熊本県山都町の「通潤酒造」で大人の酒蔵見学デート!歴史ある蔵でカフェタイムも
この記事では、大人向けのデートスポットとして、熊本県山都町にある通潤酒造(つうじゅんしゅぞう)の酒蔵見学をご紹介します。
通潤酒造は「通潤」や「蝉(せみ)」の銘柄で知られる酒造メーカーです。準高冷地の気候を活かしながら、地元の清らかな水や米、さらに「くまもと酵母」にこだわり、独自の酒造りを行っています。
通潤酒造には、200年以上の歴史を持つ酒蔵「寛政蔵」があり、ここで酒蔵見学を実施しています。寛政蔵内部はカフェスペースとしてリノベーションされ、洗練された雰囲気が漂う空間となっているため、カップルのデートに最適です。
歴史と地域に根差した「通潤酒造」の酒造り
山都町は、緑川や五ヶ瀬川といった大きな川の水源地として知られています。特に通潤酒造のある地域は、広大な水田が湖面のように美しく広がることから「浜町」と呼ばれるようになりました。この豊かな自然環境を活かし、通潤酒造では、山都町内で栽培された米や水を使用した地元密着型の酒造りにこだわっています。
時間をかけて熟成させた飲みやすさが魅力!通潤酒造の「純米吟醸酒 蝉」
通潤酒造の看板商品である「純米吟醸酒 蝉」は、1年以上蔵の中で熟成させることから、土の中で眠る蝉をイメージして名づけられました。
通潤酒造では、すべての日本酒に「くまもと酵母」を使用しています。この酵母により生まれる優しい味わいと適度な吟醸香は、料理を選ばず、食前・食中・食後と幅広く楽しまれています。
その中でも「純米吟醸酒 蝉」は、リンゴを思わせる爽やかな香りと、熟成による深みのある味わいが魅力の、口当たりが柔らかい辛口の日本酒です。「くまもと酵母」の特徴がよく生かされており、特に食中酒として造られていますが、ボリューム感があるため、お酒単体でも十分に楽しめます。
様々な場面で楽しめる、まさにオールラウンダーな日本酒と言えるでしょう。
通潤酒造の酒蔵見学の見どころ
▲歴史を感じさせる通潤酒造の外観
ここからは、通潤酒造での酒蔵見学デートについて紹介します。
通潤酒造での酒蔵見学は、「寛政蔵」で行われます。寛政蔵は1792(寛政4)年に建てられた、熊本県内に現存する最古の蔵です。2016年の熊本地震後、主要な柱などを保存しつつ、観光酒蔵としてリニューアルオープンしました。現在は、和の雰囲気漂うラグジュアリーな空間として、観光スポットやイベントスペースとしても注目を集めています。
この魅力的な寛政蔵における酒蔵見学の見どころや楽しみ方について、通潤酒造の営業部専務である山下愛子さんにお話を伺いました。
仕込みシーズンならではの酒造りの雰囲気と香りを体感
編集部
通潤酒造の酒蔵見学ではどのような楽しみ方ができますか?
山下さん
酒蔵見学は通年ご案内していますが、11月から3月にかけては酒造りをしているため、酒造りの雰囲気や香りを感じていただけます。この季節ならではの体験なので、日本酒がお好きな方には特におすすめです。
また、当酒蔵の正面玄関は国の有形文化財に登録されており、見学の際にはぜひご覧ください。
見学では、通潤酒造の歴史やマークの意味、有機農業が盛んな山都町の特徴など、当酒造の酒造りを支える背景について詳しく解説しています。
例えば、日本酒造りが環境に優しい産業である理由もお話しします。日本酒は籾殻から酒粕まで全てが活用され、当酒造では粕漬けに使用した後の酒粕を牛の飼料としても利用しています。
さらに、熊本県は日本の南部に位置するため、酒造りの方法に独自の特徴があります。日本酒に詳しい方は、熊本ならではの酒造りについて質問していただくと、より楽しめるでしょう。
酒蔵見学は予約をお勧めしますが、予約なしでも可能です(※)。デートの途中で思い立って立ち寄っていただいても構いません。
※酒造りやイベントの状況により、見学できない場合があります。
見学後は試飲や県内最古の「寛政蔵」でのカフェタイムを楽しむ
編集部
酒蔵見学のあとは、みなさんどのように過ごされていますか?
