【岐阜】関善光寺(宗休寺)で安産祈願を!300年の歴史と大腹籠大仏のご利益を紹介

今回ご紹介するのは、岐阜県関市にある「関善光寺(宗休寺)」さんです。

関善光寺(宗休寺)は古くから地元に根付く歴史あるお寺で、その歴史は300年前にも遡ります。

安産祈願を目的に、全国各地から年間1万人もの参拝客が訪れており、お礼参りや七五三などといった年間行事でお参りをする家族も多いお寺です

関善光寺(宗休寺)寺に訪れてみたい方や安産祈願をしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

300年の歴史を持つ関善光寺(宗休寺)の魅力

岐阜県関市にある関善光寺(宗休寺)の大仏殿

「関善光寺(宗休寺)」は、長谷川鉄道・美濃太田駅から徒歩3分ほどの場所にあります。東京方面から車で訪れる場合、東海環状自動車道・富加関I.C.から15分ほどと、アクセスが良いです

関善光寺の大仏殿は、その胎内に小さな仏様が据えられており、大腹籠大仏として知られています。そのため、古くから安産祈願にご利益があると言い伝えられており、毎年日本の各地から多くの人が訪れるほどです

安産祈願は、9時から16時までの間で行われており、安産のお守りやローソク、腹帯に祈願をしていただけます。腹帯は、普段からご自身が使用されているものを持参することも可能ですよ。また、予約をすると祈願と併せて、法話をお願いできるのも魅力です。安産祈願の際に聴くお話は、より一層心に残るのではないでしょうか。

今回は関善光寺の住職である佐藤さんに、関善光寺(宗休寺)の歴史や安産祈願について伺いました。

さまざまな歴史あり:江戸時代から続く由緒正しいお寺

インタビュアー

関善光寺(宗休寺)はどのようなお寺ですか?

佐藤さん

関善光寺は正式名称「妙祐山宗休寺」という、天台宗安楽律法流の寺院です。

甲州の武田信玄公が没し、甲府城がおちるに及ぶと、その家臣であった広瀬利広は逃げ延び、その後関村に移り住みました。

その後五世に当たる広瀬新太郎利忠は、先祖の遺言に代々の霊を葬るための一寺建立を発願し、1745年には日吉ヶ丘の地に小庵を建立しました。

このころ新寺の建立はご法度で、利忠は庵室をなんとか一寺としたく、折々の廃寺を聞き合わせていたそうです。

すると不破郡青墓村の円興寺の末寺で竹本院という無檀家大破の寺を見つけ、1754年には公儀寺社奉行から引寺決裁となりました。

竹本院は院号のみでしたが、利忠の祖父(歇山宗休居士)と祖母(慈岳妙祐大姉)の法名を用いて、妙祐山宗休寺竹本院としました。

インタビュアー

関善光寺(宗休寺)の起源は、江戸時代にまでさかのぼるのですね。

また、広瀬利広が逃げ延びた関村というのは、現在の岐阜県関市のことであるとお聞きしました。

もともとはお寺ではなく小さな庵として始まったとは、現在に至るまでの変遷や歴史を感じます。

佐藤さん

そうですね。

その小庵を建立した後、親族などから助成を得ながら敷地内の岩山を切り開き工事を進めていましたが、六世の利謙が若くしてこの世を去ります。

その後七世の利香がその志を継ぎ、宝暦9年8月13日に入仏供養したのが今の大仏殿です

インタビュアー

大仏殿は関市の重要文化財として大切に残されているそうですね。

先代への供養をきっかけに建立されているとは、関善光寺(宗休寺)の歴史や多くの方が関わった背景を感じます。

地域の人々の協力で支えられ発展した

インタビュアー

関善光寺(宗休寺)建立までの歴史や経緯を教えてください。

佐藤さん

寛政12年には関領主大島公から境内地が寄付され、狭かった門前の道、寺地・在家地ともに買い上げられました。大門筋の道幅六間の大道となり、通りに松や桜等の並木を広げ石垣を作り、本堂の屋根も葺き替えられます。

文政元年(1818年)には、近郷近在の念仏講中が悟りを開く機縁として信州善光寺の建立に着手しました。地築を始めたところ群衆が大急ぎで駆けつけ、同7年には石垣造立を助けた方の名前を石ごとに彫りました

