【徳島】板野郡で縁結び|源義経も愛した古刹「大山寺」の魅力に迫る

こちらの記事でご紹介するのは、徳島県板野郡に鎮座する大山寺です。

大山寺は、四国別格二十霊場の第一番札所であり、1500年以上の歴史をもつ徳島県最古のお寺です。

本堂には観音様が祀られており、古くから縁結びと開運招福にご利益のあるお寺として知られています。

良縁に恵まれたい!という方は、ぜひ参考にしてみてください。

大山寺とは

大山寺の概要や見どころを紹介

▲多数の楓が色づく紅葉に囲まれた大山寺

大山寺は、徳島県板野郡の上板町にある神社です。本尊として、ご縁と運にご利益があると言われている千手観音菩薩が祀られているので、良縁祈願にぴったりです

アクセスは、徳島市中心部から車で約45分。最寄駅の板野駅からバスが出ていますが、本数が少ないので、車で訪れるのがおすすめです。

大山寺の見所は「本堂」です。本堂は、千手観音菩薩や縁結びのご利益があると言われている「源義経の元結」が祀られている場所です。心の中で良縁を願いながら参拝すれば、霊験あらたかに素敵な出会いに巡り合えるかもしれませんよ。

また大山寺を訪れたならぜひ授かりたいのが、阿波藍の授与品です。阿波藍には、住職による「たくさんの”あい”に染まって暮らせますように」という願いが込められているので、良縁はもちろん、その後の結婚や出産などの愛にまつわる願いを込めて授かるのもいいですね。

この度は、大山寺の副住職である塩田龍応さんのご厚意にあずかり、お寺の歴史や縁結びについてのお話を伺うことができました。

良縁成就のお寺となった起源は源義経

大山寺の縁結びについて

▲今回お話を伺った、大山寺の副住職の塩田龍応さん。

インタビュアー

縁結びのお寺として知られるようになった由来を教えてください。

副住職

源義経や武蔵坊弁慶にまつわる言い伝えがいくつかあります。

その内の一つは参道に義経が自身の元結を掛けたと伝わる、元結掛け堂と呼ばれる小さなお堂(現在御神体は本堂内にお祀りしております)で良縁を願うと不思議と成就すると評判になりました

大山の観音様は良縁の霊験あらたかであるとされ、良縁を求める参拝者が現在も絶えません

ちなみに"元結"とは髪の髻を束ねる紐や糸のことを言います。「束ねる」「結ぶ」が縁結びにかかっていたのかもしれませんが、詳しいことは不明です。

インタビュアー

大山寺は、源義経をはじめとする歴史上の人物ゆかりの地だったのですね!

源義経が生きた時代から現代にいたるまで、良縁を求める参拝者が途絶えないと思うと感慨深いです。

縁結びのご利益を得るために日々努力をすることが大切

大山寺で縁結びの御利益を得るための参拝方法

▲徳島県板野郡の自然の中に鎮座する大山寺。

インタビュアー

縁結びの御利益を得たい場合は何をすれば良いでしょうか?

副住職

「祈りなき行動は妄動であり、行動なき祈りは妄想である」

まずは一心に祈り、そして行動することです。

ありたい未来の自分を想像して、そこに向けて努力を重ねましょう。祈りは仏様に対する誓いであると考えてください。

自身の努力と仏様の衆生を救いたいという慈悲の力が周囲の支援を呼び込み、願いは成就します。

インタビュアー

かなえたい願いがあるのなら、それにふさわしい自分になれるように日々行動するということですね。

参拝者自身の心の在り方や、行動の一つ一つが、仏様からのご利益に繋がっていくのだなと思い知りました。

縁結びを願う参拝者の数は多い

大山寺へ縁結び祈願に来られる参拝者の数

▲大山寺に奉納されている絵馬や縁の紐の数々。

インタビュアー

縁結びを願って参拝される方の数はどのくらいですか?

副住職

正確な人数は不明ですが、絵馬や縁の紐の奉納数、良縁関係の授与品(お守り)の出方から相当数いらっしゃると考えられます。

インタビュアー

すごい数の絵馬が奉納されていますね。大山寺が縁結びの仏様として有名であることが伝わります。

良縁成就の報告が一番の幸せ

インタビュアー

参拝者からの報告や感想で印象に残るエピソードを教えてください。

副住職

お手紙や寺務所に良縁成就のご報告をいただいた時が、神仏に仕える身としては幸せのお裾分けをいただける幸福なひとときです。

インタビュアー

参拝された方は皆さん、素敵なご縁に恵まれているのですね。大山寺の縁結びはご利益があると感じられたエピソードでした。

縁結びにおける「縁」は男女関係だけではない

縁結びのご利益が期待できる大山寺のお守りや絵馬

▲大山寺での教えが書かれた絵馬。

インタビュアー

お守りや絵馬を奉納することで得られるご利益などを教えてください。

副住職

大山寺の奉納形式は縁の紐と絵馬です。

「人生すべて良縁」

これは男女の縁のみならず、人間関係、仕事、学業など暮らしの全ては縁によって成り立ち、仏縁(仏様から授かったご縁)を大切にすることで幸福な人生を送ろうという考え方です。

インタビュアー

縁結びと聞くと恋愛を想像しがちですが、単に男女の縁を結ぶだけが縁結びではないのですね!

