東京・豊島屋酒造の酒蔵見学で日本酒愛あふれる解説と試飲を満喫

今回大人デートスポットとしてご紹介するのは、東京都東村山市にある豊島屋酒造の酒蔵です。豊島屋酒造は明治天皇の銀婚式を祝って銘名された『金婚』や初代豊島屋十右衛門の名を冠した『十右衛門』などで知られる酒造メーカーです。厳選した米や水を用いて、味わい豊かな日本酒を丁寧に製造しています。

酒蔵見学では、日本酒造りの工程を学べるだけでなく、直売店限定のお酒などの試飲も楽しめます。お酒好きのカップルにとって、魅力的なデートスポットとなるでしょう。

これから、豊島屋酒造の代表取締役・田中孝治さんへのインタビューをもとに、豊島屋酒造のこだわりや思い入れのある銘柄などについてご紹介していきます。

飲酒は二十歳になってから

飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や乳児期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく適量を。飲んだ後はリサイクル。

豊島屋酒造の歴史と日本酒へのこだわり

都心から少し離れた東村山市の閑静な住宅街にある豊島屋酒造は、1935年から現在に至るまで、伝統的な日本酒作りを継承している酒蔵です。その歴史は古く、今から約400年前の江戸時代初期に初代豊島屋十右衛門氏が酒屋兼一杯飲み屋の商いを始め、大いに繁盛しました。

十右衛門は江戸では草分けとなる地酒の醸造を始め、これが大きな賑わいを呼びました。この取り組みが現在の豊島屋酒造の礎となりました。その後、豊島屋は豊島屋本店となり、昭和初期に現在の東村山市に醸造元として、豊島屋酒造が設立されました。

豊島屋酒造で用いる酒造好適米の大部分を占めているのは、広島県で栽培される「八反錦(はったんにしき)」です。東日本の酒蔵で八反錦を使用することは珍しく、香り高く豊かな味わいを醸しやすい特徴が、豊島屋酒造の味わい深い日本酒造りを支えています。

また豊島屋酒造は水にも強いこだわりを持つ酒蔵で、深さ150mにおよぶ井戸から汲み上げた富士山の伏流水を仕込み水として使用しています。さらに、手作業で丁寧に酒造するため小仕込みを行ったり、鮮度を保つために瓶貯蔵を採用したりと、購入者が品質の高い日本酒を楽しめるよう、さまざまな工夫をこらしています

このような酒造スタイルが高く評価され、2023年全国新酒鑑評会で『金婚』が優等賞を受賞したほか、過去にも金賞や入賞を何度も果たしています。

こだわりのある原料を厳選し、フレッシュな味わいで購入者を魅了する豊島屋酒造。ここからは、そんな豊島屋酒造が誇る日本酒のなかでも、とくに思い入れのある銘柄の誕生秘話についてご紹介します。

豊島屋酒造の看板商品『屋守』誕生秘話:想いを込めた日本酒

豊島屋酒造の日本酒「屋守純米吟醸無調整(火入)」の写真
▲今回誕生秘話を教えていただいた『屋守』

豊島屋酒造を代表する銘柄として『金婚』が有名ですが、今回は思い入れのある銘柄『屋守(おくのかみ)』の誕生秘話を教えていただきました。

豊島屋酒造では「お酒好きな人に楽しんでもらえるような日本酒造りだけでなく、お酒に興味がない人や飲めない人でも日本の醸造文化を通して人と人の縁を醸し(かもし)て欲しい」という想いを持ちながらお酒造りを行っています。

『屋守』は、豊島屋酒造のみなさんが「自分たちの酒造りの想いや味わいをしっかり届けながら酒蔵を守っていく」という強い意志と「取引先の酒販店や飲食店の屋号を守り、少しでも繁栄のお手伝いがしたい」という想いから誕生しました。

手作業を重視した小仕込みで製造され、できたてそのままの味わいを楽しめるように、すべて無調整(※)、瓶貯蔵されています。このことから、コンセプトだけでなく製造過程にも強いこだわりが感じられます。
(※)無ろ過、無加水

『屋守』は軽快でありながら、味わい深い仕上がりが特徴です。気になる方はぜひ一度お試しください。

酒蔵見学:日本酒づくりの魅力を体感

豊島屋酒造の地下水汲み上げタンクの写真
▲酒蔵見学は「地下水汲み上げタンク」からスタート!

