江戸から続く「元湯 山田屋旅館」で天然温泉と奥久慈会席料理を満喫するデート|茨城県

茨城県常陸太田市の静かな山間にたたずむ「元湯 山田屋旅館」は、創業から270年ほどを経た老舗の温泉宿。県内有数のアルカリ度の高い天然温泉には、女性を中心に多くのファンがいるそうです。

高評価のお湯は、渓流と滝を眺めながら、開放的な雰囲気の男女別浴場で満喫できます。川のせせらぎを聞きながら、自然との一体感を覚える和モダンの温泉宿で、とっておきのデートタイムを過ごしてみてください。

実力派料理長の手による「奥久慈会席料理」に魅せられて、数多(あまた)のリピーターさんが存在することも見逃せません。

今回は、「元湯 山田屋旅館」の20代目若女将を務める小林さんに、詳しくお話を伺ってみました。

開湯270年!横川温泉の老舗「元湯 山田屋旅館」

「山田屋旅館」の浴室
▲2階まで吹き抜けになった開放的な浴室からは、渓流と小滝を望める。天然温泉を堪能しながら、森林浴もしている気分!

編集部

初めて「元湯 山田屋旅館」さんにお邪魔していますが、川のせせらぎが聞こえる、静かな山間に建っているのですね。

最初に、どのような温泉宿なのかについて、簡単にご紹介をお願いします。

小林さん

源義家(八幡太郎義家)が奥州安倍氏掃討に成功した後、この地を通りかかりました。その際、川沿いに湧いている清水を見付け、戦(いくさ)の傷を癒したところ、何と4日で傷が全治してしまったのだそうです。

このため、「四日の湯」と呼ばれるようになりまして、これが現在私ども山田屋旅館が建つ「横川温泉」の起こりである、と伝わっています。

参考:山田屋旅館(温泉 - 元湯)

そして、その清水に小屋を掛けて、商売らしきことを始めたのが当家のご先祖・小林長五郎なんですよ。時に宝暦3(1753)年、今から270年ほど前の江戸中期のことでした。

「山田屋旅館」の20代目若女将・小林さんの近影(中央)
▲今回インタビュ取材に応じていただいた20代目若女将・小林さん

当館は、湯治宿としての連綿とした歴史を紡いで(つむいで)おり、そのお湯は古くから人々を癒してきた天然温泉です。

自然湧出の天然温泉!県内トップクラスのアルカリ度を誇る硫黄泉

編集部

山田屋旅館さんで楽しめる天然温泉について、具体的にご説明いただけるでしょうか。

小林さん

私どもの温泉は、ボーリング掘削したものではなく、自然湧出の天然温泉です。泉質は、アルカリ性の無色透明な硫黄泉となっています。pH値10.1という、茨城県内でもトップクラスのアルカリ度を誇る天然温泉なんですよ。

肌当たりが滑らかで、身体も芯までよく温まります。私どもの天然温泉のファンになり、県内外の多くのお客さまがリピーターとして、何度も足をお運びくださっています。

「山田屋旅館」の浴室
▲自然湧出の天然温泉で、県内トップクラスのアルカリ度を誇る。入浴すると、お肌がツルツルに!

ちなみに、当館の20代目若旦那が「温泉ソムリエ」の認定を受けていますので、お気軽に何でもお尋ねになってみてくださいね。

公式:温泉ソムリエ協会

開放感たっぷり!渓流と小滝を眺められる男女別の内湯でリラックス

編集部

館内の浴場についても、併せてご紹介をお願いします。

小林さん

男女別の内湯(大浴場)がございます。2階まで吹き抜けになっている浴場は、明るく開放的な雰囲気ですから、リラックスしてご入浴いただけることでしょう。

「山田屋旅館」の浴室
▲自然景観が望める開放的な浴場では、温泉に浸かりながら森林浴気分も味わえる

また、天然温泉に浸かりながら、渓流と滝を眺められますので、森林浴気分も味わっていただけますよ。

ご入浴可能な時間帯は、毎日15:00~23:00まで、明けて6:00~9:30までとなっております。

建屋は築250年!自然と四季の移ろいが感じられる宿

「山田屋旅館」の外観(夜)
▲山田屋旅館は、宝暦3(1753)年の創業と伝わる老舗の温泉旅館。何と270年前の江戸時代!