山下さん
見学の最後には試飲を準備しています。日本酒の解説にあまり興味がない方にとっては、これが一番楽しみな部分かもしれません(笑)。酒蔵見学の解説は20分ほどですが、多くの方は1時間ほどかけて、ゆっくりお過ごしいただいています。
また、酒蔵の一番奥にある寛政蔵はカフェスペースになっているので、見学後はこちらでゆっくりカフェタイムを楽しんでいただけます。カフェではスイーツやランチも提供しておりますので、お酒を飲めない方もお楽しみいただけます。
ランチは土日祝日限定で、旬の野菜をふんだんに使用し、日本酒にも合う「通潤特製ランチ」をご提供しています。スイーツは土日祝日限定のチーズケーキを含め、平日でも通常7種類ほどをご用意しています。
酒蔵見学なしでカフェのみのご利用も可能ですので、普段のデートでもぜひお立ち寄りください。
通潤酒造の酒蔵見学:予約方法・所要時間・料金情報
予約 | 申込フォーム※10人以上の場合は事前申し込みが必要 |
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見学方法 | 個別(1人~30人) |
見学可能時間 | 9:00〜16:30 |
店休日 | ・毎週火曜日(祝日の場合は営業) ・年始、お盆期間 ・通潤橋放水休止期間の第2、4日曜日 ※天候やその他の事情により店休日が変更となる場合があります |
見学料金 | 無料 |
所要時間 | 約30分 |
酒蔵見学デート後は直売所へ!通潤酒造ならではの楽しみ方
通潤酒造の酒蔵には直売所が併設されています。ここでは、直売所ならではの魅力や楽しみ方についてお聞きしていきます。酒蔵見学後に立ち寄るのにぴったりの場所として、どのような特徴があるのでしょうか。
プロ直伝の“美味しい飲み方”のアドバイスも。季節や好みに合わせて提案
▲インタビューに応じてくださった、通潤酒造・営業部専務の山下さん
編集部
酒蔵見学の後は、直売所に立ち寄られる方が多いと思います。蔵の方からお酒の選び方のアドバイスを受けることはできますか?
山下さん
はい、もちろんです。季節に応じたおすすめをご紹介しています。例えば、春先なら生原酒、暑い時期には純米酒など、その時期に合ったお酒や飲み方のポイントをお伝えしています。
通潤酒造には、熱燗で飲むと美味しいお酒や、氷水でキンキンに冷やしても味わえるお酒など、様々な種類があるんです。
また、お客様一人一人の好みに合わせてお酒をご提案するようにしています。スタッフは皆、親しみやすい雰囲気で対応していますので、気軽に話しかけていただければと思います。
直売所限定!無濾過生原酒など特別なお酒を見つける
編集部
直売所で、よく選ばれている銘柄があればご紹介いただけますか?
山下さん
一年中人気がある銘柄は「純米吟醸酒 蝉」です。山田錦と華錦という2種類のお米を使用しており、後味にボリューム感があり、甘やかな余韻が特徴です。冷蔵庫から出して5分から10分ほど置いて、常温に近い状態で飲むと、その個性をより鮮明に感じていただけます。
このお酒は、厚揚げを焼いて醤油とネギ、かつお節をかけた料理と特に相性が良いですよ。
また、「オーガニック純米酒 さくや」も人気の高い銘柄です。30年以上同じ契約農家さんにお願いして、アイガモ農法で栽培したお米を使用しています。他のお酒と比べてアミノ酸度が少し高いのが特徴で、ぬる燗にすると熊本特有のふくよかな風味が際立ちます。
編集部
直売所でしか買えないような銘柄もあるのでしょうか?