仕事の人脈作りや子供のために良縁祈願に訪れるといったことでも、大山寺には人生の節目節目でお世話になりそうです。

お守りは、徳島の伝統工芸である「阿波藍」を用いた本藍染めのものが人気

大山寺で授与される阿波藍良縁守り

阿波藍を用いた本藍染めのお守り。

インタビュアー

参拝客に特に人気な良縁のお守りなどはありますか?

副住職

お守りに関しましては種類が多いのですが、徳島の伝統工芸である阿波藍を用いた本藍染めのお守りなどが最近はよく選ばれております

インタビュアー

徳島の名品を用いた伝統的なお守りなのですね。阿波藍で丁寧に染められた藍色は高級感たっぷり!天然塗料の優しい風合いを楽しみながら、大切に持ち歩きたくなります。

名品を用いた授与品もあり、現在郵送にも対応

インタビュアー

お守り以外で、名品を用いた伝統的な授与品などはあるのでしょうか?

副住職

大山寺の授与品である本藍染朱印帳

阿波藍を用いた本藍染めの朱印帳。

はい。こちらの写真は朱印帳です。阿波藍の授与品はお守り以外にも、祈願札、腕輪念珠、塗香、朱印帳がございます

藍染めの授与品は「授与された方が、たくさんの"あい"に染まって暮らせますように」とご祈願しております

大山寺の阿波藍良縁祈願札

阿波藍を用いた本藍染めの祈願札。

ちなみに祈願札の写真はこちら。

お守りや祈願札に関しては縁日限定の授与品です。ただし事前にご予約いただければ、縁日に祈願された後での郵送も承ります。(2020年現在の情報のため、最新情報はお問い合わせください)

その他の授与品に関しましても本来お参りいただいたうえで授与されるものですが、外出を控えなければならない状況ですので、郵送の対応も受け付ける方針です。

インタビュアー

お寺の在り方も政府が提案する「新しい生活様式」に則したものに変わっていっているのですね。

それにしても、授与品の郵送を柔軟に対応してもらえるのは嬉しいです!外出自粛によって参拝がかなわない日々が続いているので、郵送をお願いする方も多いでしょうね。

大山寺周辺には観光施設や食事どころもある

インタビュアー

大山寺の参拝後に行けるような、ほかの観光施設はありますか?

副住職

藍染体験が出来る上板町技の館という観光施設が近くにございます。

また麺の販売のみですが、食物繊維が豊富で糖質の吸収を抑える健康食としても注目されているもち麦を使った、亀井製麺所さんのもち麦うどんもおすすめです。

ご参拝の折には、ぜひお立ち寄りください。

インタビュアー

大山寺付近は観光スポットが充実していて、見どころ満載なのですね!

個人的には、伝統的な藍染めに触れる機会がないので、大山寺での参拝後は藍染体験に行ってみたいです。

自分で染めた藍染Tシャツやハンカチは、生涯大切にしたい一品になるでしょうね。

授かった良縁をより太く育てるために、お礼参りを欠かさずに

インタビュアー

良縁を授かったらお礼参りに行った方が良いのでしょうか?

副住職

願いがかなったからといって、それで終わりではありません。

授かったご縁を、より太くしっかりしたご縁に育てるよう精進することを仏様に誓い、新たな気持ちを持っていただく、そのためにもお礼参りは必要だと考えます。

離れた場所からでもしっかりお祈りいただければ宜しいかと思われますし、連絡をいただければ、私共で代わって仏様に奉告いたします。

インタビュアー

やはり願いがかなったら神様に感謝の気持ちを伝えることが大切なのですね。

大山寺は地元で親しまれており、その歴史も深い

インタビュアー

大山寺がどのようなお寺か教えてください。

副住職

真言宗醍醐派の準別格本山で山号を仏王山と称し、正式な寺名は大山寺(タイサンジ)です。

香川、徳島両県を隔てる阿讃山脈東部の徳島側大山(おおやま)の中腹に位置しますので、地元では大山(おおやま)さん、大山寺(おおやまでら)と呼ばれ親しまれております

本尊は千手千眼観自在菩薩、脇侍に不動明王、毘沙門天をお祀りしております。

インタビュアー

国の登録有形文化財となっている本堂や弁慶が植えたとされるイチョウの木、源義経の愛馬のお墓など、大山寺には歴史を偲ばせる建造物が今なお残り、重厚な風情を漂わせているように感じます。

大山寺は、縁結び祈願者だけでなく、歴史好きにもおすすめのお寺なのだと分かりました。

遍路旅で訪れる巡拝者の賑わいも見どころのひとつ

インタビュアー

大山寺を訪れた際の見どころを教えてください。

副住職

普段は喧騒から離れた閑かで、自然が豊かな山寺ですが、行楽シーズンには多くのお遍路さんで賑うのが見どころのひとつです。

四国といえば弘法大師が開創された四国霊場八十八ヶ所が知られておりますが、四国には他にも、当山が1番札所の四国別格20霊場、四国36不動霊場などがあります。四国36不動霊場は四国の不動信仰の中心となる霊場です。