編集部

「元湯 山田屋旅館」さんの、施設全体の雰囲気などについてもお話しいただけますか。

小林さん

当館は、築250年の歴史ある建屋でして、木の温もりが感じられる建物です。平成29(2017)年に、伝統と歴史がある建屋の趣(おもむき)を活かしつつ、客室3室をリノベーションしています。伝統とモダンが融合した和モダンな客室が誕生しました。

また、川のせせらぎが響く、のどかな景色もお楽しみいただけます。四季折々の自然の移ろいを感じ取れる環境ですよ。しだれ桜やツツジ、石楠花(しゃくなげ)、藤、紫陽花(あじさい)、そして紅葉(もみじ)など、 一年を通じて季節のお花も観賞できます。

さらに、「袋田の滝」や「竜神大吊橋」などの人気観光スポットにもアクセスしやすくて、観光の拠点としても便利なロケーションです。

お部屋は和モダンの上質な仕上がり!個性豊かな3部屋を楽しみたい

編集部

建屋を数年前にリノベーションされたということですが、宿泊できるお部屋について、ご紹介をお願いします。

小林さん

客室数は、和室6室と和洋室1室の計7室です。先にも触れましたが、地元建築家の手により、築250年の建屋の魅力を活かしながら、リノベーションをしています。これにより、唯一無二の和モダンの客室3室が誕生しました。

まず、「月庭(TSUKITEI)」です。庭と月をモチーフとし、和モダンにリノベーションした1階の特別室で、8畳2間続きとなっています。浴場に最も近いお部屋でもあり、カップルでゆったりと天然温泉を満喫いただけるでしょう。

「山田屋旅館」1階の特別室「月庭(TSUKITEI)」
▲ハイセンスな和モダンの雰囲気が漂う1階の特別室「月庭(TSUKITEI)」

畳にローテーブルと椅子をしつらえており、マッサージチェアやBluetoothオーディオも備えています。どうぞ、ご自宅のリビング感覚でおくつろぎになってくださいね。

次は、「山(YAMA)」です。2階に位置するリノベーション済みの和洋室で、畳8帖+洋間6帖となっています。内装には、地場の杉や檜(ひのき)をふんだんに用いておりまして、木の温もりを感じる広々とした空間に仕上がりました。

「山田屋旅館」2階の「山(YAMA)」
▲杉や檜(ひのき)の香りが心地よい2階の「山(YAMA)」。書院窓からの陽射しも優しい

書院窓からは優しい光が差し込み、和モダンの温かく、落ち着いた雰囲気が好評ですよ。

そして、「川(KAWA)」もご紹介しましょう。2階に位置する11畳の和室で、当館の裏手を流れる天竜川をモチーフとして、和モダンにリノベーション済みです。やはり地元産の杉や檜を活かした内装にしており、木の香りを感じる空間に仕上がりました。

「山田屋旅館」2階の「川(KAWA)」
▲川のせせらぎも心地よい2階の「川(KAWA)」。地場の木材を豊富に使用している

座り心地抜群の飛騨高山産オーダーチェアを備えていまして、川のせせらぎに癒されるお部屋なんですよ。

そのほか、2階には6畳の純和室もあります。川のせせらぎが聞こえて、窓からは緑の山並みが望める、温泉宿らしい落ち着いた畳の間です。こちらのお部屋も高級寝具を入れておりまして、ゆっくりとお休みになれると思います。

リピーターさんも多い!料理長こだわりの「奥久慈会席料理」を堪能

編集部

楽しみにされているお客さまも多いかと思いますが、山田屋旅館さんのこだわりのお食事についても、併せてご紹介ください。

小林さん

当地は、春は山菜、秋は新そばやきのこ、りんご、そして冬はあんこうなど、四季折々で地場の食材が豊富です。

私ども山田屋旅館では、老舗の料理旅館や日本料理の名店などで研鑽を積んだ料理長が真心をこめて、地元の新鮮な食材をふんだんに使った「奥久慈会席料理」を夕食にご用意致します。

