートもいいけれど、深く考えをめぐらせる、感性にあふれた静かな美術館デートも、2人のお互いに対する満足度を高めてくれるものです。
現代美術をゆったりと眺めることのできる、神奈川県横須賀市の「カスヤの森現代美術館」では、日常でなかなか触れることのない現代美術を、思い思いのスタイルで楽しめる空間が広がります。
またさらに、周辺にはいくつかの美術館が点在しているのも地域の特徴です。今回は、「カスヤの森現代美術館」で現代美術鑑賞のあと、横須賀美術館までを巡る美術館ツアーデートプランをご紹介します。
おすすめカップル:ゆっくりと美術鑑賞をして知的な時間を過ごしたいカップル
どんなデート?:美術鑑賞
目安時間:7時間
目安予算:2人で10,000円
概要:美術館2館を巡り芸術にたっぷり浸るデートプラン
「カスヤの森現代美術館」にお茶とケーキのおいしいティーラウンジがあることも念頭に置きながら、軽く昼食を済ませた後、13時に最寄り駅の衣笠駅で待ち合わせましょう。
車で移動できる場合、「カスヤの森現代美術館」までは10分弱の道のりです。美術館でアートを楽しんだ後は、ティーラウンジで疲れた足を一休みさせてくださいね。
お休み後は、車で30分弱の距離、「横須賀美術館」への移動をおすすめします。大自然の中にたたずむ「カスヤの森現代美術館」もさることながら、海辺の「横須賀美術館」もロケーションが最高です。館内のレストランは隠れたディナースポットでもありますので、ゆったりとイタリアンを味わいましょう。
13:00~13:10 | 衣笠駅にて待ち合わせ カスヤの森現代美術館へ移動(車) |
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13:10~14:40 | カスヤの森現代美術館を見学 |
14:40~15:30 | カスヤの森現代美術館ティーラウンジにて アフターヌーンティーをお楽しみ |
15:30~16:00 | カスヤの森現代美術館から横須賀美術館へ移動(車) |
16:00~17:30 | 横須賀美術館を見学 |
17:30~19:30 | 横須賀美術館内レストラン「横須賀アクアマーレ」にて ディナーを満喫 |
19:30~20:00 | 横須賀美術館から衣笠駅へ送り解散 |
※上記プランには移動時間を含んでいます
それでは、カスヤの森現代美術館で楽しめる、現代アートの世界をご紹介します。
竹林の中でアートに触れあえる「カスヤの森現代美術館」
▲和風庭園を散策するのも楽しみの1つ
「カスヤの森現代美術館」は、1994年に開館した現代美術の美術館です。周囲を竹林が取り囲む静かな空間に、和モダンな美術館がたたずむ様子は、訪れるだけで何となく不思議な気持ちにさせてくれます。
美術というとアーティストは既に遠い世界の人であると感じてしまいがちですが、「カスヤの森現代美術館」で扱うアートは、主に現在進行形の作家、つまり今このときも実際に作品を製作している、生身のアーティストのものがほとんどです。
したがって「カスヤの森現代美術館」では、時おりアーティスト本人がやってきて訪れる人と直接対話をしたり、他にもシンポジウムや、コンサート等の開催が行われたりしています。
現代美術をひときわ身近に感じられる「カスヤの森現代美術館」の魅力や楽しみ方を、館長の若江さんに伺いました。
▲お話を伺った若江館長
現代アートの世界を身近に感じられる館内コレクションと特別展
▲美術館のシックな外観、一歩中に入ればモダンな空間に
編集部
静かな美術館でアート鑑賞するのは、とても素敵ですが、ちょっとドキドキしてしまいます。まずはメインで展示している作品がどんなものか、教えてください。
若江さん
館内にはヨーゼフ・ボイスのコレクション常設展示、若江漢字、李禹煥、宮脇愛子、ナム・ジュン・パイクの常設展示の他に、約2〜3か月ごとに開催する現代美術作家の企画展があります。
▲ヨーゼフ・ボイスのコレクション展示室はすっきりとしてモダン
▲さまざまな種類のアートが飾られていますね!