豊島屋酒造の酒蔵見学では、元製造部の髙橋さんが丁寧な説明を行ってくれます。各工程の役割や実際の作業内容を、苦労話を交えながら分かりやすく解説します。時には哲学的な視点や化学的な知識も交えて、日本酒造りの奥深さを伝えてくれます。

ここからは、豊島屋酒造の酒蔵見学の魅力や見どころについてご紹介します。実際の酒造りの現場を見学できる貴重な機会ですので、日本酒好きのカップルにはおすすめのデートスポットです。

厳選された米や水が日本酒になるまでの工程を一気に見学できる!

編集部

豊島屋酒造の酒蔵見学では、どのような工程を見せていただくことができますか?

田中さん

まず、洗米や米を蒸す工程の原料処理をご覧いただけます。麹室には入室できませんが、出麹部屋を見学できます。また、酒母室や仕込み蔵、貯蔵蔵、古井戸なども見学可能です。特に仕込み蔵では、日本酒の原料となる「もろみ」をご覧いただけます。これらの工程を通じて、お米が日本酒になるまでの変化を体験できます。

豊島屋酒造の仕込み蔵の足場上からみた風景
▲仕込み蔵の足場上から見えるタンクでは、日本酒のもとになる酒母やもろみが造られています

豊島屋酒造のもろみが発酵している様子
▲このように、もろみが発酵する様子も見学できますよ!

豊島屋酒造の貯蔵蔵の様子
▲貯蔵蔵ではお酒の品質管理を行い、適切な時期が来るまで熟成させます

編集部

田中さんおすすめの蔵や酒蔵見学の楽しみ方などあれば教えていただきたいです。

田中さん

私のお気に入りは貯蔵蔵と仕込み蔵です。貯蔵蔵は約120年前の土壁で作られており、室内の湿度が低く、凛とした空気感が心地良いです。仕込み蔵は中二階のような構造になっていて、蔵全体が見渡せる「蔵view」をお楽しみいただけます。特にトラス工法(※)で設置された木造の梁は圧巻です。見学の際はぜひ注目してみてください。
(※)3本の部材を三角形に骨組みする建築技法

酒蔵見学後の特典!直売店限定酒と季節酒の無料試飲

編集部

酒蔵見学では、試飲体験などはできますか?

田中さん

はい、酒蔵見学に参加された方は、試飲を楽しむことができます。主に直売所「KAMOSHInoBA」の限定酒を中心に、季節酒やみりんなど5~7種類程度を用意しています。1種類につき40ml~50mlほどのグラスでご提供します。試飲の料金は見学料金に含まれていますので、ぜひお楽しみください。普段なかなか味わえない種類も用意していますので、お気に入りの一本を見つけていただければ幸いです。

豊島屋酒造の酒蔵見学は予約不要、週1回開催の酒造見学

編集部

酒蔵見学の開催日時や、申し込み方法について教えてください。

田中さん

酒蔵見学は毎週土曜日11:00から開催しており、所要時間は45分を予定しております。ご予約は不要ですが、イベント等による臨時休業の可能性があるため、当日のスケジュールを事前に確認することをおすすめします。確認には弊社の公式ホームページやFacebookページをご利用ください。

豊島屋酒造公式サイト:http://toshimayasyuzou.co.jp/
豊島屋酒造公式Facebook:https://www.facebook.com/toshimayasyuzou

豊島屋酒造の酒蔵見学の予約方法・所要時間・見学料金

予約 不要
  • 電話:042-391-0601(平日9:00~17:00)
  • FAX:042-391-1983
見学可能時間 毎週土曜日、11:00~12:00
見学料金 1,000円(試飲付き)
所要時間 45分
※直売所での試飲は自由なため、上記時間に含まれません

豊島屋酒造の直売所「KAMOSInoBA」について

豊島屋酒造の直売店「KAMOSInoBA」の店内の写真
▲店内には豊島屋酒造の酒蔵で製造された日本酒が多数並んでいます!