「山田屋旅館」の夕食で供される「奥久慈会席料理」(一例)
▲夕食で供される、見た目にも美しい「奥久慈会席料理」の一例。腕利き料理長のお料理目当てに、リピーターとなるお客さまも多い

美味であることはいわずもがな、見た目にも美しいお料理の数々です。ありがたいことに、料理長のお料理を気に入ってくださり、リピーターとして長年お見えになるお客さまも少なくありません。

山菜や筍(たけのこ)、きのこ、山女(やまめ)、岩魚(いわな)、寄せ鍋、鴨鍋、奥久慈軍鶏(しゃも)鍋、あんこう鍋、常陸牛(ひたちぎゅう)など、お越しになった際に最もおいしい旬の食材・お料理を召し上がっていただけるようにしております。

「山田屋旅館」で供される「常陸牛(ひたちぎゅう)のすき焼き」
▲ファンも多い「常陸牛(ひたちぎゅう)のすき焼き」。これはおいしいに決まっています!

また、お食事後のリラックスタイムには、ご好評いただいているコーヒーをお楽しみください。専門店からオリジナルのコーヒー豆を仕入れており、地元のおいしいお水で、ていねいに淹れております。夏季は、アイスコーヒーもご用意可能ですよ。

朝食につきましても、こだわりを持ってご用意しています。地元漁港から届く朝獲れの新鮮な魚介類や、常陸太田市の農家さんが丹精込めて育てた野菜・米を使って、栄養バランスよく仕上げておりますので、気持ちよく一日をスタートくださいね。

「山田屋旅館」の朝食(一例)
▲朝食も美しい!山田屋旅館の妥協のないこだわりを感じる

なお、お食事処は、和のしつらえに華やかさを加えた、落ち着きのある空間です。和室にテーブル・イスご用意しておりますので、カップルでくつろぎながら、夕食・朝食のひと時をご堪能いただけるでしょう。

「山田屋旅館」のお食事処の一例
▲夕食・朝食をいただくお食事処の一例。落ち着いた中にも華(はな)を感じる和室が用意される

隠れ家のような山間の老舗宿で温泉デートを満喫

「山田屋旅館」の外観(夕方)
▲静かな山間にたたずむ質の高い温泉宿はコンパクトで、二人の隠れ家にもぴったりな雰囲気!

編集部

「元湯 山田屋旅館」さんは、デート利用にも向いた隠れ家のような、規模の比較的小さな温泉宿とお見受けしています。実際、カップルで利用されるお客さまは、どの程度の割合でしょうか。

小林さん

カップルでご利用になるお客さまは、全体の2〜3割といった感じです。ほかには、ご夫婦やご家族3世代でのお越しが目立ちますね。皆さん、天然温泉を気に入ってくださり、のんびりとお過ごしいただいているようです。

カップルでお見えになったら、お二人だけの時間をゆったりとお楽しみいただければと思います。何もしない贅沢な時間を満喫していただければ嬉しいですね。

奥久慈エリアの中心!周辺デートスポットも併せて楽しめる

編集部

山田屋旅館さんの近隣エリアで、おすすめのデートスポットなどはあるでしょうか。

小林さん

私ども山田屋旅館は、奥久慈観光の中心とも言えるロケーションにあります。当館を拠点にして、自然に親しめる豊富な観光スポットを回っていただくのもおすすめです。

まず、当館から徒歩で5分ほどのところに、「横川の下滝(しもたき)」と言う名所がありますよ。2段に分かれて流れ落ちることが特徴的な滝です。天竜川にある滝でして、別名「湯平の大滝」とも呼ばれます。

参考:一般社団法人常陸太田市観光物産協会「横川の下滝」

「山田屋旅館」の近くにある「横川の下滝(しもたき)」
▲「横川の下滝(しもたき)」は、比較的小ぶりながら、雰囲気のある滝。徒歩5分なので、散歩がてら立ち寄れる

見学者用の階段や、見学スペースも設けられていますし、小ぶりの滝ながら水量は多いですから、迫力満点ですよ。お気軽に足を運べますので、お二人でマイナスイオンをたっぷりと浴びてみてください。

さらに、お車で30分圏内には、歩行者用の吊り橋では国内有数の長さを誇る「竜神大吊橋」もあります。高所恐怖症の方にはおすすめできませんが、長さは375mと言われ、高さ100mほどの橋上から望む山並み・街並みは絶景の一言です。

公式:竜神大吊橋

「山田屋旅館」から車で30分圏内の「竜神大吊橋」と鯉のぼり
▲「竜神大吊橋」と鯉のぼり。歩いて渡るので、スリル満点のデートができそう!