▲李禹煥の常設展示では壁に直接描かれた絵が空間に浮かんでいるように見えます
▲ナム・ジュン・パイクの常設展示は音楽も、それを演奏することも、グランドピアノもアートであることを教えてくれます
編集部
壁面に直接描かれたものや、ピアノの展示などもあって、アートとは何か定まったものではないということを感じさせてくれます。来館者には、ここでどんなことを学び、感じてほしいと考えていますか?
若江さん
現代という同時代を生きる作家の表現する作品を通し、今の時代の意味やこれからの方向性を感じ考えることが出来るような作家の展覧会を開催しています。ジャンルも絵画・立体・インスタレーションなど様々です。気軽にご来館いただき自ら感じ考える時間を過ごして欲しいと思います。
また、作家の未来を共有するために作品を購入することも大きな楽しみとなるよう、作品の販売もしています。
編集部
実際に購入して持ち帰ることができるのは、良いデートの思い出にもなりますし、アートがますます身近になる気持ちがしますね。
過去の企画展にはどんなものがありましたか?
若江さん
過去には、ヨーゼフ・ボイス展、若江漢字展、松澤宥展、今津景展、横尾忠則展、河口龍夫展などを開催しています。
▲過去に開催された「今津景展」。天井まで届く巨大な絵は圧巻です!
編集部
絵画も、写真も、「カスヤの森現代美術館」を訪れるだけでさまざまなアートに触れることができるのですね!
見るだけじゃない…施設で体験できる、触れられるアート
▲まるで京都の竹林にも似た和風の世界が広がります
編集部
施設ではどのようなことが体験できるのでしょうか?
若江さん
竹林散策もできますし、ヨーゼフ・ボイスの足型を見て触れること、竹林を望むカフェで手作りのスイーツでお茶することなどが可能です。
▲足型には触ったり、長さを測ったりする人もいます
編集部
いくつもあるティールームの窓からは竹林の風景をのぞくことができて、大変癒やされますね。散策も楽しみです。
館内で実施しているイベントやワークショップには、どのようなものがありますか?
若江さん
企画展に関してのアーティスト・トークや対談、年に数回開催する展示室内でのピアノコンサートなどがあります。時にはいろいろな楽器などの演奏会も開催しています。
編集部
いわゆる美術だけではなくて、音楽もアートの1つとして楽しむことができる美術館ということですね。
どこをとっても大変興味深いですが、若江さんが思う、施設の魅力や見どころを教えてください。
若江さん
ここは三浦半島の中心に位置し、一つの楽園のようなカスヤの森にある現代美術館です。自然環境を生かした森の散策道は親しい人との語らいの場にピッタリだと感じています。
四季折々に変化する自然を肌で感じることのできる場所で、都会では味わうことのできない極上の贅沢な時間を過ごせます。
▼豊かな自然あふれる「カスヤの森現代美術館」の周辺と内部の様子
編集部
普段、体感できない豊かな自然を2人で味わうと、気持ちもおだやかなデートとなり、相手の本質に触れることもできそうです。
では、若江さんが特に好きな展示やコレクションを教えてください。
若江さん
竹林に設置されたある宮脇愛子さんのステンレスワイアーを使った「うつろひ」、日本国内で常時見ることのできるヨーゼフ・ボイスの常設展示です。
▲直線的な竹の中にあらわれるワイヤーアートの規模にも圧倒
▲不思議と竹林に溶け込んでいるようにも見えます
編集部
「うつろひ」は周囲の自然にもマッチして、見る人を不思議な感覚にさせてくれますね。
三浦半島の貴重な自然環境を体感できる特別な美術館
▲美術館の外に出て自然を眺めてみるのもおすすめ
編集部
「カスヤの森現代美術館」が他の施設とちょっと違うというところ、自慢できる部分は、どんなところですか?
