青岸寺で美しい枯山水庭園を眺め座禅や写経を楽しむのんびりデート|滋賀県米原市

「日本の良さを再認識できるお寺回りを楽しもう♪」第4弾でご紹介するのは、滋賀県米原市にある「青岸寺」です。

青岸寺は1687年に作庭された「青岸寺庭園」が国指定名勝を受け、他にも「本尊聖観世音菩薩坐像」などの貴重な文化財を保管しています。

青岸寺庭園の、観音さまがお住まいになる世界のイメージが表された庭は、見ているだけで心が洗われるような美しさです。

また寺院内には茶寮「喫茶去」があり、一息つきながらゆったりと庭園を鑑賞することができるという全国でも珍しいお寺です座禅や写経などの体験が用意されていることも魅力。近隣に観光スポットも多いので、お寺と併せてデートプランを立てるのもおすすめです。

今回は、魅力盛りだくさんな青岸寺の住職である永島匡宏さんに、青岸寺の歴史や魅力などについてお話を伺いました。

非日常の空間でゆったりとデートがしたい方や、お寺巡りが好きな方もぜひご覧ください。

青岸寺の歴史や文化財、見どころなど

滋賀県米原市にある青岸寺の門▲滋賀県米原市にある青岸寺の門

井伊直澄公の力により再興され、栄えたお寺

インタビュアー

青岸寺がどのようなお寺か教えてください。

永島さん

1356年から1361年の南北朝延文年間に、近江守護職であった佐々木京極道誉によって建てられた「米泉寺」が前身です。

しかし戦によって1500年代のはじめに焼失してしまいます。

その後、江戸時代に井伊家とともに彦根城にうつった大雲寺三世要津守三和尚によって、1650年に再興されました。その時に「青岸寺」と寺名が変わり、曹洞宗の末派となった経緯があります。

彦根藩第三代藩主であった井伊直澄公も寺の整備に尽力して、青岸寺は栄えていったのです。

インタビュアー

現在の青岸寺の姿に至るまでには、古くからのさまざまな経緯があったのですね!

一度は焼失してしまったものの、再建後にここまでの庭園をつくりあげた青岸寺はとても力強い寺院だと感じます。

多くの歴史上の人物が青岸寺に関わったことを思うと、この地に足を踏み入れるだけで厳かな気持ちになるようです。

国や県の指定文化財があり、歴史が感じられるお寺

滋賀県米原市にある青岸寺の青岸寺庭園▲滋賀県米原市にある青岸寺の青岸寺庭園

インタビュアー

青岸寺の文化財について教えてください。

永島さん

「国指定名勝青岸寺庭園」は青岸寺三世興欣和尚の時代である1687年に作庭された庭園で、様式は回遊式枯山水庭園となっています。

また、県指定文化財である「本尊聖観世音菩薩坐像」は、1376年に京都の仏師堯尊によって造立されたもので、別名「腹籠り観音」と呼ばれます。

これは、その聖観音像のお腹の中に八寸ばかりの観音様が胎嚢されており、安産や子宝にご利益があるといわれているためです。

他にも、米原市の文化財である「十一面観世音菩薩立像」や、鎌倉時代後期に作られた「日下部鳴鶴書」も4点あります。

彦根日下部家の菩提寺との縁で、日下部鳴鶴(くさかべめいかく)の書を青岸寺にて展示しております。

インタビュアー

多くの文化財が名を連ねているので、思わず圧倒されてしまいます。

名勝に指定された青岸寺庭園は言わずと知れた有名スポットですよね。多くの方がこちらを「一目見てみたい」と訪れていることでしょう

また、御本尊である聖観音像が安産や子宝にご利益があると言われているので、ぜひ妊活中のご夫婦もこちらのパワーを肌で感じてほしいです。

そして日下部鳴鶴といえば明治の三筆と呼ばれる近代書道の確立者ですが、そのような方の書を拝見できる機会は貴重ですよね。

書に興味がある方や日本の歴史に触れてみたい方は、ぜひ見てほしいです。

国指定名勝の青岸寺庭園青岸寺が一番の見どころ

滋賀県米原市にある青岸寺の茶寮である喫茶去▲滋賀県米原市にある青岸寺の茶寮である喫茶去

インタビュアー

青岸寺を訪れた際の見どころはどこですか?