豊島屋酒造の酒蔵のすぐ隣には、おしゃれな外観が目を引く直売所「KAMOSInoBA」があります。酒蔵見学で酒造りの工程や職人さんたちの想いに触れたあとは、思い出として自分たちの好みのお酒を購入したいと考える方も多いでしょう。

ここからは、豊島屋酒造の直売所ならではのサービスや、ここでしか手に入らない限定のお酒についてご紹介します。デートの締めくくりに、お二人で楽しめるお土産選びの参考にしていただければと思います。

人気の直売所限定商品:3色の「NEON」シリーズ

編集部

酒蔵見学後は直売所でお酒を購入して帰る方も多いと思いますが、取り扱われている銘柄が多いと何を選んだら良いのか迷ってしまいそうです。そのような場合、アドバイスなどをいただくことはできますか?

田中さん

もちろん、お任せください!お客様の好きなお料理や味わいのタイプ、飲む時のシチュエーションなどをお聞かせいただければ、ご希望に添った銘柄をご案内させていただきます。例えば、和食に合わせたいお酒や、すっきりした味わいを好む方向けのお酒など、具体的なご要望にお応えします。

編集部

自分好みの銘柄を選んでいただけるのは嬉しいですね!ちなみに全国的には出回っていない、直売所限定酒などの取り扱いはありますか?売れ筋の銘柄があれば教えていただきたいです。

田中さん

直売所限定の「NEON」シリーズが人気ですね。メインカラーは3色で『NEON PINK(純米大吟醸無ろ過生原酒)』『NEON BLUE(純米吟醸無ろ過生原酒)』『NEON GREEN(特別純米無ろ過生原酒)』です。どれも上槽(※)直後に瓶詰めしているので、心地良い発泡感をお楽しみいただけますよ。
(※)もろみから生酒を搾る工程のこと

販売時期は毎年12月頃から翌年の8月くらいまでで、生産量に限りがあるので毎年売り切れ必至です。興味のある方は、早めにチェックしていただくことをおすすめします。

豊島屋酒造の直売店限定「NEON」シリーズの写真
▲色鮮やかでオシャレなラベルなので、思わずコンプリートしたくなりますね!

ほかにも直売所には、お酒のガチャポンがあります。1回500円で、最大で投資額の約6倍、3,000円相当のお酒が当たりますよ。ハズレ無しのガチャポンになっていますので、デートの記念に1回挑戦していただき、当たったお酒をお二人で一緒に飲みながら思い出に浸っていただくのも良いと思います。これは、カップルの方々に特におすすめの楽しみ方です。

豊島屋酒造の酒蔵見学に訪れた人の声・感想

豊島屋酒造が開催するイベント「豊島屋 FESTA」を上から見た様子

編集部

豊島屋酒造の酒蔵見学に参加された方からは、どのような感想を聞かれますか?よく聞く声などあれば教えていただきたいです。

田中さん

「工程順に丁寧に説明があり、実際の発酵しているタンクを見せていただき、発酵の音、香りなど五感を使って楽しむことが出来ました」という声をよくいただきます。また、「スタッフが良い意味でとてもフランクです」といった感想もあります。酒蔵見学の説明が長いというご意見もありますが、多くの方に満足していただいているようです。

さらに、「試飲がバラエティー豊かで楽しい」という感想や、直売所の建物や雰囲気を褒めていただくこともあり、大変嬉しく思っています。

豊島屋酒造からカップルへのメッセージ

豊島屋酒造が開催するイベント「豊島屋 FESTA」の様子

編集部

最後に、豊島屋酒造の酒蔵見学を考えているカップルにメッセージをお願いします。

田中さん

東京郊外にある豊島屋酒造は、伝統的な製法を守る昔ながらの酒蔵です。ぜひ足を運んでいただき、都会との雰囲気の違いを楽しんでいただければと思います。

また毎年4月には全敷地を開放し、ビッグイベントの「豊島屋FESTA」を開催しています。クラブブースや野外ステージ、シネマや寄席など日本酒を片手にさまざまなカルチャーを楽しんでいただけるコンテンツが盛りだくさんです!お酒好きな方はもちろん、日本酒に興味のない方も、このイベントにお越しいただき、日本の醸造文化に触れる機会にしていただければ嬉しいです。

豊島屋酒造が開催するイベント「豊島屋 FESTA」のクラブブースの様子
▲「豊島屋 FESTA」のクラブブースでは、日本酒を囲んで大盛り上がり!