若江さん
江戸時代から続く約3,000坪のカスヤの森は、生態系としても一つの塊としで三浦半島の中でも貴重な自然環境を保持しています。その中に美術館が建てられたので、周囲には竹林や自然のケヤキやタブなどの大木がたくさんあるのです。
▲竹林や樹木の中にゆるやかな道が続きます
この森では、季節の変化と共に様々な野鳥が飛び交い、四季折々の草花を楽しめます。そんな自然環境にありながら、現代作家のシャープな切り口を持った作品を展示している美術館とのマッチングが非常にユニークです。
編集部
デートで訪れるなら、美術館の中だけではなく、外周の散策も欠かせませんね。
他に、時期や季節、天気など、来館の時期が違うことによる楽しみがあれば教えてください。
若江さん
冬には十数種類の椿、三月には美術館入り口にある早咲きの桜、少し遅れてソメイヨシノ、枝垂れ桜が咲き乱れます。
その後には、芽吹きの頃の欅や榎の若葉の新緑、竹林の孟宗竹の筍、数十種類の紫陽花、青紅葉や秋の紅葉。季節のうつろいを感じる自然の表情を楽しんでいただけます。
▲散策路をゆっくりと進むのも外せないデートコース
編集部
いつ訪れても素晴らしい景色が見られるけれど、訪れるごとに表情が異なる、何度も行きたい美術館ですね。
では、館内の撮影スポットや、デートでゆっくり過ごせるおすすめの場所はどこでしょうか?
若江さん
美術館から出て竹林の散策道を行くと、釈迦涅槃像の石仏と各所に設置した約250体の羅漢像の石仏があります。
▲周囲の石仏たちが何ともいえない幻想的な空間を作り出しています
石仏を通り赤い鳥居が見えると、そこに樹齢100年ほどの欅の大木があります。
これは「離れずの木」と名付けた欅の大木で、根元は一本の欅ですが、根元のすぐ上からは二股に分かれ空に向かって大きく育っています。これは二人がいつまでも一緒に離れずに生きることの象徴と考えられるのです。
▲よく見ると確かに2本ではなく、1本につながっています!
ここで欅に触れると、好きな人と長く一緒に過ごすという願いがきっと叶うでしょう。鎮守の森の中にありますので訪れてみてください。
編集部
カップル必見のスポットですね!木そのもの、そして周囲に点在する石仏、鳥居など、2人を守ってくれるかのような、神聖な雰囲気があります。
竹林を眺めながら手作りスイーツをいただけるカフェラウンジ
編集部
では、館内のカフェラウンジについて、ご紹介をお願いします。人気メニューも教えてください!
若江さん
館内には、クロックムッシュ等の軽食を用意したラウンジがあります。人気メニューは館長手作りのケーキと飲み物がセットになった、カフェセットです。手作りケーキは季節に合わせたフルーツを使ってタルト・タタンやかぼちゃのババロアなどをご用意しています。現在はセットで600円です。
▲おいしいお茶をいただきながらアートも竹林も楽しめます
▲お席には季節の花も!
編集部
どれも美味しそうで、季節を変えて美術館を訪れる理由がまた1つ増えました!
カスヤの森現代美術館を訪れた人の感想
編集部
来館者さんからよく聞く感想には、どのようなものがありますか?
若江さん
「ごく普通の住宅地の中に突然に奇跡と思えるような現代美術館が現れてすごく意外な驚きだった」「自然の風や緑豊かな中で過ごすことで日常から離れた時間を過ごせてリフレッシュすることがよかった」などの声を伺います。
編集部
本当に、普段せわしなく仕事をしたり、動き回ったりという中で、自然の風を感じながらのアート鑑賞は頭もすっきりしそうですね。
編集部では他にインターネットも検索し、以下のような感想を見ることができました。
- 秀逸な作品揃いで素晴らしい!
- 貴重な展示でためになりました。
- 夏の竹林は風が涼しくて、別世界みたい!