永島さん

国指定名勝庭園である青岸寺庭園では、建物の奥にある書院に足を運ぶと赴きのある風情を堪能する事ができますよ

また、寺院内には茶寮「喫茶去」が運営されており、拝観者にのみ珈琲や抹茶、ケーキや季節の甘味などを提供しています

名勝庭園を観賞しながら喫茶をいただけるという、全国でも珍しい寺院です。

インタビュアー

やはり青岸寺に来たからには青岸寺庭園の見学は外せません。青岸寺庭園では、建物の奥にある書院まで進むことで、より風情を感じられるのですね。

さらに、そんな庭園をお茶や甘味で一息つきながら眺めることができるとは…こんなお寺は他にはなかなかないです!

青岸寺デートの楽しみ方

文化財を鑑賞しながら写真を撮るデートがおすすめ

滋賀県米原市にある青岸寺の客殿からの眺め▲滋賀県米原市にある青岸寺の客殿からの眺め

インタビュアー

青岸寺ではどのようなデートができますか?

永島さん

青岸寺はフォトジェニックな場所としても知られています。名勝庭園を観賞しながら、青岸寺特有のロケーションでカップルでまったりと大人な時間を楽しんでいただきたいです。

本尊の「聖観世音菩薩」は安産や子宝にご利益があると言われているので、これから結婚される方や新婚さんのデートとして訪れるのもよいかと思います。

また、有料ではありますが結婚式の前撮りなどでも利用していただけますよ

インタビュアー

季節の彩りを感じられる回遊式と鑑賞式の庭園は、まさに写真映えスポットですよね。写真を撮るだけでなく、カップルで景色を楽しむことで気持ちを共有するのも素敵だと思います。

また、前撮りを計画したり安産の御利益にあやかったりと、結婚後も何度も足を運びたくなる場所ですね!

年一回のライトアップや、年末の除夜の鐘などを楽しんでもよい

インタビュアー

青岸寺で行っている、行事などを教えてください。

永島さん

年に一回、期間限定ライトアップを不定期で行っています。

また、年末には午後11時から除夜の鐘を鳴らしております

インタビュアー

ライトアップは、クラウドファンディングによる支援を受けての開催だったそうで、多くの方が青岸寺を大切に思っているのが伝わる行事だと思います

2019年は、11月下旬から12月中旬まで紅葉のライトアップをされたそうですね。2020年は人数制限を設けて庭園をライトアップしたそうですが、新型コロナウイルス感染症対策への配慮もあり、安心です。

また、除夜の鐘といえばお寺の定番イベントですよね!初詣といえば神社といったイメージの方もいるかもしれませんが、お寺での初詣も趣深いです。

青岸寺では、初詣で甘酒を参拝者に振舞ったり、祈願法要を無料で実施したりと、参拝客への心遣いが感じられます。

写経体験や坐禅会など、実際に参加できる体験行事もある

滋賀県米原市にある青岸寺の結守り体験▲滋賀県米原市にある青岸寺のお守り

インタビュアー

だれでも参加できるような体験行事などはありますか?

永島さん

一例ですが、以下のようなものがあります。

坐禅会 月一回、第一土曜日
午後4時より坐禅体験
写経体験 事前予約にて写経体験

青岸寺ではさまざまことが体験できますので、カップルで来られたら楽しいのではないでしょうか。

坐禅会の開催は通常月に一回ですが、事前予約があれば5名以上から体験を実施いたします。

インタビュアー

坐禅や写経も、心と体を青岸寺の静寂さに委ね、心が清らかになるような素敵な体験だと思います。

季節ごとのお祭りやレジャースポットにも立ち寄れる

滋賀県米原市にある醒井地蔵川の梅花藻▲滋賀県米原市にある醒井地蔵川の梅花藻(出典:米原市公式ウェブサイト

インタビュアー

近くにおすすめの観光地などはありますか?