四国別格20霊場は八十八ヶ所と20を足して、人間の煩悩の数とされる108、煩悩を消し去る修行道場として八十八ヶ所と一緒に巡拝されるお遍路さんが多数訪れるのです。

境内の大銀杏や多数の楓が色づく紅葉を楽しまれる方も多いですよ。

インタビュアー

豊かな自然と悠久の歴史を感じる遍路旅は、私も生きているうちにやりたいことの一つです。長い道のりですが、終わったときの達成感はひとしおでしょうね。

季節によってはお祭りの様子を見て楽しむこともできる

インタビュアー

季節ごとのお祭りなどはあるのでしょうか?

副住職

毎年1月の第3日曜日に、重さ140kgを超える大鏡餅を抱えてどれだけの距離を運べるかを競う「力餅」が行われます。

大山寺で行われている力餅の様子

▲「力餅」で大鏡餅を抱える男性の様子

また、四季ごとの例大祭では、柴燈大護摩供や火渡り修行も執り行っています。

インタビュアー

見るからに想像を絶する重さの鏡餅ですね!見ている方も自然に力が入り、唸ってしまいそうです。

一年を通して、さまざまな年間行事を執り行っているのですね。文化や季節感を大切にされているお寺であることが窺えます。

大山寺で執り行われる柴燈大護摩供の様子

▲大山寺で執り行われる「柴燈大護摩供」の様子

良縁に巡り合えないと悩む人へメッセージ

大山寺で縁結び祈願を考えている参拝者へメッセージ

▲日常で見えないご縁の大切さを説く副住職。

副住職

良縁を求める方、とりわけ結婚に関しては容姿、職業、収入など、相手に条件を求める方が多い気がします。

容姿は人間誰しも老いますし、痩せる事もあれば太ることもあり、大企業に勤めていてもリストラもあれば、あの大企業がといった倒産もあり得ます。諸行無常が世の常です。

相手に求めるなら、誠実さや思いやりなど内面に目を向けて、この人とならともに歩んでゆける、この人となら互いに成長出来ると思えるパートナーを見つけてください

また相手に求めるのではなく、自分は何が与えられるか、自分に何が出来るかと考え方を変える事ができれば、今まで日常で見えなかったご縁がきっとはっきり見えてきます

インタビュアー

とても心に沁みるお言葉です。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

大山寺の基本情報

住所 〒771-1320
徳島県板野郡上板町神宅字大山14-2
電話番号 088-694-5525
公式サイト https://taisanji.jp/

大山寺周辺のおすすめの観光スポット

大山寺周辺にある、おすすめの観光スポットを3つご紹介いたします。

ご紹介するのは、今回お話ししてくださった塩田さんもおすすめしているスポットも含まれています。

「技の館」で藍染めを体験

技の館は、板野郡上板町にある体験型施設です。藍染め体験や和三盆体験、石鹸づくりなどの豊富なプランがあり、子供から大人まで楽しむことができます

技の館を訪れたならぜひ体験したいのが、「藍染め体験」。ハンカチやエコバック、ティシャツなどの生地選びから藍染めまで、まるっと体験できるので、自分だけの完全オリジナルな作品を作ることができます。

技の館では、スタッフの方が丁寧にレクチャーしてくれるので、初心者の方でも安心して参加できます。友達と大山寺を訪れた際は、旅の思い出を形に残すのもおすすめですよ。

公式URLhttps://wazanoyakata.com

「亀井製麺所」でもち麦うどんを堪能

亀井製麺所は、創業70年の歴史あるお食事処です。ここでは、他ではなかなかない、ち麦で作ったうどんを食べることができます

気になるお味は、普通の麺よりもちもち感があり、甘みのある出汁とよく絡みます。喉越しが良く、ツルっと食べられるので、女性でも食べやすいです。

興味のある方は、亀井製麺所 Yahoo!ショッピング店でぜひ購入してみてください!

公式URLhttps://kameiseimenjo.com

「金泉寺」で幅広いご利益に預かる

金泉寺は、徳島県板野郡板野町にある第三番札所です。大山寺から車で25分と、アクセスも良いので、気軽に立ち寄ることができます。

金泉寺を訪れたならぜひ拝みたいのが、「倶利伽羅龍王」と「満願弁財天」です。倶利伽羅龍王と満願弁財天は、ともに商売繁盛や安産祈願、良縁など幅広いご利益があると言われているわれている神様です。合わせて拝めば、高いご利益を受けられるかもしれません。

また「弁慶の力石」もぜひ訪れたいスポット。弁慶の力石は、源義経が戦勝開運を祈願しに金泉寺を訪れた際、家臣の弁慶が力量を披露するために持ち上げたと言われている石です。歴史好きの方や、義経ファンの方は必見です。

公式URLhttps://88shikokuhenro.jp/03konsenji/