この間、造営の寄付を賜り、文政8年3月には棟上げが行われます。

その後明治44年に屋根の葺き替え工事が行われ、現在に至っています。

さらに昭和26年にこの善光寺堂を本堂とし、本堂を大仏殿と改称しました。

インタビュアー

関善光寺(宗休寺)建立の際には、多くの方の手助けや寄付があって成り立っていたのですね。

現在も関市の重要文化財ということで、市民や奉賛会のみなさんの協力によって維持されているとお聞きしました。

建立当初から現在まで大勢の方が支え続けているとは、とても素敵です。

見どころは戒壇巡りや500年前の大梵鐘

岐阜県関市にある関善光寺(宗休寺)の戒壇巡り入り口

インタビュアー

関善光寺(宗休寺)を訪れた際の見どころはどこでしょうか。

佐藤さん

日本でも珍しい戒壇巡りは、印象の強いものの一つでしょう。

また、500年前の木造丈六の阿弥陀三尊や県の重要文化財に指定されている500年前の大梵鐘(だいぼんしょう)も見どころです

春は桜、秋は紅葉の名所としても人気があります。

インタビュアー

戒壇巡りは薄暗い本堂を手探りで進み、仏様の分身ともいえる「極楽のお錠前」に触れるという「行」だそうですね。

目の前に見えるわずかな光を目にしたときには、目の見える尊さや光のありがたみを感じられそうです。

また大梵鐘は、重さ2.6トンという日本で指折りの名鐘なんだとか。

桜や紅葉といった季節に絶景を眺めるのはもちろん、どの時期に訪れても見どころたっぷりのお寺ですね。

関善光寺(宗休寺)の安産祈願:由来とご利益

岐阜県関市にある関善光寺(宗休寺)の大腹籠大仏

関善光寺(宗休寺)の安産祈願について、詳しく教えていただきました。

大腹籠大仏:安産と育児の守護仏

インタビュアー

安産祈願のお寺としての由来を教えてください。

佐藤さん

宝暦三年(1753年)に智堂和尚を開基として、下総国印幡群和泉村泉倉寺の丈六の阿弥陀如来三尊を乞い請けています。

丈六阿弥陀如来は約500年前の作で、脇侍の観音菩薩、勢至菩薩とともに岩手県平泉中尊寺・千葉県泉倉寺を経て当山に安置されました。

その御腹中の胎内仏「宝冠阿弥陀如来」は行基御作といわれ、「安産、育児の守護仏」として広く信仰されています

信州善光寺如来が諸国ご巡行開帳の折には、7日間にわたって信州善光寺秘仏・一光三尊仏が開帳されました。

この間、大雨が続いたにも関わらず毎日近郷から多数の参拝者が殺到し、境内が泥田のようになったといいます。

それ以降、毎月15日に宗休寺の本堂に念仏講中が会合し、百万遍の大念仏を勤めました。

インタビュアー

御本尊様はまたの名を大腹籠大仏(おおはらごろもだいぶつ)ともいわれ、こちらへのお参りを目的に古来より多くの方が訪れているようですね。

御本尊様は岐阜県随一の大きさを誇る木造物としても有名とあって、地元の方だけでなく広い地域の方々に信仰されていることがわかります。

安産祈願の方法:腹帯への仏印押印

インタビュアー

安産祈願のご利益を得たい場合は、何をすればよいでしょうか。

佐藤さん

安産祈願をご希望の方は本堂で腹帯をお求めいただくか、市販の妊婦帯をご持参ください。

本堂の腹帯は1,000円で購入可能です。腹帯に仏印を押印し本堂にてご祈願を奉修させていただきます

無事出産されましたら、安産のお守りを感謝の気持ちを込めてお寺に納めてください。

インタビュアー

腹帯を持参もしくは購入することで、ご利益を受けることができるのですね。

こちらでの安産祈願後に念願叶ってお子さんが産まれた際には、再び家族で訪れるというのも素敵ですね。

年間1万人が訪れる人気の安産祈願スポット

インタビュアー

安産を願って参拝される方は、どのくらいいらっしゃいますか?

佐藤さん

戌の日には、岐阜県内だけでなく愛知県や三重県・静岡県といった東海各県や、遠くは東京や大阪から訪れる方もいます

年間1万人以上の方が参拝にお越しになっています。

インタビュアー

地元だけでなく各地から訪れる方がいるとは、全国でも有数の安産祈願スポットであることが伝わってきますね。

安産祈願の最適なタイミング

インタビュアー

安産祈願はいつ行うのが適切でしょうか。

佐藤さん

正式には妊娠5ヶ月目を迎えた最初の戌の日です。

しかし仕事の都合などもございますので、前後の日曜日や大安の日などにもお参りご祈願される方もいらっしゃいます

インタビュアー

多産でお産が軽いという犬にちなんで、戌の日に安産祈願をされる方が多いそうですね。

お仕事をされている方も多いでしょうから、都合が合わない場合は当日でなくてもよいのも嬉しいです。

また、妊婦さんですので体調面を考慮するのも大切ですよね。

安産祈願の初穂料と代理参拝について

インタビュアー

安産祈願の祈願料について教えてください。

佐藤さん

祈願料は5,000円です。

インタビュアー

祈願料は感謝の気持ちとして納めたいですね。

ちなみに、妊娠しているパートナーや友人のために参拝してもご利益を授かることはできますか?