永島さん

ローザンベリー多和田のイルミネーションや、醒井(さめがい)地蔵川の梅花藻(ばいかも)、天の川ホタル祭りは、カップルで眺めているだけで季節を感じられますよ。

レジャーを楽しみたい方は醒ヶ井養鱒場の釣り場や、グランエレメントでのBBQなどもおすすめです。

グランスノー奥伊吹ではウィンタースポーツを楽しめますし、伊吹山なら自然の中で心地よく過ごせそうです。

インタビュアー

青岸寺のまわりにはたくさんのおすすめスポットがあるんですね!

季節を感じられるロマンチックなデートや、ゆったりと過ごすことにこだわるデートなど、さまざまなプランが思い浮かびます。

一日じゃ楽しみきれないほど魅力的なスポットばかりですので、何日かかけて楽しむのもいいですね!

季節ごとに楽しめる内容も違う

滋賀県米原市にある青岸寺の紅葉の様子▲滋賀県米原市にある青岸寺の紅葉の様子

インタビュアー

デートにおすすめの時期や季節はいつでしょうか?

永島さん

季節ごとに、以下のような楽しみがあります。

12~3月 庭園に雪吊りが施され、比較的人も少ないのでのんびり過ごすことができる
4~7月 樹々が緑葉樹となり美しく映え、庭園にある苔も青々しく映える
8~9月 山寺なので、比較的温度が低い
11~12月下旬 紅葉シーズンとなり、一番人でにぎわう

のんびりと過ごしたい方は、12月から3月頃の比較的人が少ない時期がおすすめです。

大人っぽいデートをイメージされる方は、ぜひ4月から7月頃の美しい緑葉樹をご覧にいらしてください

インタビュアー

秋の紅葉や冬の雪景色、季節を彩る花々など、四季折々の青岸寺を思うと、いつ訪れても魅力的ですね。

そのなかでも、理想のデートのイメージや相手の好みに合ったシーズンに訪れるのがいいですね!

青岸寺を訪れる際に知っておくとよいこと

滋賀県米原市にある青岸寺▲滋賀県米原市にある青岸寺

拝観料は大人300円、子ども100円で、6歳までは無料

インタビュアー

拝観料は必要でしょうか?

永島さん

はい。拝観料は以下のとおりです。

大人 300円
小人(学生) 100円
0歳から6歳 無料

インタビュアー

これだけの歴史に触れることができてこの拝観料とは、とてもリーズナブルですね!小さなお子さんを連れての拝観も、気軽にできそうです。

体験などをしたい場合は、追加料金をチェックしておくことで、当日もスムーズに見学できますね。

拝観は朝9時の早い時間から可能

インタビュアー

拝観時間を教えてください。

永島さん

基本的には9時から17時までですが、冬季は16時までとなっております。

定期 9時から17時まで
冬季 9時から16時まで

インタビュアー

日中に訪れる方が多いと思いますが、ランチを食べたあとに訪れても十分楽しめるほどの拝観時間だと思います。

喫茶をゆったり利用したいと考える方は、時間に余裕をもって訪れるのがよさそうですね。

普段着での参拝OK

滋賀県米原市にある青岸寺に参拝している方の様子▲滋賀県米原市にある青岸寺に参拝している方の様子

インタビュアー

どのような服装で参拝すればよいでしょうか?

永島さん

常識を超えない程度でしたら、ご自由にお越しください。

インタビュアー

普段通りの服装で、気軽に訪れることができますね。

一方で、庭園や喫茶の利用、客殿の見学を想定して、歩き慣れた靴や脱ぎ履きしやすい靴を用意しておくとスマートだと思います。坐禅や祈願法要のときにも、快適に過ごせる服装にしておくのもベターですよね。

青岸寺へのアクセスについて教えてください

インタビュアー

青岸寺へのアクセスについて教えてください。

永島さん

JR米原駅から徒歩7分です。

車でお越しの場合は、彦根インターから15分、米原インターから10分ほどの時間がかかります。駐車場も12台分ほどありますよ。

インタビュアー

駅から歩いて行ける距離なので気軽に訪れることができますね!