やはり竹林の非日常感に対する感嘆の声があったほか、作品群や展示に対しての賞賛の言葉も多かったのが印象的です。
カスヤの森現代美術館の訪問を検討中の読者へメッセージ
編集部
デートでの来館を検討しているカップルへのメッセージがあれば教えてください。
回答者
現代美術というと一見ハードルの高いジャンルと思われがちですが、ご来館の方への導入をなるべく平易な言葉で身近に感じていただけるようにスタッフと共に心がけています。
また、美術鑑賞と共に竹林の散策などの楽しみ方は他にはない魅力です。ぜひお越し下さい。
編集部
美術鑑賞と散策で、2人のゆっくりとした、かけがえのない時間を過ごせる場所ですね。教えていただき、ありがとうございました。
カスヤの森現代美術館の基本情報
住所 | 〒238-0032 神奈川県横須賀市平作7-12-13 |
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電話番号 | 046-852-3030 |
営業時間 | 10:00~17:30 |
休館日 | 毎週月・火・水曜 ※展示替えの週を除く |
駐車場 | 7台~10台 |
入館料 | 一般:800円/学生:600円/小学生:400円 |
最寄り駅・ アクセス |
【電車・バス】 JR横須賀線、衣笠駅より徒歩15分。または京浜急行汐入駅下車、京急バス衣笠行きにて約15分、金谷バス停下車、徒歩7分 【車】 横浜横須賀道路で横須賀ICから約5分、阿部倉トンネルを通り平作4丁目交差点の次の信号を左折、福泉寺の先を左折(無料駐車場あり) |
公式ページ | https://www.museum-haus-kasuya.com/ |
※最新の情報はホームページ等でご確認をお願いいたします。
※記事中の金額はすべて税込表示です
「カスヤの森現代美術館」周辺のデートスポット
「カスヤの森現代美術館」は、三浦半島の中央部分に位置しているので、そこから三浦半島の東海岸に出ることもできますし、西海岸へ向かうこともできます。東京湾に面した所には米海軍基地もあり、湾内を回る「軍港クルーズ」は人気です。
西海岸には富士山を眺めるビュースポットの立石海岸や県立近代美術館葉山館もあります。
今回のデートプランでは、「カスヤの森現代美術館」から東海岸方面へ向かい、「横須賀美術館」へ立ち寄るプランをおすすめしていますが、お時間の許す場合、軍港クルーズや、西海岸の「県立近代美術館葉山館」まで足を伸ばして美術館ツアーの1日を過ごすのも良いでしょう。
おすすめのデートスポット
海の見えるディナースポット「横須賀美術館」
海が広く見える開放的な美術館です。建物そのものがアートになっており、ミュージアムショップも充実しています。ギャラリーをゆっくりと見たあと、ここでお土産を購入するのもおすすめです。
また館内レストラン「横須賀アクアマーレ」はピッツァの有名な、海の見えるディナースポットです。デートの最後にぜひ立ち寄ってみてください。
公式URL:https://www.yokosuka-moa.jp/
ゆったりと散策のできる海辺の公園「観音崎公園」
横須賀美術館のすぐ裏手にあたる観音崎公園では、季節によって草花の彩り豊かな散策路や、海岸でのひとときを楽しむことができます。
園内に観音崎自然博物館や観音崎灯台といった見どころもありますので、横須賀美術館を訪れたついでに散策をしてみてください。
公式URL:https://www.kanagawaparks.com/kannon/
その他のスポット
三浦半島の西海岸にあたる立石海岸や、県立近代美術館葉山館は、東海岸方面の横須賀美術館から車を40分ほど走らせた場所です。「カスヤの森現代美術館」を挟んで真逆の方角になりますので、美術館3館巡りをしたい場合、ルートを工夫すれば1日かけて3館を巡ることができますよ!
まとめ:「カスヤの森現代美術館」から現代アートを楽しんでみましょう
「カスヤの森現代美術館」では、とても身近に現代アートを楽しむことができます。またアートとは絵画や彫刻だけではなく、音楽でもあり、それを取り巻く自然そのものであることも体感できるかもしれません。
次に巡る「横須賀美術館」でも、海の自然とともにアートを体感し、2人で共感したり、感じたことを話し合ったりして、感情を共有してみましょう。海を見ながらのディナーもすてきな思い出になるのではないでしょうか。
いずれの美術館でもショップに気に入った現代アートがあったら、持ち帰りお部屋に飾ってみるのもおすすめです。2人で巡った現代アートの世界が、目にするたび、いつもお互いの力になってくれるでしょう。