65%が婚姻届デジタル化に賛成!婚活・結婚のオンライン化に関する独身男女の意識調査

パソコンでオンライン通話をする女性

2021年10月9日、政府は婚姻届の押印を廃止するという方針を発表しました。これは押印を廃止することでオンラインでも婚姻手続きを可能にしようとするデジタル化の一環です。結婚する2人が婚姻届に判を押し、役所に提出に行くという「結婚の定番」が、パソコンやスマホで手続き可能な方向で検討されるようです。

オンライン化の広がりは結婚式や婚活も例外ではありません。ニュースではオンライン結婚式の様子が頻繁に紹介され、オンラインでのお見合いはインターネットでも話題になっています。

今回はそんな形式が変わりつつある結婚や婚活に焦点をあて、「婚姻届のオンライン化」「オンライン結婚式」「オンライン婚活」に関して実際に結婚を考えている20歳以上の独身男女347人に意見を聞くべくアンケート調査を実施しました。

アンケート対象者が結婚したい時期:
「半年以内」3.5%
「1年以内」16.7%
「1~2年以内」22.2%
「2~3年以内」30.0%
「3年以上」28.0%

65.4%の独身男女が、婚姻届のオンライン化に賛成

婚姻届のオンライン化に賛成か反対かのアンケート結果

まずは、婚姻届のオンライン化に賛成か反対か意見を聞きました。その結果、「賛成」「どちらかというと賛成」を合わせた賛成派が6割以上に上りました。

これを男女別にみると、「賛成」「どちらかというと賛成」の合計は女性は59.3%、男性が73.7%とかなりの差が開きました。男性の方がよりオンライン化に肯定的なようです。

婚姻届のオンライン化はメリットを感じる人が多数

婚姻届のオンライン化が実現した際の生活への影響に関するアンケート結果

もし婚姻届のオンライン化が実現したら、私たちの生活にどのように影響するのでしょうか。アンケート調査の結果、やはり「いつでも、どこからでも提出できるので便利になる」と考える人が22.8%で最多でした。

なかには「特に誕生日などの記念日に出したいとかであれば、仕事がある日などでもわざわざ時間をとって出向かなくて済む」(29歳女性)との意見もありました。

また役所といえば常に混雑しているイメージがありますが、「混雑した役所に出向く手間が省ける」と回答した人は20.7%。「役所というところが嫌い。田舎だと知人に知られてしまう可能性もあるし、個人情報保護の観点からも良いと思う」(30歳女性)という意見もありました。

賛成派多数の反面、「寂しい」「不正届出が心配」という声も


スマホを操作する女性

婚姻届のオンライン化に否定的な意見としては、「印鑑を押すことや役所で提出することも結婚のセレモニーだと思うので寂しい」が11.1%です。

特に「結婚で『ハンコを押す』『一緒に役所に行く』というのに憧れがあった」(24歳女性)、「印鑑を押して役所に持っていくことも憧れの一つだった」(20歳女性)といった声が女性に目立ちました。2人で婚姻届を出しに行くのが憧れで、それがなくなってしまうのは「悲しい」「寂しい」という女性は少なからずいるようです。

また「不正」への心配もかなり存在しているようです。

「不正届などが心配」と回答したのは11.1%で、「悪用されて送信されるのではないか」(33歳男性)、「自分が知らないところで勝手に婚姻届けが出されていたら、怖い」(31歳女性)などがありました。

「人生の節目だから押印したい」との世論から、任意で認める方向へ

2021年5月12日のデジタル改革関連法の成立により戸籍法が改正され、同年9月1日から婚姻届だけでなく出生届や死亡届などすべての戸籍の届け出において押印が不要となりました。

ただし本アンケート調査でもあったように、「人生の節目だから押印したい」という意見が数多く寄せられたようです。法務省はこれを受けて、希望する人については引き続き任意で押印を認めることとなりました。

今後さらにオンライン化が進み、押印だけでなく届け出自体もパソコンやスマホだけで済むようになってくるでしょう。オンライン化によって利便性が向上し、享受できるメリットが増えることは確かですが、「婚姻届を出す」というセレモニーを大切にしたい人はこれまで通り役所への届け出を可能にするなど、個人の希望によって選択できる制度になるといいですね。