また、新型コロナウイルス感染症対策として車で行動する方も多いですが、駐車場があるのも嬉しいポイントです。

青岸寺デートを考えているカップルへのメッセージ

滋賀県米原市にある青岸寺の住職である永島匡宏さん▲滋賀県米原市にある青岸寺の住職である永島匡宏さん

永島さん

青岸寺は喫茶も併設している観光寺院ですので、お気軽にお越しください

また、結婚式の前撮りなども条件があえば受け付けます。お寺がおふたりの良き思い出になりますよう、心より御祈願申し上げます。

青岸寺にてお待ちしております。

インタビュアー

青岸寺で庭園を眺めるだけで、古くからの歴史に浸るのはもちろん、今もなお人々に大切に愛される理由を肌で感じられますね。国の名勝に指定されている青岸寺庭園での前撮りも、他では撮れない最高のロケーションだと思います。

また、さまざまな体験行事や喫茶の運営といった住職の永島さんの柔軟なお心遣いも、青岸寺の魅力ですよね。

カップルのみなさんには、ぜひ青岸寺の歴史に触れながら心と体がリラックスするようなデートをしてほしいです。

本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!

青岸寺の基本情報

住所 〒521-0012
滋賀県米原市米原669
電話番号 0749-52-0463
営業時間 青岸寺:9:00~17:00(冬季のみ16:00まで)
喫茶去:9:00~17:00(LO.16:30)
定休日 青岸寺:火曜・第四月曜日
喫茶去:月・火・第四月曜日
(水曜日はドリンクのみ、不定休あり)
公式サイト http://www.seiganji.org/

「青岸寺」と一緒に行きたいデートスポット

イングリッシュガーデン「ローザンベリー多和田」

「ローザンベリー多和田」は、青岸寺から車で15分ほどの場所にあります。ここは、バラを中心にさまざまな花が咲くイングリッシュガーデンです

13,000㎡の広大な庭は、池を囲んで7つのエリアに分かれています。60種のバラが望めるローズガーデンをはじめ、桜並木やシャガの庭など、美しい花たちを眺めながら散歩することができるのが魅力です。例年秋から冬の期間には、イルミネーションが開催されるので、カップルのデートにおすすめ。

公式サイト:https://www.rb-tawada.com/

珍しい水中花を観賞できる「地蔵川」

「地蔵川」は、青岸寺の最寄り駅のお隣、JR醒ケ井駅から徒歩10分の場所にあります。ここは、水中花である「梅花藻(ばいかも)」を見ることができるスポットです

地蔵川は、古事記や日本書紀にも登場する名水「居醒の清水(いさめのしみず)」から湧き出ています。水の温度は1年中変わらず14度前後で、淡水魚や淡水植物が育つことが特徴です。

水面に広がる梅花藻は、5月頃から咲きはじめ、7月下旬から8月下旬が見頃のピークを迎えます。梅の花のような、白い花が可愛らしいです。カップルで珍しい水中花を観賞するのもおすすめ。

米原市公式ウェブサイト:https://www.city.maibara.lg.jp/soshiki/keizai_kankyo/

アウトドアデートを楽しめる「グランエレメント」

「グランエレメント」は、青岸寺から車で20分ほどの場所にあります。ここは、大自然の中でグランピングを楽しめる施設です。

15棟ある客室は、スライムの形のテントやジャグジーバスつきのヴィラなど、どれも個性的なものばかりです。部屋にはそれぞれウッドデッキがついており、夕食時には料理研究家がプロデュースしたアウトドア料理を堪能できますカヌーやパターゴルフなどのアクティビティも宿泊料金に含まれているので、アクティブなデートを楽しみたいカップルにおすすめ。

公式サイト:https://www.glamp-element.jp/