山下さん
春先の季節限定で「純米吟醸酒 雲雀 無濾過生原酒」を特約店と直売所のみで販売しています。この大吟醸は絞り立てで提供しており、格別な華やかさが特徴です。冷やしたままで、お酒そのものを楽しむのがおすすめです。例年、ゴールデンウィークから遅くとも6月には品切れになる人気商品です。
▲こちらは貴重な生原酒のラベル。
通潤酒造の酒蔵見学を体験した人々の声と口コミ
それではここで、通潤酒造の酒蔵見学に訪れた人の声や口コミを見てみましょう。
- 外観はもちろん、池のある中庭やカフェなど、どこも素敵でした。落ち着いた雰囲気が漂っていて、ゆったりと時間を過ごせました。
- 店員さんたちが気さくに話しかけてくださり、とても居心地が良かったです。酒造りの話も丁寧に教えていただき、勉強になりました。
- 寛政蔵は、まさに日常を忘れられるような空間です。静かな環境で、ゆっくりとお酒を楽しむことができました。
- 子どもを連れて行きやすい雰囲気のカフェでした。子ども向けのメニューもあり、家族でも楽しめる場所だと感じました。
- 運転のため、ノンアルコールの甘酒を注文しました。とても美味しかったです。酒蔵ならではの味わいを楽しめて満足でした。
通潤酒造の酒蔵見学に訪れた方は、ほとんどが寛政蔵のカフェにも立ち寄っているようでした。雰囲気が良く、味わいにも満足しているようで、「リピートしたい」という声が目立ちました。
また、運転手はノンアルコールの甘酒を注文することが多いようです。お酒が飲めなくても、酒蔵ならではの味わいを楽しめるのは嬉しいですね。子連れの家族も楽しめる雰囲気があり、幅広い年齢層に人気のスポットとなっているようです。
通潤酒造周辺のおすすめデートスポット
通潤酒造の酒蔵周辺には、酒造関連の施設や観光名所など、カップルで楽しめるスポットが豊富にあります。
ここからは、通潤酒造の山下さんに教えていただいた、おすすめのデートスポットをご紹介します。カップルの皆さまの思い出作りにぴったりの場所ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
お酒好きカップル必見!ビール・日本酒・ワイン・焼酎のフルコース巡り
お酒が好きなカップルなら、熊本市内から宮崎方面へ向けて、「サントリー九州熊本工場」「通潤酒造」「五ヶ瀬ワイナリー」を巡り、さらに宮崎の焼酎メーカーへ足を延ばしてみるのも良いでしょう。
車であれば、通潤酒造からサントリー工場までは約30分、ワイナリーまでは約40分の道のりです。
特に五ヶ瀬ワイナリーでは、見晴らしの良いレストランで、ビュッフェスタイルのランチを味わうことができますよ。
ドライバーが必要なプランなので、ダブルデートで訪れてみるのも良いかもしれません。
公式:サントリー九州熊本工場
公式:五ヶ瀬ワイナリー
国宝の石造アーチ水路橋「通潤橋」で迫力の放水ショーを楽しむ
通潤酒造の近くにぜひ訪れたいスポットが、屋号にもなっている巨大な「通潤橋」です。車で約5分でアクセスできます。
通潤橋は1854年、白糸台地の水不足を解消するために造られた水路橋です。石造アーチ橋の中では「放水」が可能な唯一の橋だと言われています。
橋の長さは約78メートルで、水路の総延長は約30キロにも及びます。今もなお白糸台地の棚田へ水を供給しており、その歴史的価値と技術的な重要性から2023年に国宝に指定されました。
見どころは、何と言っても迫力のある放水です。基本的には毎日1回、13:00から行われます。カップルで雄大な光景を共有し、思い出に残る体験をしてください。
ただし、凍結の可能性がある冬季や農業用水として利用される期間は放水が行われません。訪問前に公式サイトの「放水カレンダー」で実施状況を確認することをおすすめします。
公式:通潤橋
九州屈指のパワースポット「幣立神宮」で神聖な雰囲気を満喫
「幣立神宮(へいたてじんぐう)」は、通潤酒造から車で約20分のところにある神社です。
九州のほぼ中央部に位置し、標高の高いところにあることから「九州のへそ」「高天原(たかまがはら)」とも呼ばれています。境内には御神木や古木・巨木が立ち並び、静寂で神聖な雰囲気に包まれています。
九州でも屈指のパワースポットとして有名で、全国各地から多くの観光客が訪れています。
通潤酒造から幣立神宮に向かった後、そのまま宮崎方面へ進むと、五ヶ瀬や高千穂などの観光地を巡ることができます。1日かけてゆっくりと観光を楽しみたいカップルにとって、理想的なコースとなるでしょう。
参考:熊本県公式観光サイト(幣立神宮)
通潤酒造の基本情報(アクセス・営業時間)
住所 | 〒861-3518 熊本県上益城郡山都町浜町54 |
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アクセス・最寄駅 | 【車】 熊本ICから約1時間 【公共交通】 ・熊本市電幹線「花畑町駅」下車後、熊本桜町バスターミナルへ ・「熊本桜町バスターミナル」1番のりばから、イオンモール熊本・御船経由「通潤山荘」行きで約1時間30分。「浜町」下車後、徒歩約5分 ・福岡(博多区)の「博多駅交通センター(始発)」または「天神バスセンター」から高速バス「ごかせ号」利用。「山都町(矢部)」下車後、徒歩約10分 |
電話番号 | 0967-72-1177 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
店休日 | ・毎週火曜日(祝日の場合は営業) ・年始、お盆 ・通潤橋放水休止期間の第2、4日曜日 ※天候その他の事情により店休日が変更となる場合があります |
駐車場 | あり |
公式URL | https://tuzyun.com/ |
※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
※記事中の金額はすべて税込表示です。