半数がオンライン結婚式に賛成だが67%が「自分はやりたくない」

オンライン化が進むのは婚姻届だけではありません。

新型コロナウイルス感染症予防対策で3密を避ける形で登場したのがオンライン結婚式。式場にいる新郎新婦と招待客をオンラインでつなぎ、結婚式を開催するものです。

この「オンライン結婚式をどう思うか」について、独身男女へ尋ねてみました。


オンライン結婚式をどう思うかについて尋ねたアンケート結果

その結果、「あまりいいと思わない」が38.0%でもっともも多かったのですが、次に多い「いいと思う」もほぼ同割合の37.8%でした。

反対派と賛成派の意見に分けて見てみても、反対派が52.1%、賛成派が47.9%で大きな差はありません。ちなみにこの質問では、男女差もほとんどありませんでした。

ですが「あなた自身はオンライン結婚式をやってみたいと思いますか」と質問すると、まったく違った結果となりました。

74%の女性が「オンライン結婚式はやりたくない」と回答!

反対意見を主張する女性

★オンライン結婚式をやってみたいと思うか

女性 男性
やりたくない 73.9% 57.4%
やってみたい 1.5% 4.0%
興味がある 16.6% 25.7%
よく分からない 8.0% 12.8%

なんと女性の7割以上が「やりたくない」と回答し、「やってみたい」という人はわずか1.5%でした。

また男性に関しても同様に、約6割が「やりたくない」で最多という結果です。

58%の独身男女が、オンライン結婚式に“マイナスイメージ”を持っている

オンライン結婚式に対するイメージを尋ねたアンケート結果

“オンライン結婚式”のイメージで一番多かった回答は、「遠方の人も気兼ねなく招待できる」(13.8%)でした。

他にも「費用や準備が少ないため、簡単で気軽」(13.1%)や「感染リスクがないので安心して実施できる」(12.9%)といった肯定的な意見がありました。

自由意見でも「オンラインなら入院している祖父なども見ることが出来る」(30歳男性)「結婚式はお金がかかるのでオンラインで安くしたい」(37歳男性)と回答した人もいます。

ですがその一方で、「感動が薄くなってしまいそう」(13.5%)や「通信環境が整っていない人を招待できない」(11.5%)、「招待者と直接ふれ合えないので盛り上がらない」(11.3%)といった否定的な意見が58.2%と半数を超える結果となりました。

「そこまでしてみんなに祝ってもらいたくない。画面越しは恥ずかしい」(22歳女性)、「実感がわかなそう」(35歳男性)といった意見が目立ち、「オンラインの結婚式はありだと思いますが、自分はしたくないなと思います」(30歳女性)といった独身者の本音が垣間見える結果となりました。

57%の独身男女が、オンライン婚活「経験あり」または「興味あり」

最後に「オンライン婚活」です。「オンラインお見合い」や「オンライン街コン」などは、新型コロナウイルス感染症予防対策をきっかけに広まったものですが、「マッチングアプリ」などは以前から若者を中心に支持を得ています。

まずは、オンラインのお見合い、婚活パーティー、街コンや、婚活アプリ、マッチングアプリなどの「“オンライン婚活”を実際に経験をしたことがあるか」について聞いてみました。

オンライン婚活の経験、興味に対するアンケート結果

アンケートの回答でもっとも多かったのは「興味がある」(32.9%)で、より積極的な「やってみたい」(10.4%)を合わせると4割を超える結果となりました。

具体的に「興味がある」「やってみたい」と思うものは、どのオンライン婚活なのかを聞いてみました。

★興味があるオンライン婚活

オンラインお見合い 25.2%
オンライン婚活パーティ、オンライン街コン 28.8%
婚活アプリ、マッチングアプリ 46.6%

その結果、約47%が「婚活アプリ・マッチングアプリに興味がある」と回答しました。

年代で見てみると、20代の64.5%が婚活アプリ・マッチングアプリに興味を示し、30代(61.4%)、40代(52.0%)、50代(50.0%)と、年代が下がるごとにアプリへの興味の度合いも下がっていることが分かりました。

経験したオンライン婚活は、90%が婚活アプリ・マッチングアプリ!