佐藤さん

妊娠しているパートナーや友人、親御さんなどもお参りできます。

インタビュアー

妊婦さんやパートナーはもちろん、その周りでお産を見守る方もお参りができるというのはいいですね。

安産祈願のお守りと腹帯

インタビュアー

安産のご利益があると言われているスポットやお守りなどを教えてください。

佐藤さん

  • 安産の御守
  • 安産のローソク
  • 安産腹帯(晒)

こちらをご用意しております。

安産のスポットとしてはやはり大仏殿の大仏様でしょうか。

インタビュアー

安産祈願で訪れる方は、ぜひお守りや腹帯などを受けたいですね。

また、広い境内には本堂をはじめとして大日堂や弘法堂などさまざまな場所がありますが、大仏様へのお参りも忘れずに行いたいですね。

安産のお守りの活用方法と返納

岐阜県関市にある関善光寺(宗休寺)の御本尊様

インタビュアー

安産のお守りはいつも持ち歩いていた方がいいでしょうか?

佐藤さん

こちらで御祈願をさせていただいた御守りは、普段から身近な場所に着けていただけるといいですよ。

インタビュアー

お財布やカバンなど、身近な場所に着けて持ち歩くのがいいですね!

お守りを返納する正しい方法についても教えてください。

佐藤さん

無事に出産された後は仏様にご報告ということでお礼参りをお勧めしております。

そのお礼参りの際に御守りを返納していただければと思います

安産祈願後も続く関善光寺(宗休寺)との縁

岐阜県関市にある関善光寺(宗休寺)本堂

インタビュアー

参拝者の方からの報告や感想などはありますか?

佐藤さん

沢山の方々からお礼参りで、うれしいご報告をいただきます。

また、多くの方が安産祈願からお子様の初参り祈願(宮参り)・七五三参りや厄除け祈願と長きにわたりご参拝しているとお話を伺います

インタビュアー

安産祈願やお礼参りののち、家族の行事や節目に何度も訪れる方が多いのですね。

家族の方にとっても、お子さんの成長や家族の絆を振り返ることができるスポットになるのではないでしょうか。

取材して感じる関善光寺(宗休寺)の魅力

多くの方の手助けと共に建立された、関善光寺(宗休寺)さん。

桜や紅葉の名所というだけでなく、県重要文化財や500年前の丈六阿弥陀三尊様など見どころが多く、岐阜に来た際にはぜひ立ち寄りたい場所です。

また、全国でも有数の安産祈願スポットということで、多くの家庭の幸せを見守っていて素敵ですね。

関善光寺(宗休寺)へのアクセスと基本情報

住所 岐阜県関市西日吉町35
電話番号 0575-22-2159
拝観時間 9:00~17:00頃
公式サイト https://www.seki-zenkoji.jp/

関善光寺(宗休寺)周辺のおすすめパワースポット

ここでは、関善光寺と一緒に行きたいパワースポットを2つご紹介します。

自然を満喫できる「各務野自然遺産の森」

岐阜県各務原市の「各務野自然遺産の森」は、関善光寺から車で30分ほどの場所にあります。ここは、山に囲まれた、豊かな自然を感じられる森林公園です。

園内は、秘密の森や発見の森、出会いの森など、複数のエリアに分かれています。森林の中をウォーキングできるコースも用意されており、植物だけでなく野鳥や小動物などを観察しながらお散歩を楽しめるのが特徴です

各務野自然遺産の森には、小川や山を一望できる芝生広場や屋根のついた休憩所など、疲れたらすぐに休める場所が多く、妊婦さんにもおすすめのスポットです。ぜひ安産祈願と併せて、自然のパワーを感じてみてはいかがでしょうか。

公式サイト:https://www.city.kakamigahara.lg.jp/kankobunka/kankou/1002752.html

勝運の神様「手力雄神社」で開運祈願

「手力雄神社」は、関善光寺から車で35分ほどの場所にあります。ここは、織田信長公が戦勝祈願をしたとされる、勝運や開運にご利益のある神社です。

境内には、迫力満点な本殿の2体の龍や神社の起源とされる大きな岩、磐座(いわくら)など、見どころがたくさんあるのが特徴です。また、タブノキや桜の大木もあり、自然も感じられるパワースポットとなっています。

手力雄神社では、さまざまなご祈祷がされており、安産や家内安全にも霊験あらたかです。安産祈願の絵馬やお守りには、可愛らしい犬のデザインがされていますよ。

公式サイト:https://www.tezikarao.org/sp/