橋の中ほどに設置された透明アクリル板から竜神ダムの湖面を見下ろせば、スリル満点のデートができますよ。

そして、茨城県を代表する観光スポットの筆頭で、日本三名瀑にも数えられる「袋田の滝」も外せないですね。高さ約120m・幅73mほどのスケールの大きな滝でして、一度は訪ねていただく価値があるかと思います。

参考:大子町観光協会「国名勝・袋田の滝」

例年11月になりますと、滝と紅葉のとりわけ美しいコラボレーションを観賞可能ですよ。インスタ映えも文句なしに抜群で、写真家の方も多く訪れています。

編集部

初めて山田屋旅館さんに伺いましたが、内容の濃い実力派の老舗温泉宿という印象を持ちました。カップルのお客さまや、リピーターさんが多い理由も分かる気がしますね。

小林さん、いろいろなお話を聞かせていただきまして、本日はどうもありがとうございました。

「元湯 山田屋旅館」の口コミ・評判をチェック!

「山田屋旅館」の入口外観(夜)
▲雰囲気ある夜のエントランス付近。バランスのよい満足感がある老舗旅館なので、デート利用でも失敗のない選択肢になりそう

デート利用の参考になるよう、実際に「元湯 山田屋旅館」に宿泊された皆さんが残された口コミ・感想を紹介しましょう。

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久々に気に入ったお湯でした。また泊まりに来たいです。
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お食事がいつ来ても大変おいしくて、すっかりリピーターになってしまいました。見た目にも麗しい(うるわしい)お料理の数々が楽しみです。
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江戸時代から続く老舗の温泉宿です。きれいに手入れされていて、とっても気持ちよく過ごせました。
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川沿いにある静かな宿で、温泉を楽しみながら、彼氏とまったり過ごすのにはぴったりでした。

評判のよい温泉宿だと感じます。とりわけ料理長の腕前が活きる「奥久慈会席料理」のおいしさと、アルカリ度の高いお湯の質のよさには、多くの方が感心していました。

初めてカップルで利用したとしても、満足できる温泉デートになりそうです。

「元湯 山田屋旅館」の基本情報(アクセス・料金)

住所 〒311-0506
茨城県常陸太田市折橋町1409
電話番号 0294-82-2236
アクセス

【公共交通機関】
JR水郡線:常陸太田駅にて下車し、茨城交通バス「小中行」を利用して「折橋十文字」バス停で下車、徒歩約15分
※「折橋十文字」バス停からの無料送迎サービスあり(要予約)

【車】
常磐自動車道:那珂ICから国道349号線経由で約40分/高萩ICから国道462号線経由で約30分

駐車場 無料駐車場あり
チェックイン・チェックアウト時刻

【チェックイン】
15:00~

【チェックアウト】
~10:00
※利用する宿泊プランによって、いずれも異なる場合あり

日帰り利用 可(要予約)
※利用時間は10:30~14:30で、一人1,850円(個室利用あり・消費税込・入湯税別)※ほかのお客さまの宿泊状況次第で、不可となる場合もあり
露天風呂 なし
貸切風呂 なし
客室タイプ 和室(6室)および和洋室(1室)
宿泊料金 【1泊2食付き】
大人一人:15,400円〜(消費税込・入湯税別)
※支払は現金のみ(クレジットカード等は使用不可)
※「常陸太田市プレミアム付き旅行券」の使用可(予約時に使用の旨をお伝えること。他の割引券やクーポン等との併用は不可)
予約 【Webもしくは電話での予約が必須】
・Web:公式サイト「オンライン宿泊予約」ページ※オンライン予約限定の宿泊プランもあり
・電話:0294-82-2236
公式URL https://www.motoyu-yamadaya.jp/
公式SNS Instagram
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