スマホでマッチングアプリをチェックする若い女性

オンライン婚活を「やった経験あり」と答えた人は13.5%でした。男女の内訳をみると、男性が8.8%、女性が17.1%で女性の方が圧倒的に多い結果です。

経験したオンライン婚活の内訳は、以下の通りでした。

★経験したオンライン婚活

オンラインお見合い 6.0%
オンライン婚活パーティ、オンライン街コン 4.0%
婚活アプリ、マッチングアプリ 90.0%

「“オンライン婚活”の経験がある」とは言っても、その90%はマッチングアプリや婚活アプリで、その他のオンライン婚活に関しては10%に留まる結果でした。

アプリ以外のオンライン婚活は広まってから1年も満たないため、開催期間や知名度から考えると当然の結果と言えるのかも知れません。

では次に、「オンライン婚活」に関してどんなイメージをもっているのか聞いてみました。

79%の独身男女が、オンライン婚活の利便性を高く評価している

独身男女のオンライン婚活へのイメージに関するアンケート結果

一番回答が多かったのは「時間、場所を選ばないので効率的に出会える」(19.3%)、次が「気軽なので出会いのチャンスが広がる」(18.3%)です。

自由回答では「オンラインでの出会いが普通になってきたイメージがあります。前ほど危険な出会い方ではないいかなと思いますし、実際に周りではマッチングアプリで出会ってお付き合いされているカップルもいます」(23歳女性)という意見がありました。

また全体で見ると、オンラインの利便性を高く評価する人が78.5%と、否定派の21.5%を大きく上回る結果となりました。

オンラインでの出会いに対し、根強い不信感を抱く人も存在

スマホを見ながら考える女性

オンライン婚活に肯定的な意見が多い一方で、「オンラインでの出会いは信用できない」(14.1%)といった否定的な意見もあります。

導入部分としてはいいが、お付き合いまでするのは不安」(27歳女性)や「考え方が古いのか、なんとなくネットの出会いに不安があります。今はきちんとした交流の場になっているのかなと思うときもありますが、最後の最後で信用できない」(43歳男性)といった声もあり、男女ともオンラインでの出会いには根強い不信感もあるようです。

このようにオンラインでの出会いに不安を抱いてしまう人は、情報収集を行ってみると良いでしょう。

マッチングアプリ大学では、アプリ情報だけにとどまらず婚活アプリやマッチングアプリの安全性や使用する上での注意点なども紹介しています。興味がある人は一度目を通してみてください。

オンライン化は選択肢の1つ、自分にとって最適な選択を!

一緒にラブレットを見る若いカップル

“婚活”や“結婚”のオンライン化に関する独身男女の意見を見てきましたが、いずれも「便利、効率的でいいと思う」けれど、「実際にやるとなると不安」という点が共通しているようです。

“婚姻届のオンライン化”も実現すれば便利になりますが、“なりすまし”などへの不安は否定できません。ここは国がしっかりと制度、システムを設計し、不正を防いでもらうしかありません。

また今回のアンケートでは、「婚姻届の提出がなくなってしまうのは寂しい」という意見もかなりありました。

カップルそれぞれのニーズに合わせて、役所に行って提出する方法と、オンライン提出の方法と選べるようになるといいですね。

オンライン婚活やオンライン婚活も、オンライン化によって選択肢が広がるのは、これから結婚を考える人にとってはうれしいことです。

外出自粛がが求められる今ですが、オンラインの利点を最大限に生かし“何”が一番自分にとって最適なのか考えると良いでしょう。そして、婚活や結婚を進めていきたいですね。

調査方法:インターネットアンケート
調査対象:20歳以上の男女(全国)
アンケート母数:計347名
実施日:2020年10月16日~2020年10月19日
調査実施主体:マッチングアプリ大学(https://jsbs2012.jp/)
調査会社:株式会社ネクストレベル