編集部

デジタル化が進む現代社会だからこそ、伝統的な酒蔵の雰囲気に心惹かれる方も多いでしょう。春に開催される「豊島屋FESTA」は、日本酒初心者のパートナーと一緒に参加するのにぴったりの機会かもしれません。

田中さん、本日はお忙しい中インタビューに答えていただきありがとうございました。

豊島屋酒造の酒蔵見学と一緒に楽しめる、周辺のおすすめデートスポット

酒蔵見学デートの後は、その土地ならではの穴場や人気スポットを巡ってみるのもおすすめです。ここからは、豊島屋酒造の田中さんに教えていただいた、周辺のおすすめデートスポットを2ヶ所ご紹介します。

これらのスポットを組み合わせることで、酒蔵見学とともに充実した一日を過ごすことができます。ぜひ参考にして、お二人で素敵な思い出を作ってください。

ジブリの世界観を体感:都立八国山緑地でのピクニックデート

酒蔵見学のあとは、名作アニメ「となりのトトロ」に登場する「七国山」のモデルとなった八国山緑地でゆっくり過ごすのはいかがでしょうか?

八国山緑地は、なだらかな狭山丘陵の東端に位置する都立公園で、豊島屋酒造から徒歩約15分の場所にあります。園内全体がコナラやクヌギなどの雑木林で覆われており、静かな里山の雰囲気を味わいながら四季折々の風景を楽しむことができます。山頂には、源氏の武将である新田義貞の武蔵野征討を記念した「将軍塚」が建立されており、歴史に興味のあるカップルにも魅力的なスポットとなっています。

お弁当を広げるのにぴったりな草原もあるので、晴れた日には手作りの昼食を持ってピクニックデートを楽しむのもおすすめです。自然に囲まれた静かな環境で、二人の時間をゆったりと過ごせるでしょう。

公式URL:https://sayamaparks.com/kouen/hachikokuyama/

ノスタルジックな遊園地デート:西武園ゆうえんちの魅力

埼玉県所沢市にある西武園ゆうえんちは、豊島屋酒造から車でわずか15分ほどの場所にあるレジャー施設です。入園ゲートをくぐると、まるで昭和時代にタイムスリップしたかのようなレトロな街並みが目の前に広がります

メインエリアの「夕日の丘商店街」では、懐かしい雰囲気のグルメや魅力的な撮影スポットが用意されています。さらに、商店街の住人たちが歌って踊る「ブギウギ祭」というイベントも開催され、活気あふれる雰囲気を楽しむことができます。

大切な人と一緒に訪れ、日常から離れた特別な空間で思い出づくりをしてみてはいかがでしょうか?

公式URL:https://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/index.html

豊島屋酒造の基本情報(アクセス・営業時間)

住所 〒189-0003
東京都東村山市久米川町3-14-10
アクセス・最寄駅 西武新宿線、西武国分寺線「東村山駅」東口から徒歩約20分
※府中街道を所沢方面に進み「久米川辻」交差点を右折。大きなケヤキの木が目印です
電話番号 042-391-0601
営業時間 平日:9:00~17:00
土日祝日:13:00~17:00
定休日 年末年始、お盆休み
※イベント出店等で臨時休業する場合があります。詳細は公式サイトまたは公式Facebookでご確認ください
駐車場 3台
※繁忙期には臨時駐車場を設置することがあります
公式URL 公式サイト:http://toshimayasyuzou.co.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/toshimayasyuzou

※最新の情報は公式ホームページでご確認ください。
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